« 02.ブータンからの危険な誘い | Home | 04.勉強はお控えください »
さて、前回は、ブータンという国が、
いかに現代社会の中で異端な存在であるかを書いた。
実は、ブータンはごく最近まで鎖国をしており、
特に情報機器(テレビやパソコン)などの取り扱いは厳しく制限されていた。
テレビとインターネットが解禁されたのが、1999年。
携帯電話が解禁されたのが、2003年。
と言うのだから、いかに頑なに近代化を拒んできたのかがわかる。
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さて、そんなブータンを研究対象に選んでしまったものの、
早速、何から手を付けたものか、途方に暮れてしまったわけで。
なにせ、いまだに「秘境」なんて言葉で語られるような国なので、
兎に角、探せど探せど、まともなデータが出てこない。
国の面積ですら、Wikipediaいわく約47,000k㎡、外務省いわく約38,000k㎡と、
信じがたいほど大きな誤差があるような有り様。
ちなみに、どちらも「九州とほぼ同じ大きさ」と書いてあるが、
九州の面積は約42,000k㎡と見事に中間なので、真実はさらに闇の中へ。。
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と、なかなか打ち手が見つからずにもやもやしていた中で、
偶然見つけてしまったのが、日本で唯一?のブータン料理屋。
どうやらそのお店は、代々木上原にあるようで。
ものは試しに行ってみようと思い立ち、
有志(という名の、無理矢理集めた友人5名)を連れて行ってみることに。
まずは、事前に少しだけブータン料理の予備知識を仕入れようとしたところ、
出てくる情報はどれも、
「世界一辛い」とか、
「唐辛子を野菜として食べる」とか、
脅し文句か罰ゲームとしか思えないような内容ばかり。
行く前から、にわかに雲行きが怪しくなってきた。
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そして、決戦当日。
代々木上原駅から歩いて5分ほどの閑静な場所にたたずむお店。
全部で10席ほどしかない、こじんまりとした店内。
メニューを開くと、ブータン料理の固有名詞がずらりと並んでおり、
なんのこっちゃかよくわからないが、ひとつだけわかることが。
それは、料理の名前の横にある、辛さを示す唐辛子(★)の量。
カレー屋とかで、同じような表記をしているのを見たことがあるが、
それとは比較にならないほどの★の数。
最大で、★7つ、なんて料理もあり、とても正気の沙汰とは思えない。
恐ろしいので、まずは小手調べに、唐辛子指数がほぼゼロのものをオーダー。
「モモ」は、ほぼ蒸し餃子(ただし軽く唐辛子を付けて食べる)。
「ギュンチャンパ」は、キュウリの梅肉和えならぬ山椒和え。
と、どちらも日本人好みの味付けで、無難な立ち上がり。
ここで少し攻めて、★3つくらいの料理をチョイスすると…
運ばれてきた「パクシャパ」という料理には、見慣れたあの赤いヤツの姿が!
パッと見はほぼ豚の角煮ですが、豚バラと大根に加えて、
まるでニンジンのような出で立ちで器に盛られた唐辛子。
「唐辛子を野菜として食べる」の意味を身を以って実感した。
もちろん、しっかり完食。
唐辛子を頭からお尻まで。
感想はもう、ご想像の通りで。。
さらに調子に乗って頼んだ、★最大の「エマダツィ」。
ブータン人にとっては言わば家庭の味的な存在らしいのだが、
日本語に直訳すると、「唐辛子のチーズ煮込み」。
要するに、具は唐辛子のみ。。
ここまで来ると、軽い殺意すら感じるが、
ブータンに渡航するためには乗り越えなければならない試練だと思い、
なんとか完食することに成功した。
(途中からビールで流し込んだとも言う)
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そんなわけで、初のブータン料理体験は、成功裏?に終わったが、
どうやら、このお店のブータン料理は、日本人向けに辛さを抑えている、
との情報を後から入手。
本場の味に卒倒しないためにも、もう少し慣らしておく必要がありそうだ。
ちなみに、本文中に出てくる料理の画像等は、
ブータン料理屋「ガテモタブン」のホームページで見ることができる。
http://www.gatemotabum.com/
みなさんも、怖いもの見たさでチャレンジしてみては?