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大学院生、というと聞こえはいいが、
早い話が「28歳、無職」である。
当然、金の遣い方が社会人時代とは大きく変わってくるわけだが、
その最たるものが食事だろう。
サラリーマン時代は、勤務地が六本木だったことも手伝って、
毎日、昼食1000円を費やし、夜も最低週3ペースで飲み歩いていたが、
それも勿論、収入があればこそ。
今では、すっかり学生時代の食生活に逆戻りし、主食は吉野家に。
たまにラーメンに800円とか遣おうものなら、贅沢した気持ちになる。
それほど食へのこだわりが強い方では無いし、
元々、雑食性なので、さして困っているということも無い。
さらに、最近はめっきり、脂身や塩分を身体が拒絶するようになってきた。
吉野家に行っても、大盛りつゆだくとか頼めない。
マクドナルドのポテトLサイズなんか、最早凶器だと思う。
小さめサイズで済ませてしまえば、500円でお釣りが来てしまう。
そんなわけで、食へかける金額は確実に減ってきている。
一方で、金のかからない食の楽しみ方も会得。
研究室でウイスキーやワイン(お土産品なのでタダ)に舌鼓を打ったり、
ゼミの先生に、何故かカンボジア料理をご馳走になったり、
居酒屋へ行かずに、家でビールとチーズでちびちびとやったり。
と、これはこれで満喫しつつある今日この頃。
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さて、もう少しお金にまつわる話。
本来ならば、前職を辞めた時点で失業保険を貰えるはずだったのだが、
学生になってしまったので、それもチャラに。。
が、一応、学生でも、「夜間」の場合は貰えるという噂を耳にしたので、
「昼夜間」の場合はどうなんだ、というのを確認しに行くことにした。
99%無理だとはわかっていたが、タダで3ヵ月分の給料を得られるチャンスを、
そう易々とフイにするわけにもいくまい。
そうして、初めて訪れたハローワーク。
日本は「不況」なんだと、これほど強く実感する場所も他に無い。
自ら職を辞した自分が、悪いことをしている気にさえなってくる。
そう思わせるような、溢れんばかりの人の群れ。
窓口は5時間待ち。
さながら、裏ディズニーランド。
が、自分で言っておきながら、はたと思う。
「失業」とは、果たして「不況」の産物なのか。
自分は経済にはとんと疎いので確かなことは何一つ言えないが、
こんなリスト↓を眺めていて、いろいろ想像を巡らせてみる。
Wikipedia/List of countries by unemployment rate
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_unemployment_rate
大きな括りで見れば、先進国より途上国の方が失業率が高い。
それは事実だろう。
だが、実際にはそれぞれの国で抱えている事情は違うし、
そもそも、失業率の計算の仕方だって違う。
日本の失業率は5.1%(2010年4月時点)だが、それは以下の式で求められる。
15歳以上人口 = 労働力人口 + 非労働力人口
労働力人口 = 就業者 + 完全失業者
失業率 = 完全失業者数 ÷ 労働力人口
この、非労働者人口というのが曲者で、例えば自分のような学生など、
ハローワークで仕事を探していない場合なんかは、
完全失業者ではなく、非労働力人口に含まれる。
そうすると、どうなるか?
例えが悪いが、仕事探しを諦め、ホームレスになることを余儀なくされた場合、
それは完全失業者というカウントから、非労働力人口に移ることになる。
そしてそれは、失業率の改善を意味してしまうことになるのだ。
ちなみに、研究フィールドのブータン 4.0%。
悪くない数字に見えるが、いままでは農業人口が90%超で、失業者は皆無だった。
それが最近になって、都市部の失業という問題を抱えはじめているという。
W杯開催国の南アフリカ 23.5%、W杯はやはり一夜の夢となってしまうのか。
欧州でひと際高いスペイン 20.1%、スリは失業者扱いなのだろうか。
などなど。
そして、世界一がジンバブエ 90.0%…。
2009年に世界最悪のインフレ率2億%という出来事を経験し、
10人に9人が失業者となった国では、いったい何が起こるのだろうか。
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途中からなんだか小真面目な話になったが、
兎に角、遠くジンバブエの心配をするのも大事だが、
その前に、そろそろバイトくらい始めねばなるまい。
とはいえ、ハローワークにはお世話にならず、
地道に探してみることにしようと思う。
尚、5時間待ちはさすがにしんどかったので、翌朝一番に訪れたが、
やはり、失業保険は貰えなかったので、あしからず。