2008/10/09

 
みなさん、こんばんわ。月刊ジャンクステージ・ライターのイトウシンタロウです。
せめて「隔週で書いてください…」という週刊ジャンク編集部の願いもむなしく
「30分遅刻しそうなら、いっそ1時間遅刻して行け」が自分の座右の銘のイトウです。
素直に謝ります。ごめんなさい。

 
先月は、先々月の「ジャンクステージ第一回公演」の熱も冷めやらぬまま、所属劇団のチャリT企画の本公演「ネズミ狩り」に出演、(ご来場いただきましたジャンク読者のみなさま、たいへんありがとうございました)、そしてその熱が冷めやらぬままに、今月は新進気鋭の人形+人間劇団「バジリコ・F・バジオ」の公演「ニッポニア・ファンタジア」へと出演する運びとなりました。

 
この公演の稽古は先々月8月の中旬から稽古が始まっており、10/10の初日までやく二ヶ月弱の稽古期間があるわけですが、自分は先月16日まで所属劇団の公演に出なければならなかったので、今回の現場に合流したのは、既に稽古日程の半分以上を消化しきったあとでした。

 
「おはようございます、イトウです!」意気揚々と挨拶して稽古の輪に加わったのが既に9/19、周りの役者さま方は既に台本が頭に入っており、演技プランもある程度組み終わっているご様子。自分は数日前(しかも別の公演本番中)に初めて脚本に目を通したばかりです。
これは、合コンで言ったら、開始3時間後の終電1時間前に駆けつけたような、かぎりなく寄る辺ない立場です。

 
別に演劇は合同コンパではないので、周りがどうあれ自分が自分のベストを尽くせばいいだけです。ですが、今回の公演の座組みにいらっしゃる女優さんは、比較的自分の好みのタイプなみなさんばかりです。稽古初日はなんとか彼女たちのメールアドレスを携帯メモリに登録して事無きを得ました。

 
自分は自分の「女優さんの好み」について話すと「変わってる」だとか「偏っている」等、心外な感想を言われることも多いのですが、今回出演させていただく劇団「バジリコ・F・バジオ」の主宰でいらっしゃる佐々木充郭氏は、イトウと女優への嗜好を近くしている、小劇場界では稀有な方です。
もちろん、氏から公演出演のオファーをいただいたときには、そういったことは抜きで純粋に「バジリコ・F・バジオ」のお芝居の世界に自分も参加してみたい、ぜひ出演させてください、一も二も無くホームページで今回出演される女優さんの名前をチェックしたのち、出演を快諾しました。

 
別に演劇は合同コンパではないので、こんなところで今回出演女子のビジュアルについて、ああだ、こうだ言う筋合いはまったくないのですが、一応下記、出演女子たちのスナップショットです。
撮影は、今公演に備えて機種変されたイトウの携帯電話(520万画素カメラ/手ブレ補正・顔認識機能付きオートフォーカス対応)。  写真は、全員ではありません。撮影NGだった素敵な方がまだまだ他にもいらっしゃいます。
 

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みなさん、一般的な概念では計測しきれない、ガチャガチャした個性を持ち合わせた、おもちゃみたいな女優さんたちです。1集団に1人いれば十分飛び道具として重宝されるところを、一公演に何人も寄せ集められてしまったようです。贅沢なことです。

 
※ちなみに上段中央は、このジャンクステージで別の連載をしている帯金嬢ですが、今回共演しているのはまったくの偶然で、たまたま同じ現場からオファーをもらって共演しているだけです。

 
そんな、合同コンパではない演劇の公演、バジリコ・F・バジオの『ニッポニア・ファンタジア』 の詳細は下記のようになっております。
 

■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□MITAKA “Next” Selection 9th.参加作品 バジリコ・F・バジオ
『ニッポニア・ファンタジア』
■10/10(金)→13(月) @三鷹市芸術文化センター 星のホール
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□
 
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▼日時
2008年10月10日(金)~13日(月・祝)
10日(金)19:30
11日(土)14:00/19:00
12日(日)14:00/19:00
13日(月・祝)15:00

▼チケット
全席指定
前売 2800円
当日 3000円
高校生以下 1000円(前売・当日とも/当日学生証拝見)

▼会場
三鷹市芸術文化センター 星のホール
《交通アクセス》
JR三鷹駅南口4・5番バスのりばから「八幡前・芸術文化セン
ター」下車すぐ
または6・7番バスのりばから「八幡前」下車1分
または徒歩約15分

▼更に詳しくは、
劇団ホームページ

▼ご予約は
コチラのフォームからどうぞ!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
会場でイトウらしき人間をみつけたら、ぜひお声をおかけください。
あなたが女子なら喜びます。

2008/10/09 02:06 | 未分類 | No Comments
2008/09/09

nezumi_flyer.jpg

イトウは現在、所属の劇団「チャリT企画」の公演稽古に勤しんでおります。
「ITO SHINTARO IS A NICE STALKER」名義では作・演出を務めて、好きな女子(女優)にあれやこれやと好き勝手指示を出す日々でしたが、一俳優として参加するホーム劇団での稽古は実にストイックなものです。(「好きな女子(女優)にあれやこれやと好き勝手指示を出す日々」が「ストイック」でなかったわけではありません。)

携帯の電波も届かない、地下2階のスタジオに連日10時間缶詰めにされて、おやつも満足に与えられず、エアコンの効いた快適な室内で、セリフを間違えようものならすぐさま「セリフを間違えるな」と言われ、女優が誕生日だと言えばケーキを買ってきて祝い、飲みに行ったり、厳しい稽古は夏の間中続きました。
 
 

ありがたいことに、JunkStageでは月例イベントとして、
『イトウシンタロウ出演の劇団「チャリT企画」の公演「ネズミ狩り」観劇ツアー』
なるものを企画していただきました。
ありがたいことです。
9月13日(土)の19:00開演の回の公演を観劇した後、
ご希望であれば、イトウを囲んで交流酒会を催すという内容のツアーだそうです。
時間さえご都合つけば、どなたでも参加ができるツアーです。
参加、詳細をご希望の方はどうぞ→こちら まで。

 
 
上記の9/13(土)のJunkStage企画のツアーには参加できない、または参加がはばかられるけれども、公演はぜひ観てみたいという方は、ぜひ他の回へのご来場も歓迎いたします。

 
公演自体は、会場となる王子小劇場で、9/12(金)→16(火)の期間中やっております。
詳細な情報はまた下記に記しますが、他の日でも「観たい」という方は、
こちらのチケットご予約フォームから、必要事項を記入して、チケットをご予約ください!
 

ネズミ狩りチケットご予約フォーム
※基本的に、観たい回の公演がある前日の24時までは、ご予約をうけつけています
※希望の回が万一売り切れの場合はご容赦ください

 
以下、ご参考までに公演の詳細な内容とご案内です
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□ 劇団チャリT企画 【ネズミ狩り】 作・演出/楢原 拓
■ 9/12金→16火 @王子小劇場
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□

▼みどころ
イトウが特殊メイクします

▼出演
松本大卒、内山奈々、伊藤伸太朗、高見靖二、
ザンヨウコ、杉村こずえ、宍倉靖二、
熊野善啓、小杉美香、長岡初奈、下中裕子

▼開演時間
9月
12(金)20:00
13(土)14:00/19:00
14(日)14:00/19:00
15(月・祝)14:00/19:00
16(火)19:00
※受付は開演の1時間前、開場は開演の30分前
※開演の5分前を過ぎると、ご予約がキャンセルとなって
場合によってご入場いただけない可能性もあります

▼料金
前売2500円(日時指定整理番号付き)
当日2800円
学割1800円(劇団のみ取り扱い・要学生証提示)
失業者・障害者=無料(要証明書類)

▼あらすじ
光市母子殺人事件や酒鬼薔薇事件をモチーフに、凶悪犯罪を犯した元少年とそれを取り巻く社会を通じて、死刑や厳罰化を煽り立てるこの国の「世間」の情緒や空気感をあぶり出す意外に直球、でも所々ふざけた新作群像茶番喜劇、といった感じです。

▼チケットのご予約
チケットのご予約フォーム
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このような感じです。
あらすじからは、なんだか硬そうな内容の印象も受けますが、扱う「題材」の硬派さと裏腹に、舞台に盛り込まれる「毒のある笑い」のセンスの方に定評があり、客席には、社会問題等へ特に関心のない、不マジメな観客と不マジメな笑いが溢れています。あくまで「コメディ」作品なので、「社会派」劇団等と名乗ってはいても、特に「政治的なメッセージ」や「社会への問題提起」などは(たぶん)発信しないのでご安心ください。

今月、来月は劇作業を封印して、一俳優として修練を積んでいくことになりそうですので、
どうぞ、イトウの勇姿に興味とお時間のある方とそうでない方はぜひ、劇場に足を運んで見てみてください。

2008/09/09 11:59 | 未分類 | No Comments
2008/08/20

 
…お久しぶりです。
月刊化ならいざ知らず、只今、「隔月刊化への冒険」真っ最中の『週間ジャンクステージ』ライター・イトウです。

 
月に一度のモノが滞る…男子にとっては由々しき事態です。
「このままずっと滞ったらどうしよう。どうか、たまたま遅れているだけであって欲しい」
切ない願いで神仏に手を合わす日々、とても「女子をめぐる」どころじゃありません。

 
そんなことにならぬよう、日ごろから自分自身を厳しく律して「冒険」していたつもりでしたが、やはり「その場の雰囲気」や「勢い」に流されて、時に失態も犯してしまうのが人間だもの。
後悔はしていません。
というか、むしろ「やって」「良かった」、「来てくれた」「あなた」に感謝です…

 
というわけで、
イトウの記事の更新を大幅に滞らせ、「女子をめぐる冒険」を大幅に中断する憂き目となった原因、

 
JunkStage 第一回公演

 
まずは、ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました!!
個人的には、Gの悲劇等いろいろありましたが、今となっては良き思い出です。
イベント本番からだいぶ日もあいて、ようやくほとぼりも覚めてきた頃ですが、
今後の活動の参考とするために、まだまだ「ご意見・ご感想」は募集中のようです。

 
このイベント、自分は「総合演出」と「演劇」部門の作/演出・出演をさせていただきましたが、
「総合演出」とか言って何やるの?周囲の演劇関係者からはよく聞かれました。
ですが、最後まで自分でもよくわからなかった、というのが率直な感想です。

 
さかのぼる事、今年の1月。
まだ初対面と新年会の2回しか会ったことがなかったJunkStage編集長(女子)から、突如恵比寿のおしゃれcafeに呼び出され、なんだろう、デートかしら、ノコノコ出かけていったら、
「JunkStageでは今年から舞台を定例化することにしました」との一言。

 
WEBマガジンサイトを舞台化ってどういうことすか?
ドラえもんですら舞台化されてしまう昨今ですが、WEBサイトの舞台化というのは聞いたことがありません。きっと何か深い考えあってのことだろうと、二の句を待って彼女の顔を見つめていたら、
「一体どうしたらいいんですか!?」
逆に向こうから真っ直ぐな視線の質問(?)が返ってきました。

 
どうしよう、全然意味がわからない…
内心焦りながらも、そのおしゃれcafeはなかなかおしゃれで、各テーブルに一つずつキャンドルを置き、照明の代わりにしていたのですが、卓上キャンドルに照らされた女子の瞳というのは、ときに潤んでいるようにも見えます。涙目の女子にむげな態度は取れません。
苦し紛れに「と、とりあえず、企画書を作って、会場を押さえて、総合演出家に構成をさせたらいいんじゃないですか?」言ったのが運の尽きでした。

 
その二ヵ月後、イベントのキックオフ・ミーティングに参加してみると、一度も「うん」と言わないままに「総合演出の伊藤さんです」紹介をされ、あろうことか自分も「どうも、総合演出の伊藤です」自己紹介しており、今、思えば、あのミーティング、なぜか自分の両隣の席が編集部の美人女史達だったのですが…、気づいたら企画書と構成台本の執筆を約束していました。

 
それから、ただでさえ遅れがちで隔週化していたイトウの『週間ジャンクステージ』は、企画書と構成台本の作成に時間を割かれ月刊化。本番が近づくにつれ、スタッフや出演者との打ち合わせに時間をとられさらに時間はなくなっていったものの、本番当日にアップされるという、『特別号』の記事だけは、書こうと思っていた矢先にGの悲劇に見舞われ、、、、

 
詳細はこちらの「Gの悲劇」を是非読んでいただけると、わかりますが、
簡潔に言えば、「本番の10日前にウイルス性の急性胃腸炎にかかり、経験したこともないような激痛に苦しんだ」という出来事がありました。

 
その時の模様を、携帯で動画に納めたので、ここに貼り付けてみます。(PC用)
(万一見れない方←Adobe Flash Playerのインストールが必要です!)

携帯の方はここから見れますが、パケット量がすごいのであまりお勧めできません。

みどころとしては、

1、看病に駆けつけたJunk共演者の帯金嬢に撮影を命じつつ、激痛に苦しむイトウ
2、困惑しながらも撮影を始める帯金嬢
3、途中、過呼吸に苦しみペーパーバック(二酸化炭素を吸いなおす)をするイトウ
4、指先が痺れて曲がらないイトウ
5、撮影に興が乗り、苦しむイトウを無視して撮影しまくる帯金嬢
6、自ら撮影を命じておきながら、自分を気遣わない帯金嬢に怒りを覚えるイトウ

といった感じになっています。

 
撮影後、帯金嬢からは、「わたし、『蹴りたい背中』っていう小説のタイトルが大好きで、苦しんでる男の人の背中とかすごい蹴ってみたいんですけど、今のイトウさんは、マジ苦しみ過ぎなんで、ちょっとひくっていうか、正直あんま蹴りたくないです…ごめんなさい」という、完全に僕のキャパを突き抜けたレベルの謝罪を受けました。
 

そんな惨状からなんとか回復するのに3日の時間を要し、演劇チームは台本もないまま一週間前という大変な事態を迎えてしまったわけですが、、、それについては、また後日書くかもしれません。たぶん書きません。トラウマなので。 

 
なによりも今は、「JunkStage 第一回公演」という言い訳を既に失ったイトウとしましては、いつまでもこの記事更新を、月刊化、隔月刊化しておくわけにはいきません。きちんと、「週間」でがんばっているライターのみなさんの背中は、遠く霞んで見えませんが…、できるかぎり前向きに善処していく方向で行きたいなと検討している所存ですので、これからも一つ、ご精読のほどを何卒よろしくお願いいたします。

2008/08/20 08:34 | 未分類 | No Comments
2008/06/28

 
とうとう式場選びに行くことになりました。

yokohama_01_chapel_01

 
これまでに2度、この場をお借りして書いてきた、
『春に、飲んだときのノリで「絶対いつか結婚しようね」「うん、そうだね」ということになった』某女子。

 
彼女と夫婦を偽装してマンション見学に行くこと2棟。
(1、都内4280万円 2、武蔵野市内デザイナーズ・マンション3998万円

 
「とか言って、なんか、もう、本当は付き合ってるんじゃないの? 微妙にいちゃいちゃしてるし」

 
みたいに、そろそろ思われる方のいらっしゃるかもしれません。思っていただければ光栄です。
そうやって、世界のすべての方が僕ら2人を誤解してくれるようになったとき、 偽装が偽装でなくなる日が来るのかもしれません。来たら来たで非常に困りますが。
今のところは、まだ「偽装」です。

 
ただ「偽装」と言えど、男女が熱の高い関係を維持していくためには、常に、より新しい、より強い刺激を求めていかざるを得ない、というのは通常のカップルと同じようです。 

 
上記「武蔵野デザイナーズ・マンション」からの帰り道、女子が言いました。

 
「ねー、嘘でいいから式あげる?」
「え?」
「もしくは、嘘で、婚姻届け出すとか」
「それ、嘘じゃなくない?」
「うわ、テンション上がってきた!来週は、式場探しか中野区役所ね☆」

 
さすがに、公的機関を欺く覚悟はまだありません。

 
そのようなわけで、その次の週は、某・式場の斡旋会社が主催する、ブライダルフェア(@横浜バスツアー)に出かけることになりました。

 
申し込みしたホームページの触れ込みによれば 
 

・創業40年、23,000組のカップルに式場をご紹介
・バスで回る無料見学会は、移動もスムース、ラックラク!
・式場でのランチ&ティータイムが付いてふたりで1000円ぽっきり
・見学会ならではの、模擬挙式・ドレス試着・料理試食会などがテンコ盛り!
・デート気分で見に来てネ!

 
各文言、文末に微妙なセンスを感じつつも、

 
「試食!?行く!」

 
という女子の高テンション。というか、1000円で女子と横浜デートなんてこの上なく安い。
勢いこんで、バスツアーを予約したわけですが。

 
 
当日、まさかの遅刻。

 
 
自分も女子も23区在住ですので、横浜に9:45集合はちょっと早いなー、思いつつもまあ大丈夫、タカをくくっていたらば、待ち合わせの新宿駅に女子が現われない。
電話してみると、「えへへ、ごめんね。さっき家出る寸前まで行ったんだけど、やり直しくらっちゃって」
なんぞそれ。なんぞ。可愛い女子には謎が多いぜ。つぶやいて、時間つぶしに駅構内の「東京ばな奈」や「黒ごまプリン」をじっくり見学。「今日は1000円以外使うものか」強い意志で銘菓をみつめながら女子を待つ30分。

 
結局予定より5本遅い東横線に乗り込んで、2人、一路横浜へ。
運良く特急に乗れたため、遅刻を謝るのも早々に始まった女子の「サボテンが生霊をはね返す」話に様々な意味で心奪われているうち横浜駅到着。
お、間に合うか、思ったのものの、サボテンの呪いで道に迷い15分遅れで現地着。

 
しかし、あたりを見回しても、その場にそれらしい人はいません。
「どうしよう、おいてかれちゃった?」いや大丈夫、右往左往、焦っていると 「あ、伊藤さん?」
声をかけてきたのはその辺のおばさんにしか見えない格好のその辺のおばさん?
「ちょっと待ってたのよー(語尾上がりめ)、さ、こっち、こっち」僕の腕を掴んで走り出します。
え、いきなりタメ口で何をなさる。「みなさんね、チャペル前で、待ってらっしゃるの」 もしや、斡旋会社の人ですか。てっきりマンション見学のように、スーツの社会人が出てくるものだと。

 
状況を把握しきれないまま、小走りに会場ホテルのロビーを突っ切り、「わたし、式場カウンセラーの丸林(仮名)です」おばさんが自己紹介。「どうも伊藤です。」腕、痛いです。「遅刻してマジサーセンした!!」なぜかバイト先みたいな女子の謝罪。「全然いいのよ、今始まるところだから」の割には、僕の腕をあり得ない力で引っ張っていく丸林女史。その早さにやや置いてかれる女子。最後は結局3人半ダッシュで、会場チャペル前の小部屋に駆け込みました。

 
駆け込んだ小部屋には、品の良い応接セットが数組あって、それに座るカップルずらり32組。壁際には、ケータリング・コーナーがあって、ジュースやコーヒーのポットにケーキ皿?
ソファに座り、女子がケータリングへ立とうとした瞬間、説明会がはじまりました。

 
「どうも、本日みなさんと一緒に式場をまわらせて頂く、丸林(仮名)でございます。まずは、みなさんに今日のツアースタッフ、カウンセラーをご紹介いたしますね」

 
で、出てきたのがまた、普通のおばちゃん追加で×5人
「なにあれー普通のおばちゃんじゃん!」
たしかに、なんだか親戚のおばちゃん心配で付いて来ちゃったわよ、的な風情の、親しみ?いや、もはやわざとそういう演出かもしれません。
「あたしさ、丸林さん?あんましょぼい格好だから、最初便所そうじかと思っちゃったぎゃはは」
遅れてきた上に私語を慎まない二人に対して、温かくも厳しい視線が注がれます。
ちょ、ちょっと空気やばそうだし空気読もう女子。
「ねえ、今ケータリング行って飲み物取ってきたら怒られるかなあ?」
怒られる。いや、たぶん怒られないけど、心の中ですごく怒ると思う。
「ぶ!ねえあの男の人、湘南乃風みたい」
そうだね。式場見学なのに、頭に手ぬぐい巻いて、おかしな人だね。あ、でも新婦の人は美人だよ。まあ×××(女子名)には負けるけどね☆ もう、シンタロウさ~ん。あはは。

 
気づいたら完全に、問題児カップルでした。
全12時間、3会場を見てまわる団体行動、スタート15分でこの目のつけられよう。
大丈夫かな、不安に思っていると、
「♪ ああー父さん、かあさ~ん ああ~ふふふふんふんふんふん~」
おそらく『ハッピーサマーウェディング』と思われる曲を口ずさみながら、女子がなにやら携帯メールにメモを取っています。何書いてるの?
「今日、あったこと、伊藤さんがJunkStageに書きやすいようにメモしてるの」
画面をのぞいてみれば「便所のおばさん、湘南乃風、たぶんヅラ」等の文字。

 
いい子だ。

 
ともあれ、女子の、メロディも歌詞もおぼろげなモー娘。をBGMに、式場見学ははじまりました。

  
当分続く

2008/06/28 07:40 | 未分類 | No Comments
2008/06/18

 
先日の飲みで「絶対いつか結婚しよう」ということになり、なぜか一緒にマンション見学に行った女子から、夜中1時に電話が掛かってきまして、

 
もしもし、運命の人ですか~?
「あ、はい、イトウです」
「あ、電話代あれなんで、そっちからかけ直してください」
「……。」

 
で、掛け直したら、

 
「新居みつかったから、見てみて。メールでホームページのアドレス送るから。じゃ、一回切るね」
「……。」

 
で、PCメールを開いたら、
 

「ぜったいに、ココがいい。」という本文に、某デザイナーズマンションの販促サイトのアドレスが貼付されてました。見てみると武蔵野市の某巨大新築マンションの最終分譲で、週末に予約制の見学会を開催するとかしないとか。

 
「見たら、電話ください」のメールが来たので、電話したら、
 
 
「見に行こう、買いに行こう!」
でも、「マンション見学」は一回JunkStage書いてるし、電車でこの子と遠出するのはなんだか…。
「今、伊藤さんの名前で見学会の予約入れたよー」
そうですか。

 
で、オレンジ色の中央線に並んで座って出かけたのですが。
このマンション、どこが気に入ったの?

 
「そりゃ、もちろんデザイナーズでしょ!あと耐震性」
「ズ?耐震性?」
「耐震なんとかがレベル2だって。それってすごいの?」
「どうだろ」
「伊藤さんちのマンション(賃貸)、あれでしょ偽装でしょう。姉歯」
「となりがね」
「ほんっと許せないよねー。地震で家具とかに潰されて死ぬのは嫌だって!なんで分からないのかな!」
「そうだねー」

 
国分寺だか国立だかの駅に着きまして、そこからはタクシー。
なのですが、二人とも今から見学に行くマンションの名前が思い出せない。
「どちらまで?」運転手さんに聞かれて女子、

 
「あのー、なんだっけ。なんとかなんとかっていうマンションです」
「?」
「いや、だからマンションを見に…行きたいんです!見学!」
それじゃ通じるわけないよ女子。
「ああ、<ク×ウン×ー×ン武蔵野>のモデルルーム見学会ですか?」
通じた!
「あ、それ。それでいいですよ」

 
すごい。何事にも慎重さを旨として当たる自分としては、この強引さに学びたいところもあります。

 
「わたしねー、大抵の事ってなんとかなると思ってるから。」
「ああー」
「マンションだって買えるよ、たぶん」
「うーん」
「買うのは伊藤さんだけどね」
「ああー」
「がんばってね」
「うーん」
 

ent1[1]そうこうしているうちに、車は<ク×ウン×ー×ン武蔵野>の「エントランス玄関」前に。エントランスと玄関て同じ意味じゃん?思う間もなくいらっしゃいませ!!お待ちしておりました!!こちらへどうぞ!!明らかにマンションなど買えそうにない、学生テイストの女子&タクシーの領収書をもらうのに必死な無職テイストの男子(実は劇作家兼俳優)を迎えるため、寒空に立ち尽くすスーツ姿の社会人6名。
そびえ立つ「エントランス玄関」は、ただただ来客を迎えるために特化された建物のようで、そこを通りぬけると中庭があった後、さらにロビーとクローク(!)が付設された「ウェルカム・ホール」。
 
 
 
 
aqua[1]マンションなのに、クローク?ロビー?「さっきのエントランス玄関、伊藤さん家より広いでしょー」この子はどうしてひそひそ話の声が大きいのか。こちらでお待ちください、と勧められたソファ様が置かれていらっしゃる床が大理石。ガラス張りの壁の向こうにはさらに中庭、そこを流れ落ちる滝(アクアテラスと言うらしい)。
「伊藤さん、滝だよー」待っててって言われたでしょ、どうして勝手に中庭に出て、滝に触って、滝に入ろうとしてるところに、偉そうなスーツの人が戻ってくるの。

 
 
lounge[1]「はっはっはー、良いですよねー滝」
ぜんぜん「良いですよねー」ではない目で女子の方をみながら、ご案内の方が施設の説明を始めます。24時間常駐の警備員、子供用プレイルーム、トレイニングジムに無線LAN完備の図書室、ゲスト用宿泊ルームにマッサージチェアルームetc.etc.無料で使えて、すごいんです、安いんです、ところでご家族はお二人だけですか?

 
 
 
きたきた、この質問。前回はドキドキしながら答えたけど、今日は目を見て言ってやろう。
 
 

hir[1] 「はい。妻と二人です。…今のところは」

 
 
言ってやった。
女子の目を見る。
恥ずかしそうにうつむく女子。はにかむ僕。
つられてはにかむご案内の方。

 
 
やった、共有!
この偽装結婚に、また一人共感者が増えました。
こうして、僕らの偽装はより本物に近づいていくのでしょう。永遠に近づき続けるだけかもですが。

 
 
 
kids[1] 「なるほどーいいですねー」なにがいいのか、コメントに困ったのか満面に微笑むご案内さん。「当マンションはですね、セキュリティも万全、公園も学校も近くて、お子さんをお育てになるには最高の環境ですよ」「まあー左様ですかぁ」顔を赤らめる女子。「じゃあ、伊藤さん、ね…」ね…じゃない。こんな見ず知らずの社会人さまの前でソフト下ネタしてる場合じゃない。というか、夫を苗字で呼ばない!「はっはっはー良いですねー」良くない。
 
 
「ところで、本日は何が決めてとなって、当マンションを見学いらしたんですか?」
「あのぉ、やっぱりデザイナーズです」
「ああー、なるほど。ですよね、いいですよねーデザイナーズマンション(笑)」
「えへへ(笑) デザイナーズもやっぱりこのマンションに住んでるんですか?」
「はっはっはー、それでは、まず1階の付帯施設から順番にご案内しますね。こちらです」
 
 
女子の不思議な質問を華麗にスルーしてご案内さんがご案内してくれたのは、ひとつひとつが瀟洒なインテリアでコーディネートされた付帯施設の数々。なかでもゲスト用宿泊ルームは、専用のジャグジーまでついていて、ちょっとした高級ホテル並み。

 
guest[1] 「こちらは、一泊5000円でご利用できます。ご実家の親御さんや遠方からのお客様などがいらした時にご利用ください」
「うちらも泊まれるの?」
「もちろん、マンションの住人の方でしたら、いつでもご利用になれます」
「いいねー、むしろここに住みたいねー。今日とか空いてないんですかぁー?」
「次のお部屋はトレイニング・ルームです」

 
ルームランナーの上で走るマダムあり、バランスボールに座るマダムあり、ストレッチをするマダムあり。

 
fit[1] 「ここってぇ、たとえば大きな声とか出しても平気ですか?」
「大丈夫ですよ。周りの迷惑にならない程度でしたら、基本的に、自由になんでもしていただけます。」
「じゃあ、えーと。歌は?」
「周りの迷惑にならない程度でしたら大丈夫です」
「じゃあ、踊りとかは?」
「周りの迷惑にならない程度でしたら大丈夫です」
「えへへ!えへへ!(興奮気味)」
「…そろそろお部屋の方を観にいきましょうか」

 
こうして、立派な会社人であるご案内さん(名刺をいただきました。×久保さんありがとうございました)の脳溝に、無用な愛(偽装)の爪痕をいくつも残しながら、マンション見学は進んでいきます。

 
後半へ続く(かも)

2008/06/18 04:31 | 未分類 | No Comments
2008/06/05

 
小2のとき、となりの席だった奥田加奈子ちゃん(仮名)に
「わたしたち、ぜったい将来結婚するよ。だって今、占いでそう出たもん!」と耳打ちされました。

 
当時の僕は、恋のABCさえ知らない半ズボン少年でしたが、「この子、ぼくに気がある!」即断するには十分な年齢です。どういう流れを踏んだか忘れましたが、その日の翌々日の放課後に、「デートをする」ということで決まりました。加奈子ちゃんは「今日」の放課後にしようと言ったのですが、僕が「いや、余裕をみて明後日にしよう」と言ったので、翌々日になりました。

 
nanohana その日(耳打ちの日)の放課後、僕は菜の花を摘みに旅立ちました。数週間前に山田雄太(仮名)と神山健二(仮名)と一緒にフリスビーをして遊んだ空き地の真ん中で、(何故か一本だけ)菜の花が咲いていたのを覚えていたのです。デートと言えば花束だろう。トレンディドラマの類は、両親に「これは大人が見るやつ!」一切の視聴を禁じられていましたが、それでも監視の網をかいくぐり盗み観た「金曜日には花を買って」等から、「待ち合わせ=花束不可欠」のルールを学習していました。

 
ですが、探せど探せど菜の花はみつかりません。今考えれば、数週前(数ヶ月かも…)に咲いていた菜の花がいまさら咲いているはずなどあるわけないのですが、「明後日花がないと困るんだよ!」その時の僕は執拗に空き地の草はらを探し続けました。 大人になった今でもそういうところがあるのですが、子ども時代の僕はあきらめるということを知りませんでした。背丈ほどもある初夏の草々を掻き分け「花が、花が…」つぶやきながら一時間も二時間も歩き回り、だけどそれでもどうしてもみつからない菜の花に業を煮やした小2のイトウは、やがて悲壮な決意をします。
「みつかるまでこの空き地の草を抜き続けてやる!」そうして、最後の一本まで抜き続ければ、絶対みつかるはず。花はこの草はらのどこかにはあるんだから、理論的には絶対それでいけるんだ。よし!

 
kusaharaいろんな意味で破綻した理論ですが、小2の男子は信じていました。デートには花が必要で、自分はこんなにも一生懸命あの子のために花を探している、だから絶対いい感じにすごい苦労したところで花はみつかって、あの子は涙等を流して喜んで僕を尊敬しまくる。恋愛ってそういうもんだろ。
すっかり日も暮れて門限も二時間を過ぎ、それでも僕はあきらめず、むしろわざと転んだりとかして「くそ、あきらめるもんか!」自分を鼓舞する言葉をつぶやきながら草を抜く自分に酔いました。

 
翌日の放課後も、僕は同じ草はらにいました。前日は、門限を大幅にやぶり、衣服を草の汁だらけにした件でひどく叱られましたが、その日は前日よりも揚々と門限を破り、草を抜いていました。「愛のためなら、親に叱られるくらい何だ!」むしろ障害が燃え上がらせるタイプでした。しかし、抜き続けても抜き続けても草はらの草は無限で、菜の花はいっこうに見つかりません。代わりに、わざと転んではつぶやく回数が増えていきました。「くそ、こんなところで終わってたまるか」「くそ、あの子が待っているんだ!」「くそ、俺はこの程度なのか…」転ぶ、つぶやく、草を抜く草を抜く。転ぶ、つぶやく、草を抜く草を抜く。転ぶ、つぶやく、つぶやく、草を抜く。通りすがりの大人が見たら、なんと奇特な遊びだったでしょう。結局、菜の花はみつかりませんでした。

 
KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA 次の日の放課後、僕はサルビアをサランラップで巻いたものを持って、待ち合わせのブランコ前にいました。サルビアは校庭脇の花壇で調達し、ラップは家から決死の覚悟で学校に持ってきました。サルビアは赤い花の先端を引き抜いて吸うと、甘い蜜の味がしたので皆に人気があり、それ故に花を摘むことは固く禁じられていました。ですが、むしろその戒めは僕にとって好都合で、もはや、何かの困難を乗り越えずには、花を調達することの出来なくなっていたのです。そうして、また門限を過ぎるまで僕はブランコの前にうっとり立ち続けていたのですが、とうとう加奈子ちゃんはやって来ませんでした。

 
その次の日の朝、席について加奈子ちゃんに聞きました。「きのう、学校終わったあと何してたの?」「佐野くん(仮名)とかとドッジボールしてた」 知っていました。校庭の隅のブランコから、逆サイドの隅でドッジをする一団がずっと見えていたのです。その中でボールを避ける加奈子ちゃんを、僕は片時も見逃さずにいました。やがて、日が暮れ、一団はランドセルを背負いなおしてめいめい帰っていきました。brankoもちろん加奈子ちゃんもいったんは視界から消えましたが、それは周囲の目を避けるため、一度帰るフリをしたのだと、僕は知っていました。
「そっか」僕は答えて、じゃあなんで昨日来なかったのだろう、その日の一限目から今日まで考え続けています。その後、結婚の話もデートについても加奈子ちゃんの口から出ることはなく、中1のときにも同じクラスになりましたが、2学期が始まる前に関西の方へ引っ越してしまいました。

 
 
で、一昨年に中学時代の同窓会が一学年合同であって、まあ、加奈子ちゃんは名古屋に住んでいるということで欠席していたのですが、加奈子ちゃんと仲のよかった鈴山信子さん(仮名)が、「なんか、この前加奈子ちゃんとメールしたとき、中1の時おもしろかったイトウくんと東山くん(仮名)の二人がその後どうしてるのかな~気になる~って話になったよ」という話題になり、「たぶん大丈夫だから」と頼んでもないのに加奈子ちゃんのメアドと携帯の番号を教えくれました。(ちなみに、その話を一緒に聞いていた東山氏は、中学時代鈴山さんのことが好きだったので、別な意味でうはうはしていました。)

izakaya  
で、その同窓会の二次会、たいして仲もよくなかった増山くん(仮名)の隣に座ってしまったため、何か話題はないものか、上記の思い出話をしてみました。
すると増山くん「え!伸ちゃんサルビア抜いたの!?すげえ!」予想外のポイントに大きな反応が。「だって、あの頃サルビア抜いたひとさ、全校の集会とかで前出されて、河野先生(仮名)とかにすごい怒られてたじゃん」「ああ、そういえば」「すげえなあ笑」
当時、休み時間のサッカーに加わらない変わった奴という印象だった僕が、影でそんな度胸を示していたなんて…なんか見直した!アルコールも手伝ってか相手も話題が無かったのか、ずいぶんとその話で盛り上がりました。

 
 
まったく。
愛のために摘んだ一株の花が、20数年の時を経て、思わぬ人から思わぬ評価を引き出すものです。人生っておもしろいですね、、、

 
…なんて、きれいな終わり方をする文章じゃあありません。
今回の「筆者の言いたいこと」は、ずばり下記です。

 
奥田加奈子さん(仮名)、菜の花同様、僕はまだあきらめていません。
あの日、どうして待ち合わせに来なかったのか、その理由を4000字以内で貼付して、ジャンクステージ編集部 info@junkstage.com までご連絡ください。理由如何によっては、まだ結婚もやぶさかではありません。それとも、もう結婚しちゃいましたか…(涙)
ちなみに、せっかく教えてもらったメアドとTEL番ですが、プライドと気後れが主な原因で、こちらからは連絡できそうにありません。悪しからず、とっととそっちから連絡をよこしてください。

 
…以上、長々と私信にこの場を使わせていただく結果となり、大変恐縮ではありますが、読者の皆様におかれましては、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

2008/06/05 08:39 | 未分類 | デートには花を持って はコメントを受け付けていません。
2008/04/07

 

初対面なのに、無闇に肩や太ももへ手を置いてくる女子がいますね。飲み会等で。
「伊藤さんはー、」とか話題や質問をふるついでに、なにげに乗せるわけです。
ハタチの頃ならいざ知らず、「さてはこの女子気があるな。へへへ」勘違いするほど、2008年のイトウは愚かではありません。
しかし、万に一つ気があったらもったいないというのも事実です。もったいない精神。一種のエコです。なので、一応口説いてみるわけです。
その後の後悔はあとを絶ちません。

 

こういう場では、男子側からのスキンシップに対するモチベーションも低くありません。
どんなに魂胆が見え見えであっても、「手相」等と称して御手に触れるわけです。
こういう時、触れられる側の女子も不思議と嫌な顔はしません。
余談ですが、自分はどうしてもこの「手相見てあげるよ」ないし「俺、手相見れるんだ」が、恥ずかしくて言えません。だって、男同士だったらそんなこと絶対しないわけだし「この人わたしにお触りしたいのがバレバレだわ、まあ恥ずかしい」なんて思われたら恥ずかしいではないですか。  

 

keitaidennwauranai代わりと言ってはなんですが、僕は「携帯電話占い」というのをお勧めします。女子に携帯の11桁の番号を紙に書き出してもらい、その数字の高低を基に折れ線グラフをつくって、「それがあなたの一年の運勢の上下を示しているんだよ」という画期的な占星術というか真っ赤な嘘です。
だけども不思議、この占いを終えると何故か自動的にその女子の携帯番号が手に入ります。電話で以後の繋がりさえ保てれば、長い人生、いつか御手を握る機会もあるでしょう。
ほかにメルアド占いというのも考えたのですが、「@」の部分をどう説明すれば良いのか、妙案が欲しいところです。
上記を読んで「是非実践したい!」と思った男子に一つアドバイスがあるとすれば、このような手法でしか番号を教えてくれない女子は、生涯手など握らせてくれないということです。僕が保証します。

 

かくいう自分も、公共の場で女子的なものに触れる機会がなかったわけではありません。
百貨店でマネキンを運ぶアルバイトをしていました。
初めて運ぶ女子型の物体にどう手を回したものか、マゴマゴていると、「股に手を入れろ!」ひげ面の先輩に怒鳴りつけられました。なるほど、長身なそれを運ぶためには、確かに足と足の付け根に指を入れ、なおかつもう片方の腕で胸部分を支えるのが一番安定します。これが業界標準です。
そのようなわけで、荒くれたバイトの男らが、一糸纏わぬ彼女達の根元に指を刺し、百貨店の出入り口を夜な夜な往復運動しているのです。
mane しかしながら、なぶられ放題の彼女達にも、触れられてはならない部位があります。それは手と顔です。
マネキンは普通、商品の衣類を着せられて展示されるため、先述の胸や足の付け根部分が人目にさらされることはありません。逆に手首から先と顔面については、ほぼ100%露出することになります。
顧客の目に触れる部分に、男達の手垢を付着させるわけにはいかない、そうした配慮から、生身の女子とは触っても良い部分が逆転しているのです。
「胸や足の根元ならいくら触ってくれても構わないわ。でも、もしあなたが手や顔に触れてきたら、それでお別れ(クビ)よ。」なんだか切ない関係と思うのは僕だけでしょうか。
たぶん僕だけです。

 

このように、初対面の相手に初めて手を触れる、というのはなかなかに苦労を伴う行為です。
少なくとも自分はそうです。
どう巧い理由を付けてみても、完全自然でさり気ないボディタッチなんてありえません。
ですが、俳優の場合、えてしてそれをすることが求められます。手を触れるどころか、台本に「そこで抱き合う二人」等記載があれば、初対面であれ「そこで抱き合う」必要があります。
普通に生きてたら、真昼間から初対面でしかも人前で「抱き合う」なんてことまずありえません。
すごいです。

 

上記のような場合、新人の俳優等だと、いろいろな戸惑いの気持ちを無理やりに押さえ込んで、ガバッと共演者へ抱きついてしまう人が多いようです。
「自分は俳優なんだから、こういう行為を恥ずかしいと思うべきではない、だからそんなこと気にせずほら勢いよく抱けてしまいますよ!」という心積もりなのでしょうが、そういう演技は大抵、「そういう心積もり」が丸見えの不恰好な形になってしまいます。
だいたいの場合、肩に比べて腰から下の距離が異様に離れた形か、異様に密着しているのに足先だけ開いて半歩下がってしまっている形になるようです。
ちなみに自分は前者です。長年やってるのに恥ずかしい。「こんなことでは駄目だ!」一念発起し、昨年は複数の女子と上記のようなシチュエーションで絡む台本を自ら執筆、未熟な自分を鍛える修行として公演を重ねました。しかし、修行はまだまだ足りません。今後も継続的な修行が必要なようです。もっともっと修行がしたい今日この頃です。

 

さておき、こういう演技を矯正しようとすると、日本の演出家は「君達は俳優なんだから、そういう行為を恥ずかしいと思うべきではない、さあやれ!」という強硬な態度に出る人が多いそうです。
これを、某有名フランス人演出家の方に言わせると「日本人の性の民度の低さが現れている」のだとか。「性的な感情は、○○であるべきだというロジック(論理)では解決できない、フィジカル(肉体的)なものなのに、日本人はすぐメンタル(精神的)な問題にすりかえて乗り越えようとする」のだそうです。
まあ、半分くらいは賛同できそうな意見ですが、「性の民度が低い」とか、余計なお世話です。さすが、GDPは日本の半分程度なのに避妊具の売り上げは3倍、性の大国らしい発言ですね。
まったく。ぜひ一度訪れたい国の一つです。

 

僕の場合、芝居の中で共演者どうしが接触する場面のあるときは、最大限、その事に対する演者の抵抗感、というか、恥ずかしさのような気持ちを感じることを大事にしたいです。
ぶっちゃけた話、たとえ初対面の役者同士が抱き合わなければならないような状況にあっても、10回20回稽古を繰り返していればすぐに慣れてしまいます。慣れてしまったとき、新鮮さを取り戻す足がかりとなるのが「最初は恥ずかしかったなあ」という感情の記憶だと思います。そういうのをすっ飛ばして強引に演技を固めると、倦怠期の夫婦のような、死んだ目の接触になりかねません。
最初は肝心です。

 

donttuch というわけで、これから出会う初対面の女子の皆様。飲み会等でイトウのことを触ると、少々モジモジすることもあるかもしれませんが、それは決して嫌がっているわけではありません。自分の中の「恥ずかしい」時間を大事にしているのです。イトウの肩や太ももは、広く皆様に開放されております。遠慮なくお触りくださいますよう、この場を借りてお願い申し上げます。
また、何をお間違えか友情の証なのか、断りなくイトウにベタベタ触ってくる男子の方が稀にいらっしゃいます。なれなれしいのと仲がいいのは違いますから、 是非おやめください。

 

こんな自分ですが、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

2008/04/07 02:40 | 未分類 | No Comments
2008/03/01

 

先日、知人の女子と飲んでいたら、ノリで「絶対いつか結婚しようね」「うん、そうだね」ということになりました。朝まで飲んで結構盛り上がったのですが、そのまま婚姻届けを出しに行こうとか、ドンキに指輪を買いに行こうとかいうのは、リアルな感じで敷居が高かったので、というかシャレにならないので、代わりに電柱に貼られていた不動産屋のチラシを剥がして、分譲マンションを見に行くことにしました。

 

highnessw_gaikan highness_layout

「開放感あふれる最上階の3方角部屋!!希少なダブル・ルーフ・バルコニー!!」

「都心立地でこの『開放感』は希少です!!」

「『希少な即入居可』物件!!OPEN ROOM当日はお部屋を『開放』しております!!」

 

この部屋の「希少さ!!」と「開放感!!」ばかりがビシビシ伝わってくる、二色刷りのチープなチラシを手に、開放感も希少さも無いチェーンの居酒屋で飲み明かした自分たちには、それも良かろうと。ボロ靴にボロい鞄を提げたまま、4280万円のその部屋へ二人、ずかずかと上がりこみました。

 

「おっ邪魔しマース!」
女子の場違いに元気な挨拶に「い…らしゃいませ」笑顔を引きつらせる背広姿の方々。明らかに学生テイストな服装の女子に続いて、明らかに無職テイストの貧相な男子(実は俳優兼劇作家)、やべえの来ちゃったよ、流れる不穏な空気。でも、そこはさすが営業職の方々、すぐに分け隔てのないスマイルで部屋を案内してくれました。「どなたでもご自由に」って書いてあったんだ、僕だって見に来たっていいはずだ。なのにこいつ、取り繕って笑いやがって、、、そんな被害妄想と裏腹に「なるほどー対面キッチンですか、さすがですねえ!」何がさすがなのか、妙に低姿勢になってしまう自分がいました。

対照的に、女子はご案内を無視して室内を歩き回る見て回る、そんな所を勝手に開ける、ちょっとちょっとそれは自由過ぎるよ。ヒヤヒヤそしてニヤニヤしながらご案内さんの顔色を伺っていたら、「ところで、ご家族はお二人さま…だけでしょうか?」

 

「はい、僕と、、、妻の二人だけです。」
 

 

highness_kitchen これを言うために、僕等はここに来たのです。目的達成。恥ずかしいからもう帰りたいなあ、と意味不明に僕がモジモジしていたら「なるほどー!奥様と。そうですかあ、それはいいですねえ!」何がいいのか、ご案内の方が妙に食いついてきました。「じゃあ、いずれお子様も」「はい、まあ。へへへ」まだ手もつないでないので、お子様はなかなか。「ご結婚されて、どのくらいに」「いやあ、まだ二年経たないくらいでして」なにしろ昨日の飲みのノリなもので。「お二人の新居のご購入ということで?」「はい、まあそうですね」今、財布の中諭吉が一人きりです。

 

いやあ困った困ったと、「ちょっと自由に色々見ていいですか?」ご案内さんから少しでも離れようと、角部屋を見にいった女子のもとへ、小走りに逃げます。女子は角部屋のサッシやら収納やらを好き勝手開けたり閉めたり、壁面をスパイ等がするようにに叩いて音を調べたり、マンション見学ってそうじゃなくね?そんなツッコミを入れるのが無粋に思えるような満面の笑みで「ここ良くない?絶対子供部屋だよね☆」僕の腕を掴んで揺すります。可愛い。

結婚、悪くないかも。一人悦に入っていたら、「ここに、ベッドをおいてえ、」女子が子供部屋のレイアウトを決め始めました。「いやいや、でも収納の前にベッドを置いたらドアが開かないからさ」「でね、ここに勉強机をおくの」「いやいや、でも出入り口に机を置いたら出入りができないからさ」「やっぱ、子供3人くらいは欲しいよねえ」「いやいや、僕は1人で十分だよ。それで女の子だったら制服の可愛い私立の小学校に入れよう」「でね、やっぱ自然の多い所で伸び伸び育てたいな」「いやいや、それは親のエゴかもしれないよ。それでもし女の子だったら都心のバレエ教室に通わせようよ。レオタードとかね」「…もし男の子だったら?」「いや、気合で女の子産む」「産むのわたしだよ」まだ見ぬ我が子を想い、二人の夢は膨らみます。

 

ところでこの部屋何畳くらいなんだろうね、という話になり、すると廊下の物陰からさっきのご案内さんが「ここはですね~、5.6畳になりますね~」すすっと部屋と話題に入り込んできました。ずっとそこで隙を伺っていたのか、しまったこれまでの恥ずかしい会話が全部聞かれて恥ずかしい、僕がうつむいていると、

「あれえ、ねえイトウさん、ここの床ブヨブヨするよ~笑」
女子が子供部屋の一角で足踏みしたり、飛び跳ねて床板の感触を確かめています。というか、今俺のこと苗字で呼んだでしょ、奥さん!「うわあ、やばい。欠陥工事?欠陥工事?これって、子供が飛び跳ねたら、抜けちゃうんじゃないですか?」「…抜けません。大丈夫ですよ」ご案内さんの返事に歯切れがありません。「でも、ほら、ここー」ああ、この女子は立派な会社人の皆さんがプライドを持って売ってる物件にムゲなことを言って、、、ご案内さん目が泳いじゃってるよ?なんとかフォローしてあげたい僕「いやあ、まあ固いところもあれば柔らかいところもありますよねーアハハハ」誰のためにもならない発言をしてしまいました。

このマンション、築25年のところをリフォームして売りに出しています。その辺、鑑みて見学してあげないと可哀想なのです。

「あの、ちなみにここ築25年というお話でしたけど、、、」「はい」「ちなみにここ、あと何年くらいもつんですかね?」「ええと、、、それは」にわかにご案内さんの顔が曇ります。「一概には言えないんですが、住み方にもよるんですが、皆さんが大切に住めばどんどん耐久年数は増えますよ」「ん、ということはここは?」「いやあ、一概には言えないんです。一概には」「じゃあ、一般的な、一般的な話で言うと普通のマンションというのはどれくらい…」「まあ、一概には言えないんですが、…60年くらいですかね」「ということはあと35年…」「ですから、一概には言えないんです!皆さんが死ぬまではもちますよ!」逆ギレされても、定年前に死ぬのは嫌です。

 

highness_iving部屋の備品の匂い等を嗅いで周り疲れた(?)女子がリビングのソファに座ったので、僕も並んで腰を下ろしました。すると対面に現れたご案内さん、いつの間にか書類束を目の前に広げています。さすが、素早い。
褒める間もなく、お金の話が始まりました。「ご年収は?」「650万くらいです」友達が。年収って”ご”を付けるんだなあ。「自己資金は?」「100万くらいしか無いんですよ」気持ち的には。「なるほどー。大丈夫、十分ご購入いただけますよ」「え、そうなんですか?」マジで??「ローンのお話とか初めてですか?」「はい」月収の35%が月々返済額の目安ですうんぬんかんぬん、いかがですか?さあ、買うか買わざるか?(買えないけど!)

「…あのあのあのお、ここってペットおっけーなんですかあ?」「あ、ペットは禁止になってます」「あ、じゃあだめだわ」え、ペット飼う気だったの女子?「今、何かペットを飼ってらっしゃるんですか?」「ううん、いつか猫飼いたい」いつかって…。というかもうご案内さんに完全タメ口のこの女子。。。可愛いなあ…。

「ありあした~!」
女子の場違いに元気な帰りの挨拶に、今度は動じることもなく「どうもありがとうございました。ペット可の物件の資料、お送りしますね」めげずに僕らを送り出してくれたご案内さん。(名刺をいただきました。●●島さん←お世話になりました)玄関のドアを出てすぐ、女子が大きな声で「ひゃっほー、冷やかし冷やかしたっのしー!!」「聞こえるって」

その後、マンションの近所のおしゃれカフェで反省会をしました。
夫婦ごっこ楽しかったね。ごっこなの?いやあ、それは…。でもいつか一緒に住めるといいね、マンション。そうだね。今度は1億円以上するとこ見に行こうね。そうだね行こうね。デザイナーズマンションとかね。デザイナー住んでるかな。住んでないよ。アハハ。

 

 

演劇して、マンション買った、という知り合いは僕にはまだいません。
小劇場界というのは、日本で5指に入るような有名な劇作家でも「最近マンションを買ったらしい」というのが、ビッグニュースとして流れるレベルの世界です。
そんな僕でも結婚はぜひしてみたいです。 もちろんマンションだって買いますし、娘も産みます。

ですので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

 

 

highness_view

 

 

(←写真は、『希少な』ルーフ・バルコニーからの『開放的な』眺めです。 二人の未来を暗示するような景色です。)

 

 

 

  

 

2008/03/01 12:00 | 未分類 | No Comments
2008/02/01

 

「どうしたら僕、大人になれるでしょうか?」
「まずは"全裸で何でもできる"ようになることだな」
偉大な先輩であるAさんは思慮深げな横顔で、18歳の僕にそう教えてくれました。
童貞のまま上京して、演劇の道へ入り、厳しい稽古と下働きの日々、恋はおろか風呂に入る時間すら無く、あらゆる意味で"全裸"になる機会を逃しながら生きていた僕は「やはりそうか」膝を打ちました。

上記は1997年6月14日、「早稲田大学演劇研究会」の正会員として、初めて先輩諸氏と杯を交わすことを許された——暴力団風に言えば"盃事"にあたる宴席での会話です。

たかが大学サークルの新歓コンパに"盃事"もないだろうとお思いでしょうが、先輩権力の横暴と理不尽さに於いてはヤクザのそれと比して少しの遜色も無く、新人会員を強制的に収容して昼も夜も授業も無く労働させることにかけては現代のシベリア抑留と言って過言でない、そんな旧時代の遺産が、仄暗い早稲田裏長屋のサークル棟に、20世紀末まで生き残り続けていたのです。

 

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←上京以後の数千日を、僕はこの、早稲田学内でも魔窟的場所にある、サークル・アトリエに半軟禁状態で過ごしました。この場所についての詳細な説明は、関係当局、特に大学の授業料を3年も余分に払ってくれた両親の腹の虫等への配慮から、今回は割愛させていただきます。どうしても気になる方とそれ以外の方は、

→早稲田大学演劇研究会公式HP

 

もしくは、

同サークルの大先輩、鴻上尚史氏の著書
→冒険宣言 をご一読ください。

 

また、なぜかたまたま偶然このジャンクステージ内でも、同サークルの5代後輩である帯金ゆかり嬢が、この場所に関する記事を書いております。合わせて読んでいただくと、時代時代の雰囲気など分かって楽しめるかもしれません(多分)。
→帯金ゆかりの軽はずみ「血反吐を飲み込んで耐えろ!!」

 

話は戻って、A先輩が言う「全裸で何でも…」についてです。
「その"何でも"というのはつまり…」口ごもる童貞の僕を尻目に、A先輩は隣にいた美人と評判のB先輩へ目配せし「おいB、一肌脱いでこいつを大人にしてやってくれよ」言いました。B先輩は少しモジモジしてから「…分かりました、Aさんが言うなら…」顔を赤くして僕の顔をみつめてきました。

いくら先輩権力が絶対だからといえ、20世紀日本にそんな破廉恥な無茶苦茶が通っていいのか!ぜひ通って欲しい!まずい、俺ずっと風呂入ってない!18年の短い男子人生が走馬燈になって泡を食っているうちに「じゃあ、また後でね」B先輩は別の席へ移動してしまいました。その後の宴は何を飲食しても上の空、口角は緩み放しでした。

数時間後、緩やかな"盃事"コンパは一次お開きになり、はじめはただ河岸を変えて飲むだけなのだと思っていました。同期たちと談笑などしながら、二次会会場であるはずのサークルアトリエの鉄扉を軽い気持ちで開けました。そこには何故か、(昼間には無かった)色とりどりの照明でライトアップされた「舞台」が設置されていました。状況を飲み込めずにいる僕たちを、さっきのコンパとは打って変わり鬼の形相となった先輩諸氏が、怒声をあげながら舞台上へ追いやります。昨日まで触れることすら許されなかった"アトリエの舞台"に上がれる喜びも束の間、付帯のスピーカーから爆音のハードロックが流れ始めました。なにかがヤバイ、そう思った瞬間、角材とビール瓶を片手に生まれたままの姿となったA先輩が、鉄扉の錠を下ろしながら言いました。

 

「はい、一発芸ください」

 

shinkan_butai一発芸??????
パニックになりながら、舞台正面の「客席」に座る先輩たちを見れば「さっさとはじめろよっ!」全員目が座っています。「演らなければ殺られる」新人一同、瞬時に頭を切り換えて必死の一発芸大会が始まりました。ですが、そんな恐怖と焦燥に駆られて披露する"ネタ"の面白かろうはずもありません。何より「とっとと笑わせろよ(怒)」先輩達の怒号、そもそも(怒)マークが絶対間違ってます。(怒り)VS(恐怖)という磁場から(笑い)を生み出せという錬金術よりも不毛な空間。30分もすると僕らの持ちネタは付き、1時間を過ぎる頃には汗・涙も枯れ果て、それでもなお際限なく笑いを求める鬼たちの怒声。新人会員たちは絶望の淵へ落ちていきます。

 

そして2時間を過ぎた頃、A先輩が舞台上の僕らに向かって言いました。

「凡庸な芸術家は"模倣"するが、偉大なアーティストは"奪う" さあお前ら、俺から奪うんだ!」

そう言い放つ彼自身が既に一糸まとわぬ姿であり、これ以上彼から何を"奪え"というのか…。ですが、僕らに戸惑っている暇はありません。仁王立ちした彼は、これまた仁王立ちした彼のセンシティブな部位を隠すこともなく、鬼の形相でビール瓶を振り回しては、つまらないネタを行った新人たちにそれを投げつけて来るのです。

気が●●っている!そう思って、正気の人間を探そうにも、いつのまにか客席にはA先輩に呼応して一糸まとわず仁王立ちする先輩諸氏が20数名、そしてそれに全く動じていない先輩女史10数名、気付けば照明音響スタッフも仁王立ち。この偉大なる仁王達から、僕らは何を奪い、何を演じる

2008/02/01 12:00 | 未分類 | No Comments
2008/01/24

昨夏は、大好きな女子を3人、毎日8時間数畳のスペースへ軟禁して、とっかえひっかえ自分の思い通りにして過ごしました。そう書くと、一見楽しそうに聞こえますが、それはもう楽しかったです。

何のためにそんなことを?と言いますと、
彼女たちを「ショーケースに入れて展示」し、かつ「即売会で販売」するためでした。
ほんのりと犯罪の匂いが香りましたが、大丈夫。ぜんぜん合法です。軟禁王子ではありません。

「あの時、仮に伊藤君に何かされていたとしても、裁判やったら私たち負けるよね…怖い」
後日、女子の一人からそんな失敬なことを言われましたが、品行が方正な自分としては不本意きわまりました。言うに事欠いて裁判とは。僕がいつ彼女たちに裁判が必要なことをしたというのか。多少、金属バットを振り回したり、水着にして写真を撮ったり、布団の上で一悶着あったりはしましたが、その程度です。だいいち、全部合意の上だったんだから、後からとやかく言われる筋合いはねえ!

違いますよ、断じて。
ここまで読んだだけで、僕をその類の人間と判断するのはとても性急です。軽率です。
というか、むしろここで読むのをやめられると、大変困るので困ります。
どうかあと少しだけ、神様、もう少しだけ、我慢して読み進めてください。一生のお願いです。

上記のような行為を、正当化できる(便利な)理由があるのです。
それは、これが「演劇」の公演であり稽古だったからです。

rgb_flyer.jpg============================
出会い系水着演劇
ITO SHINTARO IS A NICE STALKER
「RENTAL GIRL’S BOX 箱入り彼女展示会」
============================

というのが、この公演のタイトルでした。

「展示会」というタイトルですが、実は「演劇」です。騙されてはいけません。

都内某所のギャラリーを貸切にして、巨大なショーケースを設置し、その中に”女子”を展示して”販売”するという企画でした。

もちろん、大切な(僕の)女子たちを本当に売り飛ばすわけにはいかないので、代わりに女子たちのメアド、メールアドレスを販売しました。このアドレスは、展示された”女子”たちと本当にメール交換が楽しめるアドレスです。(あくまで「展示された”女子”」つまり「登場人物」とのメール交換であって、芝居を演じた女優個人のアドレスではないというのがミソです。)

詳細は展示会公式HPに詳しいので、暇で仕様がない方とそれ以外の方はぜひ覘いてみてください。

  とにもかくにも、その巨大ショーケースの中で、NICE STOKERこと僕は金属バットを振り回し、水着写真を撮影し、布団の上でごちゃごちゃしました。
それは、ひとえに来場者の購買意欲を煽り、売上げを上げ、女子たちを喜ばせるためにやったことです(販売収益の一部が女子たちのギャラになるのです)。芝居中、女子が僕に抱きついたり、女子の顔が僕の顔へ極端に接近する事例も多くありましたが、それは緻密な(脳内)マーケティングによる戦略であり、私的欲求とは一切関係ありません。そんなことは、わざわざここに書く必要がないくらい明らかです。

そもそも、なぜこんな公演を打ったのか?と言われれば、

「自分が好きな女優だけに囲まれて
その女子と自分がひたすらイチャイチャするだけのストーリーで
できれば関係スタッフも全員女子の、
そんな公演に出演しないと、俺、きっと駄目になる…」

という一抹の不安が僕の胸に浮かんだからです。
他に、「欲を言えば観客も全員女子で」という不安もありましたが、鉄の自制心で抑えました。
とにかくそんな公演に出演するためにはどうしたらいいのか…、昨年の春はまるまるそれを考えて費やしました。
そして悩み抜き、ある日はたと気付いたのです。「そんな公演は無い!」

ショックでした。
自分には好きな女子も、好きな女子スタッフもたくさんいるのに、その全員が一同に介して僕を褒め称えてくれるような公演はどこにも無い。
そんな僕の耳に、付けっぱなしたTVから”あの歌”が聞こえてきました。

「♪ないものは~つくるしかない~。」

ご存知の方も多いかと思いますが、サッポロビールが昨年企業広告として作った、社内ミュージカルCM「つくるしかない」のテーマソングです。
社内オーディションの上、二週間という過密スケジュールながら熱い想いとチームワークで創りあげられた、たった15秒と30秒のCMミュージカル。
主題歌のサビ「♪ないものは~つくるしかない~。」は一部で大変な反響を呼びました。

「♪ないものは~つくるしかない~。」気付けば僕も口ずさんでいました。
そうか、ないものは、つくるしかないんだ。
幸い自分は台本が書けるし、演出もできる。
スケジュールだって空いている。
待っていたって何も始まらない、そうさ、自分でつくればいいんだ!!

残念ながら、まったくそういう経緯ではこの公演はつくられませんでした。
某女子と近所のカフェで飲んでいたら、
その女子が「伊藤さん、夏は水着の公演やればいいじゃないすかー」と言ったので、
「そうだね、じゃあやろう。君も水着着て出演してね」
「え、マジすか…」という経緯で、なんとなくその後に企画書が書かれただけです。

ちなみに、その某女子=帯金ゆかり嬢が、なぜかたまたまこのジャンクステージで別の連載をしているので、そちらにも昨夏の記事があります。 女子側からの視点でこの企画を読むことができるので、お暇な方とそれ以外の方はぜひ。

→帯金ゆかりの軽はずみ 「灼熱お盆のセクハラ祭り」

長くなりましたが、今回の記事の”作者の言いたいこと”は「芸術だと言い張れば何をしても大体許される」ということでした。部下から「セクハラ上司」とレッテルを貼られてお困りの中年の方、ぜひ今日からは芸術を気取ってセクハラしてください。周りの見る目がいつもと変わることでしょう。ぜひとも自己責任でお願いします。

(ところで、演劇界では”芸術”を気取った作家や演出家に、セクハラや暴力行為を受けることがままあります。僕が上京する何年か前、小劇場界には「焼け死ぬ演技を学ぶために灯油をかけられ火をつけられて死んだ」俳優がいたそうです。絶対権力な演出家の空気に飲まれて、周囲の人間は燃やされて苦しんでいる俳優を目の前にしてもしばらく止めに入れなかったそうです。恐ろしいことです。”芸術”だと言い張れば何をしても許されるわけではないという良い例です。)

「ITO SHINTARO IS A NICE STALKER」などという名義で劇作業に携わっている自分ですが、”芸術”だからと言って「ストーカー」をしたら、誰一人許してはくれないでしょう。
ですが一応、「STALKER」にはいわゆる「ストーカー」とは別に「案内人」という和訳もあります。
先に立って歩き、先導するというのが本来的な「ストーキング」なんだそうです。

「付け回し、かつ先導もする」、後ろからも前からも女子たちと突き合える、もとい、付き合える、そんな素敵なストーカーに僕はなりたい。もし小学校時代に戻れるなら、卒業文集にもそう記したい。

名前がら誤解されやすいようなので、一応言っておきますが、自分は好きな女子をコソコソ付け回したり、悪戯電話を掛けたりするような類の卑怯な人間ではありません。
僕は好きな女子ができたら、正々堂々と芝居への出演をお願いし、平身低頭、誠心誠意で水着を着てくれるように頼む、ごく気持ちのさっぱりとした男子です。
誤解の無きよう、一応その旨をここに記しまして、筆を置きます。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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2008/01/24 11:40 | 未分類 | No Comments

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