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2017/04/27

「イノキ! イノキ!」という“猪木コール”は、プロレスに興味のない方もご存知でしょう。
応援するレスラーの名前を連呼するのは、洋の東西を問わず定番の応援で、どの国でも見られる形です。

日本の“コール”に対して、英語(アメリカだけ?)は“チャント”と言います。

chant
 1 〈人が〉〈スローガンなど〉を一斉に唱える, 同じ調子で繰り返す, シュプレヒコールする;
 2 …を歌う; 〈聖歌〉を詠唱する; 〈お経など〉を唱える; (歌で)…を賛美する
 ※Macのプリインストール辞書より

という言葉を使うところからもわかるように、アメリカのチャントは必ずしも個人名の連呼ではありません(詳細はこちらをご参照ください)が、今回はあくまで“レスラーの名前を連呼する応援”に絞ってお話しして参ります。

 

日本の“コール”は必ず“4拍子四分休符終わり

冒頭のイノキコールを、ちょっとリズム譜にしてみましょう。

イノキコール

このように、四分音符3つで四分休符で終わります。
3音の「イノキ」は、こうして4拍子になるわけですが、では、音数が異なるレスラーはどうなるのか。

例えば、猪木の終生のライバル、ジャイアント馬場さん。音数は2つです。
この場合、
馬場コール
のように、頭が二分音符になり、終わりはあくまで四分休符です。

では4音の場合。新日本プロレス復興の立役者、棚橋弘至は……
棚橋コール
という感じで、2拍目が三連のリズムで2つに分かれるのです。

5音の場合……誰かいたかな? 思いつかないので、適当に。
“勅使河原”さんへのコールは、こうなります。

前半の拍を分解するわけですな。

佐村河内さんみたいな6音の人はどうなるのか……例がパッと浮かばないので、実験のため、誰かあの人をプロレス転向させてください。

そして、外国人レスラーの場合。
日本のファンは、あくまでカタカナ表記を上記の法則に当てはめてコールします。
ハルク・ホーガンの場合、
ホーガンコール
こうなります。
「ホーガン」という音は「Hogan」の発音と近いのでさほど問題はないのですが、例えば故ブルーザー・ブロディなんかだと、

となります。でも、「Brody」という名前は「Bro」と「dy」の2音節なので、「Bu」「ro」「di」と発音される「ブロディコール」は、誰かに教わるまで自分のことだとわからなかったんじゃないかな……

PAC(2017/4/26現在のWWEクルーザー級王者ネヴィル)もそうですね。

おわかりのように「PAC」で1音節ですから、「PA」「K」「KU」とか言われても、何のこっちゃ?だったのではないかと。

とにかく、日本の“コール”の場合、100%四分休符終わりなのです!

 

アメリカのチャントのバリエーション

暗黙のうちに確立したルールに従う日本のコールと違い、アメリカのチャントはある程度の法則がありつつ、チャランポランな感じです。
たとえば、前項に出たハルク・ホーガンは
Hogan chant
このように、2拍子で休符なしです。

サモア・ジョーの場合、Joeは1音節なので、2拍子休符あり。
Samoa Joe chant

日本式と同じリズムのチャントもあります。CMパンクがそのパターンです。
CM Punk chant
クリス・ジェリコも同じリズムですが、彼の場合はニックネームである「Y2J」の連呼です。
Y2J chant

そして、日本にはないパターンとして、1小節でチャントして、1小節で手拍子するパターンがあります。

名前が短い場合、ジョン・シナの応援「Let’s go Cena」のように、Let’s goがつく場合も多いです。
Let's go Cena
が、シナはコアな男性ファンに嫌われる傾向がありますので、実際にはほとんどこうなります
Let's go Cena, Cena sucks

で、この手拍子1小節パターンは、なぜか2音階のメロディがつくケースもあります。
アンダーテイカーや
undertaker chant
ダニエル・ブライアンが典型例です。
Daniel Bryan chant
中邑真輔へのチャントもまさにこれ。
nakamura chant
「This is awesome」(こりゃすごい)なんてチャントをする際も、たいていこのメロディです。
this is awesome

最後に特殊なケースのご紹介です。
人気タッグチーム「New Day」の場合、モータウンのベードラみたいなリズムで「New Day rocks」と連呼します。悪役の頃は「New Day sucks」でしたけど。
New Day rocks

そして、デビュー以来無敗の日本の誇り、無敵のNXT女子王者アスカ! 最初の登場で、誰かが歌い出した3音階メロディが全米に波及しています。
Asuka's gonna kill you
Asuka’s gonna kill you
凄いですよね。「アスカはお前を殺すよ〜♩」ですから!

というわけで、プロレスをご覧になる際には客席の声にも耳を傾けると、ひときわ楽しめますぜ。

2017/04/27 09:50 | プロレス英語, 見方 | No Comments

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