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2012/07/23

いろいろ忙しくてご無沙汰です。

立て続けに船に乗せてもらい夜の海に繰り出した。

1日目は水族館の前の海へ出て「トウゴロウイワシ」っつー他の水族館にはあまりいないイワシの仲間をアミで掬った。

案内&指導してくれたのは近所のガソリンスタンドのセガレのI君17歳。海に出てほぼ17年。モノゴコロ付いた時には海の上にいた海坊主。船の操縦はI君の親父さんのMさん。

5分でポイントへ。

Mさんの操縦する低速の船の先端に立って、ライトで水面を照らしながら泳いでいるイワシをアミで掬う。時々、超美味の「ワタリガニ」も泳いでいるので、それも掬う。美味いカニなので、次第に目的はカニ方面へと変わってしまう。

波が高く、船は激しく揺れるが、I君は船の先端で足を踏ん張りホイホイと簡単にイワシやサヨリやカニやエイを掬う。変わってもらってボクも先端に立ったが、慣れるまでが大変で、波の揺れにあわせて海へ豪快にダイブしてしまいそうだ。立っている場所は船の先端なので、落ちると船に轢かれる。さらに夜の海中には座布団クラスの巨大エイがウヨウヨいるから、運悪くエイのいる場所に落ちるとエイに刺されるというスリリングな漁だ。

落ちたらオイシイかもしれんが、情けないので再びI君と場所を変わり、船の横っ腹ポジションで地味に掬う。横っ腹ポジションは魚が船に気が付いて逃げてしまうのであまり掬えないのだ。タライに50匹も採れると、水が汚れてくるのでバケツを使って時々タライの中の水を交換する。下を向いての作業なので船酔いする。

130匹くらい捕獲して、急いで水族館へ運んだ。スカイブルーの体の色で、よく見る水族館のイワシとは違って、華奢でカッコイイ。

                                

2日目は、水族館から車で1時間ほどの漁港から、同じく小さな船に乗せてもらって夜の海で底引き網。

案内してくれるのは名古屋の海水魚王Kさん。Kさんの高校時代の親友の名称不明のオヤジが船頭。港から15分ほど沖に出て、ポイントになり、アミを船から引きずり下し海へ投入。10分ほど低速でアミを海底で引きずる。ころあいを見て、船上へ引きずり上げる。機械はなくて人力なので大変。しかも前回と同じように波があるので、波のリズムに乗ってしまうと激しく海に放り出されてしまう。ふんばりウンコの体勢で船上でこらえながらアミを引き上げる。

網の中には見事にドッサリ大量のクラゲと海草の破片ばかりで、魚はほとんど入っていなかった。案内してくれているのが、うさんくさいオヤジ2名なので不安になる。しかし、地元では有名な不良高校出身の番長クラスの地位だったオヤジたちなので、文句は言えない。気分を悪くさせたら海へ投げられてしまう。おとなしく「もう一回いってみましょうか!?」とか「まぁこんなもんですよね!?」などといって次の回のアミに期待する。

が、2回目も大量のクラゲ。魚を採っているのかクラゲを採っているのかわからん状態になる。船上は水揚げされて力なく横たわったちぎれたクラゲだらけで、爆発でも起こしたトコロテン工場のようになってしまった。

5、6回アミを入れて海底をひきずって、結果的にはメバルの子供やタイの子供、ヒトデ、タツノオトシゴなどが採れた。

夜更かしで次の日が辛かったが、水槽は潤ったし、楽しかった。

2012/06/18

ブサカワ、エロカワなどいろいろな「~カワ」というものが蔓延している。ブサカワというのはブサイクカワイイ、エロカワはエロカワイイ、の略だという。

今日、ボクが重い腰を上げて日差しに向かってめんどくせぇなぁと叫びつつ釣ったのは「オイカワ」だ。おいしくないかわの魚だから「オイカワ」なのだろうか。おいてめぇ良く見るとかわいいやつだ、だからオイカワだろうか。そのあたりはよく知らないしあまり興味もない。

展示の水槽にドンコという悪魔化したハゼのような魚を入れたら、どんどん水槽内の他の魚を食ってしまい、展示が寂しくなってしまったので、補充するために市内のN川のポイントに向かった。狙いの魚がオイカワという魚だったってわけさ。

最近、行きつけの熱帯魚屋の店員が同い年ということもあって激しく交わり、盛り上って海外の魚ばかり目を向けていたので、ここらでちょっくら減点怪奇?おぉ、なんだこの変換は!?原点回帰で日本の川の魚を攻めるのだ!

方法としては、とてもシンプルで釣具屋で、一番小さい針を買って、昼に食ったレーズンパンのカケラを鼻くそ大に丸めて針につける。ホイッと川の淵に投げる。釣れる。ウレシイ。楽しい。

ウネウネ多足ゴカイや、ウジムシなどを使う必要なく、パンで簡単に釣れてしまうので簡単というかあっけないというか、とにかくリーズナブルなのですね。竿もいらない。その辺に生えている竹をへし折ってきて使えばOK。子供のザリガニ釣りに毛が生えた程度のレベルである。

                                  

川の魚は、アミを片手に川にズンガズンガ入っていって、川岸の草むらをガサガサやると結構採れるけれど、ハゼ系の底モノの魚が圧倒的に多い。今回の狙いの中層から表層を泳ぐロケットタイプの体型をした魚は、なかなか採れない。川に入っても目があった瞬間に簡単に足の間をすり抜け遠くのほうに逃げてバーカバーカと言ってくるムカツク野郎なのだ。川はヤツラの土俵なのだ。

というわけで今回は釣り。この時期のオイカワは婚姻色といって繁殖期特有のカラフルな色が体に現われ、オスはほっぺに「追い星」というニキビのようなブツブツができる。これはコイの仲間の特徴。

同じ要領でカワムツという魚も釣れる。カワムツのほうが多く釣れる。こちらも繁殖シーズンでキレイな体の色だ。カワムツとオイカワが同居している淵なのだ。カメもいた。ヘビもいた。トカゲもいる。トリもお空で鳴いている。みんないてボクもいる。風が吹く。お日様ランラン。地球に生まれてよかった。

オイカワもカワムツも小さな川で暮らし、いつかアタイらもヤマメやイワナのように有名になって塩焼きになりたいわね、っと思いをはせている雑魚というやつだ。

                          

浅い川なので、魚がパンを食うのが見える。お!うまそ!パクリ!なにっ!しまった!!くそぉ!!無念!!という一連の釣れるまでの基本段階が見えるのだ。

小さいものが多いが、5匹に一度くらい、警戒しつつも近寄ってきて一気にパンに食らいつくボス的サイズのオスも釣れて、こういうのがかかると竹の簡易竿が折れそうになるくらい引っ張られて楽しい。気分はマグロやカジキに挑む松方弘樹だ。カジキじゃなくてオイカワだけど。

でかいやつは釣り上げられると、てめぇ!上から卑怯だぞ!パンなんかで釣り上げやがって!人でなし!!っという目でボクを見つめ、必死にもがいて川へ逃げようとする。ハイハイ、ゴメンナサイネ、アンタは今日から水族館よ、とあしらって針をはずしバケツに放り込む。

でかいのが上がると、川下は警戒するのか、すこし釣れ行きが鈍る。あのパンは要注意だ!むやみに食いついてはいかん!さっきも向かいの家の及川さんのご主人があれに食らいついた途端に謎の失踪をしているんだ。っと水面下では長老株が町の重役たちを集めてガヤガヤ緊急会議をおこない連絡網が回るらしい。

しかし相手はドブ川の雑魚だ。5分もするとまた釣れだす。でかいのが釣れるとまた止まる。すこし休んでパンを入れるとまた釣れる。

                              

1時間ほどで20匹くらい釣れた。うち15分くらいは畑から帰る途中に通りかかった自転車のオバサンの地獄のエンドレス一方的トークに捕まっていたので、都合45分くらいだ。私はアンタのことをよく知っている、よくテレビや地元の広報誌で見るからだ、というわりには、話を聞くと誰かと間違えているような発言が多く、すこし問いただすと畑の会話に話題をすりかえる不思議なオババだった。

 

 

 

 

2012/04/05

某水族館の魚の解説パネル

その1

その2

いっぽう、ウチの解説パネル

魚の解説パネルは、魚名板(ぎょめいばん)といわれていて、どんな水族館にもたいてい水槽の上や横や外枠に貼られている。だいたい、写真、名前、学名、全長、特徴などが書かれている。そして案外、お客さんは熱心に読んでいない。

なぜ読まないか。それはね、読みたくないからだ。

という結論に達し、1年前くらいに我がオロカサに気がついて恥ずかしくなった我々は、自館の全ての水槽の魚名板を引っぺがして、足で踏みつけて、噛み千切って、お寺で供養して、新しく作り変えた。それが上に載せた写真なのね。

多くの水族館は、業者発注のようなカッコイイものだけど、ビンボー水族館のウチはすべて担当スタッフが写真を撮ってパソコンで作る。製作時間15分。自分で作るので秒殺修正や入れ替えが可能なのが強みである。また、解説も小難しい不愉快な専門用語は全て意図的に排除した。

結果、結構人気で、お客さんは全ての水槽で解説を読まなくちゃいられない衝動になってくる。ではどんな風に専門用語を排除して、みんなが読む魚名板が作りあがっていくのか、先日、いい例が起こったので紹介しましょ!

            

~ 最近、実習できている専門学生との会話より ~

実習生:「コバヤシさん、カニが死んだっすけど、名前調べます。図鑑に載ってますか?」

コバヤシさん:「知らん。自分で探せ。そんなの絵合わせだから写真見て似てるヤツ探せばそれだ。」

実習生:「おぉ!マジっすね。見つかりました。イチョウガニです。ドンピシャです。」

コバヤシさん:「正解。特徴は?名前だけ知っても何にもならんぞ。」

実習生:「えっと、ん?第一額角が…、、、何て読むんですかねぇ?特徴書いてあります。イチョウの葉っぱ形をしているからイチョウガニです。」

コバヤシさん:「バカ、オマエ、そんな解説ウンコだ。カニを良く見てみろ。ハサミの先っぽが黒いだろ」

実習生:「あ、マジっすね。これ特徴なんですね。」

コバヤシさん:「違う。オシャレだろ!マニュキアしとる。オス・メスはわかるか?」

実習生:「は?マニュキアっすか?オス・メスは~、、、メスっすね!」

コバヤシさん:「オシャレに気を使う女子高生ギャルカニだ。」

実習生:「マジっすか。あ!でもコバヤシさん、こいつスネ毛が濃いです!」

コバヤシさん:「マジか!?剃り忘れたんだな。まだオシャレに磨きがかかってない高校1年生だな。もっと観察してみろ。」

実習生:「コバヤシさん!ヤバイっす!コイツ、胸毛も生えてますよ!!」

コバヤシさん:「マジか!!それはヤバイなぁ!!オシャレはマニュキアだけか。エステに連れていけ!今すぐエステだ!ビューティークリニックだ。」

実習生:「コバヤシさん、こいつ、まさかメスではないんじゃないっすか?」

コバヤシさん:「もしかしたらオスか?ばーか、ちゃんと見てみろ、メスだぞ(カニのオスメスはお腹側の見た目ですぐわかる)。」

実習生:「コバヤシさん、まさか、コイツ、ニューハーフじゃないですか!?」

コバヤシさん:「おぉ!それだ!そのイチョウガニはニューハーフだ!イチョウガニって名前は、イチョウの葉っぱに形が似ているではなくて、胃腸のほうかもしれんぞ。」

実習生:「こうなったら、ニューハーフで胃腸が弱いカニなのかもしれませんね!」

コバヤシさん:「よし、それで解説パネル作れ。」

実習生:「マジっすか!?」

 

                       

こんな風にして、特徴的なウチの水族館の解説パネルはできあがっていきます。図鑑を見て、図鑑の解説から必要な情報をつまみ出して丸写しの解説は作られることは少ないです。

次回から、そんなウチの水族館で実際、館内で使われている解説パネルをドドドーンと紹介していこうかと思います!

 

2012/04/01

千葉に行った。

地元の観賞魚屋のK村とっつぁんと、観賞用海水魚メーカー大手のレッドシーさんのハカライで幕張メッセでやっていたペット業界のブース式出展祭「ジャパンペットフェア」に招待されたのだ。

「フェア」なんてものに行くのは初めてであった。「ミュージックフェア」、「春のブライダルフェア」、「癒しのまくらお買い得フェア」、「高齢者住宅分譲フェア」など、フェアというとナンだか華やかでワクワクするお祭り雰囲気じゃないか。

にもかかわらず、東京からの京葉線は強風のため頑固として全面停止。電車なんて動かなければ鉄の箱でしかないわい。めんどくさそうな駅員さんに聞いて総武線というやつで大回りして幕張本郷駅からさらにバスに乗ってたどり着いた。みな同じ路線で京葉線回避するので大混雑だ。バスはココゾとばかりに連発発車していて20秒おきに発車するマシンガンのような体制のバスというのを初めて見た。ウチのほうじゃバスは1時間に1本、奇跡的にあるかないかだ。

ジャパンペットフェアっつーのは、初めて来たのだけどどんなものかというと、ペット業界の業者が個々にブースを開いて自社製品の紹介をしているもので、高校や大学の文化祭のような感じに見えた。

普段は自分が使うペットの用品というのは、ペットショップやホームセンターで買うのにたいして、ここでは直接製品を販売している業者の方に話が聞けるので、情報が確か。

観賞魚業界というのは総じてショップ店員がいいかげんなことばかりデマカセで言って、常連客を困らせるというパターンが多く、その度合いは地方に行くほどひどくなる傾向がある。ボクが行っていた地元の店は完全に「知らん」と断言して、店の人よりも、周りの客のほうが様々なことに詳しく、「へ~、そんな器具が新しく出たの!?すげぇじゃん」とか言って、器具用品の情報は主に常連客から仕入れていた。唯一、オレはこの町のパチンコ事情は誰にも負けないぜ、と自負していた。

会場ではサンプル品もたくさん配っているので、フラフラ歩いているといろんなものをたくさんもらえる。

ペット同伴可能なので、そこらを犬を連れたオッサンオバチャンが大量に移動している。フラフラしていたら犬とぶつかって噛み付かれそうだ。

全員が「ウチのワンコは宇宙で一番かわいい」、と思っているから、みんなそれぞれ堂々と歩いている。こいつらは様々なブースで試供品のドックフードをもらって、そこらじゅうで食い歩きしている。デパチカの試食オバサンみたいだ。

レッドシー社で案内してくれたのはK田さん。聞くと、やっぱり自分も家で魚を飼っているそうだ。

ウチの水族館は小さな水槽が多いので、水族館用特注器具でなくとも、家庭用の観賞魚器具で間に合ってしまうので、このレッドシー社の製品を多く使用している。性能が確かで評判がよいメーカーだ。水族館の器具よりもデザインはいいし、性能も勝っているものも多い。実際、最近新しく出来た水族館ではレッドシー社の製品の大型の物を設置して、水換えを少なくする飼育システムを作り上げている。だいぶ儲かったそうな。

照明についていろいろ聞いた。日本ではLEDが主流になりつつあるが、ヨーロッパではT5蛍光管が主流だそうだ。今度、新しく作る当館の水槽にもT5蛍光灯を導入する。

震災後、大きな水槽を家に置く人は衰退して、現在は数十リットルの小型水槽が流行りだそうだ。特にマンションの方などは地震で水槽の水がこぼれると下の階の方に迷惑だし、水槽がひっくり返ったら大変だ。

「ペットフェア」なので、ボクのメインの観賞魚のほかにも、犬猫業界、ウサギモルモットやハムスターの小動物、鳥方面、カメヘビトカゲカメレオンメーカー、カブトムシ業界からスズムシまで、家で飼える生き物メーカーは勢ぞろい。

ガイコクスーパートゲトゲカブト。家に虫かごをたくさん並べて、こういうプロレスラーみたいな風貌のカブトムシを飼っている人もたくさんいるんだなぁ。

さかな君のトークショーや、ワンちゃんの虫歯と歯磨きの問題についての講演などもあった。ヘビやカメレオンやタランチュラ(毒グモ)のブースも盛り上っていて、こーいうのを喜んで飼う人もたくさんいるんだなぁ、と感心する。それこそ地震で逃げたらどーすんだぁ。

自社製品を使って、実際の使用例をディスプレイしているので、魚方面のブースではキレイな水槽が多くあり、犬も足を止めて見とれていた。

試供品や最新カタログもたくさんもらって、荷物が重くなってしまった。

その日は夜、自分の水族館に帰らねばいかんかったので、本当は10時半に付いて、昼飯食ったら退散してサンシャイン水族館か、井の頭自然文化園か、目黒寄生虫博物館に寄ってから帰ろうかと思っていたけど、京葉線が動かんので、着いたのは昼過ぎで、帰りも動かないので、3時に会場を後にしてトンボ帰りで愛知に帰った。おのれ強風め。

水族館よりも、家庭観賞魚飼育者のほうが、自分の魚を殺したくないし、お父さんなんかキレイな水槽を置いて家庭内での市民権を得るためにもよく勉強していていろいろなことを知っている、要求が高いので、水族館エライ、家庭趣味飼育者は下等、ということは全然ない。実際、サンゴの飼育なんか趣味でやってる人たちのほうがはるかにレベルが高い。恥ずかしながら水族館が逆に教わる技術は様々な方面で無数にある。

 

 

2012/02/16

こーみえても、毎日アシカショーをやっている。ナメンナヨ。

とは言うものも、毎日寒くてショーをやるのは大変です。

最近では室内にショースタジアムと称する立派な建物があり、プールもあって快適・安心・品質保証の適温環境で座ってショーが見れる施設もあるけど、たいていの水族館ではショーは外でショーをやる。見るほうも大変だけど、やるほうはもっと大変なんだから。

寒さで手がマヒしてきて、アシカに向かって投げる輪投げの輪のコントロールができなくなる。またく予期せぬ方向に輪が飛んでいってしまい、アシカに (おい、それはいくら何でも取れん) という顔をされることもある。

そんな時はこう言うのだ。

「コラ!今よそ見したでしょ!ちゃんと集中して輪を見てなきゃダメでしょ!」

                                                          

さて、我が水族館は結構昔からアシカショーをやっていて、ボクは4代目のアシカのお兄さんだ。現在7代目までいる。

1代目が引退した後、2代目との間にかなりのブランク期間があり、市の予算が付いて再びアシカ導入、獣舎新築が決まり、そのとき2代目のトレーナーとして名乗り出た、というか指名されたのが現副館長で、多くの人から定評のある今の当館のアシカショーの基礎を作り上げた人で、若い頃静岡の水族館へ単身研修行き、何度も噛み付かれながらショーを構成した。

                                                               

ボクの中で謎なのが

「初代アシカのお兄さんはどんな人でどんなショーをやっていたのか?」

ということであった。資料室へいって半日かけて昔の資料を探しても、アシカに関するものは出てこなくて見つかったのは数枚の写真のみ。謎は深まるばかりである。

こーいうことは博物館に聞こう!と思って、近所の市立博物館のO学芸員さんに情報を頼むと、博物館の収蔵庫から大昔の水族館のパンフレットを探し出してくれて、見せてくれた。水族館の資料庫から見つかった写真とほぼ同じ。おじさんがショーをやっている。

 

 初代アシカショー

 

気になり、ずっと情報を探し、追い求めると少しずつ歴史が見えてきて、

①写真のように、当時としてはかなり珍しくアシカが2頭編成でショーをやっていた。

②アシカショーではなく、「アシカの曲芸」と名乗ってやっていた。

③いいかげんだった。

という情報が得られた。

初代アシカのお兄さん、じゃなかった、アシカのおじさんはKさんで、おぉ、なんとウチから自転車で5分の同じ町内在住ではないか。さっそく当時の「アシカの曲芸」がどんなだったか電話をしてみた。息子さん(といっても、もはや息子もオヤジ)が電話に出た。

「あぁ、ウチのおじいさん?アシカをやってたみたいだねぇ。」

「今いらっしゃいますか?」

「となりのおるよ(いるよ)。」

「かわっていただけますか?」

「ムリだねぇ」

「どうしてですか」

「もぉおじいさん、ボケちゃって話ができんよ」

「…。」

本人から直接、当時の状況を聞くことはできなかった。

その後、唯一当時のショーを鮮明に覚えている!いう人物、前の館長に話を聞く機会があり、驚愕した。

①「曲芸」の開催時間は毎日特に決まっていなく、かわいいお姉さんが来ると、突発的に開始された。

②そのため、エサはあらかじめ用意されていなく凍ったエサのままショーがお姉さんの前で行われ、アシカは凍ったエサをもらいながらショー、じゃなかった曲芸をやった。そのため下痢をよくしていた。「おかしい、アシカが調子が悪い、下痢をする」と、いつもおじさんは悩んでいたそうだ。

③エサの魚やイカをストーブで頻繁に焼いて自分が食べていた。

④おじさんは元々、市役所から派遣されてきた普通の役所の人で、まったくもって本格的な飼育員ではなくて「なぜオレがアシカをやらなきゃいかんのだ!」といつも怒っていたらしい。

⑤ショープールは現在のように整備されていなくて、藻やコケが繁茂していた。当時、種目で「皿回し」をしていて、失敗してプールに皿を落とすと、アシカが自分で拾いに行く。皿を頭に乗せてステージに帰ってくる。プール内に繁茂した藻類がアシカの頭について、頭には皿が載っている。「カッパです」というと大いにウケた。

⑥ステージの壁には「アシカが種目を失敗してもあしからず」という看板が貼ってあった。

⑦洗濯用のゴム手袋を標準装備してショーをやっていた。

⑧よくお客さんをナンパしていた。

などの情報が得られた。

                                                         

当時は大変だったんだなぁ。それに当時は今よりも自由な水族館だったんだなぁ。

                                 

 

2012/02/08

2日間ある全国の水族館飼育員の集結会議。2日目の頭からワタクシの発表が始まる。

ワクワクドキドキして、会場へ行くとやっぱり当然、昨日と同じように水族館の人たちがいっぱいいた。

「へ?全国たわし職人研究会じゃないの?」

と言って、間違えてネジリハチマキで会場に来ている、たわしを作る人というのは一人もいなかった。

                                                            

昨日の夜、一人で誕生日を祝いながら自主練をしたので、準備および対策は万全である!よっしゃ、やったるけん!

ボクの発表内容は、昨日までの生物科学的研究内容とは違い、水族館の解説パネルについてなので、皆様の発表とはジャンルが違い「?」と思われたかもしれないが、しかし逆にそれを狙って「???!!」となるのを楽しもう、と思っていた。

・飼育レベルというのは進歩しているが、その進歩に比べて、それを伝えるお客さんに対する解説パネルのレベルは低く、進化の努力が足りない。

・なぜか?

・ウチの水族館でそれを打開するべく行われた一例とお客さんの顕著な食いつきの変化・効果

などを10枚のスライドで紹介発表した。

前列に座っている、アインシュタインのようなオヤッサンや、フビライ・ハンのようないでたちのオジィ、イワシの一夜干しのような体型と顔をしたオヤジなどのオエライサン軍団から、爆弾砲撃のようなキツイ突っ込み質問が来るかと思いきや、おじさんたちは静かに前を見ており、ときおり隣同士でコチョコチョと小さく話をするだけで、攻撃はなされなかった。そこ!私語はつつしみなさい!!、、、とココロのなかで。。。

フビライ・ハンって何をやった人だったっけ。

質問は1つだけ受けて、時間の関係もあって終わってしまった。勝者・コバヤシ。●水族館重役 - ○コバーシ (決まり手:上手出し投げ) いや、別になにか勝負をしていたわけではない。

そのあと、デカイ魚の輸送とか3題発表があって、午前中に会議が無事終了。面白いのが、終了したときや、会議の休憩の時は、「みなさんたいへんお疲れ様でした」とか言い、途中の話では「みなさんお疲れで大変でしょうが、お聞きください」とか、どーも話しのフシブシで「大変だけど、疲れるけど、がんばろーね」的はげまし言葉がやたら多かった。なんだ、みんなガマンして疲れて会議に参加しておるのか?じゃ、やめればいいのに。

昼飯を食って、会議の場となった下関にある水族館へ移動して、最後はみんなで「施設見学」。

下関「海響館(かいきょうかん)」という水族館だ。立派だ。負けた。 ○海響館 – ●竹島水族館 (決まり手:四の字固め)。

「ふく」の有名な土地なので、水槽にはフグの仲間がわんさか展示されていた。初めてみる外国のフグと目が合い「Oh!Hello~!」とか言った。フグの展示では日本一だ。

最近出来た「ペンギン村」というペンギン展示コーナーが特筆すべき水槽で、お客さんは非常にトキメイテいた。実は、ある動物福祉に関する選考大会で、この「ぺんぎん村」は大賞に輝いている。そして、この水槽さえできなければ我が水族館の応募作品が大賞になっていたのだ!コノヤロ的水槽だったが、いや、実際見てみると「うん、そーだよね、負けたよ」という気持ちになった。かけているお金の額もケタ違いだ。ペンギン村には数億円の建設費をつぎ込んだ壮大なスーパー水槽なのだ。ウチが応募した「アサリの吊るくしエサヤリ」というものは費用総額3000円だ。

海響館は非常に大きくて立派な施設だった。初めのエントランスにウチの水族館が入るのではないか?という規模。下関市と蒲郡市の違いか。頑張ろう蒲郡。頑張らないなら下関海響館とM&Aしよう。

アシカとイルカの共演という変わったショーもあった。アシカがイルカにエサを与えたり、一緒にジャンプしたりしていた。しかし、施設見学と称して全国の水族館の人がドドド!っと押し寄せてきてショーを見ているので、ショーのお姉さんは小学校の授業参観の3000倍くらいのプレッシャーで、ものすごくやりづらそうだった。

お時間ある方、お近くに行かれる方は、ぜひお立ち寄りください。楽しい水族館です!

施設見学を終えて、のぞみで帰る。のぞみの車内ではゴルゴ13を読み、時々寝た。発表も無事終わり、ご褒美にリッチに車内販売のアイスクリームでも食おう!と思ったのだけれど、こーいう時に限って車内販売のオネーサンは、どれだけ待っても現われないのだなぁ。

おしまい。

・凄く好きで、尊敬していた千石正一氏がお亡くなりになられた。テレビを通じて生き物と人の架け橋となり活躍されていた。ご冥福をお祈りいたします。

 

 

2012/02/05

いろいろあったから、前・後編じゃなくて、前・中・後の長編小説なのだ!!次回の芥川賞はもらった。

でもワタクシ、なんだか疲れちゃって、ちょっとメンドウなんだよね。でも、そんなこと言うと、「ホレ!見たことか!いつも最初だけで、だんだんヤッツケ仕事になって文章が投げやりで面白くなくなるんだから!!」と怒られてしまうので、、、エット、どこまで書いたっけか。

                                                           

わたくしは以前から、自分の水族館や水族館界全体に何か新しい半歩、欲を言えば一歩、を踏み出して足跡をつけたいと思い、そのためには同じようなヒトと平和に暮らしていては革命は出来ない!と思い立ち、立ち上がったものの、どうしていいかわからず、また座った。

なるべく必要以上の同業者との交流をさけて、俗に言う「浸かる・漬かる」という無意識なヌルマユに身をゆだねるのを恐れ、同じ半魚人でも熱帯魚屋とか釣り人とか、漁師とかさらに魚とはまったくちがうジャンルの偉人や達人と関わって面白い知識を得て、それを仕事に生かすことを目指していた。(今もだから、いる。か)

同じ水族館の相方のT君もそんな感じだったらしく、だから彼の発想はスゴイし、変態だから気が合う。のかな?違ったらゴメン。キライにならないでね。

これは土佐を脱藩して広く日本や世界を見て様々な人に会い、様々な意見を聞いて、最終的には大政奉還を導いた坂本龍馬な感じじゃないの。ワクワク。まぁ坂本龍馬も敵が多かったから、大変だろうなぁ。

                                                              

しかし、そんなわたくしのささやかな決意に正面衝突して爆破するかのごとく目の前の会場はすべて「水族館の人」でうめつくされていた。あぁ、、、。

見渡す限り水族館関係者。オールスター大水族館。水族館の人祭り。魚大好き。水族館バンザイ。水族館の人だらけ。 「まちがえて来ました。オレ、ラーメン屋の店長です。」 なんて人は一人もいなかった。

全国各地の水族館から 「よし!オレが行く!」 とか、 「センパイ、自分に行かせてクダサイ!!」 とか、 「私にかまわないで、はやく!行って!」 とか、 「必ずや戦地では一撃必殺、祖国のために敵艦をみごと沈めて見せます!ばんざい!」 とか、 「マジでかよぉ、オレやっぱりじゃんけん弱いんだよなぁ、ちくしょう、オレかよぉ」 とか、 「行って来い!そして2度と帰ってくるな!」 とか、様々な思いを抱いて水族館関係者が下関に集結したのだ。それはそれでスゴイよね。

大学の後輩も出席していて会えてホッとしたり、下関には「東京チビッコ会議」で出会ったステキな熱血水族館人たちもいるし、その昔、なぜか台風の日に荒波の海へ船で出て一緒にタチウオを釣った名前も顔も荒波のかなたに忘れかけていた方などにも再会して喜んだり、なーんだ、なかなか楽しいじゃないか。

「は!?アンタ、アインシュタインじゃないの!?」 と思わず叫んでしまいたくなるレベルの見た目のオヤッサンが挨拶で水族館に勤めている人は現在全国で1,000何人か(何百人といったが、覚えていない)おるのだと言っていた。と、思ったけどナァ。忘れた。

                                                          

立派な会場で会議が始まった。今日は20個くらい朝から晩まで研究発表が行われる。ボクの発表は明日だから、今日は黙って来る時の新幹線のオヤジのように無表情無反応で座っていればいい。

そんな、手抜きのボクを見越してか、職場では報告資料を提出しなければいけないので、あまり幽体離脱していても怒られてしまう。それぞれの発表をメモしなければいかん。まぁ適当にだが。

みなさん、真剣に生き物の科学的学術的研究をしておられて、ご苦労様なことだ。中には、そんなことしてどうするのだ?と、それこそ意味不明です、といわれそうな発表もあったけど、そういうのに限って、最先端だ!すばらしい!今後も頑張ってくれ!と盛大な拍手や突っ込んだ質問がかわされる。

この状態、坂本龍馬だったら今頃寝てるかナァ。とか思って、あたりを見渡すと、寝てる人はいなくて、みんな真剣にマジメに聞いている。オレはスゴイところに来てしまったもんだ。

知り合いたちと用意された弁当の昼飯を食って、後半突入。後半もバカなボクには、そうですか、ご苦労様です。という感想しか述べられないレベルの高い研究発表が続いた。みんな凄いもんだナァ。それに研究する時間やお金があることがうらやましい。

どこかのビンボウ水族館なんてボールペン1本買うのにも財政的困難を極めており、アシカショーをしながら、水槽の水換えをするという平行作業をして、ショー中に水を入れて放置していた水槽から水が溢れ大洪水が起こる、とか、息子を風呂に入れなければならんからもぉ帰る、とかいう時間の使い方をしているのに、全国には100以上も水族館があるから、それぞれ立場や境遇が違うんだなぁ、と感心した。

なんとか、ドトウの研究発表が終わった。腹が減ったぜ。メシだ。

フグとクジラ、肉も出た。立食パーティーである。なんと、秋篠宮さまもご出席。お昼から来られて発表をお聞きになっていたのだ。

いただきます、の前にお偉いさんのご挨拶があり、そのときから我々は始まったらダッシュだ、と目をつけていたが、やはり用意されたフグは瞬時に無くなった。しかしクジラもウマイ。ウマイご飯で立食パティー。情報交換会。

そのあと二次会があったけど、ボクは生まれつきお酒が飲めないし、知らない酔っ払いとシラフで絡むことができない小心者だ。何よりも何よりも、明日発表が控えている。練習せねばならん。今日の発表では、重役達からなかり攻撃的な突っ込み質問が出ていたので、あんな質問されたら、わしゃぁかなわん。

ホテルに戻ることにした。なんと、この日はオレ、誕生日だったんだよね。帰り道のミスドでドーナツとスターバックスでラテを買って、ホテルの部屋で寂しく我が誕生日を一人で祝った。チェックインの時、生年月日を書いたので、ホテルの人は、この人、誕生日じゃん!と知ったらしく、部屋のベッドの上に、「お誕生日おめでとうございます」とメッセージが書かれた紙がおいてあった。

目がしらが熱くなった。

うっせーよ!!と叫んでそれをゴミ箱に捨てた。オレの顔も知らず、祝うキモチも少しもないくせに、よけーなことスンナよ。

発表の準備だ。

つづく。

 

 

2012/02/04

年に一回、全国に70ぐらいあるといわれる仲良しこよしグループの水族館の人たちが一同に集まられて集会がおこなわれる。そこでは、日ごろの研究を発表したり、飯を食いながらお互いの親睦を深めたり、開催地にある水族館の団体押しかけ訪問などが、おごそかにおこなわれるのだ。

それに、行け、と言われたので、え~!やだよ~!でも、オモシロそうだから行くぅ~!と言って、ヨタヨタと山口県の下関まで行ってきた。ただ行くだけでは何とももったいないので、発表もした。

会議は2日間だけど遠いので前日入りして3日間。行かねばならんのだ!!っと泣きすがる美女の手をふりほどいて、じゃなかった実際には、あくびするアシカを横目に10時に出発した。

                                                             

 

そのうち下関に着いた。ケツが痛いぜ。しかしアレですね、新幹線からのぞいていると日本の景色つーのはどこまで行っても同じなのですね。会社・家・コンビニ・田んぼ・車。以上5つの繰り返しエンドレスで下関到着。トンネルを抜けると雪国だった、ということはなく、トンネルを抜けても田んぼだった。

一人で遠くまで行くのは久々なので、未来に来た過去の少年のような目で景色を眺めていたが、じきに飽きてしまった。のぞみの車内を見渡すと、同じように飽きちゃった人や、もー何回も乗ってるからね、景色なんぞ見んよ。的な出張オヤジなどが、行儀良く席に座ってそれぞれの時間の流れにひたっておった。なんだかみんな弁当箱の中のおかずのような顔をして、無反応無表情なアホ顔で大阪方面に高速移動している。気持ちが悪くなってきた。オレが一番アホですか。

時折、静寂を破るように申し訳ないですぅ~っと言いながら車内販売のお姉さんが現われるけど、弁当おかず顔達は完全に無表情無反応を決めとおしていた。時折、たくわん的身分のやさしいオジサン(どんなだ!?)が 「あ、じゃ、えっと、ポッキーいくら?」 とか言って挙動不審に買い求めている。車内販売のお姉さんはそんなに可愛くなかったけど、その笑顔を見たら、買ってもらえて良かったねぇ、これで病床のおとっつぁんの薬が買えるねぇ。っと思い幸せな気分になった。いやそんなことない。

                                                            

小倉まで行って、下関に戻った。シモノセキ。シモノセワではない。

駅前に大丸とかいうデパートがあったので、フラフラした。その横のショッピングモールもフラフラ。しかし、もぉすぐ閉店だから出て行け、という。そんなぁ。旅人に冷たいのである。

腹が減ったので晩飯。下関といえばフグだから豪快に食おうと思ったけど、フグセットは2800円したからごめんなさいと謝って、インド料理屋でナンセット1050円。

あのね、一人でインド料理屋に入ってナンを食うというのも勇気が必要だったんだよね。だけど地元じゃなくてヨソの土地だから関係ない。ナンだけにナンでも出来るのだ。地元で一人でナン食ってたら、だれかにバレたらスグに 「こばーしが一人で寂しそうにナンを食っていた」 と言われ、町内放送などを使って朝から瞬く間に市内に広まってしまう。

ナンはまことにもってウマかった。3度のメシよりナンが大好き。これで下関も少し好きになった。

ホテルは駅地下、じゃない駅近のビジネスホテル。2泊で1万ジャスト。ベッドに自殺風に倒れてゴロゴロしたり、行く時に名古屋駅のキオスクで買ったゴルゴ13を読んだりして、時おりゴルゴ的にカーテンを少しだけ開けて、窓から町の様子をうかがったりしていた。そのうち夜中になって寝た。さみしい。ナンだか寝れない。ナンを食ったせいだろうか。

ホテルで一人で寝れないと、この部屋なんかあるんじゃ!?とか思いません?

ますます寝れなくなる。見てはいけないものが出てくるのではないかと思って、コレはいかんパターンだ!っとゴルゴ的態度から急速にゴルゴに狙われたヒト的なオビエ態度になってしまった。相手はプロだ。文字通り必死で寝た。

そのうち朝が来た。寝不足。8時半から受付が始まるので、8時半にホテルを出てキオスクでリポビタンDを飲んで、会場へ向かった。歩いて10分。寒い。

立派な会場で、すでに何十人も全国から集結した水族館の方たちが受付を済ませワラワラ動き回っていたり座っていたりした。同じ職業のヒトが嬉しそうにしかし少し緊張して部屋の中を動き回っているのはナンだか釣りで使うエサの「ゴカイ」が透明プラスチックのタッパのなかで互いにからみ合いウネウネしているようでナンだか気持ちが悪くなった。ナンを食ったからだろうか。

つづく。

 

 

 

 

2012/01/28

久々に予定のないオフで、誰も遊んでくれないので名古屋方面へ逃走した。目的は「サンゴ」。

先日、後輩の三田君が「なかなか良かったですよ!オススメです!」と自信に満ちたオススメ顔で教えてくれた観賞用海水魚のお店へ、自信に満ちた顔で行ってみた。そんな顔で行く必要ないけど。

彼とボクはその昔、「愛知の観賞魚店を踏み倒して勝手に制覇する会」(会員約2名)を立ち上げていたが、今は活動を休止して個別に行きたいときにお店に行っている。三田君は会の事実上解散後もヒソカに活動を続けていたのだ。エライなぁ。

目的はサンゴだけど、それにはちょっとワケがあって実は水面下でサンゴを含む水槽のプロジェクトを企んでいる。まだ秘密で今は、コレだけしかいえないけど、なかなか面白いことです。

サンゴは魚よりも飼育が難しいけれど、バッチリ気合を入れて展示すればその展示効果はヘタな生き物よりも断然高い。

水族館関係で新しいことをする時はボクは、必ず十分な下調べや勉強をすること徹底している。本を何冊も読み、試験的に水槽を稼動させる、ネットで検索しまくって調べる。そして今日のように出来る限り足を使いその場へ足を運ぶ。そぅすれば不安材料は減り、やることに自信が満ちる。失敗は、ない。

学生時代、これくらいの意気込みで勉強していたら、今ボクは政治家か起業家になっていて、金持ちになり、ザギンあたりでシースーをパイイツ食っていただろうになぁ。

                               

                                               

サンゴの飼育や、観賞用のキレイな魚とかに関しては、ボクは正直、水族館のオッサンよりも一般の趣味でやってる方のほうが知識や経験・技術は上だと思いますね。世の雰囲気は、家でやってるやつオタッキー、水族館の人エライ、という感じだけど、全然違う。オタッキーなのは一部の暗い人だけで、大抵のホームアクアリスト(家庭内観賞魚愛好家)は気さくで、愉快で優しくて友達を求めていることが多い。そして時に若干エロい。

                                                              

ナビに任せて1時間ほど車を走らす。サンゴと言えば南国沖縄なので、車内BGMはビギンの島唄ベスト。いーやぁさぁさぁ、はぁーいーやぁ。

名古屋のその店はすごくキレイで石垣島のような水槽が何個もあり、思わず「わぁキレイ」とわめいてしまう。

店内はカラフルでトゲトゲの状態のよいサンゴで溢れていた。

よく、大阪あたりの悪いお兄ちゃんが「てめぇ!ケツの穴から手突っ込んで奥歯ガタガタいわしたろか!!」とか言うけど、「てめぇ!ケツの穴からカラフルなトゲトゲサンゴ突っ込んでグリグリしたろうか!!」というほうが現実味があり限りなく痔になるだろうなぁ、なんて思いながら店内を見てまわった。

店員はヤンキーあがり風な気さくなおとっつぁんで、私は水族館人を隠して素人のフリをしたので質問するとイロイロ親身に教えてくれた。許可を取ってアイフォンで撮影させていただいた。

しっかし、キレイにサンゴが飾られた水槽はキレイだったなぁ。あんなタイプの水槽は水族館にはないパターン。基本は同じだけど水族館とは少し飼い方も違うし、水族館のデカ水槽とは水の量が違って、家庭で楽しむ水槽は水量が少ないので、そのぶん早く水が汚れ安定しづらいので、水族館よりシビアでテクニックがいる。

わが水族館でもサンゴは展示しているが、簡単な種類にとどめており、いわゆるサンゴ礁をイメージするケツの穴突っ込み型のサンゴは設備上、展示飼育できていない。全国の水族館でも少ないし、あっても飼い方やそもそもの展示形態が違うので、今日のお店ほど感動的な水槽はない。キレイなサンゴ水槽は鳥羽水族館は凄かった。

                                                              

                                                            

サンゴは6年前、実は試験的にボクは自宅で本格的にやったことがあった。しかし結論から言うと「金がかかる」。

設備投資にカナリの額。サンゴは生き物だけど、エサは食べず、代わりに金を食うのだ。サンゴは強い光とカルシウムを食って成長し生きているのだ。そのために強い照明器具と電気代、カルシウムの添加が必要。水温を年中キープする装置も必要。ビンボウなボクは玄関を沖縄にする!っと鼻息を荒くして最小限の機材でやっていたが、金がかかりやめた。それでも、なかなかキレイで、玄関においていたので来客や集金に来る近所のオババなどにはウケがよくて、コバヤシさん家には玄関にサンゴがある、と評判で、実家に帰ってきた近所のオッカサンが子供を連れて見に来る、とかもあった。

海中の雰囲気を出すマリンブルーの強い照明でサンゴを照らすので、夜は玄関の窓ガラスから家の外に青い光が大量に漏れる。それを見た近所のババァはコバヤシの家の玄関にUFOが降りたと騒いでいた。

今日は、サンゴを中心に名古屋のほうの4件のお店をハイエナ的に徘徊ハシゴしてきた。お金も使わず勉強になった。そのうち展示に活かしてお客さんを魅了させます。

2012/01/11

年が明けてすぐに今年度 (平成23年4月~平成24年3月) のスタッフ統一目標「入館者16万人を目指す」というのが、簡単に達成されてしまった。

達成されなかったら全員丸ボーズになる!とマスコミやHPで公約として掲げた。

公に公表しないと、ズルイ人たちはモミクチャにして言い訳して会社内部でなかったことにされるから、これは断じて公表した。コレは嫌がられたようだ。ニャハハ。

しかし、こんなに早く達成するとは思わなかったので、なんだか拍子抜けしてしまい、逆につまんない感じなのよね。

最後の最後、年度末でなんとか達成!っていうのがドラマや映画としてはベストなのだが現実なのでそんなことはなかった。また、達成できなくて全員ボーズになったら話題性があってウケてイイのにナァ、とヒトゴトのように思っていたのに残念。

メガトンパワーを注ぎ込んで作った新しい水槽は大当たりして、ソフト面でも改革をしたので入館者は順調に伸び、前年比150パーセントを超える月もあったのだ。16万という数字は決して簡単に達成できる数字ではなかったのです。それと、みんなよほどボーズになりたくなかったようです。

実際、公約を決める時、16万人はゼッタイ無理だ、とバカにされたり、15万ならなんとか…、とか結構言われたけど、強引にボクは16万人に設定して、文句を言われる前に公表してしまった。

ブッチギリで楽勝を目指そう!と自分では言っていたけど、最初はいつもチョット不安だったので、ある程度ボーズを覚悟していた。

最初はみんな本当にボーズにされるのかとか、ムリに決まっている、と思ってそれほどやる気がなかった気配だったが、ボクや戸舘君が何度も口に出して言ったり、新聞記者に言ったりしたので、本格的にアブナイ、と思ったようです。

これは、16万人を目指すため、バックヤード(飼育スペース・展示裏)からお客さん側(館内)に出る扉の全てにこの張り紙を貼っていつもスタッフが目にして意識するようにしたもの。目指せ!って、ただ言うだけと、つねに目に入って意識せざるをえなくするのでは、働き方が変わってくる。

達成できたら100円寿司「スシロー」でお寿司をご馳走するよ、と上司も言ってくれるようになった。だからこれも明記した。

ボクは、入ったばかりの下っ端の時期、チームの悪さを家にある「閻魔帳」に怨念を込めて書き綴っていたので、エラくなった今、このノートを広げて、同じことを繰り返さないようになるべくチームの環境を改善して、みんなノビノビ楽しく仕事できる環境作りをできるだけ進めた。昔はヒドかたものだ。今でも上司にムカついて殴ったカベのあとがバックヤードに残っていたりするし、いつもグチってばかりでクスブッテいた。逆らって村八分にもされた。

新しい水槽というハードな面と、チームの作り直しのソフトな面の融合がチョットできたのが、結果にも現われたんじゃないかな、と思う。これはまだ完全ではないので、もっともっと進めていかねばならん。

たとえ、16万人に達しなくても、目標を掲げない仕事よりも、結果的に入館者は多かっただろうし、16万人にいかなくても、それを目指してみんなが努力できれば、それはそれで良い成果だったと思う。

だから簡単に達成できてしまったのは、頑張ってすごかったけれど、これからのことを考えたら、なんだか失敗だった。いきなり達成して成功してしまったので、戦略的には失敗。2、3回挑んで達成したほうが良かったかな。

目標や目指すものがあれば、意識が違うし、仕事も変わってくる。毎日何も考えずに1日を終わらせてしまい、それが毎日続くのは良くない。しかし、今までのウチの環境はまさにコレだった。

もっと戦略やビジョンや目指すものをしっかり作って、これからも、もっともと進化しなきゃいかんのだ。夢は大きく!

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