« | Home | »

2007/12/17

JunkStageをご覧の皆様、こんばんは。
JunkStageプロデューサーの須藤優です。

年も瀬になりますと、いろいろと反省やら何やら、考えることが多いですね。
今日は、JunkStageで、プチ忘年会をしてきました。
久しぶりに会うメンバーあり、いつものメンバーあり、
日ごろ原稿を書かないとかよく音信普通になるだとか、
そんなこと関係ナシに盛り上がれるのがJunkのメンバーです。

さて、もう第7弾になりましたこのプロデューサーコラム。
今回は、JunkStageを支えてくれた人の話をしようと思います。

JunkStageを支えた人々~「200行のY氏」の場合

私が、Y氏に会ったのは、1年前だったか、2年前だったか・・・
それはなんだか不思議な縁で、その頃お世話になっていた広告代理店のつながりだった。
私はY氏と直接仕事をしたことはなかったし、つまり「飲みの席」でしか一緒にいた覚えは無い。

その頃私がいた広告代理店は非常に魅力的な会社で、
「長」がついても人々は死ぬほど働き、死んでもいいくらいに仕事が大好きで、
酒が入れば自らの仕事へのパッションや夢を大いに語る、そんなところだった。
そして、ひょんなことから繋がった部署の縁で、Y氏と私は同じ銀座の町で、
同じ白ワインのボトルを囲んでいた。それだけ、だった。
すれ違うだけの人なら、年間1000人の桁を踏むような業界だったし、
まさか私自身も、Y氏とそんな関係になるとは、思ってもいなかった。

それから約一年後、私はその会社を飛び出すことになる。
同じ頃立ち上げたのが、このJunkStageだった。
オープンのお知らせを、割と満身創痍でした私は、結構燃え尽き症候群の気もあった。
自信はある程度あったし、そのときできる範囲でベストなものを作れた、という自負もあった。

そのとき、信じられないくらい長文のメールを返してきたのが、Y氏だった。
文章だけ噛み砕けば、ただのダメ出しに過ぎない。
彼の意見は至極もっともで、またわたしも「それができたら苦労しないんだよ」と思いながらも
なんだかせっかくひとつの壁を越えたつもりが、まるでなにもできていなかったように感じてしまったのも、確かだ。

しかし、そのときのY氏のメールは、200行に及んでいた。
「マガジン」を名乗ることが、いかにブランディングを必要とするものか。
ウェブという、誰でも参入可能なメディアを使うことによる、甘えはないのか。
それを根幹として、今すぐにでも改善できる具体的な示唆ばかりを含んだものだった。
とかく大人というものは、語弊を恐れずに言うのであれば、私たちの年代がなにかを仕掛けようとしていることそれ自体だけで、応援してくれるものである。
その無償の愛情がまた、次へ繋がるモチベーションにもなったりもする。
Y氏の200行には、そんな愛情はなかった。(いや、5~6行はあったかもしれないが)
その代わり、私たちを「下の世代」と扱わない、対等である故の率直な意見だった。

それから私はその「200行」を編集部に持って帰り、総力をあげてリニューアルをした。
それが完了したのが、今年の9月のこと。
今回も、Y氏が「ホンキで」意見を述べてくるのはわかっていたから、私は相当構えていた。
Y氏からはやはり、すぐにメールが返ってきた。

「何も言うことはありません。・・・梁山泊でしょう。」

そのときの私は、なんか褒められたらしい、とは思いつつも、まだ噛み砕けずにいた。
それは、「梁山泊」というものが、精鋭が集まって中国の政府に反乱を起こした、くらいの知識しかなかったからなのかもしれない。

Y氏のことを、いまでも私は「センセイ」と呼んでいるが、本人が嫌がるのでいまは心の中でだけだ。
全19巻の「水滸伝」を8巻まで追いつつも、私はあのときY氏の口から出た「梁山泊」の言葉の意味を追っている。
それは私が思うよりもずっと深くて、ずっと荷の重い言葉だった。

それがほんとうに、思わず出た言葉だったのか、鼓舞するための褒め上手な(このへんに定評のあった人ではあったのだ、もとから職場では)言葉だったのかは、わからない。
しかしこうしてJunkStageは、初動でY氏が警鐘を鳴らした「メディアを名乗ることの重さ」「ブランディングの差別化」を、いまもずっと考えつづけている。

2007/12/17 02:20 | 【コラム:JunkStageの歩む道】 | 1 Comment

Trackback URL
Comment & Trackback

ありがとう、とりあげてくれて。
長く生きてると時々いいこともあるものだと思いました。
誕生日祝いの言葉としてありがたく受け取りました。
メディアというものはある人間の美意識や価値観がないとただの箱です。インターネットのなかはごみを垂れ流すゴミ箱ですら人を集められるというだけで権力を持ちうる存在できる空間です。
そんななかで才能と志のある人たちが読み手を意識して発表するのですから、それなりの舞台が欲しいよねと思っただけです。
結果、紙の雑誌がどんどん元気をなくしている中、面白いことになってきてますよね。エディトリアルという行為に新旧はないはずです。
想像以上のメディアブランドになっていきそうでほんとに楽しみです。
数年後、JunkStage育ちの人がさまざまな世界で多くの人を幸せにしている予感があります。
ジジイのいうことはもはやありません。あとはAs you like.
愛情表現ができないYより

Posted at 2007.12.20 3:51 PM by Y
Comment




XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">