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2010/01/26

 This is it が期間限定で公開され、そして本日のDVDの販売と本当にマイケルは死んでしまったのかと思う程に彼の姿や歌声は街で溢れかえっています。 見た人はお解りになると思うのですが、リハーサルクオリティーの高さに実際の公演が無かった事が悔やまれてなりません。

 音響的に、この規模のコンサートツアーになるとシステムも相当大規模なものになります。 そして、とてもクリエイティブかつ大変なチャレンジだという事はあのリハーサルの端々から伝わっているのでは無いでしょうか。

 これほど裏方達の動きが実際に記録されている映像という事だけでも、興味の有る方にはとても見ていて興味深い内容だなと感じております。

 今回の This is it に関しては賛否両論有るみたいですが、ビジネスとして捉えた時にどうしても今回のドキュメンタリーを公開しなければならなかった経緯が有る訳です。

 昨年の11月に行われた BILLBOARD TOURING CONFERENCE & AWARDS に於いて、コンサートの主催会社 AEG LIVE が今回の公開の経緯に付いて説明を行っていました。

 ロンドンO2アリーナでのライブ~約50公演分のチケットのソールドアウトをした後のマイケルの死という主役の悲劇によって、チケットの払い戻しやリハーサル、各種プロモーションなどに費やした投資分が凍結してしまい、それを補填する為に関係各社及び、遺族などと綿密な協議を行った結果生まれた映画。 それが、今回の This is it だと。

 リハーサルの映像を見ているだけでも、もの凄く予算を掛けてリハーサルを行っている様子が映っているので、それを回収出来ないとなると会社が倒産だけでは済まないであろう事は想像に難しく無いのです。

 ですから、賛否両論有る今回の This is it の売り方ですが、裏方の身として考えるとリハーサルなどを行った(演出監督、音響、映像、照明、特効、サポートアーティスト、ダンサー、などのギャランティー)をちゃんと補填しようとしてくれる主催会社の働きは間違ってはいない部分も有ると感じるのです。

 その一方で、今回の映画。 音が良いと思いませんか?

 実は、今回の映画はリハーサルを担当した音響担当ミキサーさんが、個人的に録音を残しておいたマルチトラック音源(各楽器を別トラックで録音)と、マルチトラックが存在しない物に関しては、メモ録音(ポータブルレコーダーなど)からで有ったり、カメラの音声から今回の映画用に音をチェックしなおして映画用に起こしたとの事です。 これは担当のミキサーさんが詳細を話してくれています。

 ミキサーさんによると、マイケルはほぼ同じリズムで歌う事が出来るので、今回のように別の日の喉の調子が良い部分から声を差し替えたりする作業などが可能だったという事です。

 ですから、今回の映画の音がこれだけ良いのは口パクでも無く、実際にあのリハーサルの空間で全ての楽器、声が録音されたものを再構築(ミックス)する事によってなし得たというのが、記録として残しておいたミキサーさんのお陰な部分も有るなと感じました。

 でも、個人的に録音って聞くと聞こえが悪いようですが。

 

 実は、自分が例えばアーティスト系のお仕事で、バンドなどのミックスをする場合も結構記録として録音はしている事が多いです。 実は音響ミキサーの人はこれは結構普通に行っている記録作業なのです。(勿論、アーティストなどの了解を頂いた後に行う作業ですが。)

 勿論全ての音源をマルチトラックで録音するには Protools などの別途機材が必要になるので時と場合によりますが、なるべく残すようにしています。

 これは絶対に一般には公開出来ないもので有る訳ですが、自分の仕事の記録としてその時(日)の反省点などを振り返ったり、良い部分を見い出したりするには実は大変に役に立つのです。

 そんな様々な事が重なって生まれた This is it 、まだまだ街に流れる彼の声と人々の心にもマイケルは生き続けていくのでしょうね。

 

 


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