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2008/03/31

小説家
宮内勝典 様

私は小説家であるが、三年ぐらい大学でも教えていた。大学という場を借りて「松下村塾」のような私塾をひらきたかった。政治的な目的ではない。これからの文学を担っていく若者たちを育てたかった。文芸復興の種をまいておきたかった。
文学や文章修行の道場のようなクラスにしたいけれど、方法がわからない。かつては同人誌というものがあって、それぞれ書いた小説を持ち寄り、印刷して、たがいに合評しながら力をつけていった。多くの作家たちが同人誌から生まれてきた。
だが私には同人誌の経験もない。それに雑誌をつくるとなると、大変なお金や、時間がかかる。学生が書いた小説をコピーして全員に配ろうとすれば、何千枚も必要になる。どうすればいいか考えあぐねて、そうだ、インターネットを使えばいいと思いついた。ウェブ上の同人誌をつくればいい。それなら費用はほとんどゼロではないか。そうして「海亀塾」というホームページが、文章修行の場となった。
三年近く本音でつきあってきた若者たちが大学を卒業して、Junk Stage
というウェブ・マガジンをつくりだした。これは電子の海に出現してきた新しい雑誌であると思う。ここからなにが発信され、なにが誕生してくるのか、私は楽しみにしながら目を瞠っている。

2008/03/31 12:00 | 【080331特別号】 | No Comments

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