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2011/06/11

こんにちは!

日本は本格的な夏を迎えている頃でしょうか。

 

ロンドンは ここ数日,肌寒い日が続いています。

今日はヒーターもはいっています。

コートもウールも出しっぱなしで,

季節感が全く無いクローゼットに 溜め息。

衣替え,という観念を この国の方々に説明するのは…

ちょっと大変かも。

イギリスと日本では 時間の流れが違うなと思う事があるのですが

季節の変化の違いも 関係しての事なのかしら。

 

 

さて 今日は,久しぶりの画材のお話を。

前回のカラーインクに続いて,

今回は アクリル絵具について お話ししたいと思います。

 

耐水性で重ねぬリができるので,いろいろな画材と併用もしやすい。

地に布をはったり 色鉛筆やクレヨンを上から重ねたり…

 

アクリル絵具は,カラーインクに比べて馴染みのある画材ですね。

チューブのものがほとんどですが,

内容量の大きなものはプラスチックのボトルに入っています。

英語だとAcrylic paint とつづります。

アクリリック というように発音するのですが,

これがなかなかうまく言えずに 渡英当初 だいぶん苦労しました…。

 

水性アクリル絵具は水で溶いて使い,乾くと耐水性になるので重ね塗りができます。

水の量や重ねかたによって,水彩画のようなタッチから油絵的な表現まで

幅広く使える画材です。

吸着力が強く,厚手の紙,カンバス,木,布など,

いろいろな表面に着色できるのも魅力です。

 

イギリスでメジャーなブランドは

Winsor & Newton,Liquitex,Daler – Rowneyあたりでしょうか。

日本のものでは ターナーアクリルガッシュをよく使います。

(ガッシュは水性アクリル絵具の一種で,マットな感じに仕上がります)

 

重ね塗りによっていろいろな表現ができるので,

完成度の高い作品が作れるアクリル絵具。

ただ スピードが重要な雑誌の挿絵となると,ちょっと不便なところがあります。

水彩やカラーインクに比べて乾くのに時間がかかり,

本格的に重ね塗りをすると,二倍くらい時間がかかります。

(わたしだけかもしれませんが…)

かといって 一度塗りしただけだと安っぽい印象になりがち。

あえてアクリル絵具を使うからには,しっかり描き込まなければなりません。

そのため,雑誌向けのイラストレーションでアクリルを使うものは比較的少なめです。

仕事を始めたばかりの頃は,よく使っていましたが…。

 

思い出深い一冊目のカバー。

A3くらいのカンバスにアクリルで描きました。

 

初期の挿絵。

アクリルで描いた風景に,フォトショップで窓の画像を合成しています。

地に使っているざらざらしたテクスチャは 実は塩です。

 

最近はあまり使っていない方法ですが,

厚手の紙に,下地として塩とジェッソ(下地材),白いアクリルを混ぜたものを塗ってから描くと なかなかおもしろい効果が出ます。

まるで砂のような雰囲気。

光の当て方で表情が変わります。

 

アクリル絵具用の下地材はいろいろなものが市販されていて,

砂目や岩肌,さらにプラスチックのようなテクスチャをつくるもの,

乾燥を遅らせる薬,などなど さまざま。

画材屋さんの中でも,こういったアクリル画用のメディウムは

見るのが特に楽しい棚です。

いろいろな表現を混ぜて

コラージュのように描いてみたもの。

 

ただ この手法で描いた作品は,挿絵にはあまり向かないようです。

というのは スキャンするとなかなかいい結果が出ない…

(ざらざらしているので,ピントが合いにくく 一部がぼける)

さらに 下地が乾くまでに時間がかかりすぎるのも問題。

仕事として描く場合,いつも時間の制限があるので

水彩やカラーインク,コンピュータでの着色が多くなってしまうのが現実です。

 

それでも,重ね塗りや混色によって 思った通りの色が出しやすく

実験的なイメージづくりもしやすいので

離れられない画材なのです。

また時間をみて 大きな絵が描きたいです。

 

 


 

 

 

 

 

2011/06/11 09:52 | 画材のこと | No Comments

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