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前回は簡単なUSTREAMの配信方法などの概要について書きましたが、今回は実際の中継現場とUSTREAM配信での違いというか、最近自分自身が現場で体験した内容をふまえて書いてみたいと思います。
USTREAMは個人が情報や意思を映像付きで発信するというとても簡単な方法です、最近は企業イベントなどでもUSTREAMを活用しようという動きも見られていますが、今までの中継のスタイルもまだまだイベントでも活躍しております。
先日、又もや映画の舞台挨拶の現場での事ですが、東京を主として大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台などへの中継が行われました。
この時に感じたのは、今までの中継のスタイルと現在の中継のスタイルがUSTREAMを始めとするブロードキャスティング分野の発達によって、変わりつつ有るという事を身を以て体感した訳です。
今までは、衛星中継、電話中継などが多く、テレビでも使われていますが携帯のテレビ電話回線を使った中継を例に取ると、これには映像の鮮明さなどの問題点が多く、しかしメリットとしては中継車が居なくても現場から中継出来るという利点も有りました。
次に衛星中継ですが、これは鮮明な映像とスタジオクオリティーの中継が可能という利点が強いですが、まず衛星を使う事でのコストが高い事、そして中継車が現場近く(イベント会場など)に居なければならないという事がデメリットではないでしょうか。
では、インターネット回線を使った中継はどうでしょう。
前回の現場では、NTTの映画館ネットワーク専用回線を使って、東京から全国各地の映画館に配信をして、中継映像、音声共に映画館のスクリーンで見られるという中継を行いました。
この中継方法の良い部分は、衛生中継などに比べてコストが低い事、そしてクオリティーも配信のエンコード方法によっても違いますが、HD配信も可能となります。 逆にデメリットはというと、NTTの工事が必ず必要という事、専用回線を確保して貰う為に専門の技術者が各所に立ち会う必要が有るという事。
全ての中継方法でメリットデメリットは有りますが、ブロードキャスト回線を使った中継が現在一番バランスが取れているのではないでしょうか。
では実際の中継はどうだったかというと、音響チームからは音を、カメラチームからは映像を中継チームに送り、中継チームがNTTチームに中継信号を送るという流れになっていました。
一つ問題になるのは、これは中継をする場合やUSTREAMでも起る事ですが、映像と音声がズレるという事です。
ここがズレているとどうしても人は相手の口元を見て言葉を理解する部分も大きいので、ズレた映像を見ていると結構違和感を感じます。 それを中継先で補正する事も可能なのですが、大概の場合は音が先になって映像が少し遅れます。
この音と映像を合わせる事を、通称「リップシンク」と呼びます。
ここの部分がイベント中継などでも結構問題になる事が多く、原因は映像のスイッチャー(切り替え機)などの信号が多少遅れる事が原因と考えられていますが、USTREAMでも起る事が多いので、どちらかというと映像の方がデータとしても容量が大きいものになるので、デコーダー作業の際の処理値の差分で起る事ではないでしょうか。
いずれにしても、こうした中継やUSTREAM配信を行う場合にまず考えておくべき事は、回線が十分な速度が有る場合はクオリティーを求めるのも良いのですが、回線品質などが低い場合には無理に高画質、高音質に拘るのでは無く、多少クオリティーが下がっても途切れないという事が全ての
事項に優先させるべきだと思います。
勿論、企業イベントなどでの専用回線などが敷設される場合には、その部分は大丈夫なのでしょうが、一般ユーザーの場合はそうも言ってられない状況が有ると思います。
今回は実際の中継方法の差などについて書きましたが、機会が有ればまた書きたいと思います。
USTREAMの活用方法など、まだまだ発展途上なので又ご報告出来ると思います。
前回は JunkStage Cafe での USTREAM の配信の話しを書きましたが、結構周りからも USTREAM の配信ってどうやんの?って事を聞かれるのですが。 単なる配信方法なら、ここ暫くで様々な配信方法を記載したサイトも増えて来ていますので、音的に良い形でも配信方法はどうしたものかというのを書いてみたいと思います。
まずは、下のダイアグラムを見て下さい。
これは前回行った JunkStage Cafe での接続方法です。
結構USTREAMを見ていると、どうしてもwebカメラ+マイクと形での放送も少なくないのですが、楽曲演奏など、もし少しでも音を良くしたいので有れば、ミキサーを1台用意すると良いと思います。
ミキサーもそんなに高いものは必要では無くて、色々なマイクや楽器の音量を調整出来て、多少の音質調整が出来るだけの必要な入力が有るタイプで有れば良い訳です。
マイクは出来れば出演者全員にピンマイクなどを付けて貰うか、各一人づつにマイクを1本用意をすると会話を取りこぼさないので良いと思います。 又、会場内の音声を全体的にざわつきやお客さんなどの反応を拾いたい場合は、ノイズマイクと通称呼んでいますが会場の音声を拾う専用のマイクを用意すると良いと思います。
ハード的環境が整ったら、今度は内部ソフトですが。 基本的に、USTREAMで配信をするので有れば、USTREAM Producer というソフトを使います。
このソフトは無料版と有料の Pro 版が有ります。 個人で配信される場合は無料版だけでも必要十分だとは思いますが、接続カメラの台数制限や配信が質の選択幅などが有りますので、企業配信やもし複数台のカメラを直接接続したい場合は、CamTwist などのソフトを使って接続台数を増やすか、有料版を使うと良いのではないでしょうか。
ちょっと難しく書いてしまいましたが、ベーシックな接続方法のダイアグラムは以下の感じです。
カメラ関係の注意点ですが、高画質(HD)で放送をしようとしても、実は最近のHDカメラの多くは FireWire の端子が無い場合が殆どで、自分でやってる時もそうなのですが、少し前に発売になったFW端子の付いているカメラで放送をしています。
勿論、USB接続のwebカメラでも放送は可能ですが、出来れば画質も高めたい場合にはDVカメラの使用をお薦めします。 もし、配信用のPCにFW端子が無くUSBしか接続出来ない場合には映像のキャプチャーインターフェイスなどを使うのも良いと思います。
又、回線に関しては配信用のPCは有線LAN接続が好ましいです。 JunkStage Cafe でも起りましたが、無線接続の場合は何かの拍子に接続が途切れる事や、回線速度に比べてwifiでの接続速度の限度が低い事も有り、品質を下げる要因にもなりかねないからです。
今回は基本的な配信方法などについて書きましたが、次回ではじゃぁ実際の現場での中継とUSTREAMの違いなどについて書いてみたいと思います。
とうとうバンクーバーオリンピックが閉幕しました。 素晴らしい競技の数々に思わず見とれてしまう事も多かった事と思います。
そんな中、オリンピックの中継を見ていて、特に開会式と閉会式ではテクニカルとしてとても興味深い点がいくつも有りました。 オリンピックスタジアムでの開会式、閉会式で、あのアリーナにどれだけの最新技術が使われているのかを携わった人に多少聞く機会が有りましたので、書いてみたいと思います。
音に関して、会場出力はいわゆるラインアレイスピーカーと呼ばれるシステムを中心として、ライブも出来るシステムの構築、そしてもの凄い数のワイヤレスマイクや伝送システム。 そして、送出側ではデジタルミキサーや各国の放送チームへ送出の為のかつてない程のデジタル化が行われたそうです。
リアルタイムでデジタル化された音声を収録、放送、会場への送出というとても最新技術とクリエイティブ、そしてチャレンジングな試みのお陰で世界中にあの素晴らしい音質で届ける事が出来たのでしょう。
それにしても、国内で放送された映像を見るだけでももの凄い数のスピーカーが天井から吊られているのが解って、いったどれだけのリハーサルと仕込の時間が掛かったのかと思ってしまうのは職業病でしょうか。
さて、今回の開会式で特に美しかったのが、映像です。 そして、それは単なる映像の投影という事では無く、床一面の海原やセンターに吊られたサークルスクリーンに映し出される映像など、どうやってやっているのは解らないような演出が施されていました。
今回のオリンピック開会式等の映像の演出は、Rafael Lozano-Hemmer が携わっています。 彼は、1967年生まれで Canada, Montreal の Concordia University で物理化学を専攻していました。
彼は、映像と照明を駆使したアートプロジェクトを立ち上げており、その中で彼が創り上げて来たアーティスティックな試みが今回のオリンピックでの開会式と閉会式、そして、会場外の明かりの演出< vectorial Elevation >を手がけています。
開会式などの映像投影に関しては床やセンターサークルなどの映像はほぼ全て超高輝度プロジェクターによって投影される事によって行われているのですが、その演出手法で彼の「 Under Scan 」を中心とした物が使われています。
興味の有る方は、彼のサイトを覗いてみて下さい。
http://www.lozano-hemmer.com/index.html
それにしても、こうした演出手法などを見ていると映像と照明の垣根がとても無くなって来たように感じます。
この先、最近映画では使われ始めている3D技術などが使われるようになって来るのも時間の問題なのかなと思いますが、単なる技術革新だけでは無く、こうしたアーティスティックリレーションが行われる事による既存技術+アルファという表現手法を駆使した、新しい演出手法が登場する助力となっていって欲しいものです。
でも今回こうしてアートとスポーツの融合で有ったりを目の当たりにすると、日本でのこうしたアーティスティックリレーションの弱さを感じずにはいられません。 新しいアートをいち早く取り入れる寛容さが日本の文化、行政にも欲しいものです。
又、今回の開会式で点火台が1本上がらなかった事を「ミス」としてそこで終わらせない事が今回の演出の強みで有ったのでは無いでしょうか。 確かにあの場面で当事者で有ったならば肝を冷やすと思うのです(見ていて他人事とは思えない位変にドキドキしました。) しかし、 閉会式ではその開会式で点火出来なかった一人だけが再度点火をするという素敵な演出など、人が魅せる事の演出手法は素晴らしいと感じました。
各競技のアスリート達が感動をくれたように、こうした演出も人の手に因って創り上げられているからこその感動が生まれると思うのです。
又、次回のオリンピックでは素晴らしい演出が感動を世界に届ける事を期待しています。
今月は何だか自分の時間の割り振りを間違えているらしく、記事の更新が遅れてしまっています。 書きたいネタは多いんですが、纏める為少々お時間を下さいませ。
今回は、高所作業に関して書いてみたいと思います。
実はこの仕事をしていると、高所作業というものに出会う事が多いです。 ビックサイトや幕張メッセで行われる展示会と呼ばれる見本市に行った事の有る方なら想像出来ると思うのですが、ブースと呼ばれる各社の出展場所にトラスと呼ばれる金属の骨組みのような物でブース上方にスピーカーなどを吊って有る所をご覧になった方もいるかと思います。
あまり普段は目に出来ないであろう高所作業ですが、まずは下の写真を御覧下さい。これは、某所でキャットウォークと呼ばれる会場の上から下を見た写真です。

これで、大体の高さ的には7m程度です。
7mって以外と高いんです。
写真にスピーカーが吊られているのも見えると思いますが、これは実際には吊って有る<フライブリッジ>と呼ばれる橋のようなものが会場床まで下がるようになっています。
ですので、作業的には高所での作業はケーブルの配線や多少の手直しなどですが、上面を普通に歩いて下向きに手を伸ばして作業をする訳です。勿論、ヘルメットと安全帯は必須です。
ホールなどのこのようなキャットウォーク作業はまだ良い方で、先程書いた展示会などの設営では、一歩踏み外すと地面に落ちるような状況での作業が殆ど。
安全帯と呼ばれる落下防止のベルトを腰に巻いてトラスなどに安全に作業が出来るように掛けておくのですが、気持ち的には自分の足下40cm程度の骨組みの下、数メートル下はコンクリートの地面だったりするのです。 しかもそのトラスの上を移動して行く事もしばしば。
「安全第一」ですが、事故が必ずしも起きないとは限りません。
かれこれ数年前に、不幸にも事故現場に居合わせた事が有ります。 イントレと呼ばれる足場上面から9m程下の地面に人が落ちるという血の気の引く事故でした。
幸い、途中で引っかかってバウンドする形になったので、命に別状は無かったのですが、数週間の入院となりました。
又、例え手すり等が有って人は落ちないとしても、仕込の会場には危険が有ります。 以前、目の前に上部で作業をしていた人の工具袋からラジオペンチが落下してきた事も。
今考えると怖い事ですが、昔の高所作業で特に展示会ではヘルメット無し、安全帯無しで7mトラスを平気で上っていた場面に何度も遭遇もしましたし、正直自分もした事も有ります。 現場に出ている若い人、絶対真似しちゃダメです。
実は建築現場と比べて舞台、イベントなどでは発注形態の違い(イベント保険、労災が無い現場も多い)やその現場の特殊な業態としての危惧が大きく、現在の建築業界の安全確保の法令がそのまま適用出来ないという実態が有ります。
しかし現在では特に安全が重視され、お客様が入られた時にはそんな事も絶対無いように万全を期しているので、舞台などを見に行く方も安心はして頂きたいのですが、裏方達はそうした危険と隣り合わせの作業をちゃんとした教育の元で事故の無いように行っています。 やはり事故が完全にゼロになる事は無く、今もたまに起きていますがそれでも昔に比べれば安全に対する教育や実践講座などが増えて来たお陰で減少傾向には有ります。
日本舞台技術安全協会などが、 その安全に対する教育や啓蒙に尽力されている事は、この業態に関わる全てのスタッフによりよい実務環境を提供する足がかりとなっているのです。
そういえば、「キャットウォーク」とは、高所に有るネコの通り道の通称が舞台などで使われるようになったのですが、劇場上面の通路は本当に狭く、そしてブリッジはワイヤーで梁から吊られているので、歩くだけで揺れる吊り橋状態なのです。 ネコが歩く道は良く言ったものです。
それにしても、今回の記事の為と記録にと写真を撮っておこうと思って万全で撮影をしたのですが、、、高い所は苦手です。
と、書いている本日も高所作業です。。。
This is it が期間限定で公開され、そして本日のDVDの販売と本当にマイケルは死んでしまったのかと思う程に彼の姿や歌声は街で溢れかえっています。 見た人はお解りになると思うのですが、リハーサルクオリティーの高さに実際の公演が無かった事が悔やまれてなりません。
音響的に、この規模のコンサートツアーになるとシステムも相当大規模なものになります。 そして、とてもクリエイティブかつ大変なチャレンジだという事はあのリハーサルの端々から伝わっているのでは無いでしょうか。
これほど裏方達の動きが実際に記録されている映像という事だけでも、興味の有る方にはとても見ていて興味深い内容だなと感じております。
今回の This is it に関しては賛否両論有るみたいですが、ビジネスとして捉えた時にどうしても今回のドキュメンタリーを公開しなければならなかった経緯が有る訳です。
昨年の11月に行われた BILLBOARD TOURING CONFERENCE & AWARDS に於いて、コンサートの主催会社 AEG LIVE が今回の公開の経緯に付いて説明を行っていました。
ロンドンO2アリーナでのライブ~約50公演分のチケットのソールドアウトをした後のマイケルの死という主役の悲劇によって、チケットの払い戻しやリハーサル、各種プロモーションなどに費やした投資分が凍結してしまい、それを補填する為に関係各社及び、遺族などと綿密な協議を行った結果生まれた映画。 それが、今回の This is it だと。
リハーサルの映像を見ているだけでも、もの凄く予算を掛けてリハーサルを行っている様子が映っているので、それを回収出来ないとなると会社が倒産だけでは済まないであろう事は想像に難しく無いのです。
ですから、賛否両論有る今回の This is it の売り方ですが、裏方の身として考えるとリハーサルなどを行った(演出監督、音響、映像、照明、特効、サポートアーティスト、ダンサー、などのギャランティー)をちゃんと補填しようとしてくれる主催会社の働きは間違ってはいない部分も有ると感じるのです。
その一方で、今回の映画。 音が良いと思いませんか?
実は、今回の映画はリハーサルを担当した音響担当ミキサーさんが、個人的に録音を残しておいたマルチトラック音源(各楽器を別トラックで録音)と、マルチトラックが存在しない物に関しては、メモ録音(ポータブルレコーダーなど)からで有ったり、カメラの音声から今回の映画用に音をチェックしなおして映画用に起こしたとの事です。 これは担当のミキサーさんが詳細を話してくれています。
ミキサーさんによると、マイケルはほぼ同じリズムで歌う事が出来るので、今回のように別の日の喉の調子が良い部分から声を差し替えたりする作業などが可能だったという事です。
ですから、今回の映画の音がこれだけ良いのは口パクでも無く、実際にあのリハーサルの空間で全ての楽器、声が録音されたものを再構築(ミックス)する事によってなし得たというのが、記録として残しておいたミキサーさんのお陰な部分も有るなと感じました。
でも、個人的に録音って聞くと聞こえが悪いようですが。
実は、自分が例えばアーティスト系のお仕事で、バンドなどのミックスをする場合も結構記録として録音はしている事が多いです。 実は音響ミキサーの人はこれは結構普通に行っている記録作業なのです。(勿論、アーティストなどの了解を頂いた後に行う作業ですが。)
勿論全ての音源をマルチトラックで録音するには Protools などの別途機材が必要になるので時と場合によりますが、なるべく残すようにしています。
これは絶対に一般には公開出来ないもので有る訳ですが、自分の仕事の記録としてその時(日)の反省点などを振り返ったり、良い部分を見い出したりするには実は大変に役に立つのです。
そんな様々な事が重なって生まれた This is it 、まだまだ街に流れる彼の声と人々の心にもマイケルは生き続けていくのでしょうね。
ここ数日ひっきりなしに舞台関係者、芸術関係者からメールで、「事業仕分け」の文化庁の予算策定に関する意見を提出してくれと様々な方面に連絡が飛び交っている。
というのも、此の度の「事業仕分け」に於いて「文化、芸術」に関する助成金がバッサリカットの方向になっているので、その重要性や必要性を文化庁に意見をしようという流れが起こっている。
確かに「事業仕分け」は法的拘束力は無いのかもしれないが、連日ニュースでも流れているように重要な指針になって行くであろう事が明白で有る訳で、その「事業仕分け」で「文化事業」の見直しがこのような形で進む事に、生業として携わる身として重大な危惧を抱いている訳です。
文化庁の予算策定に関する内容は多岐に渡るのですが、今回大きく報道されていた内容として、「本物の文化芸術体験事業」の廃止。 そして、「学校への芸術家派遣」もその一部でしょう。これは小学校、中学校を対象としたいわゆる<芸術鑑賞教室>などの予算部分の削減。
これが無くなるという事は、小中学生が一流の文化芸術の公演に触れる機会というものが教育という現場で出来なくなるという事。
例えば「大阪フィルハーモニー交響楽団」が小学校の体育館で公演を行った事で有ったり、日本バレエ協会が「くるみ」を7公演、東京シティバレエが「コッペリア」を13公演、聾学校を含んだ小中学校で公演をこの事業で行っています。
文化・芸術教育は「自己責任」なのでしょうか? 子供達への文化、芸術鑑賞の責任は全て学校側、もしくは親が責を持てというには余りにも安易な気がします。
そして、舞台関係者などからの話しが多いのが、「助成金の削減・廃止」という内容。
劇場などで舞台公演を行う際に一定の基準を満たして審査を通った団体に対して国が舞台公演の費用の一部を助成しますよ。というもの。
これは、演劇に限らず現代舞踊で有ったり、お琴や尺八などの邦楽、様々な文化芸術公演に適用されてきました。
これが廃止、もしくは削減という事になると国内の舞台芸術文化がどんどん衰退していってしまうのでは無いでしょうか?
しかも、この内容に関する意見を受けますという文化庁の対応の遅さ、そして期間の短さ。 今月15日で意見聴取も〆切となりました。
今回様々な内容が「事業仕分け」で話し合われている訳ですが、こうして自分達が関わっている部分が<無駄使い>と判断されるのは、見直して行かなくては行けない部分も確かにあるのだとキチンと考えなくてはいけないなと思うのです。
しかし、<子供達>への文化事業を廃止、削減するという事は、この国の未来の文化レベルを下げる行為では無いかと、一方で考えてしまいます。
今回出て来た評価コメントの中で、「国が子供の為だけに事業をすることは必要性に欠ける」というコメントが出て来たそうです。
これでは情操教育も何も「自己責任」でやれという事なのでしょうか? 日本にも世界に誇れる優れたアーティストは沢山います。 その素晴らしい世界を子供達に伝える事は国の役目では無いのでしょうか?と。
勿論、助成というものが税金を投じて行われている以上、人々がそれなりに納得のできるスキームで有ったり、結果が必要なのは当然の事で有るかも知れない。
しかし、全ての事柄を<費用対効果>だけで判断するこの現代社会の風潮にも問題が有る気がしています。
芸術・文化事業というのは目に見える<形>での結果では無く、
体験した人達の<心>に残す為の事業では無いのかと。
勿論、これが終わりでは無くスタートだとは思うのです。
助成が無くなるから、じゃぁ全ての芸術文化事業はダメになるのかというと絶対にそんな事になる訳も無く。
今回のこの「事業仕分け」を機会に制度や事業自体がもっと良い方向性になって、日本の文化レベルを底上げする位の「芸術家」たちが出て来る事を、切に願わずに居られません。
未来の芸術家たる<子供達>の為に。
木枯らし一号が都内を吹き抜けて行きました。 これから本格的に冬の到来という感じになるのでしょうか? でも、数日前までは半袖で現場をする位に暑かったんですけどね。
さて、前回のケーブル編を書いて代表須藤さんに「あれだけケーブルの事を書いて、次回は電源ケーブルです。ってギャグですか。。。」と突っ込まれましたが、今回は電源ケーブルです。
いや。前回のケーブル編に続きでは有るのですが、電源ケーブルにも「超高級品」は存在してます。 でも、果たしてそれを変える事で「音」は変わるのでしょうか?
これも前回同様の見解ですが、「気のせい」で有ると考えてます。
一つ、間違いの無いように追記しておくならば「太い(電流量が太い)ケーブル」の方が音が良くなる(音が太くなる、輪郭がはっきりする)のは事実です。
しかし、「音響専用電源」が有るスタジオやホールなどの現場ならいざ知らず、自宅や専門設備の整いにくいライブハウスなどでの環境で機器側の電源変換ケーブルで音が変わるかと言われれば疑問です。
良く、電源ケーブルでは「ホスピタルグレード」と呼ばれる電源口やケーブルが存在します。 しかし、これを変えただけでは「大差無し」です。
「ホスピタルグレード」本当の意味とは、電力会社から施設に機器専用の電源を電線から「高圧電流」で引き込み、トランスと呼ばれる電源変換機を通し、無停電設備を兼ね備えた機器専用の電源を挿します。
果たして、「雑電」と通称呼ばれる自宅電源や共有ビルで電源トランスも備えていない電源を使っているライブハウスなどでは、この「ホスピタルグレード」は意味を持たないのではないでしょうか? 元の電源に既にノイズが乗っている可能性は高く、ケーブルでそのノイズを取り去る事は出来ないのですから。
それこそ、自宅の電源などエアコンやPC、冷蔵庫などなど。。ノイズが乗りまくっている訳です。
勿論、専用電源を自宅に引いている方もいらっしゃいますし、ライブハウスでも音響電源を持つ会場も多く有ります。
そこまでして初めて電源ケーブルは本当の実力を発揮出来る訳です。
しかし、この値段の高いケーブル。 これを、あたかも「機器電源ケーブルを変えれば音が良くなりますよ」と謳って1m数万円もするケーブルが売られているのは事実です。
そう。自宅などで交換しても音が良くなるのは多少の変化は有るかもしれませんが、費用対効果を考えると「気のせい」の範疇です。
さて。
色々とこの2回、ケーブル関係について書いて来ましたが。 柏は完全に否定している訳では有りません。 只、そこまで拘るので有れば一般の方の費用負担はとんでも無い事に成るという事を御理解頂きたいのです。
音は目に見えないからこそ、「気のせい」「Placebo」に陥りやすのです。
先週はあまりにバタバタしておりまして、記事を飛ばしてしまいました。 すっかり秋深しという感じですが、都心では紅葉が深く無いので東京タワーのイルミネーションが冬バージョンになった事が季節が変わって来たなと思わせてくれてます。
今回のテーマですが、オーディオマニアとエンジニアに関する興味深い討論が先週ありましたのでそこに付いて書いてみたいと思います。
何がテーマかというと、「高級ケーブル」です。
機器を接続するケーブル(マイクケーブル等のオーディオケーブル)、機器の電源のケーブル、などが有ります。 これらを変更する事によって音が良くなるというのです。
音が良くなる事を謳って販売されているケーブルの中には、1m 数千円~数万円する高級ケーブルが存在します。
果たしてこれらのケーブルは「音が良くなる」のでしょうか?
上記のケーブルの中で、一番音に関わっているケーブルというのはオーディオケーブルです。 これらは、ケーブルの電気抵抗、伝導率、接点の違い、などによってケーブルによって音が変わります。 「無酸素銅」を使用してます。という電動効率の良いケーブルなどもこれらに含まれます。
これらはあくまでも「音が変化する」ので有って、決して「音が良くなる」という事では有りません。 イコライザーという機材で音を変化させる事が出来るのですが、極端な事を言えば、ケーブルを変える事によって「音を変化」させているに過ぎないのです。
特にマイクなどはミキサーに入るまでは<微弱電流>です。ケーブルの素材や長さによって音が変わって来ます。
これらを鑑みると、「音が良い」では無く「好みの音がする」だと思うのです。
実はケーブルは消耗品です。
新品でケーブルを作ったとします、そして現場やレコーディングで使用していくうちに中の芯線(銅など)は酸化して行きます。これは空気に触れる事によって起きる化学変化なので、いくらケーブルの長さの中心といえど端から次第に変化していく訳です。 数年も経たないうちに新品時とはまったく音の違うケーブルになっている訳です。
人の価値観の違いなので、現場やスタジオなどで「このケーブルは~~~~」と言って、値段を言うと人は不思議と音が良く感じるものです。 これはエンジニアとしてはお客様によっては武器として活用する場合も有るので、存在を否定はしておりません。
しかし、これらの高級ケーブルでは長さが 1m , 2m, など短いものが多いのです。 通常自分たちが現場などで使うケーブルは最低でも1.5m位のケーブルから、ステージで使うケーブルなどは 10m~20m などと全然長さも違う訳です。
確かにケーブルは短い方が外的ノイズが乗りにくいなどのメリットが有ります。 しかし、そんな短いケーブル、どう使えと?というのが現場の本音です。
確かに「高級ケーブル」と呼ばれるケーブルは「音の変化」を意図的に作っている物が多いです(低音が出やすいケーブル、高音が出やすいケーブル)などです。 これらを意図的に使用するのは「適材適所」ですから良いと思うのです。
ケーブルメーカー「CANARE カナレ」社のケーブルがデファクトスタン
台風一過、めっきり秋らしいですね。
前回に Auto tune というピッチ補正ソフトについて書きましたが、あくまでレコーディングでの使用に際してという事で書きました。
じゃぁ、ライブではどうしているのかと。。。
まず最初に、あの「Voice」の原理を。前回の写真と併せて見て頂くと解りやすいかもしれません。
レコーディングの際に、わざと音を外して歌います。
「ド、ミ、ソ」C調
それを、、、
「レ、ファ、ラ」D調
に、移動させるんです。(簡単に言うと、という事で。)
そうすると、他設定は色々有るのですが、あの声(音程が上がる所などが、ウニョっとする訳です。)
じゃぁ、これって。ライブではどうするの?
えー。厳密に言うと。歌に併せてPCを立ち上げて、わざと歌を外して歌って貰いつつ、鍵盤で正確な音程をリアルタイムで打ち込んでやる必要が有る訳です。
じゃぁ、実際にこれをライブでやっているかというと。
否。
残念ながら、現在のこのソフトの性質や操作性を考えると結構難しいのです。
じゃぁ、何故ライブでもあの声になるのか。
一旦置いておきます。
ライブでは、生演奏以外の部分でトラックと呼ばれる音が別にコンピューターから流されます。 それが、一つ一つの楽器の音をミキサーと呼ばれる機材上でミックスされて、スピーカーから出力されています。
この場合の「Voice」も別々に録音されたものを出力しているという訳です。
しかし、それだけだと単なる「Lip sync」になってしまいます。
では、ライブでのこの活用方法はどうしているのでしょうか?
この流されているトラックにマイクでの「声」をプラスしてあげるのです。
そうする事によってライブの一体感を演出出来るという訳です。
これを、演出方法の一つと取るか、それとも、「Lip sync」と一言で片付けてしまうのか、それは人それぞれの受け取り方、価値観だとは思います。
そう。
新たな音が生まれ、そこに既存の価値観が合わないという事が有るとしても、発信しているのは「アーティスト」で有り、受け取るのは「リスナー」です。
ライブでその「Voice」を聞きたい「リスナー」がいる限り、演出手法としての「 Lip sync」は有っても良いのでは無いでしょうか?
確かに。「Lip sync」を良しとしない風潮も多いです。それでプロなのかと。手厳しいご意見を頂く事も有るでしょう。
しかし、そこに「アーティスト」の制作意図が有るとしたら、それを否定するのは「アーティスト」を否定する事にも繋がるのでは無いでしょうか?
ライブで再現しにくい技術で有るからこそ、あえて先進の技術をライブで再現する為に行う「Lip sync」。
アーティストのライブパフォーマンスが激しさを増す一方な昨今、激しいダンスや演出、舞台装置の発達、様々な要因が有ります。
現在様々なアーティスト達が、演出手法としての「Lip sync」を活用しています。
「口パク」≠「Lip sync」
こうした「Voice」を活用する方法や技術はまだまだ発展途上です。
「初音ミク」を初めとする「アンドロイドヴォイス」も急速に発展して来ている昨今、音楽制作の現場がひっくり返りかねない技術が出て来ています。
この先の音楽はどうなって行くのでしょうか。
歌い手一人のアカペラ。
そんな音楽が聞きたい、と思う今日この頃です。
今週は雨が多く肌寒くなって来てますよね。近くの中学校は新型インフルエンザで学級閉鎖だそうです。
前回までの「舞台」モードから一転。 今回は、レコーディングとライブのちょっと危うい関係を書きたいと思います。
さて。 昨今のCDの売り上げが落ちていて、ダウンロード販売が伸びているという話しは前に書きました。 それと同じ流れに近い話しです。
CDの楽曲を聞いて、その後ライブに行って「あれ?」歌こんなだっけ? と、感じた事は有りませんか?
最近のレコーディングでは、アーティストによってはヴォーカルに「ピッチ補正」と呼ばれる音程補正機能を使っているアーティストも多く見受けられます。
感情を込めながら完全な音程を保ってレコーディングをするというのは、実は至難の業なのです(故にプロでも有るとは思いますが)。 しかし、昨今のCDリリースのタイミングで有ったり、様々な要因からレコーディングの日数を確保出来ないという場合も多いのです。 勿論、スタジオを3ヶ月ロックアウトしてレコーディングをする場合などはその限りでは無かったりするのですが。。。
そんな環境の中、少しでもアーティストの負担を軽くする為にとあるソフトが1990年代に発売されました。 このソフトをデジタルレコーディング環境の中で使用する事によって、ずれてしまった音程を補正する事が出来るようになったのです。
ダブル(同じフレーズを2回歌ったものを、同じ音量感で出す)という手法によって音程のずれを目立たなくする方法も有るのですが、これとは別の「ソフト依存」によって補正されてしまうので、ほぼ完璧な音程とヴィブラート(揺れ)がコンピューター上で補正、編集出来てしまうのです。
半音程度のずれ(これは結構極端ですが)までは、あまり違和感無く有るべき音程に補正する事が可能です。
この作業はコンピューター上の写真のような画面の中で、左のピアノ鍵盤の所の音程に、録音した音のグラフ(赤)、補正した音(緑)というように補正して行く訳です。(写真参照)。
と、言う事を鑑みてみると。
CDとライブでの「声」が極端に違うという場合は、もしかするとこの様なソフトで編集されている事が有るかもしれません。 それを良いとするか、悪いとするかは人それぞれだと思います。
この補正機能とは別に、あえてロボットっぽい声に変換する「VOCODER」というシンセサイザーで発生させた音階と、それに対してマイクで歌った声の倍音成分を機械的に合成するというもの。Daft Punk の one more time など、VOCODER Voice です。
そして、少し前に爆発的に重宝されるようになり、既に定番となってしまったピッチ補正の極端な使い方。(Perfume的ヴォイス)。 これは前述のピッチ補正ソフト(Auto-Tune)というソフトを使用して(それだけでは有りませんが)います。
じゃぁ、こうゆう「Voice」はライブではどうするのかと。
Perfume や他のアーティストはライブではどうしているのかと。
それはまた次回に。











