2010/10/29

 前回まではちょっとUSTREAMなどの話しが多かったので、今回はイベントの空間をデザインする事について書いてみたいと思います。

 イベントの空間をデザインするのは、そのイベントのプロデューサーです。(ここは言い切ります。)

 しかし、その空間をデザインした事で、出来る事出来ない事をテクニカルスタッフを交えオールセクションでミーティングをする訳です。 そこで、物理的に出来ない事なのかそれとも予算的に出来ない事なのかを取捨択一して、全体のイベント空間を演出プロデュースしていく訳です。

 自分は音響というテクニカルセクションの人間ですので、全体のデザインをする事はあまり有りませんが、全体をデザインするという事は、そこにテクニカルのスタッフが居るという事では無く、場所としてどうゆう空間にしたいのかというプロデューサーの腕に掛かっています。

 勿論、テクニカルサイドからも意見を上げる場合も多いですが、大概の現場の場合は図面を頂いて、そこにテクニカルセクションのプランを組み上げて行く訳です。 そうした事を取りまとめてトップクライアントに提案調整する事が如何に難しいのか、実際の現場ではよく体感します。

 善かれと思って作り上げた事でも、意思疎通のちょっとした歯車の違いから実際の現場で出来なかった事など実は多々有る訳です。

 「自分が良いと思う事が、お客様のブランディングに良いとは限らない。」

 これはとても肝に命じているいる事です。

 確かに、こうした方が効率が良いとか、音が良いとか、色々理由は付けられる事が有るとします。

 しかし、お客様のプライオリティーが何処に在るのかという事をキチンと考えて、そこを優先させなけければいけないのです。 「こっちの方が音が良いんだから、そこは押し通さないとダメだよ。」という人も居るでしょう。 自分はそこは引くべきところだと考えています。

 勿論、全体のコンセプトや会場などの見合う形で有れば十分提案する事も可能でしょうが、それが果たして一番お客様の為で有るのかという点で言えば時と場合に寄る訳です。

 日々そこを吐き違えないように、慎重に考慮しながら組んだプランが認められた時ほど嬉しい事は有りません。

 先日、空間をデザインするという点で素敵なものに出会いました。

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 実はこれ、風船で出来たシャンデリアです。

 重量も無く、会場に来てから一つずつの風船を膨らまして組み上げて行く姿を拝見しておりましたが、まさに職人技。

 そして、たまーに作っている最中に風船が割れるといちいちビクっとしてしまいましたが、出来上がりを見てとても素敵な気持ちになりました。

 しかし、このシャンデリアその数時間の本番イベントの後にはすぐに廃棄されてしまうので、ちょっともったいない気がします。でも、家に持って帰るには大きすぎるサイズなのですけどね。

 こうした、現場のコンセプトに見合う造形物や音、照明、それを取りまとめてくれているプロデューサーにはいつも

2010/10/29 09:30 | 音響デザイン | No Comments
2010/10/29

 前回は簡単なUSTREAMの配信方法などの概要について書きましたが、今回は実際の中継現場とUSTREAM配信での違いというか、最近自分自身が現場で体験した内容をふまえて書いてみたいと思います。

 USTREAMは個人が情報や意思を映像付きで発信するというとても簡単な方法です、最近は企業イベントなどでもUSTREAMを活用しようという動きも見られていますが、今までの中継のスタイルもまだまだイベントでも活躍しております。

 先日、又もや映画の舞台挨拶の現場での事ですが、東京を主として大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台などへの中継が行われました。

 この時に感じたのは、今までの中継のスタイルと現在の中継のスタイルがUSTREAMを始めとするブロードキャスティング分野の発達によって、変わりつつ有るという事を身を以て体感した訳です。

 今までは、衛星中継、電話中継などが多く、テレビでも使われていますが携帯のテレビ電話回線を使った中継を例に取ると、これには映像の鮮明さなどの問題点が多く、しかしメリットとしては中継車が居なくても現場から中継出来るという利点も有りました。

 次に衛星中継ですが、これは鮮明な映像とスタジオクオリティーの中継が可能という利点が強いですが、まず衛星を使う事でのコストが高い事、そして中継車が現場近く(イベント会場など)に居なければならないという事がデメリットではないでしょうか。

 では、インターネット回線を使った中継はどうでしょう。

 前回の現場では、NTTの映画館ネットワーク専用回線を使って、東京から全国各地の映画館に配信をして、中継映像、音声共に映画館のスクリーンで見られるという中継を行いました。

 この中継方法の良い部分は、衛生中継などに比べてコストが低い事、そしてクオリティーも配信のエンコード方法によっても違いますが、HD配信も可能となります。 逆にデメリットはというと、NTTの工事が必ず必要という事、専用回線を確保して貰う為に専門の技術者が各所に立ち会う必要が有るという事。

 全ての中継方法でメリットデメリットは有りますが、ブロードキャスト回線を使った中継が現在一番バランスが取れているのではないでしょうか。

 では実際の中継はどうだったかというと、音響チームからは音を、カメラチームからは映像を中継チームに送り、中継チームがNTTチームに中継信号を送るという流れになっていました。

 一つ問題になるのは、これは中継をする場合やUSTREAMでも起る事ですが、映像と音声がズレるという事です。

 ここがズレているとどうしても人は相手の口元を見て言葉を理解する部分も大きいので、ズレた映像を見ていると結構違和感を感じます。 それを中継先で補正する事も可能なのですが、大概の場合は音が先になって映像が少し遅れます。

 この音と映像を合わせる事を、通称「リップシンク」と呼びます。

 ここの部分がイベント中継などでも結構問題になる事が多く、原因は映像のスイッチャー(切り替え機)などの信号が多少遅れる事が原因と考えられていますが、USTREAMでも起る事が多いので、どちらかというと映像の方がデータとしても容量が大きいものになるので、デコーダー作業の際の処理値の差分で起る事ではないでしょうか。

 いずれにしても、こうした中継やUSTREAM配信を行う場合にまず考えておくべき事は、回線が十分な速度が有る場合はクオリティーを求めるのも良いのですが、回線品質などが低い場合には無理に高画質、高音質に拘るのでは無く、多少クオリティーが下がっても途切れないという事が全ての
事項に優先させるべきだと思います。

 勿論、企業イベントなどでの専用回線などが敷設される場合には、その部分は大丈夫なのでしょうが、一般ユーザーの場合はそうも言ってられない状況が有ると思います。

 今回は実際の中継方法の差などについて書きましたが、機会が有ればまた書きたいと思います。

 USTREAMの活用方法など、まだまだ発展途上なので又ご報告出来ると思います。

2010/10/29

 前回は JunkStage Cafe での USTREAM の配信の話しを書きましたが、結構周りからも USTREAM の配信ってどうやんの?って事を聞かれるのですが。 単なる配信方法なら、ここ暫くで様々な配信方法を記載したサイトも増えて来ていますので、音的に良い形でも配信方法はどうしたものかというのを書いてみたいと思います。

 まずは、下のダイアグラムを見て下さい。

 これは前回行った JunkStage Cafe での接続方法です。

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 結構USTREAMを見ていると、どうしてもwebカメラ+マイクと形での放送も少なくないのですが、楽曲演奏など、もし少しでも音を良くしたいので有れば、ミキサーを1台用意すると良いと思います。

 ミキサーもそんなに高いものは必要では無くて、色々なマイクや楽器の音量を調整出来て、多少の音質調整が出来るだけの必要な入力が有るタイプで有れば良い訳です。

 マイクは出来れば出演者全員にピンマイクなどを付けて貰うか、各一人づつにマイクを1本用意をすると会話を取りこぼさないので良いと思います。 又、会場内の音声を全体的にざわつきやお客さんなどの反応を拾いたい場合は、ノイズマイクと通称呼んでいますが会場の音声を拾う専用のマイクを用意すると良いと思います。

 ハード的環境が整ったら、今度は内部ソフトですが。 基本的に、USTREAMで配信をするので有れば、USTREAM Producer というソフトを使います。

 このソフトは無料版と有料の Pro 版が有ります。 個人で配信される場合は無料版だけでも必要十分だとは思いますが、接続カメラの台数制限や配信が質の選択幅などが有りますので、企業配信やもし複数台のカメラを直接接続したい場合は、CamTwist などのソフトを使って接続台数を増やすか、有料版を使うと良いのではないでしょうか。

 ちょっと難しく書いてしまいましたが、ベーシックな接続方法のダイアグラムは以下の感じです。

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 カメラ関係の注意点ですが、高画質(HD)で放送をしようとしても、実は最近のHDカメラの多くは FireWire の端子が無い場合が殆どで、自分でやってる時もそうなのですが、少し前に発売になったFW端子の付いているカメラで放送をしています。

 勿論、USB接続のwebカメラでも放送は可能ですが、出来れば画質も高めたい場合にはDVカメラの使用をお薦めします。 もし、配信用のPCにFW端子が無くUSBしか接続出来ない場合には映像のキャプチャーインターフェイスなどを使うのも良いと思います。

 又、回線に関しては配信用のPCは有線LAN接続が好ましいです。 JunkStage Cafe でも起りましたが、無線接続の場合は何かの拍子に接続が途切れる事や、回線速度に比べてwifiでの接続速度の限度が低い事も有り、品質を下げる要因にもなりかねないからです。

 今回は基本的な配信方法などについて書きましたが、次回ではじゃぁ実際の現場での中継とUSTREAMの違いなどについて書いてみたいと思います。

 

2010/10/29

 もう結構前の話しになってしまっているのが不思議な感じですが、JunkStage Cafe が中目黒で行われた時に USTREAM で配信をしておりまして、ご覧になった方もいらっしゃるとは思いますが、どんな感じでやっていたのかという裏話的な事を書いてみたいと思います。

 今回の JunkStage Cafe では、現地の音響システム及び USTREAM の配信用のセットを持ち込んで本番2日間を行った感じです。

 まず、音響システムですが。

 ギャラリーの合間に行われるイベント用に、マイクを数本、そしてBGM用でCD関係を再生、そして会場への拡声という感じです。 楽器関係も多少有りましたので、楽器用のライン関係機材も多少持ちこんでおりました。

 そしてUSTREAM用での機材ですが、DVカメラ、三脚、配信用のMAC、集音マイク、そして会場でのPA音声を配信する為に、オーディオインターフェイスなども持ち込んでいました。

 実際、当日の配信状況としては、Mobile Wifi が結構途切れるという事態が起っておりまして、何とか後半は復旧させる事が出来ました。 原因は、やはり会場内での電波状況が悪い事と、会場のすぐ裏手に結構強力な電波塔が立っていた事が原因かと思います。

 今回の配信は、JunkStage Radio のアカウントを使用して配信をしておりました。

 実は、生演奏の部分の配信で楽しみにして頂いていた方には申し訳無かったのですが、イベント時点でUSTREAM上での著作権法遵守という観点からも敢えて放送をしていなかった部分が有りました。

 演奏自体が全てオリジナルで有れば放送も可能だったのですが、演奏の曲順などでカバーとオリジナルが混在している状況だった事と、全体のイベント自体の包括的著作権申請が、実際に放送となると内容的に変わって来てしまうという事も有り、JunkStage Radioという公式アカウントを使用している事も有り、残念ながら放送を控えたという事でした。

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 イベントの内容としては、ギャラリーがメインという形態で有りながらもトークショーやミニライブ、そして何よりも立地的に川沿いの心地の良い空間がゆるーい流れの時間を生み出していたのでは無いでしょうか。 それが配信を通じて少しでも視聴者の方に届いたなら幸せです。

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 昨今のイベント事情も考えると、USTREAMを始めとする同時配信の重要性はこれからもどんどんニーズが高まって行くのだと思います。 そんな中で、今回 JunkStage として、その流れを作って行くための初めての試みでしたが、今後もこうして外からお届け出来る形が出来れば良いなと考えています。 

2010/10/28

 先日普段から使っているmacbook(黒)がとうとう引退となりました。原因は、あのボリカーボネート?のボディーの歪みから来るハード的不具合、そう考えると今のmacbook pro の筐体がアルミに変更になったのもかなり納得が行く感じです。

 かれこれ4年近く使って来たので、まぁ納得な時期と言えば納得な時期ですが、CDがたまーに排出されない、クーリングのファンがカリカリ言い出す。

 かなり酷使してきたので、仕方が無いのです。

 取りあえずここ暫くは iPad でお茶を濁して居たのですが、やはり文章作成やファイルの保存環境など iPad にはなりの良さが有るとはいえ、まだまだ図面などの作成が出来る訳でも無く、仕事で使うにはちょっとパワー不足は否めないので、次期macを検討しておりました。

 そんな折に MacBook Air が発売となったので、まぁ見てみるかという事で Apple Store 銀座へ。 店を出る時にはあの淡い白の袋をぶら下げて居たのはお約束という事で、買って参りました。 それにしても、最近の macはというかPC製品全般に言える事かもしれませんが、安くなったなと。

 柏が一番最初に買ったのは、mac の LCシリーズというかなり昔に出ていた機種なのですが、モニターやキーボード、本体、メモリー、など色々とひっくるめて50~60万使った記憶が有ります。

 以前は音の編集やmidiの打ち込みはmac全盛だったので、仕事で使う以上はどうしてもmacでないと出来ない事が多かったのです。 今はしておりませんが、若い頃にはカラオケのmidiデータ作りのお仕事も一時期しておりましたので、原曲を聞いてmidiで全て打ち込んで行くという作業もしておりました。

 今はwinでもmacでも音のお仕事は出来るようになりましたが、やはり使い慣れたmacのGUI環境からは離れる事が出来ず、win機も他社様とのファイルのやり取り専用で事務所に有るには有るのですが、まぁまず必要が無ければ使いません。

 結局は使い手の使い心地というか、適材適所だと思うので自分のやっている内容にはmacの方がしっくりくる訳です。

 只、相も変わらずwin とのファイルのやり取りやoffice書類などのレイアウトの崩れなど問題もまだまだ有る訳ですが、関係他社様を見回してみるとmac率もかなり高いので、いわゆる一般企業様とのやり取り以外ではあまり問題にはなってません。

 よく「mac信者」と揶揄されますが、そこはそれ必要だから使うというスタンスには替わりが無いのです。

 只、お取引先の状況に合わせて柔軟に対応出来る自社環境の構築が結構重要だという事も付け加えておきます。

 新しい、MacBook Air は軽くてかなり快適です。

 と、書くと「mac信者は。。。」と又言われるんでしょうね。

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2010/10/27

 急に寒くなって来ていますが、皆様風邪などひいておりませんか? 去年と同じくこの時期は忙殺されております。 去年は缶を握りつぶしてお茶を濁した事もありましたが、今年はそうも言ってられないので、ちゃんと書こうと思います。

 つい先日、舞台公演「響噪 - Hibiki No Sou 」が行われました。

 http://apoc-theater.net/?m=20101024&cat=3

 会場は千歳船橋のAPOCシアターという会場で行われたのですが、ここが良い感じなのです。

 1Fはオーガニック系のカフェになっていて、カフェから2Fに昇る階段を上って行くと、そこには全面黒で統一された小劇場が姿を現すのです。 あまりにも、1Fと2Fのギャップが有って、最初に上がった時はびっくりしましたが、音響、照明システムも充実していてかなり素敵な小屋でした。

 肝心の今回の舞台ですが、ダンサーが2名、トランペット+歌が1名、演奏家が2名の構成でいわゆる舞台を作らずにお客さんが周りを取り囲む形でのセンターステージ状態で行われました。

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 それに合わせて、音は天井の高い空間を生かすためにスピーカーをお得意の?高所作業で吊り込んで会場全体を包み込むような形で設置調整をしました。

 勿論、お客さんの居るゼロレベルの所にも低音を強調して、さらに吊ってあるスピーカーでは届かない部分へのフォローとして、2本ほど設置をしてみました。

 結果としては、中々普段出きないような舞台に仕上がったと自負しております。

 今回の舞台の為に、事前にうちの事務所に主催のダンサーと演奏家に来て頂き、綿密に空間の打ち合わせを行った結果がキチンと出ていたなと感じる舞台でした。

 又、照明家のデザイナーの方もとても素敵な方で、会場内に裸電球を吊り込んで一般照明とのバランスなどを素敵に空間を演出してらっしゃいました。 敢えての、スモークが濃い会場内はある種完全に別次元の世界観を見いだしていたのでは無いでしょうか?

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 商業ベースの舞台とは違う、自分達が表現をする為の舞台という古くも新しい形での公演は自分達の気持ちや表現したい事をお客さんに伝える最良の手段かもしれません。

 徐々にでは有りますが、このような形での舞台が増えて行く事を期待しつつ、普段の業務と音をデザインして行く事への挑戦はまだ続いています。

2010/10/27 04:57 | 音響デザイン | No Comments
2010/10/05

 秋が音も無く、雨が降る度に深まって行く日々ですね。

 今回は音の制作、楽曲の編集や制作について書きたいと思います。

 かれこれもう何年になるのでしょうか、こうして楽曲を編集するという事をし始めてから。

 劇団の音源制作に始まり、テレビ番組、CM、イベント音源、etc… 様々な音を編集してきました。

 いつの頃からか、ダンサーの音源を編集するようになり、その中でもコンテンポラリーダンスに対して自分の意識が向き始めたのはもう10年以上前の事です。

 与えられたテーマに対する楽曲が数曲有って、それらを指示の有った分数にピッタリと仕上げる。 場合によっては必要な効果音を乗せる。そんな事をしてきました。

 しかし、ここ暫くコンテンポラリーダンサーとのコラボレーションとしての楽曲を制作するという事、自分が楽曲を作る、ダンサーが使いたい曲と自分の音を紡ぎ出す、そんな作業が多くなっています。

 そして今回、舞踏家、振付家として活躍中の 原田みのる との楽曲編集、楽曲制作として彼の公演の音を一緒に創り上げるという事が進行中です。

 彼の持ち寄った音、そして自分が感じる彼の踊りの呼吸と自分が創り上げる音、その相乗効果によってどんな舞台に、そして踊りになっていくのか、自分の音の世界と彼の踊りの世界が一緒になった時にいったいどんな世界が生み出されるのか。

 最初に楽曲を作り出す為に打ち合わせと仮編集をした時に、彼はその場で今回の踊りに対する「コンセプト」「想い」を言葉とそしてその場で踊る事によって表現をし、自分は彼の踊りに音を被せて行き、お互いが悪い言い方をすれば「殴り合い」のような妥協の無い本気のぶつかり合いが有って生まれた「曲」がそこに有りました。

 そして、自分の投げた「曲」という「欠片」に彼が「踊り」という「全」を生み出してくれた事、そしてそれが公演という形で「人」に届くという事、そこで初めて「完成」する「ひとつ」が有るのでは無いかと。

 「無」から生み出す事によって、最終的に「板」の上で完結する、そんな何か自分の内面をさらけ出すような「連鎖」に関わる事はとても自分として嬉しくも有り、何か裸で銃弾の中に飛び込んで行くような気分でもあります。

 そんな舞台公演、DANCE PLATFORM 2010 が、新国立劇場で公演されます。

 公演ちらしはこちらのURLから。

 http://www.nntt.jac.go.jp/dance/pdf/20000353.pdf

 今回は、現場の音響という事では無く、こうした活動も自分は「音響デザイン」というものの一つだと考えています。

 「音」に関わる全ての要素を創り上げてみたい。

 それが出来たらそんな素敵で幸せな事は無いなと。

 道はまだまだ続いているみたいです。

 

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2010/10/05 09:03 | 音響デザイン | No Comments
2010/09/28

 何やら急に寒くなって来ました。 前回の夏真っ盛りの記事から一転という感じですが、久しぶりにちょっとハード面で書いてみたいと思います。

 自分の仕事に欠かせない仕事道具としてミキサーやらスピーカーなどが有りますが、これらは個人所有というよりもやはり大物は法人所有という事が多いので、この仕事に携わる人が全員持っている訳では有りません。

 

 全員必ず使っていて、個々の拘りが関わる物として「ヘッドホン」が有ります。 ヘッドホンはいつ頃からなのか、昔からレコーディングでの「デファクトスタンダード」として、SONY CD-900ST というヘッドホンがスタンダードとして君臨しています。 勿論、個人の好みで使用するヘッドホンは様々です。

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 CD-900は元々某レコーディングスタジオ用として開発されましたが、その音の解像度の良さや分離の良さから「モニタリング用途」として普及していきました。 今でこそ量販店でも取り扱いが有るようですが、元々は一般に向けての販売は無くて専門店でしか取り扱いが無くて手に入れにくいヘッドホンでもありました。

 今は様々な「モニタリング用途」のヘッドホンが出て来ていますので、人それぞれの好みでヘッドホンが選びやすい環境になって来ていますが、やはりデファクトスタンダードで有る事には変わりないという所でしょうか。

 そんなCD-900STですが、自分も様々なヘッドホンを試して来た経緯も有るのですが、やはりこのヘッドホンが一番しっくり来る物の一つで常用しております。下の写真がそれになります。

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 最初の写真とはモノが違いますが、これは某現場で7年程前にその現場の為に数量限定で販売された物なので外装が違いますが、中身は同じです。

 今回やはり年数を使っていると色々とくたびれて来てしまって、片耳から音が途切れるようになってしまいました。 新しいものを試してもみたのですが、やはりこのヘッドホンが一番しっくり来るので修理するのが自分にとっては良いなと。

 元々プロユースなので、修理もしやすい構造になっています。ヘッドホンのスピーカーユニットを開けるとこんな感じです。

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 テスターで断線部分のチェックをすると、ハウジング(ユニットが収まっている部分)でケーブルが抜けないように巻き付けてある部分での断線と解りましたので、その断線部分だけケーブルを切断して、新しく接続し直す事にしました。

 接続にはハンダが使われていますので、まずは元々付いているケーブルを外して被服を剥き直してハンダをし直します。

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 そしてテスターでチェックした後に元通りにユニットを納めて完成です。

 どうしてもCD-900STはこの部分が断線しやすいらしく、実はこれで2度目の断線になります。 普通に使っていればそんなに断線などする事は無いでしょうが、ミキサーの前で仕事をしている時は意外と動き回っているので、ひっかけたりして断線する事もしばしば有るのです。

 新しく買い直すというのも一つの手では有るのですが、この赤いボディーのヘッドホンは流石にもう手に入らないので修理するしか使い続ける方法が無いのも自分としては直しておきたい理由の一つです。

 このヘッドホンは保守パーツが充実しているので、殆どのパーツは1つから専門店で手に入れる事が出来るので、自分で修理する事も可能ですが、この記事は御自身での修理を推奨するものでは有りません。

 そして、リスニング(通常使用)用途で考えると、このヘッドホンよりも「音楽的」に優れたヘッドホンは多数出ていると思いますし、モニタリング用途という限られた用途でも個人の好みが有ると思いますので、今回はあくまでも柏個人としての話しとしてご理解下さい。

2010/09/13

 このコラムを書いているのは JunkStage Cafe のイベントが終了した当日に仕上げを書いております。 今回、会場音響とUSTREAM配信をしておりました。 これに関しては今度書きたいと思います。

 さて、今回はそろそろ終わりを迎えている今年の「猛暑、酷暑」を嫌というほど体感した現場、神奈川県茅ヶ崎のビーチにて茅ヶ崎市と協力してビーチクリーン活動とアーティストによるライブイベント「Endress Summer 2010」が行われました。 柏はその現場の音周りを担当しておりました。

 

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 写真の奥に見えるのがステージです。 何故、嫌というほど感じる。と書いたかというと、一つにあのステージまで写真を取った所よりも後ろの入り口から機材は全て手運びでした(砂浜故に車が入れない。片道200m程度) 搬入時3名(内女子2名)、車から機材搬入だけで2時間(気温35度超)で既に全員汗だく通り超して汗で水浸しです。

 今回は機材メーカーの協賛が入っていたので、メインスピーカーと返し関係のスピーカー類はメーカーさんが持ち込んでくれました。

 バタバタ仕込みをしてステージから海を見ると

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 「海が綺麗だなぁ~、遠くに見えるのは江ノ島だよね」。。。なんて思う暇も無く、リハーサル、すぐに本番です。 流石に暑すぎて熱中症にならないように水分と塩分補給はしっかりしておりましたが、今年の海は本当に暑すぎでした。

 とはいえ、お客さんの盛り上がりが上がる程に裏方スタッフ達もテンションが上がらないはずが無く、会場全体が一つになる感じで盛り上がってました。

 やはり「生」で伝えるというのはとても素敵な事だなと、そしてその音を纏める事を任されている身として引き締まります。

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 今回のイベントの趣旨は「海を綺麗にしよう」がメインテーマでした。

 どうしても、関東近郊の海は汚いというイメージが先行してしまっているような気もしますが、今年行って思った事は「綺麗にする事を心がける人が集まれば<浜>は綺麗になる」という事でした。

 朝から一つだけではなく、隣りの浜にもビーチクリーンのボランティアの方々がゴミを拾いに行く意義やそれに気付いてゴミを拾う一般の方々、素敵なスパイラルが起っていたような気がします。

 

 そして、一番素敵な事はこれだけの人が集まるイベントで終了時に砂浜にゴミ一つ落ちていないという事です。 これはこのイベントを見に来て頂いたお客様に「伝わる」という事を実感した事でした。

 

 どうしてもこうして仕事として海に行くと、泳ぐ訳でも水着になる訳でも無いので「海」と向き合うという事は無いのですが、夜のステージ終了間際に撮ったこの景色を見て「月」「海」「砂浜」、自然を前にして人の思いがこうしてステージを通じて伝わって行くのは本当に素敵な事だなと感じた現場でした。

 

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 この現場のお陰で、人々と自然のパワーをたくさん貰って帰って来れました。

 このイベントで(Tシャツの形に)焼けた肌は暫く戻りそうもありません。

 

2010/09/13 01:53 | 音響デザイン | No Comments
2010/09/01

 久しぶりの更新となってしまいました。 ほぼ2ヶ月ぶりの更新となります。 お待たせしていた方には大変申し訳無いです。

 そんな訳で、無意味にお休みさせて頂いていた訳では無い部分も有るので、それは今度書こうと思ってます。

 さて、間が空きすぎて何が何やらという感じも否めませんが、じゃぁ前回の続きで柏はどうしているかという所でした。

 この数ヶ月、うちにも新人が入ってそろそろ5ヶ月になります。

 徒弟制度として「この人」になら。 と、新人達がじゃぁ実際に思うようになって来ているのか? そして、それはどうなのか? その部分の「実際」に関して。

 当初、当たり前のように右も左も解らないままに不安と期待とを抱いて新しい世界に飛び込んで来た新人達。

 現在は有る程度落ち着いて来たという印象も有ります。 とはいえ、まだまだこれから頑張って行こうという所でも有ります。

 「見せる」そして「やらせる」 という点に於いてとても重用視していると前回も書きました。 自分がやった方が早いからと新人にやらせる事無く自分がやってしまうのは、「見せる」という段階の時点に於いては有効ですが、次の「やらせる」という段階に於いては上に立つスタッフには「守る」という気概が欲しいと思っています。

 確かに新人達には早すぎるという部分も有るかと思いますが、既に柏の所では新人は単独で現場に赴く事も有ります。 簡単なイベント程度ならオペレートもさせています。

 只、その責任はお互いが持つという事です。 新人達は自分の仕事に対して不安を抱えながらも今現在持っている全てをキチンとやり遂げようと努力します。 そこには本人達のモチベーションが生まれてくる訳です。 モチベーションは上から与えるものでは決して無く、本人達がどう捉えて自分達で発揮するかです。

 一方、その新人に仕事を任せている上の連中はその新人を守る為に努力を惜しみません。 ここから実例を交えて書きますが、これが一方的に正しい事では無い事は先に記述しておきます。

 前回身を以て教える。 と書きましたが、以前こんな事が有りました。

 ある現場でケーブルの養生が甘い現場が有り、出演者導線でスニーカーなら大丈夫という程度なのですが、ヒールだと引っかかるかな?という事が有り、新人の居る目の前でそのスタッフは引っかかって転んで見せた訳です。

 確かに口で伝えれば良いと考えるかもしれませんが、あえて転ぶ。その意味をそこで転ぶという事がどんな事で、出演者を守るという事はどんな事かをちゃんと目で体で解ってもらう為には一番解りやすい方法だったりします。

 そして、その危機回避のあり方や養生の重要性を教えて行く訳です。 その結果、その新人はそれ以降養生に関してとても気を使うようになりました。

 言うは易し行うは難し です。

 それを口で伝えてそれっきりだと、又同じ失敗をすると思います。 

 知識で頭でっかちになるのでは無く、実際にその場に於いて体験をする。 その部分に新人教育のあり方の重点を置いています。

 そして、新人に任せている以上、その責任は上に立つ者が負うべきなのです。

 新人が失敗をした時に 使えないな と片付けてしまうのでは、絶対に育つ訳も無くモチベーションを与えるなんて烏滸がましい事でも無く、その新人に何処まで自分のアシスタントとして成長して貰いたいかという事でも有る訳です。

 確かに「成長して貰いたい」は上から目線かもしれませんが、何年もの経験値の差が有れば「この人」に付いて行こうと思って貰う為の努力が上に立つ者には必要ですし、「この人」に付いて行こうと思える人を、守って貰っているという自覚をするのは新人にとって重要な事だと思っています。

 だから、護る事が出来ないなら、新人を駒としてしか見てないなら、「新人教育」など出来る訳も無いです。

 これらは小さい組織だからこそ出来る事なのかと言えば、そうでも無く大きい組織だとしても「人の気持ち」に差は有りません。

 仕事=ビジネス=お金=モチベーション そんな事だけで計算をして仕事をするならば「徒弟関係」などは成立するはずも無く、「お金」では無い何かを求めるからこそ自分達の仕事は成り立っているのだとも感じています。

 結局の所、新人も上に立つ者も「一人の人間」として、お互いの信頼関係を構築出来るかという点が最重要な訳で、仕事という鎖で繋がれた人同士だからこそ同じ土俵の上で同じ方向を向けるはずです。

 「その人」に付いて行こうと思って貰えるだけの何かが無ければ人など離れて行くばかりでしょう。

 「新人教育」とは言いますが、実は自身の魅力や経験値にとても近しい所に有る事を特に新人と向き合う人には感じて欲しいものです。

 次回はちょっとこのネタをお休みして、夏らしい現場の話題を。 海、砂浜でのライブイベントのお話しです。

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