2012/03/29

皆さんこんにちは!

 

すっかりご無沙汰してしまい,申し訳ありません。

実は先月から大きな締め切りを一つ抱えていまして,

それが先日やっと落ち着いたところなのです…

締め切りが無いのは悲しいですが,明けるのはやっぱりうれしいものです。

こちらのお仕事については後日書きたいと思います。

 

さて今日は 久しぶりにカラーインクのお話です。

(よろしければ 以前のカラーインクのコラム その1その2もどうぞ!)

 

カラーインクの使い方あれこれ

「強烈な発色をどうコントロールする?」 

 

といっても, 筆の話,と言った方がいいかもしれません…

 

イラストを描く皆さん,どんなサイズの絵を,どんなサイズの筆で描いていますか?

描かない皆さんは,絵のサイズと筆のサイズについて,気にしてみた事ありますか?

 

これは,完全に個人的な好みの話だと思いますし,むしろこれらの癖なり選択なりが,「画風」の一要素となっているのかもしれません。

 

わたしのカラーインクの原画は,他の方と比べると小ぶりなようです。

つまり,印刷サイズにかなり近いサイズ。

これの原画は横3cmくらい。

 

1.2倍くらいから,1.5倍くらいで描いています。

例えば5cm四方の印刷サイズで,原画が7-8cm四方くらい。

自分では気づかなかったのですが,大分細かい描き方のようで,

原画を見て「どんな大きさの筆で描くの!」と 聞かれる事がよくあります。

 

ネタバレをすると, 愛用の筆は3/0 というサイズ。

愛用,と言うより,実はこのサイズ一本でほぼ全ての絵を描いています。

ちなみに こんな筆です。

 

A4サイズくらいの作品までは,これ1本で大体間に合います。

画面を濡らすためや,背景で大きな面積を塗るときに大筆を使う事はありますが,キャラクターやオブジェクトは小さい筆で。

むしろ わたしの場合,小さい筆でないと描けないのです。

 

カラーインクは,以前も触れた通り,とても発色のいい画材です。

もちろんこれがインクのいいところなのですが,

アクリルと違って後戻りが出来ないのが難しいところ。

大きな面積に,いきなり濃度の高いインクを置くのは わたしにとって恐怖です。

(この臆病さから,コピックはあまり性に合いません。

色決めのスケッチには使いますが,完成作品にはほとんど使いません。。)

 

とくにワイルドローズ(ドクターマーチン)などの強いピンクは,

原液を紙に置いたら最後,どんなに水でのばそうとしても,くっきりインクの跡が残ってしまいます。

こうなってしまうと,他の色でカバーする事も出来ません。

(強行手段で,アクリルでカバーする事もありますが…)

また,あまり発色のいい色でべた塗りすると,どうも安っぽい仕上がりになってしまう。

この鮮やかな発色をいかにコントロールするか…

カラーインクを使う際の,大事なポイントではないでしょうか。

 

これに対するわたしなりの対策が,

「うす塗りから,少しずつ,部分的に濃くしていく」こと。

この「少しずつ」「部分的に濃くしていく」作業で,どうしても小さい筆でないと具合が悪いのです。

 

小さい筆だと,どうしても大きな面積を均等に塗る事が出来ません。

そのため 強制的に分割して色を塗っていく事になりますが,それでも塗りムラができます。

このムラを活かして,濃い色をのせていってしまうのです。

文章にすると分かりづらいですが

先に載せた風船の絵で,ちょっと雰囲気が伝わりますでしょうか…

 

つまり 全部濃く塗らなくても,部分的に濃くすると全体の印象で濃く鮮やかに見える!

ということ!

絵の中に微妙なグラデーションが出るので,全体にほんわかした印象になります。

 

ただ,大きい絵を描くには,あまり向かない描き方です。

それから,筆はすぐだめになります。

(いつもまとめ買いしている)

 

画材を変えたり 色を変えたり 主線の種類を替えたり

いろいろと画風を作り上げる方法はありますが,

筆の大きさを変えてみる!というのも,面白いかもしれません!

ぜひ いろいろ試してみてください。

 

2012/03/29 01:34 | 画材のこと | No Comments
2012/02/16

 

最近 お仕事のイラストレーションを載せることが多かったので

久しぶりにスケッチブックから。

 

銀座線の中の女性

ターコイズブルーのケータイと、それをじっと眺める下向きの表情が印象的だった。

 

ひとつ 気になるモチーフや印象があると 描き留めたくなります。

 

目の大きな赤ちゃん きれいな色の靴 大きな袋を抱えた男性

同じようなドレスに同じような髪型の,披露宴に向かうと思われる4人組の女の子

 

人の集まる街は,ものがたりの始まりが たくさん詰まった場所。

 

情景を全て写真に撮るのもいいけれど,

好きなもの,気になったものしか残らない,選り好みなスケッチもなかなか おもしろいです。

自分の興味が 鮮明に出るという良さがあります。

 

ふわふわ描いたものから, もっと完成度の高い作品が生まれるのはよくあること。

 

ただ, きれいに描き直すより もとのスケッチの方が良かった,

なんていうことも けっこうあるのですが。

2012/02/01

みなさんこんにちは!

先日のJunkStage総会&新年会で,

今年度ジャン子ちゃんをデザインしたことから まさかの功労賞をいただきました。

花束なんて頂いたのは いつぶりでしょうか。。どうもありがとうございました。

 

他のライターさんが自分の記事でアワードを受賞されている中,

何だか, ジャン子ちゃんがもらった賞を代わりにに受け取っている気がして,

いいのかしらと思ってしまいました。お面でも作ってかぶっていけば良かったかな(ちがいますよね)

それくらい,わたしの中で ジャン子ちゃんは独立した存在です。

 

描き手とキャラクターの関係というのは,そういう感じなのではないかなと思います。

少なくとも 自分がキャラクターを描く時は,完全に独り立ちした人格を作ろうと思って描いています。

たとえどんなにデフォルメされたキャラでも,挿絵で一度しか登場しないキャラでも,

基本的にその考え方は変わりません。

ジャン子ちゃんの場合,元々がわたしの発案したキャラクターではないので(ジャンクスタッフさんたちの設定で描きました)

年齢性格その他,コメントを描いている方(あえて伏せます 笑)の設定が公式なっています。

が,描くときには 自分の中のジャン子キャラがあったりもします。

 

今だから公開!

使われなかったジャン子ちゃんスケッチ。

いろんな子がいました。

 

 

キャラクターというのは,何度も描かなければならない事が多いです。

そして違うポーズをしたり,表情が変わったり,考えたりおしゃべりもします。

こういうときに,キャラクターの設定が自分の中で曖昧だと,描く度別のキャラクターに見えてきてしまう。

この子,こういう場合はどんな反応をするかしら,何を思うかしら,

核になる性格や価値観が決まっていると, 勝手に動いてくれるもの。

 

小さい頃からお話を考えるのが好きで,ノートに何人分も,キャラクターのプロフィールを描きためていました。

身長 体重 誕生日 血液型はもちろん,性格 食べ物の好き嫌い 色の好き嫌い 家族構成 などなど。。

何でもかんでも 考えつくだけ事細かく。

外見も,横正面斜めに全身, いろいろ描いていました。

その頃生まれたキャラクターは,今思い出すと古い友人のような存在になっています。笑

わたしだけしか知らない人格たち。いつか世に出してあげたいものです。

 

さて,ジャン子ちゃん。

どんなに作り手が愛を注いで描いたキャラクターも 公開後はその手を離れ,見る人の愛で育っていきます。

どうぞ末永く,よろしくお願いいたします。

 

 

2012/01/15

みなさんこんにちは!

 

鏡開きも済んで,お正月の雰囲気もそろそろ遠のいてきましたね。

近くのコンビニでは節分用恵方巻きの予約販売,

チョコ屋さんではバレンタインデーの宣伝が始まっていました。

お店の売り場を見ていると,季節感を感じるというか むしろ,

その展開ぶりの早さに焦りすら覚えてしまいます。

1日1日大事に過ごさないと あっという間に次のお正月。

さて今年1年どれだけのものを拾い集めていけるのか… 走行開始です。

 

ところで その走行開始早々,お正月2日の真夜中に 思いもよらないお仕事が舞い込んできました…。

先週7日(土曜日)に放送された, テレビ朝日特番「徹子&羽鳥が初タッグ あの真相全て聞きます ザ・プレミアムトーク」で

番組中に使うイラストレーションを約10点,描かせて頂きました。

もしかして番組見た方いらっしゃるでしょうか…

少しですが,以下の絵たち

↓ いしだ壱成のトーク中に使って頂いたイラスト。放送では,顔の部分には写真を埋め込んでいました。

(この絵,階段が一番時間がかかったのですが,放送時には左半分しか使われず階段より右は全部カット!

いろいろあります。)

(壱成くん 顔が無い状態はちょっと恐いです。)

(コマ撮りアニメのように カメラマンがパカパカ動く)

 

年末年始は急な仕事を頼めるところがあまり無いのだそうで,

番組のチームにいる友人がわたしに声をかけてくれたのでした。

はじめての媒体にドキドキしつつ引き受けたものの

なかなか急な締め切りで,途中で追加の発注もいただいてしまい 3日間はバタバタのフル稼働。

徹夜しつつなんとか全部納品できたときには 心底ほっとしました。。。

(大学在学中に学んだ事って いざというとき徹夜できる気力だなと思ったり します)

 

放送当日,まさか全部カットではあるまいかと マイナス思考全開で心配しつつ

「あ!今出た!!」などと 花火見物をしているかのようなコメントをしながら

普段そんなに観ていなかったバラエティ番組を 一生懸命視聴。

 

はじめての 放送用のイラストレーション。

何だか自分の絵を観ているのに 違うもののような 不思議な感じがしました。

 

今まで,多くの方とのご縁があって いろいろな媒体でのイラストレーションを経験させて頂きました。

雑誌,新聞,販促物,放送…など

違う媒体での仕事をするたび,それぞれの媒体に置けるイラストの用途/役割はもちろん

実務の面では カラーモード,納品形式,画像解像度,サイズ など

ほんとうに多種多様なんだと 学んでいます。

 

細かい雑誌用イラストの感覚で新聞用の絵を描くと 印刷が逆にうまく出来ない。

カラーと違う 白黒イラストの難しさも知りました。

また今回の放送用の絵はまた全く違って

まずサイズ比は16:9,解像度は72,

出版用ではありえない画像の荒さに フォトショップでの作業中

「これで本当にきれいに写るんだろうか…」と

不安になり そわそわ。。

つい描き込んでしまったところ 放送時にはあまり見えなかったり。

細かくやればいいというわけでもないと,それぞれの媒体で学びました。

 

また放送用のデータはPSD入稿だったので

レイヤー/フォルダー分けをきれいにして,それぞれに名前も付けておかないと

あとで現場の方が作業するときに面倒,という事があり

TIFF入稿のときにはかなりいい加減にレイヤーを使う所を,

今回はかなり注意して作っていました。

(人の作ったデータをいじるのって,どんなソフトでもとにかく具合の悪い作業なので…)

そんなところで思わず時間がかかってしまい,制作時間の配分を謝って大分焦りました。

 

「イラストレーション」と一言にいっても,ほんとうに使われる場の広いもの。

とくに自分のような新米は 選んでいる場合ではない。

その場その場で 求められるものをつくっていく

その難しさと 楽しさ。

いろいろな媒体を経験して,少しずつ分かってきました。

 

これからある一つの媒体を突き詰めていくのかどうか まだ分からないですが

どんなチャンスも 今はがむしゃらに

掴んで こなして 描いていきたいです。

 

がんばっていきましょう!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2012/01/03

 

みなさま,

新年あけましておめでとうございます。

 

どんな激動の中にも あたらしい一日はやってきて

それが重なって 新しい年を向かえる。

 

年というのは 人の作った区切り

ずっと同じ一つの時間の流れの延長を わたしたちは歩いています。

だけれど 新年という区切りは

気持ちを少し切り替えて前に進むことを

後押ししてくれるものだと思います。

 

一年前この場で,

「来年の今頃は,またどこにいるかわからないけれど

どんな場所でも しっかり絵筆を握りしめて

感じ,つくり続けていたい。」

そう書きました。

 

あれから一年経ったお正月。

わたしは完全帰国して,この日を日本で迎えました。

でもやっぱり 絵筆を持って歩いています。

 

また 今年一年何があるか分かりません。

でも 変わらない何かを信じて

それとともに 明日へ一歩踏み出していきたいです。

 

たくさんの幸せが降る年になりますように。

今年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

2012/01/03 12:10 | 思うこと | No Comments
2011/12/10

こんにちは! しばらくご無沙汰してしまい申し訳ありませんでした。

帰国してから生活がかなり変わったこともあり,

これからのコラムの書き方について考えを巡らせていました。

答えというのは出ていないのですが,

何となく前向きな目標が出来たので書きたいと思います。

 

まずはジャンクステージ5年目にお祝いを。

ある一つの試み,挑戦が,何年も積み重ねられていく。

想いを持って続けていくこと,本当に大切な事と思います。

そうして積み上がった物が,何なのかおぼろげに見えてくるころ

次はどんな形で組んでいこうかと 一つ先の事を考えられるのかな。

 

わたしはまだまだ,ジャンクステージ一年生。

探りながら自分と向き合いながら 積んでいく段階です。

 

自分のやっている事を,こうして文章にして公の場に出すという行為は

未だに 多大なエネルギーを必要とします。

おそらく,自分が何者なのか,どこへ向かっていくのか,

まだまだはっきり分からないからだと思います。

 

イラストレーターとしてコラムを連載させて頂いていますが,

何せ駆け出し。

コラムに書けるほどのイラストの仕事が出来ない時もあり,

ならばもちろんデザインの仕事などを探してくるわけで

そんなときには 果たして何を書いていいものか困ってしまう。

 

ただ,コラムをはじめて1年たった今

新米イラストレーターの等身大の記録とすれば,

そんなシビアな実情自体を書いていけばいいのかなと このところ考え始めました。

背伸びして書かない。失敗した事を書く。うまく行かない事を書く。

そうして観察しながら,どうやって進んでいこうか 考えていく。

 

ジャンクステージの2年目は,自分の成長の記録ともすべく,

そんなアプローチで書いていこうかなと思います。

イラストやってる方も,そうでない方も,

ご興味をお持ち頂けたら,お付き合い頂ければ幸いです!

 

さて,そんな難儀な実情報告の第一弾ですが… 苦笑

夏にロンドンから帰国して4ヶ月。

日本での人脈も営業経験も弱く浅いので なんとか2度目の個展を早く開きたいなという目標があり,

(はじめての個展は2010年10月のギャラリー銀座フォレストにて行いました。

屋根裏のアトリエ展2010

ジャンクステージもその時のご縁からの参加なのです。)

そのための資本作りをすべく10月から某TV局で映像デザインのスタッフをしています。

今は年末の歌番組のチームにいます。

仕事は,設計図から模型を作ったり,資料のグラフィックを作ったり。

 

グラフィックのほうは,普段から親しんだ技術なのでなんとかついて行っていますが

模型作り…というと もちろん3D。

スチレンボードなどを切ったり張ったりして作るのですが

わたしこの手の作業は じつは決して得意ではありませんでした…。

アニメーション制作のために模型は作っていましたが,

建築物のような計算された形ではなかったので

始めはカッターを一切れ入れるのにも緊張する始末。

この2ヶ月くらいで ずいぶんいろいろな知識と技術が付いたなと思います。

日本にはスプレー糊にいくつも種類があるんだな とか,

スプレーブース,スチのりというものの存在ですとか

ロンドンで見かけなかった画材との出会いも勉強になります。

 

もちろん,自分の絵を描く時間というのは確保するのが難しい状況です。

 

ただ,一人で制作していては関わる事の無い分野のデザイン,技術,考え方など,

様々な事が吸収できるのはとても良いなとおもいます。

親しみのあるイラストレーターやフォトショップの使い方一つとっても,

普段描画で使うツールと設計図面制作で使うツールでは大分違いがあり

まるで別のソフトを使っているような感覚に陥る事さえあります。

舞台の専門用語,尺貫法も もちろん一から。

そして,デザインの現場でどのように人が動いているのか,意思疎通をしているのか

観察する事が出来るのも 一人では出来ない経験です。

 

「思いを伝える媒体としてのイラストレーション」という

わたしの制作活動のテーマ。

こうして,いろいろな新しい表現に触れる事で

自分のアイデアの幅も広がっていけば と思いながら

大晦日に向けて励んでいます!

 

描けない時間も思い悩むより,今は描ける自分作り。

そうしんじて。

 

 

 

 

2011/11/05

みなさんこんにちは!

10月31日はハロウィンでしたね。仮装パーティーなどした方も多いのでは?

ロンドンに住んでいた時,部屋の窓から仮装して歩く子どもや大人を眺めるのが好きでした。

夜中まで出歩いて,ワイワイワイワイ

なぜか勉強/仕事が立て込んでいる事が多い時期だったので,自分で参加する事はありませんでしたが。。

そう言えば,一度近所の小さい子たちが,友人とシェアして住んでいたフラット(アパート)にチャイムを鳴らしてやってきた事がありました。

でもそのとき,フラットにはお菓子がゼロだったので(貧乏留学生!)居留守してしまいました 苦笑。

だって trick or treatでtreatが無いのだから…  開けるわけにはいかない。

この時期スーパーでは大きな缶のチョコレートやらビスケットやらが安く売られているので,

一つ買っておけば良かったね,なんて その後フラットメイトと話したりしました。

 

上は,今年の我が家のなんちゃってハロウィンパーティー(仮装なし みんなでごはん食べただけです♪)のために即席で描いたコースター。(所要時間5分)

ちょっとは雰囲気がでます…か?

 

さて,このハロウィンのコースターもある意味含まれるのですが

へんに絵を仕事にしていると 既製品のカードに頼れなくなるところがあります。

バースデーカードに始まり クリスマスカード お見舞い お礼状 お引っ越し祝い などなど。。

日常生活で,贈り物にこうしたカードを添える事って意外と多いですよね。

そして最近はずいぶん豪華でおしゃれななカードが手軽に買えたりします。

 

でも,もの描きの端くれ,ここで人様の描いたカードを買ってどうする。。。と

半ば変な意地みたいなものがありまして… 笑

(ただ そうそう頑なでもないので やむおえない場合は既製品になるのですが。出来れば避けたい事態)

時間がたっぷりある時なら,何ら問題も無く楽しく描けるのですが,

困るのは締め切り前だったり、何枚か枚数が必要なとき(クリスマスなどはこれ。。)

そして お見舞い状などちょっとデリケートな内容の時。

何を書いたら良いものやら 本気で1時間くらい唸ってしまう時も。

さいきんガンの手術をして退院した英語の先生への花束に添えた,お見舞いカード。

 

自分で描くからには,自分らしいものを描きたい。言葉以外に,何かメッセージを込めて…

どんなに時間がなくても,パパッと描いた感じにはしたくない。

レイアウトして,インクで彩色して,ホワイトまで入れて,主線描き起こして,サインまで。

そこまでできないなら あえて描かない方がいいのかななんて思ったりします。

(なにしろ絵描きを肩書きにしているのですから,適当なものを出したらおしまいです。)

渡してすぐに反応が見える機会というのも仕事ではあまりないものですから,勉強になります。

 

なんて,あれこれ考えながら描いたカードが

贈った方に笑顔で受け入れてもらえると これはもう至福。

 

誰かに喜んでもらいたくて描いているから それが忘れてはいけない原点だから。

売り物でも掲載用でもない こういう『日常のコミュニケーションとしてのイラストレーション』もしっかり取り組んでいきたいです。

 

 

 

 

 

 

2011/10/31

大分日が経ってしまったのでリファレンス程度にしかなりませんが

ご縁があって,今月14日の日経新聞夕刊にイラストレーションを載せて頂きました。

広告特集のページのタイトルと挿絵です。

10月16日の孫の日のために,知育玩具の広告特集をするという企画。

おじいちゃんおばあちゃん,お孫さんに是非!という事です。

 

 

タイトルフォントは手書きで作ってみました。

そのため,編集中 ドットの位置を間違えてラフを送ってしまうという大失態を…。

(エデュケーショナルトイ・特集)

 

 

ロンドンで雑誌のイラストをやっていたのですが,

日本では はじめて。 帰国二ヶ月にして…です。

 

夕刊掲載だったのですが,それを知らなかったわたし。

朝の通勤途中に朝刊を駅売店で買ってしまい,

ドキドキしながらページをめくるも 広告特集は「社会人野球特集」

これは 全部夢だったかな なんて本気でうろたえながら一日を過ごし

(担当の方にメールする勇気もない 苦笑)

夕刊を買った友人からの「載ってたよ!」

メールで 本当に胸を撫で下ろしました。

小心者でございます。

 

 

小さなカットでも,何度か変更がありました。

一つ前のラフ。

こどもたちは両方プレゼントに夢中だったのですが,

相談の結果 一人はおばあちゃんおじいちゃんに感謝している風なのがいいだろう…

という事で

女の子の表情を変更。

このさらに前は男の子はいませんでした。

また さらに前はボードゲームの絵でした。

 

こういった感じで イラストレーションは構図の変更も多いので,

いつからか ラフの段階ではキャラクターは全て別々に描くようにしています。

それぞれをスキャンしてフォトショップに読み込み,いくつかバリエーションをつくります。

こうすると変更にも早く対応できますし,何かと安心です。

構図が決まったら,一度出力して一枚絵としてトレース,清書します。

 

それにしても、

学生時代には全く縁がないだろうと思っていた経済/ビジネス系の媒体でロンドンに続き再び,となると

ほんとうに 先は読めないものだなあと思います。

CSM在学中,いわゆるカートゥーン(風刺画)の世界は,若いイラストレーターはあまり入っていかない分野だ,

という事を チューターが話していました。

また,経済系の媒体も同様,という事でした。

イラストレーターというと 絵本や本の装丁,アニメーションなどで活動したい人が多い。

たしかに。華やかです。

(描くテーマが,です。必ずしも仕事環境ではなく)

また,風刺画というのは時事に相当詳しく無ければ描けず,また知性的なユーモアというのが難しい。

ただ個人的には 史学科ををかじっている経験があるからか否か

新聞,雑誌等で描けるのは もちろん難しさも多々ありますが,非常に楽しく 嬉しい事と思っています。

おもしろいものが描けるようになりたい。(勉強 勉強 勉強)

 

The New YorkerHarvard Business Reviewなどの雑誌のカートゥーン/イラストは 本当におしゃれで皮肉でおもしろい。

英新聞TheGuardianなどもイラストを大きく使っていました。(クラスメイトも描いていたなあ)

こういう感じのものが,もっと増えてきてもいいのになあと思います。

日本の新聞/雑誌は 特にビジネス系のものは

写真中心のものが多いので…。

入り込んでいきたい分野です!!

 

そんな中でも 今回の機会をくださった日経新聞さん 感謝いたしております…。

 

 

 

 

 

 

2011/10/24

みなさまこんにちは。

8月に帰国して,はや2ヶ月半。

今月に入って生活とお仕事にいろいろ動きがでてきました。

いろいろ動きが あるのですが

小出しにしていく事で 話題をつなごうと思います。

 

さて,最近ある企画に参加をしました。

ユニセフ主催のチャリティー「祈りのツリーproject」です。

2000人の参加をめざし デザイナーや美大生に呼びかけて

クリスマスツリーのオーナメントを制作してもらい、被災各地と東京(有楽町?)にクリスマスツリーを設置すると同時に

オーナメントの販売をしてチャリティにする という企画です。

 

5個のカタチから(ツリー,球,ブーツ,トナカイ,ハウス)任意の一つを選んで応募すると,

ユニセフから白いボール紙でできた型3個分が送られてきます。

点線通りに切り離して組み立てていくと,模型が作れる仕組み。

この3個の白い模型に,自由に装飾をして郵送,という流れ。

 

わたしが選んだのはハウス型です。

あったかいお家が  早くたくさん建ちますように

おだやかな毎日が 戻りますように …….

そんな思いを込めて描かせて頂きました。

 

絵を描いたり物をつくる事で 参加できるチャリティの企画に参加したいと思いながら

自分の引っ越し騒ぎの中バタバタして 悲しいかな,帰国してからやっと1つ目。

これから どんどん参加していきたいです。

描くことで 社会とつながっていくこと… それを目標にするなら

いま できる事がたくさんあるはず…

 

それを探しながら 微力だけど

もの作りをしていきたいなと 改めて思わせていただいた企画でした。

 

飾られたツリー,見るのが楽しみ。

そして オーナメントよ,誰かにご購入されてくださいね…と祈る(それでこそのチャリティ!)

 

 

 

 

 

 

 

2011/10/10

スケッチブックや雑記の中で,何度も描いてきたテーマがあります。

それは「選択」について。

 

冷静な判断で選べないもどかしさを抑えるため

そもそも何を迷っているのか整理したいため

迷っている状況を客観的に見たいため…

いろいろな心境で描いたスケッチや言葉が,幾度も登場します。

 

「選ぶ」という事は とても個人的な精神の動きなのではないかと思います。

もちろん,周りの人に相談をして第三者からの意見をあおぐ事は出来る。

それでも,そういった言葉を参考にして 判断をするのはいつも自分自身。

自分との対話の場所としてのスケッチブックに,考える場を求めるのだと思います。

 

 

生きている中で 繰り返し訪れる様々な分岐点。

そこに際して「選ぶ」という行為を重ねて, わたしたちは毎日毎時間を過ごしています。

 

今日の夜何食べよう 今日何を着よう 今日誰と過ごそう

どの学校に行こう どこに住もう 何をして生きていこう

 

刹那的なものから 人生を左右するものまで 様々にある「選ぶ」瞬間。

 

自分にとって重大であればあるほど 決心が難しくて

両方選びたいのに という我がままな気持ちになります。

 

 

留学も 大きな選択でした。

ただ,渡英した当時の段階では,まだ小さい方だった。

なぜなら予定していたのは1年間だけだったから。

 

その頃は 東京の大学の史学科に在籍していて

日本でポートフォリオ試験を受け,セントラルセントマーティンズカレッジのファウンデーションコース(学部予備課程/4年制大学の1年目にあたるコースが独立しているもの)のオファーを取りました。

一年生が終わった段階で休学届を出し,渡英。

 

ロンドンで1年間を有意義に過ごし,たくさん学んで東京に戻り,あとは自力でアートをやりながら史学で卒業するつもりでした。

 

その後,一番大きな「選択」の場面が訪れたのが 渡英した翌年の初春。

ファウンデーションコースの最後に,セントラルセントマーティンズのBA(学部)を受験し,オファーを取る事が出来たのでした。

 

絵を描くことは,自分が本心で,ずっとずっとやりたかったこと。

でもそれまでは独学で,高校は普通科,美術予備校に行ったわけでもありませんでした。いわば表向きには“非常に打ち込んでいる趣味”の位置づけ。

正直,絵でやっていく自信も勇気もありませんでした。

だから,とにかく 初めての専門教育を一年間一生懸命頑張ろう

そう心に決めて飛び込んだファウンデーションコース。

そして 一か八かで受けたBAの入学許可。

 

BAは3年間のフルタイムコースです。

お金がかかります。

東京の大学は,退学しなければなりません。

なにより 「一年間」と思って待っていてくれる人がいました。

 

当時20歳で そんなに長く生きているわけでもありません。

それでも,あんなに迷った選択はありませんでした。

 

選択肢は二択で単純。

ロンドンで美大を卒業し,絵でやっていくのか

東京で文学部を卒業し,どこかに就職して絵はサブでやっていくのか。

 

純粋にやりたい事を考えたら,確実に前者。

それでも後者に揺れるのは,自信がないから。

本当にやりたい事をやって挫折するのが,恐ろしいから。

その恐怖心を お金や人やいろいろな理由にすり替えて,

そういうものの心配をしているふりをして ぐずぐずしていたのです。

 

そんな愚かなわたしに 「選択」するきっかけをくれた一言がありました。

ファウンデーション終了前の3月頃に一時帰国した時の事。

大学に退学届を出すならこの時期だという理由でした。

でも 帰国してもまだ決心がつかずにいました。

そんなとき,心のどこかで「帰って来てほしい」と言ってくれる事を期待して会った相手から

「今帰ってくるなら,それは自分の前にある壁から逃げるってことだ」

と 一喝されました。

決心がつかないのは,人のためでもなんでもなく,

自分の弱さのせいなんだと悟りました。

 

そんな半端な気持ちでいるなら,絵でやっていく事などそもそも出来るわけが無いのです。

 

そのあと,わたしは退学届を持って大学に行きました。

驚くほどあっさりした手続きで,なんて簡単なんだと拍子抜けしまうくらい。

 

このとき悩んだ経験はそのまま,学部で学ぶ事,そして絵を描いて生きていく事に対してのモチベーションになりました。

退学して,人と別れて,それでも選んだ場所で,何が何でも泣きごと言わずにやり抜かなくては。

留学中その思いだけが支えだった時もあります。

ただ,あのとき悩んだ経緯があったから 一心不乱にやれたかな とも。

 

だから,「選ぶ」事に悩む時,たくさん悩めばいいのかなと 今は思います。

選択に「正しい」も「間違っている」も無いけれど

少なくとも 選んだ事実に肯定的でいられれば

それは救いになるし,その後の強さになるのではないかなと思います。

 

あの一言には, ずっと感謝しています。

 

 

さて 結局BAを卒業した後すぐに帰って来たかというと

そこでもまた選択があり 就職用の延長ビザを申請するに至ったのですが

またそれは別の機会に…

 

留学する予定の方,もしかしたら,おそらく,思っているより長くなる かもしれません…苦笑。

 

 

2011/10/10 03:25 | ロンドン, 思うこと | No Comments

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