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2009/07/01

7月になってしまいました。どんどん暑くなって来ておりますが、皆様如何がお過ごしでしょうか? 柏は比較的クーラーが苦手なので、汗ダクな現場ほど気持ち良く感じてしまいます。

 今回は、何で「クラシックコンサート」なのか。そして、音響は必要じゃ無いんじゃないの? という人もいらっしゃると思いますが、実は最近の「クラシックコンサート」では<高度な音響>が求められています。

 弦楽器の音などのクラシック楽器の演奏者の方々は特に、音響を通したく無い。と頑に拒まれる方も少なくありません。 しかし、コンサート会場の肥大化、そしてクラシック音楽の多様化など、ここ数年のクラシック音楽ブームのお陰で<反響版>と呼ばれるホールの舞台の音をそのまま会場に音を拡げる装置だけではカバー出来なくなって来ました。

 そこでやはり「音響」の出番になります。

 しかし。

 クラシック愛好者の方々などにも「音響」を通したコンサートは比較的敬遠されがちなのでは無いかと思います。

 それは、「楽器のありのままの音を愉しみたい」という要望に「音響」を通した音をそのままの音として認めて頂くのには難しい状況が有ります。 やはりマイクが見える、スピーカーが会場に設置されているなどなど。会場にお客様が入られて「あぁ、やっぱりね」と思われてしまうのでは無いでしょうか?

 とはいえ、会場にいらしゃったお客様にきちんと音が届かないのは論外ですので、最近のコンサートでは、目立たないかつ高性能のマイクや、小型で出力も有りナチュラルな音が出るスピーカーなどが使用されていて、違和感の少ないコンサートが行われています。

 例えば、クラシックギターなどのソロ楽器の場合はどうしてもフル編成のオーケストラバックだとどうしても音量が負けてしまいます。

 ですので、演奏者の方によっては、自分の椅子の後ろに自分専用に設計をされたスピーカーを設置して、コンサートをやられている方もいらっしゃいます。

 クラシック専用に設計されたホールなどでは「音響」が必要無い場合が多いですし、やはり生のオーケストラの音というのは音の抑揚(ダイナミックレンジ)も広いですので、スピーカーを通して再現出来るには正直限界が有ります。

 しかし、オーケストラ用では無い一般のホールなどでは、反響版だけでは力不足で有ったり、会場の残響が足りなくなってしまうという場合も有ります。 ですので、その部分を補うという「音場補正」という考え方を中心とした「音響」は有っても良いのでは無いでしょうか?

 最近、YAMAHAさんが開発をしたAFCという「音場補正システム」などは、残響感、音量感、拡がり感などの会場依存の建築音響にまつわる室内の主要な聴感印象を、電気音響の支援により自然に変化させる事が可能になるという技術です。

 この技術を活用する事によって、残響特性の悪い会場をクラシックホールへと変化させる事も可能になります。 実例として、先日とあるミニコンサートのお仕事をさせて頂いたのですが、東京、豊洲のららぽーとという商業複合施設の中に有る映画館、ユナイテッドシネマ豊洲の10番スクリーンにはこの技術が活用されています。

 映画館は残響があってはきちんと映画の音の輪郭が聴こえないので、比較的残響が殆ど起きないように設計されています。 しかし、この会場ではYAMAHAさんの技術を活用する事によって、この会場内でピアノや弦楽器のコンサートを行えるような残響を作り出す事に成功しているのです。これは結構びっくりしました。

 このように、会場を選んでしまう楽器達のコンサートで有ればこそ、「音響」の必要性が出てくる場合も有る訳です。 音楽の様々な多様化により「音響」にも求められる幅が広がって来ています。

 そして、その幅をきちんと理解して<音響のエゴ>にならないように求められている音に誠実に答えて行きたいものです。

 とはいえ。

 クラシックコンサートは生で聴くのが一番ですので、是非自宅でCDやレコードで聴くのでは無く、是非コンサート会場に足を運んで生の迫力を堪能して見て下さい。

 クラシック音楽って敷居が高く見られがちですが、気軽に聴きに行けるコンサートも結構多いですから。

2009/07/01 10:40 | 音響デザイン | No Comments

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