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2012/04/14

日本画の色の名前がとても美しいですね、といわれることがあります。

美的に感じられるのは、画材や絵具につけられた色の名前が、日本の自然からとったものが多いからでしょうか。

赤系統だけでも、臙脂、紅、薄紅、濃紅、黄口朱、赤口朱、古代朱、鶏冠朱、鎌倉朱、桃色、桜、紅梅、蘇芳、小豆色、緋色、茜色…

さくらの花が咲く季節になると、いつも、人間国宝の染色家、志村ふくみさんの桜染めのエピソードを思い出します。

桜から色を取り出すには、桜の咲く前、桜色に花開こうとしているときの幹から抽出する、という話を、学生時代に読んだ記憶があるのですが、植物から、色を取り出す染色家ならではの、真に迫る言葉であると思います。

日本画で花を描くときにも、植物や自然のなかに身を寄せ、風雪をともにし、はじめて自分のものになる表現があります。それは言葉で言い表すことはなんとも難しいですが、ダ・ヴィンチをみても、ラスコーをみても、自然そのものと自己の一体化した線とでもいうものが、確実に、そこにあります。

作品を描く上で、写実的な作品がよいというわけでは決してありませんが、自然の中から学ぶことはとても多いです。

行雲流水。

水緑山青。

いつか、自然と一体となれる創作の境地を目指しながら、そのような時は、果たして自分に訪れるのか、と時々不安に感じながらも、日々描き、日々写し、一歩ずつ歩んでいます。

2012/04/14 10:49 | 未分類 | No Comments

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