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2012/06/28

最近、個人的にツボにハマった論文がある。

なぜ、蚊は雨で死んでしまわないのか?┃WIRED.jp
http://wired.jp/2012/06/18/mosquito-rain/

目の付け所が秀逸であることもさることながら、
より「いいね!」と言えるポイントは、
1本の論文の内容を、わずか3分弱の映像に昇華させていること。
視覚的に働きかけることによって、ズブの素人にも、
その科学的根拠が肚落ちできるような仕掛けが施されている。

自分自身、研究畑に片足を突っ込んでいる人間にも関わらず、
活字を読むのがあまり得意ではない。
どちらかといえば、脳内にヴィジュアルで記録するタイプだ。
本を読む時も、1ページ、1ページを写真に撮るようにして記憶する。

手前味噌ながら、昔は記憶力が良い方だったと自負している。
高校時代、友人のノートを試験前の15分だけ貸してもらって、
当の友人よりも良い点数を取ってしまったことがあり、
それ以来、その友人がノートを貸してくれなくなったのは、
いまとなっては懐かしい思い出だ。

だが、時が経つごとに記憶力が弱っているという閉塞感は否めない。
というより、もう記憶容量がいっぱいでこれ以上入らない、
という感覚に近いようにも思う。
そして、それは、単純な老化、というだけではない気がする。

1ページ、1ページが、テキストデータであれば、
脳内に占める容量は小さくて済む。
しかしながら、それが画像データになった途端に、
ファイルサイズは何十倍にもなる。
脳内HDDはあっという間に容量オーバーで、
新しいものを覚えるために、古い記憶を消去しなければならない。
なんだか、そんなデジタルな解釈がしっくりきてしまう。

だから、ヴィジュアルインプット型のヒトは、
記憶の鮮明度(解像度)は高いが、
あまりたくさん記憶できないのではないか。
そんなことにまで考えが及んでしまう。
本当のところは定かではないが。

勿論、そういう人間の方が特異なのは承知の上なのだが。

ちなみに、「数字が風景に見える」で一世を風靡した、
サヴァン症候群という症例があるが、
自分の能力は、とてもじゃないが、あんなレベルには達していない。
幸か不幸か。

………………………………………………………………………

ヒトのインプット型とアウトプット型を大別すると、
概ね、以下のようになると思われる。

テキストインプット→テキストアウトプット(=TT型)
テキストインプット→ヴィジュアルアウトプット(=TV型)
ヴィジュアルインプット→テキストアウトプット(=VT型)
ヴィジュアルインプット→ヴィジュアルアウトプット(=VV型)

これを研究者に置き換えた場合、
テキストインプット型の代表格は、文献研究、
ヴィジュアルインプット型といえば、フィールドワークを、
それぞれ研究手法として用いる人々、ということになろうか。

しかし一方で、研究者のアウトプットは、
テキストアウトプット型、すなわち論文執筆が大前提である。
自分としては、この部分に引っ掛かりを覚えて仕方ない。

できることなら、
一言、あるいは、一枚のヴィジュアルで全てを表すような、
そんなアウトプットこそが、究極のあるべき姿だとさえ思っている。
そんな自分は、たぶん、研究者としては既に異端なのだろう。
それこそ、コピーライターでも目指せよ、という話なのかもしれない。
そもそも、ここでこんなコラムを書いている場合ですらない。

ただ、文章が書けないから、ヴィジュアルに頼る、
というふうに思われるのも、なんだか癪だ。

テキストとヴィジュアル、それぞれに向き不向きがある。
どちらかに拘泥するのではなく、状況に応じて使い分ける、
そういう柔軟性が、これからの研究者には求められるようになる、
そんな、ささやかな予感がある。

2012/06/28 12:00 | 大学院生活 | No Comments

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