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2009/12/16

 ここ数日ひっきりなしに舞台関係者、芸術関係者からメールで、「事業仕分け」の文化庁の予算策定に関する意見を提出してくれと様々な方面に連絡が飛び交っている。

 というのも、此の度の「事業仕分け」に於いて「文化、芸術」に関する助成金がバッサリカットの方向になっているので、その重要性や必要性を文化庁に意見をしようという流れが起こっている。

 確かに「事業仕分け」は法的拘束力は無いのかもしれないが、連日ニュースでも流れているように重要な指針になって行くであろう事が明白で有る訳で、その「事業仕分け」で「文化事業」の見直しがこのような形で進む事に、生業として携わる身として重大な危惧を抱いている訳です。

 文化庁の予算策定に関する内容は多岐に渡るのですが、今回大きく報道されていた内容として、「本物の文化芸術体験事業」の廃止。 そして、「学校への芸術家派遣」もその一部でしょう。これは小学校、中学校を対象としたいわゆる<芸術鑑賞教室>などの予算部分の削減。

 これが無くなるという事は、小中学生が一流の文化芸術の公演に触れる機会というものが教育という現場で出来なくなるという事。

 例えば「大阪フィルハーモニー交響楽団」が小学校の体育館で公演を行った事で有ったり、日本バレエ協会が「くるみ」を7公演、東京シティバレエが「コッペリア」を13公演、聾学校を含んだ小中学校で公演をこの事業で行っています。

 文化・芸術教育は「自己責任」なのでしょうか? 子供達への文化、芸術鑑賞の責任は全て学校側、もしくは親が責を持てというには余りにも安易な気がします。

 そして、舞台関係者などからの話しが多いのが、「助成金の削減・廃止」という内容。

 劇場などで舞台公演を行う際に一定の基準を満たして審査を通った団体に対して国が舞台公演の費用の一部を助成しますよ。というもの。

 これは、演劇に限らず現代舞踊で有ったり、お琴や尺八などの邦楽、様々な文化芸術公演に適用されてきました。

 これが廃止、もしくは削減という事になると国内の舞台芸術文化がどんどん衰退していってしまうのでは無いでしょうか?

 しかも、この内容に関する意見を受けますという文化庁の対応の遅さ、そして期間の短さ。 今月15日で意見聴取も〆切となりました。

 今回様々な内容が「事業仕分け」で話し合われている訳ですが、こうして自分達が関わっている部分が<無駄使い>と判断されるのは、見直して行かなくては行けない部分も確かにあるのだとキチンと考えなくてはいけないなと思うのです。

 しかし、<子供達>への文化事業を廃止、削減するという事は、この国の未来の文化レベルを下げる行為では無いかと、一方で考えてしまいます。

 今回出て来た評価コメントの中で、「国が子供の為だけに事業をすることは必要性に欠ける」というコメントが出て来たそうです。

 これでは情操教育も何も「自己責任」でやれという事なのでしょうか? 日本にも世界に誇れる優れたアーティストは沢山います。 その素晴らしい世界を子供達に伝える事は国の役目では無いのでしょうか?と。

 勿論、助成というものが税金を投じて行われている以上、人々がそれなりに納得のできるスキームで有ったり、結果が必要なのは当然の事で有るかも知れない。

 しかし、全ての事柄を<費用対効果>だけで判断するこの現代社会の風潮にも問題が有る気がしています。

 

 芸術・文化事業というのは目に見える<形>での結果では無く、

 体験した人達の<心>に残す為の事業では無いのかと。

 勿論、これが終わりでは無くスタートだとは思うのです。

 助成が無くなるから、じゃぁ全ての芸術文化事業はダメになるのかというと絶対にそんな事になる訳も無く。

 今回のこの「事業仕分け」を機会に制度や事業自体がもっと良い方向性になって、日本の文化レベルを底上げする位の「芸術家」たちが出て来る事を、切に願わずに居られません。

 未来の芸術家たる<子供達>の為に。

 


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