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先週、三重県の実家に帰省していました。
今回はいつもの映画の話題からそれてしまうが、
我が故郷、三重県について書いてみたい。
じつは何を隠そう、いつも実家に帰省する度に奇妙なカオス感におそわれてしまう。
そして、東京から名古屋まで新幹線を使い、名古屋駅で降りて乗り換えの近鉄に向かうとき、
そのカオスのもやは徐々に膨らみつつある。
私は名古屋から実家に向かうのに近鉄を利用するが、
近鉄の正式名称は近畿日本鉄道である。
近畿の鉄道会社だ。
しかし、私が乗るのは名古屋線なのだ。
近畿日本鉄道なのに、名古屋線?
その路線に乗ると同時に、カオスも最大曲線を描くのである。
それは、近鉄がというよりわが故郷の三重県が地理的、文化的に
ゴタゴタした立ち位置にあるからだ。
東海地方と関西地方。
三重はこのどちらにも含まれるのだ。
この2つの地方は地理的にも、文化的にも別物である。
その2つの地方に三重は入って(入れられて?)いる。
三重ちゃんは二股かけて(かけられて?)いるのである。
なんてやつなんだ。(だれだ、こんなひどいことするやつは! 国土交通省のヤローか?)
非難はさておき、
名古屋線の特急の車内に入ると座席のあちこちから関西弁が飛び交っている。
ちょうどお昼時で腹が減っていたので、名古屋駅で買った弁当を開けた。
好物のみそカツ弁当だ。(うまいのでみなさんもぜひどうぞ!)
関西弁の談笑を耳にはさみながら、カオス状態の頭で居心地悪く箸を運んでいると、
「お前、どっちやねん。食わんかい!」
と完全なる関西人、大阪フータローからみそカツの上にお好み焼きをトッピングされる。
それを目にした純粋東海セレブ愛知の名古屋嬢からは、
「なにー、なに食べとるの、あんた! トロくしゃーことしとったらイカンがー」
と味噌煮込みうどんをみそカツお好み弁当の上に流し込まれる。
この二人が争っているうちに、脳内カオス曲線もゆるやかになり、
いつの間にか、みそカツ弁当を平らげてしまっているのだった。
このようにいつも帰省の旅はイコール「カオスと妄想の旅」になってしまうのである。
とほほ。
しかし、手前味噌になるが、
ボーダーレスが生み出す豊饒さが三重ちゃんにはあることにも気づいた。
使用言語は関西弁、プロ野球はドラゴンズ。(サッカーは知らん)
テレビやラジオなどのマスメディアは名古屋から傍受。(一部は関西からも)
食文化は、両方から摂取し、キホンなんでもあり。
二股かけていると、コウモリだと誤解されやすいが、
三重ちゃんちは、ちょうど両文化の緩衝地帯に建っていて、
風通しがよく、カギもかけずに常に開けっぴろげである。
時にはよからぬ闖入者もあるが、
両方から往来するお客さんがいろんな置き土産をしてくれるのだ。
そう。 わが故郷、三重ちゃんはまさにJunKの申し子だったのだ。
これからも妄想の旅を続けます。