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2014/11/15

ブータン研究者のはしくれとして、
「日本ブータン友好協会」なるところに、以前から顔を出している。
というか、頻繁に顔を出しているうちに、
若い小間使いが不足しているという、割とありがちな理由で、
あれよあれよという間に、幹事になってしまった。

同会は、日本とブータンが国交を結ぶより前から存在しているという、
ブータン界隈においては由緒ある会の一つ。
現在においても、未だ、日本にはブータン大使館が無いため、
要人の来日時の懇親会開催や留学生の受け入れなど、
随所でその存在感を発揮している。

さて。
同会では、例年12月に、ずばり「ブータン」をテーマにしたシンポジウム、
その名の通り「ブータンシンポジウム」を開催してきたのだが、
今年は、普段より少し早い、11月29日(土)に開催する運びとなった。
というわけで、小間使い要員として、その準備に追われる日々である。

今年のテーマは、「ブータンに近代化はなぜ必要か?」。
「ブータンに近代化は必要か?」ではないところがミソだ。

2011年の国王来日以来、ブータンという国の名前だけは知っている、
という日本人はかなり増えた。
体感では、1,000倍くらいになった。冗談抜きで。
もちろん、10,000人に1人だったのが、10人に1人になった、
くらいの感覚ではあるのだが。

ただし、多くの人がブータンとセットで思い浮かべるのは、
一つは、アントニオ◯木似の国王と美人の王妃さま、
もう一つは、「幸せの国」というキャッチフレーズ、
以上終了、というところであろう。

別にそれが悪いというわけではなく、
メディアでも、連日そういう取り上げられ方しかしなかったのだから、
至極、当然の結果である。

が、どうやらそのあたりの話が、ちょっと捻くれて伝わっている面もあり、
「ブータンは、経済的には貧しくても幸せなのだから、
 無理に開発を進めるべきではないのではないか?」
「ブータンに近代化は必要なのか?」
という声さえ囁かれるようになってきた。

これまで長年、ブータンに携わってきた人たちからすると、
こうした言説には、「ちょっと待ってくれ」と異を唱える声が噴出している。

ここで多くを語るには紙幅が足りないが、
ブータンの掲げる国是である「GNH(国民総幸福)」の柱の一つに、
「公正な社会経済発展」という文言がある。
これは、公正さを欠いた徒らな経済発展は競争を煽るばかりだが、
一定レベルの近代化は、国民の最低限度の生活を保障するために必要、
という意思表示でもある。

そして、これまでブータンに関わってきた多くの日本人は、
JICA(国際協力機構)をはじめ、このブータンの目指す道をサポートし、
共に開発を進めてきた、そういった人たちが大半を占めているのだ。
そのあたりの事実関係と、そして、これからの展望とを丁寧に説明すること、
それが、今回のシンポジウムの大きな狙いである。

以下、概要を掲載するが、詳しく知りたい方は、
ぜひリンク先の公式サイトを閲覧いただくことをオススメしたい。
http://www.japan-bhutan.org/symposium/3rd/


◎概要
日時:2014年11月29日(土) 13:00 本会議開場
   10:00 – 12:00 分科会(観光セミナー/ブータン勉強会)
   13:30 – 17:15 本会議
   17:30 – 19:30 懇親会 於:JICA地球ひろば 2階 カフェ
会場:JICA地球ひろば 2階 国際会議場 (JICA市ヶ谷ビル)
   〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町10-5
定員:130人(先着順) / 懇親会定員:70人
会費:本会議 日・ブ協会会員,学生1,000円 / 一般1,500円 (当日2,000円)
   懇親会 日・ブ協会会員,学生4,000円 / 一般5,000円 (当日5,500円)

◎本会議登壇者
・上田晶子「よい近代化、わるい近代化」
 名古屋大学 大学院国際開発研究科 准教授

・小川康「ブータンから描く新しい医薬学教育」
 チベット医/薬剤師/早稲田大学大学院 文学研究科 修士課程

・白井一「技術工学教育と知識の移転による近代化とGNH」
 NPO法人 国際建設機械専門家協議会 代表理事

・津川智明 「ブータンの地方行政から見た近代化」
 JICA 地方行政支援プロジェクト 専門家

◎申込方法
下記、申込専用サイト(こくちーず)よりお申込みください。
http://kokucheese.com/event/index/220939/

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なお、当日の10:00〜12:00まで、同会場(JICA地球ひろば 2階)において、
分科会として、以下2つのセッションを開催する予定である。

・ブータン観光セミナー
 対象:ブータン旅行にご関心のある、すべての皆さま
 会場:セミナールーム201AB
 主催:ブータン政府観光局

・ブータン勉強会
 発表題目:「中尾佐助生誕100年、そのルートを検証する」
 発表者:高橋 洋(『地球の歩き方 ブータン』執筆)
 会場:国際会議場
 主催:日本ブータン研究所

定員は、各セッション 40人(先着順)。
参加費は、本会議と別で、500円(観光セミナー/勉強会共通)。

勉強会は、「中尾佐助」という名前にピンとくる方にはオススメだが、
ある程度、ブータンに関する予備知識が必要な上級者向け。
観光セミナーは、まだブータンへ行ったことが無いが、一度は行ってみたい、
という、ブータン初心者向けとなっている。

申込方法含めて、詳細については下記を参照されたい。
http://www.japan-bhutan.org/symposium/3rd/branch/

ちなみに、過去2回のシンポジウムの際にも、
本コラムにおいて記事を書いているので、ご参考まで。

第1回ブータンシンポジウム
http://www.junkstage.com/fujiwara/?p=398

第2回ブータンシンポジウム
http://www.junkstage.com/fujiwara/?p=530

2014/11/15 12:00 | ブータン | 1 Comment

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