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2011/05/09

長らくの休養を頂き、この5月から復帰をさせて頂きました。お久しぶりです、柏です。

このお休みを頂いている間に、東日本大震災という未曾有の大災害が起きて、未だ収束の糸口すら微かな糸のように細い状況では有りますが、やはりそんな中でも又こうして書かせて頂ける事が励みになっております。

 

この長いお休みの間、実は色々な事を体現して参りました。これから書いて行く事になるであろう事、そして自分にとっても一つステップを上がる事が出来たのでは無いかなと感じております。

 

今まで通りの事を書ければ良いのかなと、今回再開をさせて頂くに当たって考えていたのですが、これからはもっと違う側面も書ければなと思っていますので、又お付合い頂ければ幸いです。

Weekly ライターという肩書きも頂いてしまったので、そのJunkStageのスタッフをして頂いてる方々や、これをお読み頂いてる方々に何かしら少しでも届けば良いなと、改めて感じてちょっと緊張したりしています。

 

正直、震災に関連する事も書かねばならないと思っていますが、それは次回以降からスタートさせて下さい。

今回はこうして皆様に改めてご挨拶させて頂ける場が出来ただけでも、感謝の気持ちで一杯です。

 

改めまして、「音響デザイン」始めました!

 

宜しくお願いします。

 

2011/01/21

 2011年、遅まきながら今年も宜しくお願い致します。

 という訳で、新年が明けて暫くコラムを書けずにいた所、某代表理事からお叱りをTwitter上で晒されてしまったので、お待たせして申し訳ありません。

 昨年は何かと色々な話題も豊富な年となりました。 何より、ワイヤレスマイクの環境に関する記事には自分が思っていた以上の反響を頂いて、舞台芸術に対するお読み頂いている方々の関心の高さを実感する事が出来た次第です。

 こうした小さな動きがこの先の舞台芸術の環境整備に少しでも尽力出来ればと痛感しています。

 又、実際に現在のワイヤレスマイクの周波数帯とは違うデジタルワイヤレスシステムを導入するきっかけにもなった事が、昨年末から今年へかけての出来事という感じです。

 さて、表題にも有りましたが、この度 「JunkStage アワード 2010」の功労賞を受賞する事が出来ました。

 裏方としてこのような名誉を頂く事は、他のライターさん達に申し訳無いなと感じる反面、もっと尽力せねばいかんなと気を引き締める次第です。

 受賞は某日に頂いたのですが、仕事の関係で本当に一瞬だけ顔を出した場で頂く事になってしまいました。

 その場にいらっしゃった他のライターさん達とお話しする間もなく、現場へととんぼ返りしたのですが、まるで不審者のように頂くものだけ頂いて帰ってしまったのが心残りです。

 そんな受賞の仕方をしてしまいましたが、今回こうして受賞させて頂いて感じたのは「必要とされる」という喜びだなと。

 いや、決して某ライターさん達が心配しているような、柏は某代表理事にどんな弱みを握られているんだ、という事は一切御座いません。

 これは現場でも仕事でもこうした場に於いても同じなのですが、自分の力が役に立つので有れば出し惜しみをせずにやろう、という一言に尽きます。

 「必要とされるうちが華」であります。

 そして、これはうちのスタッフ達にも言い続けている事でもあります。

 自分が出来る事、出来ない事の線引きは大事かもしれないけれど、出来る事を出し惜しみする程、自分は偉くも何とも無いのだから、精一杯出来る事をやろうと。

 そしてそれが何か(誰か)の助けになるので有れば、出し惜しみをするな、と。

 JunkStage に自分が何が出来かを理解させて貰っているからこそこうして色々イベントなどで動ける訳です。

 そうした人の魅力やパワーを引き出す事の出来る JunkStage のスタッフ達を、ライターとはまた少し違う目線と志しを持っている魅力有るスタッフ達が居てくれるからこそ、 こうして「功労賞」という形で自分が 受賞させて頂いたのだと感じています。

 

 受賞に当たってはスタッフからの、暖かい手紙、そして綺麗な花(写真)。

 ありがとうございました。

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2010/12/20

 前回、ワイヤレスマイクに関して書いたのですが、思った以上に反響が有ってこうした小さな動きが先々に繋がれば良いなと本当に思いました。

 今回はそれをいい事に、ワイヤレスマイクに関してちょっと続きを書きたいと思いますが、どちらかというと今回の内容は周波数というよりもワイヤレスマイクの怖さとでも言いましょうか、電波を使うってのは結構大変なんですという話しです。

 単純に分類して、有線マイクと無線(ワイヤレス)マイクが有ります。

 有線マイクは書いて時の如く、ケーブルで繋がっているマイクですが、このケーブルが結構くせ者で、特に講演会などで動き回りたい講演者の方などにはかなり不評です。

 では、一方でワイヤレスマイクですが。 動きが制限されない、機材にもよりますが持って移動出来るので質疑応答用などにも向いている。

 こうして書くと、さもワイヤレスマイクは優秀のように捉えられがちなのですが、実はワイヤレスマイクはデメリットとして、混線、電波の途切れ、電池切れ、などが起りやすいマイクです。 又、たまにですがトラックの無線、トランシーバーの無線、などが混線する場合も有ります。

 ですが、意外とこの事実はお客様などにはあまり認知されていなくて、ワイヤレスマイクを使いたいのです、というご要望をよく頂きます。

 本当に大事な講演者の先生などでは有線マイクの方が途切れるという心配は無いので、出来る限り有線マイクの方が良いかもしれません。

 前回書いた内容で、コンサートなどでワイヤレスマイクが使えないとパフォーマンスに支障をきたす場合が有ると書きましたが、それは事実としても有線マイクで出来る事も多いと思うのも又事実です。

 自分が仕事でワイヤレスマイクを使っていても、例えば繁華街(銀座、新宿、渋谷など)の映画館などでの舞台挨拶では、ほぼ必ず前回記事に書いた「要免許帯」を使います。 勿論事前申請をして、他に近所で同じ帯域のワイヤレスマイクを使っていないかというのを確かめるのです。

 何故そうするかと言うと、それとは別に一般の方も使えるワイヤレスとして紹介をしたB帯と呼ばれる帯域のマイクは、「パチンコ屋さんの呼び込み」「デパートのアナウンス」などなど上げればキリが無いほど街に電波が溢れています。

 こちらもB帯でやるとそこと混線する場合も多いからです。

 又、会場によっては有線マイクでお願いをする場合も有ります。

 それはどうしても電波塔が近くて、ワイヤレスマイクの電波に信頼性の不安を感じる場合などです。

 これは各社様々な会場、時間帯、地域、でワイヤレスマイクを使ってみた実績でここはこれだとダメなどのデータの蓄積がなされているので、それを参考にもしたりします。

 前回書いた、電波使用に於ける構築がゼロからになってしまうというのは、こうゆう側面も有る訳です。 長年掛けて培って来た、実験とも言えるデータ蓄積は伊達ではありませんから。

 じゃぁ、前回書いたデジタルワイヤレスというのはどうなの? という所ですが。

 正直もう仕方が無いので、試しに導入を始めてみる事にしました。

 今までのワイヤレスの周波数帯域(770~806Mhz帯域)とは完全に別の、2.4Ghz帯域のワイヤレスマイクが発売になったのでテスト使用を開始しています。

 まぁ使い勝手がどうなんてのはここで書くべき内容では無いので割愛しますが、2.4Ghz帯域は wifi やデジタルサービスなどで使われている帯域(2010年現在)で、全世界で免許や許可申請のいらないという帯域です。

 正直これがワイヤレスの救世主になるかどうかは別として(現在同時使用は某メーカー発表値で12本同時使用まで)、今のトータル30本程度同時使用出来る環境にはまだまだほど遠いのです。

 ですから、後2年で何とかしようとしている総務省のやり方には疑問だらけです。

 と、2回に渡って同じ話題で書いてしましたが、それだけ重要だという事がもっと認知されたら良いなと考えているので、ご勘弁下さいませ。

 次回は来週にでも。

 今度はもうちょっと明るい話題でお届けしたいと思ってます。

 では。

 柏

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2010/12/06

 先月末、総務省がとうとう電波利用帯域の再編で現在ワイヤレスマイクなどに使用している帯域を携帯電話に割り当てる事がほぼ確定となってしまいました。

 これは現在自分達が現場で使用している 770~806Mhz帯域を携帯用に明け渡さなければならないという事なのですが。

 これは以前に一度書きましたが、とうとう動き出したという所でしょうか。

 しかしこれはどうにも納得がいかないというのが、放送業、音響業務に関わる身としては感じる所です。

 周波数を変更、移動するという事は、今まで所有使用してきている要免許帯のワイヤレスマイクは全て買い替えないといけないという事になるからです。 単に買い替えれば済むという考え方は軽卒な考え方で、要免許帯は「特定ラジオマイク利用者連盟」(通称:特ラ連)に利用申請をして、入会費、年会費、運用調整費、免許申請手数料、免許関係書類取扱費、や電波利用料などが掛かっています。

 今回の総務省の方針では、買い替えに必要な経費を電波が空いた後にその帯域を使う携帯業者に負担してもらうとなっていますが、果たしてそう上手くいくのでしょうか?

 例えばテレビ局などで使用されているマイクを全て入れ替えるとなると、数億円の規模になるはずですし、自分達のような中小業者でも数百万~数千万の負担になります。

 現在のアナログラジオマイクからデジタルマイクへの変更を総務省は促していますが、現在有るデジタルマイクの音の遅延(マイクで喋ってから機器が音を出力するまでの時間)の問題が未だ完全には解決していません、それを2年で開発を進めると方針を発表していますが、メーカー主導なこの部分をどう改善するのでしょうか?

 又、その2年の猶予の後に移行調整するとなっていますが、今までのワイヤレスマイクからの買い替えの期間を考えると到底その期間で対応出来る事では無いと思います。

 そして一番の問題は、今まで全業者が「特ラ連」を通じてコンサートやテレビ番組などでワイヤレスマイクを同時に数十本使う場合でも、周波数の計算式やアンテナの位置による安全確保のノウハウなどが、全部周波数が変わる事によって「無」になってしまうからです。

 技術的な問題としては、今までの帯域から短波かデジタルテレビで空いたホワイトスペースへ追いやられると、特に電波の届きにくい短波ではアンテナなどを調整したとしても演出的に距離や死角などかなりの制約が出る事が懸念されています。

 ちょっと小難しい事ばかり書きましたが、簡単に言えば。

 AKB48のライブは出来ません。劇団四季のミュージカルも出来ません。芸人さん達が大勢出る収録も出来ません。

 ぜーんぶ、有線マイクで動き無しでお願いします。

 と、総務省は言っているようなもんです。

 何故今回こうして声を大にして言うかというと。

 今回のこの決定は、原口前総務相が指示をして作業部会が5月に発足、そして11月には最終報告で決定という短期間の議論で我々の仕事に携わる人間でも知らない人はまだ居ますし、移行後の問題なども十分に議論もされないまま政府主導で一方的に行われた感が否めないからです。

 勿論、未だ納得がいかない部分も数多く、放送関係、劇場関係、などから上申は行われるのでしょうが、どうなって行くのか次第で様々な部分に影響が出る事が予想されます。

 確かにワイヤレスマイクが全てでは無いですが、一般の方でも簡単に会社のプレゼンテーションなどでワイヤレスマイクをお使いの事と思います。 今回はB帯と呼ばれる免許の必要ない帯域はそのまま確保されていますので、一般の方もお持ちのポータブルアンプなどの帯域は問題にはなっていません。

 これはそこまでを移行するとなると、どれだけの買替え費用が必要になるのか目も当てられなくなるからなのでしょうか。 要免許帯域は一般の方が所有される事はほぼ無いとは思いますが、実はホールなどでの講演の際には知らず知らず使っていらっしゃるかもしれません。

 今回のこの動きは、検証も無しに移行が決定すると、文化芸術にも多大なる影響を及ぼしかねないという事を十分に政府は理解をして頂きたい。

 海外でも周波数の移行や制限は厳しいですが、日本は特に使用出来る限度が今でも少ない位です。

 改革も良いですが、制約ばかり増えて費用も掛かりすぎて、こんな事では日本の芸術文化に関わる仕事の行く末が本当に暗雲に覆われていくようです。

 

 

2010/11/20

 だんだん寒くなって来て、そろそろ冬の訪れなのかなと感じる今日この頃です。

 また間が開いてしまっているので、編集さんに怒られる前にちゃんと書かなくてはと思いつつ今年はこの秋口はAPEC進行も有ったお陰で中々時間のマネージメントが難しいですが、やっと落ち着いたのできちんと書きたい事が一杯です。

 さて、今回は「学術会議」と「音」というテーマです。

 「学術会議」と一括りにしてしまっていますが、「医学」「薬学」and more.. と様々な会議が日々行われています。

 そんなちょっと一般的に見ればお固い感じを受けるかもしれませんが、そこにも音は必須な要素だったりする訳です。 発表者の先生の講演、質問者の声、進行役の先生、会を進行するMC、と様々な人の声を綺麗に拡声する事がこの仕事の最たる目的です。

 ちょっと別所では、同時通訳も有りますがそれはまた別の機会に。

 実はあまり一般には知られていませんが、病院などで「~先生は学術総会の為、~まで休診です。」なんて張り紙や看護士さんに言われた事は有りませんか?

 そんな時に先生達は実は全国から一カ所に集まって「学術総会」に参加されている訳です。 じゃぁ、「学術総会」って何? というと、年に1回程度~数回の頻度で先生達は集まって症例の報告会や勉強会をやっている訳です。

 この会のお陰で最先端医療の報告や症例報告、様々なディスカッションを行って次の世代に繋がる医療の方向性を示す事が出来て来ている訳です。

 じゃぁ、音はどうなの?と。

 実際の会場では、演台と呼ばれる発表者の為のマイクの拡声などが主な仕事ですが、客席会場内に質問用のマイクを立てたり、会場にもよりますが結構な量のマイクや引き回しが必要になってきます。

 これが全国規模の会になると、東京国際フォーラム全棟貸し切りや先日APECが行われたパシフィコ横浜の全棟など、かなりの量になります。

 会自体は、一つの会場だけでは無くて第1会場~第○○会場など様々な会場に分かれてディスカッションや発表が行われます。 普段、こうして仕事をしていると様々な業種の方々とご一緒する事も多いのですが、この「学術総会」はいつも気にする仕事の一つであります。

 様々な先生が発表を行う内容を拝見しながら新しい医療の事を勉強出来たりする訳です。勿論、内容は専門的な事が多く全ては解りませんが、聞いていてとても勉強になります。

 そして自分達はその大事な情報を会場にいらっしゃる先生達にクリアに声を届ける為に様々な調整やスピーカーの置き位置などを考えるのですが、日本人の先生が講演をされる場合と海外の方が講演される場合には多少調整の仕方が違うのです。

 日本語は「母音」の言語ですが、例えば英語は「子音」の言語というのも良く解ります。 特に日本人の声は母音~(あ、い、う、え、お)が主体で音の周波数要素が低いのですが、英語は(さ、し、す、せ、そ)が綺麗に聞こえないと単語を判別するのが難しくなるんです。

 ですから、自ずとマイクの調整方法も変わって来ます。

 そんな講演者一人一人に気を使いながら、今日も学術総会現場でオペレートしております。

2010/10/29

 前回まではちょっとUSTREAMなどの話しが多かったので、今回はイベントの空間をデザインする事について書いてみたいと思います。

 イベントの空間をデザインするのは、そのイベントのプロデューサーです。(ここは言い切ります。)

 しかし、その空間をデザインした事で、出来る事出来ない事をテクニカルスタッフを交えオールセクションでミーティングをする訳です。 そこで、物理的に出来ない事なのかそれとも予算的に出来ない事なのかを取捨択一して、全体のイベント空間を演出プロデュースしていく訳です。

 自分は音響というテクニカルセクションの人間ですので、全体のデザインをする事はあまり有りませんが、全体をデザインするという事は、そこにテクニカルのスタッフが居るという事では無く、場所としてどうゆう空間にしたいのかというプロデューサーの腕に掛かっています。

 勿論、テクニカルサイドからも意見を上げる場合も多いですが、大概の現場の場合は図面を頂いて、そこにテクニカルセクションのプランを組み上げて行く訳です。 そうした事を取りまとめてトップクライアントに提案調整する事が如何に難しいのか、実際の現場ではよく体感します。

 善かれと思って作り上げた事でも、意思疎通のちょっとした歯車の違いから実際の現場で出来なかった事など実は多々有る訳です。

 「自分が良いと思う事が、お客様のブランディングに良いとは限らない。」

 これはとても肝に命じているいる事です。

 確かに、こうした方が効率が良いとか、音が良いとか、色々理由は付けられる事が有るとします。

 しかし、お客様のプライオリティーが何処に在るのかという事をキチンと考えて、そこを優先させなけければいけないのです。 「こっちの方が音が良いんだから、そこは押し通さないとダメだよ。」という人も居るでしょう。 自分はそこは引くべきところだと考えています。

 勿論、全体のコンセプトや会場などの見合う形で有れば十分提案する事も可能でしょうが、それが果たして一番お客様の為で有るのかという点で言えば時と場合に寄る訳です。

 日々そこを吐き違えないように、慎重に考慮しながら組んだプランが認められた時ほど嬉しい事は有りません。

 先日、空間をデザインするという点で素敵なものに出会いました。

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 実はこれ、風船で出来たシャンデリアです。

 重量も無く、会場に来てから一つずつの風船を膨らまして組み上げて行く姿を拝見しておりましたが、まさに職人技。

 そして、たまーに作っている最中に風船が割れるといちいちビクっとしてしまいましたが、出来上がりを見てとても素敵な気持ちになりました。

 しかし、このシャンデリアその数時間の本番イベントの後にはすぐに廃棄されてしまうので、ちょっともったいない気がします。でも、家に持って帰るには大きすぎるサイズなのですけどね。

 こうした、現場のコンセプトに見合う造形物や音、照明、それを取りまとめてくれているプロデューサーにはいつも

2010/10/29

 前回は簡単なUSTREAMの配信方法などの概要について書きましたが、今回は実際の中継現場とUSTREAM配信での違いというか、最近自分自身が現場で体験した内容をふまえて書いてみたいと思います。

 USTREAMは個人が情報や意思を映像付きで発信するというとても簡単な方法です、最近は企業イベントなどでもUSTREAMを活用しようという動きも見られていますが、今までの中継のスタイルもまだまだイベントでも活躍しております。

 先日、又もや映画の舞台挨拶の現場での事ですが、東京を主として大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台などへの中継が行われました。

 この時に感じたのは、今までの中継のスタイルと現在の中継のスタイルがUSTREAMを始めとするブロードキャスティング分野の発達によって、変わりつつ有るという事を身を以て体感した訳です。

 今までは、衛星中継、電話中継などが多く、テレビでも使われていますが携帯のテレビ電話回線を使った中継を例に取ると、これには映像の鮮明さなどの問題点が多く、しかしメリットとしては中継車が居なくても現場から中継出来るという利点も有りました。

 次に衛星中継ですが、これは鮮明な映像とスタジオクオリティーの中継が可能という利点が強いですが、まず衛星を使う事でのコストが高い事、そして中継車が現場近く(イベント会場など)に居なければならないという事がデメリットではないでしょうか。

 では、インターネット回線を使った中継はどうでしょう。

 前回の現場では、NTTの映画館ネットワーク専用回線を使って、東京から全国各地の映画館に配信をして、中継映像、音声共に映画館のスクリーンで見られるという中継を行いました。

 この中継方法の良い部分は、衛生中継などに比べてコストが低い事、そしてクオリティーも配信のエンコード方法によっても違いますが、HD配信も可能となります。 逆にデメリットはというと、NTTの工事が必ず必要という事、専用回線を確保して貰う為に専門の技術者が各所に立ち会う必要が有るという事。

 全ての中継方法でメリットデメリットは有りますが、ブロードキャスト回線を使った中継が現在一番バランスが取れているのではないでしょうか。

 では実際の中継はどうだったかというと、音響チームからは音を、カメラチームからは映像を中継チームに送り、中継チームがNTTチームに中継信号を送るという流れになっていました。

 一つ問題になるのは、これは中継をする場合やUSTREAMでも起る事ですが、映像と音声がズレるという事です。

 ここがズレているとどうしても人は相手の口元を見て言葉を理解する部分も大きいので、ズレた映像を見ていると結構違和感を感じます。 それを中継先で補正する事も可能なのですが、大概の場合は音が先になって映像が少し遅れます。

 この音と映像を合わせる事を、通称「リップシンク」と呼びます。

 ここの部分がイベント中継などでも結構問題になる事が多く、原因は映像のスイッチャー(切り替え機)などの信号が多少遅れる事が原因と考えられていますが、USTREAMでも起る事が多いので、どちらかというと映像の方がデータとしても容量が大きいものになるので、デコーダー作業の際の処理値の差分で起る事ではないでしょうか。

 いずれにしても、こうした中継やUSTREAM配信を行う場合にまず考えておくべき事は、回線が十分な速度が有る場合はクオリティーを求めるのも良いのですが、回線品質などが低い場合には無理に高画質、高音質に拘るのでは無く、多少クオリティーが下がっても途切れないという事が全ての
事項に優先させるべきだと思います。

 勿論、企業イベントなどでの専用回線などが敷設される場合には、その部分は大丈夫なのでしょうが、一般ユーザーの場合はそうも言ってられない状況が有ると思います。

 今回は実際の中継方法の差などについて書きましたが、機会が有ればまた書きたいと思います。

 USTREAMの活用方法など、まだまだ発展途上なので又ご報告出来ると思います。

2010/10/29

 前回は JunkStage Cafe での USTREAM の配信の話しを書きましたが、結構周りからも USTREAM の配信ってどうやんの?って事を聞かれるのですが。 単なる配信方法なら、ここ暫くで様々な配信方法を記載したサイトも増えて来ていますので、音的に良い形でも配信方法はどうしたものかというのを書いてみたいと思います。

 まずは、下のダイアグラムを見て下さい。

 これは前回行った JunkStage Cafe での接続方法です。

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 結構USTREAMを見ていると、どうしてもwebカメラ+マイクと形での放送も少なくないのですが、楽曲演奏など、もし少しでも音を良くしたいので有れば、ミキサーを1台用意すると良いと思います。

 ミキサーもそんなに高いものは必要では無くて、色々なマイクや楽器の音量を調整出来て、多少の音質調整が出来るだけの必要な入力が有るタイプで有れば良い訳です。

 マイクは出来れば出演者全員にピンマイクなどを付けて貰うか、各一人づつにマイクを1本用意をすると会話を取りこぼさないので良いと思います。 又、会場内の音声を全体的にざわつきやお客さんなどの反応を拾いたい場合は、ノイズマイクと通称呼んでいますが会場の音声を拾う専用のマイクを用意すると良いと思います。

 ハード的環境が整ったら、今度は内部ソフトですが。 基本的に、USTREAMで配信をするので有れば、USTREAM Producer というソフトを使います。

 このソフトは無料版と有料の Pro 版が有ります。 個人で配信される場合は無料版だけでも必要十分だとは思いますが、接続カメラの台数制限や配信が質の選択幅などが有りますので、企業配信やもし複数台のカメラを直接接続したい場合は、CamTwist などのソフトを使って接続台数を増やすか、有料版を使うと良いのではないでしょうか。

 ちょっと難しく書いてしまいましたが、ベーシックな接続方法のダイアグラムは以下の感じです。

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 カメラ関係の注意点ですが、高画質(HD)で放送をしようとしても、実は最近のHDカメラの多くは FireWire の端子が無い場合が殆どで、自分でやってる時もそうなのですが、少し前に発売になったFW端子の付いているカメラで放送をしています。

 勿論、USB接続のwebカメラでも放送は可能ですが、出来れば画質も高めたい場合にはDVカメラの使用をお薦めします。 もし、配信用のPCにFW端子が無くUSBしか接続出来ない場合には映像のキャプチャーインターフェイスなどを使うのも良いと思います。

 又、回線に関しては配信用のPCは有線LAN接続が好ましいです。 JunkStage Cafe でも起りましたが、無線接続の場合は何かの拍子に接続が途切れる事や、回線速度に比べてwifiでの接続速度の限度が低い事も有り、品質を下げる要因にもなりかねないからです。

 今回は基本的な配信方法などについて書きましたが、次回ではじゃぁ実際の現場での中継とUSTREAMの違いなどについて書いてみたいと思います。

 

2010/10/29

 もう結構前の話しになってしまっているのが不思議な感じですが、JunkStage Cafe が中目黒で行われた時に USTREAM で配信をしておりまして、ご覧になった方もいらっしゃるとは思いますが、どんな感じでやっていたのかという裏話的な事を書いてみたいと思います。

 今回の JunkStage Cafe では、現地の音響システム及び USTREAM の配信用のセットを持ち込んで本番2日間を行った感じです。

 まず、音響システムですが。

 ギャラリーの合間に行われるイベント用に、マイクを数本、そしてBGM用でCD関係を再生、そして会場への拡声という感じです。 楽器関係も多少有りましたので、楽器用のライン関係機材も多少持ちこんでおりました。

 そしてUSTREAM用での機材ですが、DVカメラ、三脚、配信用のMAC、集音マイク、そして会場でのPA音声を配信する為に、オーディオインターフェイスなども持ち込んでいました。

 実際、当日の配信状況としては、Mobile Wifi が結構途切れるという事態が起っておりまして、何とか後半は復旧させる事が出来ました。 原因は、やはり会場内での電波状況が悪い事と、会場のすぐ裏手に結構強力な電波塔が立っていた事が原因かと思います。

 今回の配信は、JunkStage Radio のアカウントを使用して配信をしておりました。

 実は、生演奏の部分の配信で楽しみにして頂いていた方には申し訳無かったのですが、イベント時点でUSTREAM上での著作権法遵守という観点からも敢えて放送をしていなかった部分が有りました。

 演奏自体が全てオリジナルで有れば放送も可能だったのですが、演奏の曲順などでカバーとオリジナルが混在している状況だった事と、全体のイベント自体の包括的著作権申請が、実際に放送となると内容的に変わって来てしまうという事も有り、JunkStage Radioという公式アカウントを使用している事も有り、残念ながら放送を控えたという事でした。

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 イベントの内容としては、ギャラリーがメインという形態で有りながらもトークショーやミニライブ、そして何よりも立地的に川沿いの心地の良い空間がゆるーい流れの時間を生み出していたのでは無いでしょうか。 それが配信を通じて少しでも視聴者の方に届いたなら幸せです。

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 昨今のイベント事情も考えると、USTREAMを始めとする同時配信の重要性はこれからもどんどんニーズが高まって行くのだと思います。 そんな中で、今回 JunkStage として、その流れを作って行くための初めての試みでしたが、今後もこうして外からお届け出来る形が出来れば良いなと考えています。 

2010/10/27

 急に寒くなって来ていますが、皆様風邪などひいておりませんか? 去年と同じくこの時期は忙殺されております。 去年は缶を握りつぶしてお茶を濁した事もありましたが、今年はそうも言ってられないので、ちゃんと書こうと思います。

 つい先日、舞台公演「響噪 - Hibiki No Sou 」が行われました。

 http://apoc-theater.net/?m=20101024&cat=3

 会場は千歳船橋のAPOCシアターという会場で行われたのですが、ここが良い感じなのです。

 1Fはオーガニック系のカフェになっていて、カフェから2Fに昇る階段を上って行くと、そこには全面黒で統一された小劇場が姿を現すのです。 あまりにも、1Fと2Fのギャップが有って、最初に上がった時はびっくりしましたが、音響、照明システムも充実していてかなり素敵な小屋でした。

 肝心の今回の舞台ですが、ダンサーが2名、トランペット+歌が1名、演奏家が2名の構成でいわゆる舞台を作らずにお客さんが周りを取り囲む形でのセンターステージ状態で行われました。

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 それに合わせて、音は天井の高い空間を生かすためにスピーカーをお得意の?高所作業で吊り込んで会場全体を包み込むような形で設置調整をしました。

 勿論、お客さんの居るゼロレベルの所にも低音を強調して、さらに吊ってあるスピーカーでは届かない部分へのフォローとして、2本ほど設置をしてみました。

 結果としては、中々普段出きないような舞台に仕上がったと自負しております。

 今回の舞台の為に、事前にうちの事務所に主催のダンサーと演奏家に来て頂き、綿密に空間の打ち合わせを行った結果がキチンと出ていたなと感じる舞台でした。

 又、照明家のデザイナーの方もとても素敵な方で、会場内に裸電球を吊り込んで一般照明とのバランスなどを素敵に空間を演出してらっしゃいました。 敢えての、スモークが濃い会場内はある種完全に別次元の世界観を見いだしていたのでは無いでしょうか?

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 商業ベースの舞台とは違う、自分達が表現をする為の舞台という古くも新しい形での公演は自分達の気持ちや表現したい事をお客さんに伝える最良の手段かもしれません。

 徐々にでは有りますが、このような形での舞台が増えて行く事を期待しつつ、普段の業務と音をデザインして行く事への挑戦はまだ続いています。

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