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2016/01/16

テーマソングが鳴り響くと同時にスクリーンに映像が流れ、観客はその段階で誰の登場かを察し、会場は一瞬でドカンと沸きます。
テーマソングのイントロを知らなくても大丈夫。スクリーンの映像にはたいてい名前が出てますから。
多くの観客が、思い思いのサインボードを高く掲げます。
レスラーがステージのエントランスから姿を現し、花道に進むと、手を伸ばす観客の手を叩きながら、あるいは憎悪を煽りながらリングに歩を進めます。
リングアナウンサーは、よきタイミングで「Following contest is scheduled for one fall. Introducing first, weighing in at 150 pounds, from Tokyo, Japan, he is the “King of Kinks”, Kinnosuke Kindaichi!!」とコール。
リングに上がったレスラーは、それぞれ独自のキメのポーズ!
ベビーフェイス(善玉役)には大声援が、ヒール(悪役)には大ブーイングが浴びせられます。

……というのが、WWEでの試合開始時の類型です。
昔のような、テーマソングに乗ってレスラーがリングに揃ってからリングアナが順番に紹介する、という流れは、今ではタイトルマッチだけで見られる光景です。
近年では新日本プロレスもWWE方式を取り入れています。

こうしたやり方に変えた理由は知りませんけど、以前に比べて展開がスピーディーになり、ショー全体のテンポが良くなったように感じます。
また、リングに上がってすぐに乱闘という展開になると、昔のやり方だと紹介がすっ飛ばされてしまいますが、今のやり方なら紹介が済んでから乱闘できます。……これは関係ないか。

ところでWWEの会場のアリーナ部分は、テレビがある場合は下図のような形になっています。

arena

この形にすることで、

  • ステージ→花道→リングと、3つの舞台を用意でき、レスラーはそれぞれをうまく使ってアピールが可能
  • ステージとリングの二手に分かれた舌戦の舞台ができる
  • リングアウトのないルールの試合で、この3つの舞台を縦横に使った展開が可能
  • ステージで生演奏し、それに乗って入場できる

など、会場を広く使ったショーができるようになるわけです。

レスラーの入場シーンは、まさにこの3つの舞台をフルに使うことのできる、重要な見せ場です。ここを楽しむのが、プロレス観戦のひとつの楽しみなんですね、これが。
ただし、言い換えるとレスラー表現力の問われるシーン、とも言えます。レスラーの力量を見極めるポイントでもあるわけですね。
ここで観客に期待感を与えられないような人は、ハッキリ言って大したことがない場合が多いですね。悪いけど。

せっかくなので(何が?)、実際の入場をご紹介しましょう。

まずは、この10年以上トップスターの地位を保っているジョン・シナの入場から。
子供や女性ファンに圧倒的人気ですが、若い男性のマニア層を中心にアンチも多く、声援とブーイングが拮抗するのが彼の入場の特徴です。賛否両論もまた、トップの証と言えるでしょう。

そのシナも、レッスルマニアのような大舞台では、こんなマーチングバンドで入場したりと、更に盛り上げる工夫を怠りません。

変わったところで、自分でラップしながら入場するR・トゥルース
場内盛り上げに長けたレスラーですが、クスリの前科があるので、来日するには法務大臣の許可が必要です。
手続きがエライ勢いでたいへんだそうで、呼び屋さんがそうまでするのはミック・ジャガーやポール・マッカートニー級の大物だけでしょうから、恐らく彼は日本には永久に来ないでしょう……

変わったところでは、双子のタッグチーム、ウーソズも盛り上がります。
かつてのWWEスーパースター、リキシの息子たちです。
サモア人の彼らは、伝統の“シヴァタウ”を踊るのですが、どんなデッカイ会場でも地声で叫びます。
78,000人以上の観客が入ったサンライフ・スタジアムでちゃんと聞こえたのには驚かされました。
続いてコール&レスポンス→炎のエフェクトと、かなり要素が盛りだくさんですね。

ディーバ(女子)からは、双子つながりでベラ・ツインズ。よく見るとすげえコスチュームですね……

ヒールからは、まずワイアット・ファミリーを。
ブレイ・ワイアットを“家長”とするカルト・ファミリーという設定で、山奥に隠れ住む得体の知れない大男の集団キャラですから、不気味さを強調する入場シーンですね。ブレイの意味不明な長尺の演説も定番の見せ場です。
入場時に観客がスマホのライトをつけるのがお約束。電気式のランタンを、息を吹きかけると同時にスイッチを押して消すのがご愛嬌です。

またヒールからボー・ダラスを。
実は、上の動画のブレイ・ワイアットの弟ですが、ストーリー上では一切からみがありません。
いわば“意識高い系ヒール”で、自己啓発的な演説を行っては観客からうざがられ、ブーイングを浴びます。
彼のおかげで、「アメリカでも、自己啓発系ってうざいと思われてるんだなあ」と学べましたよ。

また変わったところで、自撮り棒の映像を画面に出しながら入場するタイラー・ブリーズ
NXT(ザックリ言うと、WWEの二軍です)から昇格、進境著しいナルシストキャラのヒールです。
ディーバのサマー・レイを伴って登場します。

最近は花火(WWEの場合、なぜか日本のファンも“パイロ”といいます)を使う入場は減ってきていますが、大舞台ともなると、花火をバンバン打ち上げます。レッスルマニアだけで数千万円分の花火を使うとか。
下の動画は、花火を使った入場のトップ10ビデオです。

さて最後に、大舞台中の大舞台、レッスルマニアでの入場シーンのトップ10です。
スケール感が違いますねえ……

どうですか、お客さん!

今回はひたすら入場だけご紹介しました。
人間関係でも第一印象が大事だし、映画でも冒頭のシーンは重要です。音楽もイントロの影響は大きいですし、小節だって評論だってプレゼンだって、出だしは本当に重要です。
それはプロレスでもまったく同じなんですね。

ところがですね、実は、錦之介認定の“究極のプロレスラー”の入場は、ラスト2本の一部に、ちょろっと入っているだけなんです。

果たして、それは誰なのか。
次回のお楽しみとさせてください。

2016/01/16 11:17 | 見方 | No Comments

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