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そろそろクリスマスですね、街のイルミネーションがここ数年でLED電球ばかりになってしまったのを逆にちょっと寂しく感じてます。 青のLEDや白色LEDも発色も良くて綺麗なのですが、何故か街が冷たく見えませんか? エコや消費電力を考えるとその方が良いのは当然なのでしょうが、白熱電球のイルミネーションの方が暖かみを感じます。
さて、そんな街のイルミネーションとは全くもって関係の無い、季節感の無い話しで申し訳ありません。。。 今回は、「箱馬」を作ろうです。 はて、箱馬とは何ですか? という人の為にちょっと説明を。
箱馬とは、舞台などで使われる重要な小道具です。 平台と呼ばれる板を乗せて、ステージの高さをかさ上げしたり、テレビなどでよく見る「ひな壇」などの土台にもなる様々な用途に使われる箱です。 サイズも色々なタイプが有るのですが、
1尺(303mm)×1尺7寸(515mm)×6寸(181mm)
が一般的な箱馬のサイズで、置き方によって高さを変えられます。(ちなみに、尺とは尺貫法の単位の一つで、寸も同様です。)
現場では美術さんや施行さんの持込みであったり、舞台ではホールの備品として備わっていますので音響が持ち歩く事は少ないのですが、現場では椅子になったり、はたまた机になったり、スピーカーの設置高を稼いでみたり、持っていると助かる便利グッズなのです。
「音響デザイン」と直接は関係ない部分では有るかもしれませんが、このような備品の充実も自分達が現場を円滑に進める為に必要な準備事項の一つです。
では、早速作ってみます。 キュー●ー3分(以下自粛)。。。
まずは簡単でも設計図を作り、そして材料をそのサイズ通りに切り出します。 材料は全てホームセンターなどで手に入るものばかりなので、これを見て作りたいと思った人は参考にしてみて下さい(と、書いてみたものの、作りたい人いますかね?) 今回は軽量なタイプでも頑丈さを出したかったので、杉加工材を使用しています。合板の方が強度が上がりますが、重たいのです。。 下の写真が、箱馬1台分の材料になります。
そして切り出しが終わったら組み上げて行くのですが、この時に寸法の通りに切り出しをしていても木材は多少の歪みやねじれなどが有るので、その部分を修正しながら接着部分をボンドで固めながら、釘を打ち付けて行きます。
箱馬は色々な物の土台になる大切な道具ですから、ちょっとしたズレや歪みが危険ですので、丁寧に作り上げて行きます。
組み上がってヤスリを掛けたら、完成なのです。
が。。
勿論ナチュラルな木目のままでも使用用途はいっぱい有りますが、今回は艶消しの黒に塗り上げます。 こうすると、ステージの片隅に有っても目立たない事請け合いです。
必死に塗り上げます(ペンキが垂れても気にしません。ここはダイナミックに塗って行きましょう。)下地処理をちゃんとしてあげると塗装の乗りが良くて、気持ちがよいです。
最後に乾燥させて、目立たない所に作った人のサインとロゴを入れて完成になります。
今回は「箱馬」を作ってみましたが、どんな舞台でもコンサートでもこのような小さい道具一つから人の手で作り上げられています。
普段、人の目に触れない道具でも愛着をもって作っていると、現場に出して、例えボロボロになってしまったとしても、その傷一つ一つに愛着を持って大事にしていけるんです。
確かに最近は何でもインターネットでお金を出して買える時代ですよね。 しかし、安易に買えば良いというのでは無くて自分達で作れる物は作った方が、より愛着が湧いて大事に出来ると思いませんか?