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2010/09/28

 何やら急に寒くなって来ました。 前回の夏真っ盛りの記事から一転という感じですが、久しぶりにちょっとハード面で書いてみたいと思います。

 自分の仕事に欠かせない仕事道具としてミキサーやらスピーカーなどが有りますが、これらは個人所有というよりもやはり大物は法人所有という事が多いので、この仕事に携わる人が全員持っている訳では有りません。

 

 全員必ず使っていて、個々の拘りが関わる物として「ヘッドホン」が有ります。 ヘッドホンはいつ頃からなのか、昔からレコーディングでの「デファクトスタンダード」として、SONY CD-900ST というヘッドホンがスタンダードとして君臨しています。 勿論、個人の好みで使用するヘッドホンは様々です。

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 CD-900は元々某レコーディングスタジオ用として開発されましたが、その音の解像度の良さや分離の良さから「モニタリング用途」として普及していきました。 今でこそ量販店でも取り扱いが有るようですが、元々は一般に向けての販売は無くて専門店でしか取り扱いが無くて手に入れにくいヘッドホンでもありました。

 今は様々な「モニタリング用途」のヘッドホンが出て来ていますので、人それぞれの好みでヘッドホンが選びやすい環境になって来ていますが、やはりデファクトスタンダードで有る事には変わりないという所でしょうか。

 そんなCD-900STですが、自分も様々なヘッドホンを試して来た経緯も有るのですが、やはりこのヘッドホンが一番しっくり来る物の一つで常用しております。下の写真がそれになります。

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 最初の写真とはモノが違いますが、これは某現場で7年程前にその現場の為に数量限定で販売された物なので外装が違いますが、中身は同じです。

 今回やはり年数を使っていると色々とくたびれて来てしまって、片耳から音が途切れるようになってしまいました。 新しいものを試してもみたのですが、やはりこのヘッドホンが一番しっくり来るので修理するのが自分にとっては良いなと。

 元々プロユースなので、修理もしやすい構造になっています。ヘッドホンのスピーカーユニットを開けるとこんな感じです。

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 テスターで断線部分のチェックをすると、ハウジング(ユニットが収まっている部分)でケーブルが抜けないように巻き付けてある部分での断線と解りましたので、その断線部分だけケーブルを切断して、新しく接続し直す事にしました。

 接続にはハンダが使われていますので、まずは元々付いているケーブルを外して被服を剥き直してハンダをし直します。

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 そしてテスターでチェックした後に元通りにユニットを納めて完成です。

 どうしてもCD-900STはこの部分が断線しやすいらしく、実はこれで2度目の断線になります。 普通に使っていればそんなに断線などする事は無いでしょうが、ミキサーの前で仕事をしている時は意外と動き回っているので、ひっかけたりして断線する事もしばしば有るのです。

 新しく買い直すというのも一つの手では有るのですが、この赤いボディーのヘッドホンは流石にもう手に入らないので修理するしか使い続ける方法が無いのも自分としては直しておきたい理由の一つです。

 このヘッドホンは保守パーツが充実しているので、殆どのパーツは1つから専門店で手に入れる事が出来るので、自分で修理する事も可能ですが、この記事は御自身での修理を推奨するものでは有りません。

 そして、リスニング(通常使用)用途で考えると、このヘッドホンよりも「音楽的」に優れたヘッドホンは多数出ていると思いますし、モニタリング用途という限られた用途でも個人の好みが有ると思いますので、今回はあくまでも柏個人としての話しとしてご理解下さい。

2009/12/15

 そろそろクリスマスですね、街のイルミネーションがここ数年でLED電球ばかりになってしまったのを逆にちょっと寂しく感じてます。 青のLEDや白色LEDも発色も良くて綺麗なのですが、何故か街が冷たく見えませんか? エコや消費電力を考えるとその方が良いのは当然なのでしょうが、白熱電球のイルミネーションの方が暖かみを感じます。

 さて、そんな街のイルミネーションとは全くもって関係の無い、季節感の無い話しで申し訳ありません。。。 今回は、「箱馬」を作ろうです。 はて、箱馬とは何ですか? という人の為にちょっと説明を。

 箱馬とは、舞台などで使われる重要な小道具です。 平台と呼ばれる板を乗せて、ステージの高さをかさ上げしたり、テレビなどでよく見る「ひな壇」などの土台にもなる様々な用途に使われる箱です。 サイズも色々なタイプが有るのですが、

 1尺(303mm)×1尺7寸(515mm)×6寸(181mm)

 が一般的な箱馬のサイズで、置き方によって高さを変えられます。(ちなみに、尺とは尺貫法の単位の一つで、寸も同様です。)  

 現場では美術さんや施行さんの持込みであったり、舞台ではホールの備品として備わっていますので音響が持ち歩く事は少ないのですが、現場では椅子になったり、はたまた机になったり、スピーカーの設置高を稼いでみたり、持っていると助かる便利グッズなのです。

 「音響デザイン」と直接は関係ない部分では有るかもしれませんが、このような備品の充実も自分達が現場を円滑に進める為に必要な準備事項の一つです。

 

 では、早速作ってみます。 キュー●ー3分(以下自粛)。。。

 まずは簡単でも設計図を作り、そして材料をそのサイズ通りに切り出します。 材料は全てホームセンターなどで手に入るものばかりなので、これを見て作りたいと思った人は参考にしてみて下さい(と、書いてみたものの、作りたい人いますかね?) 今回は軽量なタイプでも頑丈さを出したかったので、杉加工材を使用しています。合板の方が強度が上がりますが、重たいのです。。 下の写真が、箱馬1台分の材料になります。

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 そして切り出しが終わったら組み上げて行くのですが、この時に寸法の通りに切り出しをしていても木材は多少の歪みやねじれなどが有るので、その部分を修正しながら接着部分をボンドで固めながら、釘を打ち付けて行きます。

 箱馬は色々な物の土台になる大切な道具ですから、ちょっとしたズレや歪みが危険ですので、丁寧に作り上げて行きます。

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 組み上がってヤスリを掛けたら、完成なのです。

 

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 が。。

 勿論ナチュラルな木目のままでも使用用途はいっぱい有りますが、今回は艶消しの黒に塗り上げます。 こうすると、ステージの片隅に有っても目立たない事請け合いです。

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 必死に塗り上げます(ペンキが垂れても気にしません。ここはダイナミックに塗って行きましょう。)下地処理をちゃんとしてあげると塗装の乗りが良くて、気持ちがよいです。

 最後に乾燥させて、目立たない所に作った人のサインとロゴを入れて完成になります。

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 今回は「箱馬」を作ってみましたが、どんな舞台でもコンサートでもこのような小さい道具一つから人の手で作り上げられています。

 普段、人の目に触れない道具でも愛着をもって作っていると、現場に出して、例えボロボロになってしまったとしても、その傷一つ一つに愛着を持って大事にしていけるんです。

 確かに最近は何でもインターネットでお金を出して買える時代ですよね。 しかし、安易に買えば良いというのでは無くて自分達で作れる物は作った方が、より愛着が湧いて大事に出来ると思いませんか?