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2014/05/11

こんにちは。
いつも「スケッチブックを片手に」をご愛読いただきありがとうございます。

前回の更新から日があき、ご心配をおかけして申し訳ございません。

タイトルにございますように 大変急ではありますが
このたび誠に勝手ながらコラムの連載を休止することとなりました。

仕事での制作と、コラムに載せるプライベートでの描きものを両立することが
時間の制約上とても厳しくなってしまったためです。

帰国後 日本で仕事を始めてからも
このコラム内で描くことを続けることで「自分の描きもの」を
出し続けていたいという思いがありました。
しかし時間も気持ちも なかなか思うように分けられず
焦るばかりで更新もままならない状況となってしまったため
このままだらしのない更新を続けるよりも一度区切りを付けようと
考えるに至りました。

ジャンクステージスタッフのみなさんのあたたかい計らいで
休載としてコラム一覧に残して頂く運びとなりましたが
申し訳ございませんが連載再開のめどはまだたっておりません。

仕事に慣れ、また精神的に準備のできた段階で ここに戻ってきたいと思っております。

突然のお知らせで申し訳ございません。
長い間ご愛読いただき 誠にありがとうございました。
またお目にかかれる日まで…

untilthedaywillcome
佐々木千尋

 

 

2014/01/31

久しぶりの更新となってしまいました。
気がつけば、前回の更新から二ヶ月…
情けない気持ちでいっぱいです。

まだぎりぎり1月!なので 明けましておめでとうございます。
以下は年賀状のために描いたカット。
自転車に乗って夫婦でうろうろするのが、たまの休日の楽しみでしたので こんな絵に。
今年も走るように過ぎてゆくのだろうな…
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

001s
この間、ここに載せる事のできないイラストレーションをいくつか描いていました。
会社勤めを始めてから、なかなか無い機会でしたので
純粋に描けるうれしさもあり、
反面 時間が思うように取れない戸惑いもあり。

描かせていただいた絵は、どれも「ご縁」があってのものたち。
改めて、人のつながりってすてきだなと感じました。
中学時代の後輩のウエディングボードの絵もその一つだったのですが
卒業してずいぶん経つのに、こうしてまた繋がれたのは
「絵を描く」という行為を続けているからなんだと、そう思うと
なんだか たまらないものがあります。

さて 新年を迎えて一息ついた、ここ数日で一つ気になるテーマができました。
それは「生活感」。

今住んでいる場所に移ってから一年少し経ったのですが、
尋ねてくる方から「生活感が出てきたね」と言われるようになりました。
それってなんだろう?と思ったのがきっかけです。

きっと少し散らかった様子や、使いさしの調味料、飾ってある写真
そういう少し雑多で、でも時間や感情を感じるもの
それが生活感で、自分の家では気づかなかったけれど
ふと見ると安らいで、愛おしく感じてしまう情景なのではないでしょうか。
その雰囲気、作品にしてみたい。
身近にありすぎて気づけない、日常の美しさというか。

まだ漠然としていて、ブレインストームをしているところですが
とても気になっていて シリーズでイラストが描けないかな、と思っています。
ジャンクステージ上でアイデア練りから完成まで記録してみるのも
あたらしいかな、と考えてみたり。

このコラムのテーマは、「スケッチブックを片手に」
街並の様子をよく取り上げてきました。
そして、人のにおいのする風景。
それも実は「生活」のかおりだったのでしょう。
今まで気になっていたものを括るキーワードが ひとつ見つかった気がしています。

次の更新までに、またすこし 表現を探れるかな。

brainstorm

恥ずかしい第一回ブレインストームの中身と、
「生活感」のある 我が家のキッチン窓辺の空きボトルスケッチ

2013/10/01

こんにちは!

9月中の投稿にするつもりが 月をまたいでしまいました…
無念です。
でも気を取り直して。

今月は 待ち時間について考えてみようと思います。

生活している中で 何かを待つ時間というのはけっこうあるものです。
たとえば

電車がくるまで
目的地に着くまで
待ち合わせの友達を待つ時間
カフェでコーヒーを待つ時間
ランチが来るのを待つ時間
ぼんやりするのもいいし、長めなら本を読むのもいい。
ケータイをいじる人が最近は多いですね。

そして。スケッチブックに落描きするのもなかなか楽しい。
待ち時間は絶好のお絵描き時間。
そして周りの世界の再発見ができる時間だと思います。

わたしはいつも 小さな手のひらサイズのスケッチブックを持ち歩いています。
カフェやレストランに一人で入って注文を済ませたら,その子の出番。

別段 何を描くわけでもありません。
目に入った目の前のイスだったり 斜め前の席のお姉さんだったり。

そうして何となくペンを動かし始めると,周りのものがもっと気になってくる。

テーブルの上のカトラリー入れ
自由に汲んでいいらしい,レモン入りの水さし
面白い模様の壁のタイル
キッチンの奥にかかっている,しきりのカーテン布
店によって違うサイズのグラス それをつたう水滴
グラスの影 明かりがオレンジ色なのに気づく。
ランプシェードがすてきなことに気づく。

あまり考えないほうが,不思議なコラージュみたいなスケッチになっておもしろい。

cardffnotes

 もうごちゃごちゃで あんまりよく分からないけど。
旅の記録もこんな風に残します。

カレー屋さんの待ち時間

ある日行ったカレー屋さんでの待ち時間。
タイルの絵が衝撃的で。(左)

 

そのときに目に入ったものや考えたこと。
おいしそうな食事のスナップも もちろんすてきな記録だけど
そういう何気ない周りの雰囲気も描きとめておくと 記憶に奥行きが出るような気がします。
いろんなオブジェクトが集まる空間をよく見ることで
自分の好みを再発見できたり 観察眼を磨けたり そんないいことがあるかなとも思います。

何より そうこうモノ描きをしている間に
遅ーい なんて思う暇もなく 注文したものが運ばれてくるのだから
なかなか平和で健康的な 待ち時間の使い方。

もしお手元に紙とペンがありましたら。あしたのランチでぜひためしてみてください。

(紙ナプキンに描くのもいいですよ!)

2012/08/30

非常に久しぶりの更新となってしまいました。

最近はデザイン関係の仕事ばかりをしていて,絵を描くことがままならず

このコラムをどう書いたらいいものか頭を悩ませてしまっていました…。

 

しばらくこの状況が続きそうなので,イラスト的視点のロンドン・留学について何本か書いていこうと思います。

帰国して丸一年が経ち,わたしもいろいろ心境の変化があったので,そんなことについても。

 

オリンピック,そしていよいよ始まったパラリンピックで盛り上がるロンドン。

マラソンのコースを見たときには,こんな狭い町中を三周もするのかと唖然としましたが
(そう考えると,ほんとうにロンドンは狭いですね…)
ずいぶん街がテレビ中継に映り込むので,懐かしいなあと思いながら見ていました。
今回の開催まで,TFL (Transport for London)ではずいぶん地下鉄(Underground)のや 地上路線(Overground)の整備をしていたのですが,(そのために毎週末路線がどこか止まっていました)期間中大きな事故も無く乗り切っているようで…よかったです。
オリンピック中,TFLの交通情報メーリングリストでは競技に伴うバス路線の変更や,地下鉄の運休などをお知らせしてくれていました。
そこに張ってあったイラストがなかなかおもしろかったので,紹介します。

歩行者のかた,自転車のかた,お車のかた,各経路に変更がありますので注意してください…

 

競歩とロードレースと新体操?をもじって挿絵にしていました。

無理矢理ではあるけど,思わずくすっとなってしまうイラスト。

テーマも分かりやすいし,このまじめな絵柄とふざけた表情,動作がおもしろい。

 

 

フットボールですね。困りますね…

これも好きだった。オリンピック開催で道が塞がる,というのをこういう切り口で来る…

通行止めのマークなんかより,ユーモアがあって面白い。

 

TFLというのはロンドン交通局,かなりまじめな組織です。

でも,地下鉄に貼ってあるポスターや、こういったちょっとしたビジュアルがすごくユーモラスで凝っていて,

いつも楽しんでみていました。

日本ではあまり見かけませんが,向こうではイラストレーションがメインビジュアルに使われる事が非常に多いなと思います。

絵のタッチとしてはアニメの可愛いキャラクターというより,もっとリアルなイメージのキャラクター,もしくはグラフィックデザインとしての単純な絵が目立ちました。色合いもビビット。

個人的な意見ですが,ポスターなどの表現で,日本では写真媒体を使うことのほうが主という印象があります。

(それか,ものすごく[カワイイ]イラストか…)

経済誌などの雑誌の挿絵などもそうです。

オフィシャルな印象を与えたいときに写真を使った表現が適しているという考えなのかもしれませんが,

すこし皮肉ったり,テーマをより強調しダイレクトに伝える手段として,イラストレーションやグラフィックが持っている力は大きいのではないでしょうか。

ただ,需要として,イラストレーションは可愛いもの,やわらかい雰囲気のもののほうが求められているような,そんな印象も日本では受けます。

上のTFLのイラストも,面白いけど可愛くはない,というように受けとられると言うか…

逆にロンドンだと,きれいに描けているけど面白くない。となる。

嗜好や,心地よい表現の違いは,地域によって大きく変わってくるものかもしれません。

イラストレーターやデザイナーとしては,自分の表現したいもの,感性によっては,活動の場所も選んでいくべき,

そしてそれは必ずしも自分の国ではないかも…

 

とにかく 日本でのイラストレーションの可能性,需要,

もっともっと 広がればいいなと思います。

 

 

 

2012/06/30

たくさん言いたい事がある

でも 言えない気持ちはどんどん溜まって

ふくらんでふくらんで 

言ってしまおうか

飛んで行ってしまおうか

 

こんにちは!

しばらくコラム休載してしまい申し訳ありませんでした。

今月は,仕事関係でまた大きな動きがありまして

働き方について考えさせられる日々でした。

 

フリーランスで一人で描いていく,会社に所属して描いていく,

イラストレーションをお仕事にするにも,いろいろな立場があります。

それぞれによい点があったり 困難な点があったり。

 

卒業するなりして,はじめて社会に出た時は,誰もがみんなフリーランス。

そうして一人でいることが 不安で,ひとりで描いているのが 嬉しい。

もっと掘り下げたら,

「絵描きと言う肩書きをしょって一人でやりたい気持ちが とてもとても強いから

不安もあるけど踏ん張れる」 と

自分にも,周りにも言って 勇気を繋いでいる。

これはどなたも経験する気持ちなのではないでしょうか。

 

フリーから企業所属なるなど立場が変わるとき,

それまで自分に言い聞かせていたこういう言葉が,

そのまま自分に突き刺さってきます。

自問自答を繰り返して,自分がまた納得できるまで なかなか前に踏み出せない。

それくらい,どちらの立場で働くかというのは,心構えとしても違うものなのではないかと思います。

 

ただ,絵を描くことで何を伝えて行きたいのか,おおきな目標に立ち戻って考えてみると

どんな立場で描くことにも 肯定的に思えるようになってきて

制作自体の幅も広がっていくのではないか  そんな風に今は思います。

 

一人で描いてる人も 会社で描いてる人も

「絵で社会とコミュニケーションをとる」なかま。

悩み事もいえない事も絵に込めて描けるのは,幸せな事かも。

がんばっていきましょう!

2012/02/01

みなさんこんにちは!

先日のJunkStage総会&新年会で,

今年度ジャン子ちゃんをデザインしたことから まさかの功労賞をいただきました。

花束なんて頂いたのは いつぶりでしょうか。。どうもありがとうございました。

 

他のライターさんが自分の記事でアワードを受賞されている中,

何だか, ジャン子ちゃんがもらった賞を代わりにに受け取っている気がして,

いいのかしらと思ってしまいました。お面でも作ってかぶっていけば良かったかな(ちがいますよね)

それくらい,わたしの中で ジャン子ちゃんは独立した存在です。

 

描き手とキャラクターの関係というのは,そういう感じなのではないかなと思います。

少なくとも 自分がキャラクターを描く時は,完全に独り立ちした人格を作ろうと思って描いています。

たとえどんなにデフォルメされたキャラでも,挿絵で一度しか登場しないキャラでも,

基本的にその考え方は変わりません。

ジャン子ちゃんの場合,元々がわたしの発案したキャラクターではないので(ジャンクスタッフさんたちの設定で描きました)

年齢性格その他,コメントを描いている方(あえて伏せます 笑)の設定が公式なっています。

が,描くときには 自分の中のジャン子キャラがあったりもします。

 

今だから公開!

使われなかったジャン子ちゃんスケッチ。

いろんな子がいました。

 

 

キャラクターというのは,何度も描かなければならない事が多いです。

そして違うポーズをしたり,表情が変わったり,考えたりおしゃべりもします。

こういうときに,キャラクターの設定が自分の中で曖昧だと,描く度別のキャラクターに見えてきてしまう。

この子,こういう場合はどんな反応をするかしら,何を思うかしら,

核になる性格や価値観が決まっていると, 勝手に動いてくれるもの。

 

小さい頃からお話を考えるのが好きで,ノートに何人分も,キャラクターのプロフィールを描きためていました。

身長 体重 誕生日 血液型はもちろん,性格 食べ物の好き嫌い 色の好き嫌い 家族構成 などなど。。

何でもかんでも 考えつくだけ事細かく。

外見も,横正面斜めに全身, いろいろ描いていました。

その頃生まれたキャラクターは,今思い出すと古い友人のような存在になっています。笑

わたしだけしか知らない人格たち。いつか世に出してあげたいものです。

 

さて,ジャン子ちゃん。

どんなに作り手が愛を注いで描いたキャラクターも 公開後はその手を離れ,見る人の愛で育っていきます。

どうぞ末永く,よろしくお願いいたします。

 

 

2012/01/03

 

みなさま,

新年あけましておめでとうございます。

 

どんな激動の中にも あたらしい一日はやってきて

それが重なって 新しい年を向かえる。

 

年というのは 人の作った区切り

ずっと同じ一つの時間の流れの延長を わたしたちは歩いています。

だけれど 新年という区切りは

気持ちを少し切り替えて前に進むことを

後押ししてくれるものだと思います。

 

一年前この場で,

「来年の今頃は,またどこにいるかわからないけれど

どんな場所でも しっかり絵筆を握りしめて

感じ,つくり続けていたい。」

そう書きました。

 

あれから一年経ったお正月。

わたしは完全帰国して,この日を日本で迎えました。

でもやっぱり 絵筆を持って歩いています。

 

また 今年一年何があるか分かりません。

でも 変わらない何かを信じて

それとともに 明日へ一歩踏み出していきたいです。

 

たくさんの幸せが降る年になりますように。

今年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

2011/12/10

こんにちは! しばらくご無沙汰してしまい申し訳ありませんでした。

帰国してから生活がかなり変わったこともあり,

これからのコラムの書き方について考えを巡らせていました。

答えというのは出ていないのですが,

何となく前向きな目標が出来たので書きたいと思います。

 

まずはジャンクステージ5年目にお祝いを。

ある一つの試み,挑戦が,何年も積み重ねられていく。

想いを持って続けていくこと,本当に大切な事と思います。

そうして積み上がった物が,何なのかおぼろげに見えてくるころ

次はどんな形で組んでいこうかと 一つ先の事を考えられるのかな。

 

わたしはまだまだ,ジャンクステージ一年生。

探りながら自分と向き合いながら 積んでいく段階です。

 

自分のやっている事を,こうして文章にして公の場に出すという行為は

未だに 多大なエネルギーを必要とします。

おそらく,自分が何者なのか,どこへ向かっていくのか,

まだまだはっきり分からないからだと思います。

 

イラストレーターとしてコラムを連載させて頂いていますが,

何せ駆け出し。

コラムに書けるほどのイラストの仕事が出来ない時もあり,

ならばもちろんデザインの仕事などを探してくるわけで

そんなときには 果たして何を書いていいものか困ってしまう。

 

ただ,コラムをはじめて1年たった今

新米イラストレーターの等身大の記録とすれば,

そんなシビアな実情自体を書いていけばいいのかなと このところ考え始めました。

背伸びして書かない。失敗した事を書く。うまく行かない事を書く。

そうして観察しながら,どうやって進んでいこうか 考えていく。

 

ジャンクステージの2年目は,自分の成長の記録ともすべく,

そんなアプローチで書いていこうかなと思います。

イラストやってる方も,そうでない方も,

ご興味をお持ち頂けたら,お付き合い頂ければ幸いです!

 

さて,そんな難儀な実情報告の第一弾ですが… 苦笑

夏にロンドンから帰国して4ヶ月。

日本での人脈も営業経験も弱く浅いので なんとか2度目の個展を早く開きたいなという目標があり,

(はじめての個展は2010年10月のギャラリー銀座フォレストにて行いました。

屋根裏のアトリエ展2010

ジャンクステージもその時のご縁からの参加なのです。)

そのための資本作りをすべく10月から某TV局で映像デザインのスタッフをしています。

今は年末の歌番組のチームにいます。

仕事は,設計図から模型を作ったり,資料のグラフィックを作ったり。

 

グラフィックのほうは,普段から親しんだ技術なのでなんとかついて行っていますが

模型作り…というと もちろん3D。

スチレンボードなどを切ったり張ったりして作るのですが

わたしこの手の作業は じつは決して得意ではありませんでした…。

アニメーション制作のために模型は作っていましたが,

建築物のような計算された形ではなかったので

始めはカッターを一切れ入れるのにも緊張する始末。

この2ヶ月くらいで ずいぶんいろいろな知識と技術が付いたなと思います。

日本にはスプレー糊にいくつも種類があるんだな とか,

スプレーブース,スチのりというものの存在ですとか

ロンドンで見かけなかった画材との出会いも勉強になります。

 

もちろん,自分の絵を描く時間というのは確保するのが難しい状況です。

 

ただ,一人で制作していては関わる事の無い分野のデザイン,技術,考え方など,

様々な事が吸収できるのはとても良いなとおもいます。

親しみのあるイラストレーターやフォトショップの使い方一つとっても,

普段描画で使うツールと設計図面制作で使うツールでは大分違いがあり

まるで別のソフトを使っているような感覚に陥る事さえあります。

舞台の専門用語,尺貫法も もちろん一から。

そして,デザインの現場でどのように人が動いているのか,意思疎通をしているのか

観察する事が出来るのも 一人では出来ない経験です。

 

「思いを伝える媒体としてのイラストレーション」という

わたしの制作活動のテーマ。

こうして,いろいろな新しい表現に触れる事で

自分のアイデアの幅も広がっていけば と思いながら

大晦日に向けて励んでいます!

 

描けない時間も思い悩むより,今は描ける自分作り。

そうしんじて。

 

 

 

 

2011/10/31

大分日が経ってしまったのでリファレンス程度にしかなりませんが

ご縁があって,今月14日の日経新聞夕刊にイラストレーションを載せて頂きました。

広告特集のページのタイトルと挿絵です。

10月16日の孫の日のために,知育玩具の広告特集をするという企画。

おじいちゃんおばあちゃん,お孫さんに是非!という事です。

 

 

タイトルフォントは手書きで作ってみました。

そのため,編集中 ドットの位置を間違えてラフを送ってしまうという大失態を…。

(エデュケーショナルトイ・特集)

 

 

ロンドンで雑誌のイラストをやっていたのですが,

日本では はじめて。 帰国二ヶ月にして…です。

 

夕刊掲載だったのですが,それを知らなかったわたし。

朝の通勤途中に朝刊を駅売店で買ってしまい,

ドキドキしながらページをめくるも 広告特集は「社会人野球特集」

これは 全部夢だったかな なんて本気でうろたえながら一日を過ごし

(担当の方にメールする勇気もない 苦笑)

夕刊を買った友人からの「載ってたよ!」

メールで 本当に胸を撫で下ろしました。

小心者でございます。

 

 

小さなカットでも,何度か変更がありました。

一つ前のラフ。

こどもたちは両方プレゼントに夢中だったのですが,

相談の結果 一人はおばあちゃんおじいちゃんに感謝している風なのがいいだろう…

という事で

女の子の表情を変更。

このさらに前は男の子はいませんでした。

また さらに前はボードゲームの絵でした。

 

こういった感じで イラストレーションは構図の変更も多いので,

いつからか ラフの段階ではキャラクターは全て別々に描くようにしています。

それぞれをスキャンしてフォトショップに読み込み,いくつかバリエーションをつくります。

こうすると変更にも早く対応できますし,何かと安心です。

構図が決まったら,一度出力して一枚絵としてトレース,清書します。

 

それにしても、

学生時代には全く縁がないだろうと思っていた経済/ビジネス系の媒体でロンドンに続き再び,となると

ほんとうに 先は読めないものだなあと思います。

CSM在学中,いわゆるカートゥーン(風刺画)の世界は,若いイラストレーターはあまり入っていかない分野だ,

という事を チューターが話していました。

また,経済系の媒体も同様,という事でした。

イラストレーターというと 絵本や本の装丁,アニメーションなどで活動したい人が多い。

たしかに。華やかです。

(描くテーマが,です。必ずしも仕事環境ではなく)

また,風刺画というのは時事に相当詳しく無ければ描けず,また知性的なユーモアというのが難しい。

ただ個人的には 史学科ををかじっている経験があるからか否か

新聞,雑誌等で描けるのは もちろん難しさも多々ありますが,非常に楽しく 嬉しい事と思っています。

おもしろいものが描けるようになりたい。(勉強 勉強 勉強)

 

The New YorkerHarvard Business Reviewなどの雑誌のカートゥーン/イラストは 本当におしゃれで皮肉でおもしろい。

英新聞TheGuardianなどもイラストを大きく使っていました。(クラスメイトも描いていたなあ)

こういう感じのものが,もっと増えてきてもいいのになあと思います。

日本の新聞/雑誌は 特にビジネス系のものは

写真中心のものが多いので…。

入り込んでいきたい分野です!!

 

そんな中でも 今回の機会をくださった日経新聞さん 感謝いたしております…。

 

 

 

 

 

 

2011/10/10

スケッチブックや雑記の中で,何度も描いてきたテーマがあります。

それは「選択」について。

 

冷静な判断で選べないもどかしさを抑えるため

そもそも何を迷っているのか整理したいため

迷っている状況を客観的に見たいため…

いろいろな心境で描いたスケッチや言葉が,幾度も登場します。

 

「選ぶ」という事は とても個人的な精神の動きなのではないかと思います。

もちろん,周りの人に相談をして第三者からの意見をあおぐ事は出来る。

それでも,そういった言葉を参考にして 判断をするのはいつも自分自身。

自分との対話の場所としてのスケッチブックに,考える場を求めるのだと思います。

 

 

生きている中で 繰り返し訪れる様々な分岐点。

そこに際して「選ぶ」という行為を重ねて, わたしたちは毎日毎時間を過ごしています。

 

今日の夜何食べよう 今日何を着よう 今日誰と過ごそう

どの学校に行こう どこに住もう 何をして生きていこう

 

刹那的なものから 人生を左右するものまで 様々にある「選ぶ」瞬間。

 

自分にとって重大であればあるほど 決心が難しくて

両方選びたいのに という我がままな気持ちになります。

 

 

留学も 大きな選択でした。

ただ,渡英した当時の段階では,まだ小さい方だった。

なぜなら予定していたのは1年間だけだったから。

 

その頃は 東京の大学の史学科に在籍していて

日本でポートフォリオ試験を受け,セントラルセントマーティンズカレッジのファウンデーションコース(学部予備課程/4年制大学の1年目にあたるコースが独立しているもの)のオファーを取りました。

一年生が終わった段階で休学届を出し,渡英。

 

ロンドンで1年間を有意義に過ごし,たくさん学んで東京に戻り,あとは自力でアートをやりながら史学で卒業するつもりでした。

 

その後,一番大きな「選択」の場面が訪れたのが 渡英した翌年の初春。

ファウンデーションコースの最後に,セントラルセントマーティンズのBA(学部)を受験し,オファーを取る事が出来たのでした。

 

絵を描くことは,自分が本心で,ずっとずっとやりたかったこと。

でもそれまでは独学で,高校は普通科,美術予備校に行ったわけでもありませんでした。いわば表向きには“非常に打ち込んでいる趣味”の位置づけ。

正直,絵でやっていく自信も勇気もありませんでした。

だから,とにかく 初めての専門教育を一年間一生懸命頑張ろう

そう心に決めて飛び込んだファウンデーションコース。

そして 一か八かで受けたBAの入学許可。

 

BAは3年間のフルタイムコースです。

お金がかかります。

東京の大学は,退学しなければなりません。

なにより 「一年間」と思って待っていてくれる人がいました。

 

当時20歳で そんなに長く生きているわけでもありません。

それでも,あんなに迷った選択はありませんでした。

 

選択肢は二択で単純。

ロンドンで美大を卒業し,絵でやっていくのか

東京で文学部を卒業し,どこかに就職して絵はサブでやっていくのか。

 

純粋にやりたい事を考えたら,確実に前者。

それでも後者に揺れるのは,自信がないから。

本当にやりたい事をやって挫折するのが,恐ろしいから。

その恐怖心を お金や人やいろいろな理由にすり替えて,

そういうものの心配をしているふりをして ぐずぐずしていたのです。

 

そんな愚かなわたしに 「選択」するきっかけをくれた一言がありました。

ファウンデーション終了前の3月頃に一時帰国した時の事。

大学に退学届を出すならこの時期だという理由でした。

でも 帰国してもまだ決心がつかずにいました。

そんなとき,心のどこかで「帰って来てほしい」と言ってくれる事を期待して会った相手から

「今帰ってくるなら,それは自分の前にある壁から逃げるってことだ」

と 一喝されました。

決心がつかないのは,人のためでもなんでもなく,

自分の弱さのせいなんだと悟りました。

 

そんな半端な気持ちでいるなら,絵でやっていく事などそもそも出来るわけが無いのです。

 

そのあと,わたしは退学届を持って大学に行きました。

驚くほどあっさりした手続きで,なんて簡単なんだと拍子抜けしまうくらい。

 

このとき悩んだ経験はそのまま,学部で学ぶ事,そして絵を描いて生きていく事に対してのモチベーションになりました。

退学して,人と別れて,それでも選んだ場所で,何が何でも泣きごと言わずにやり抜かなくては。

留学中その思いだけが支えだった時もあります。

ただ,あのとき悩んだ経緯があったから 一心不乱にやれたかな とも。

 

だから,「選ぶ」事に悩む時,たくさん悩めばいいのかなと 今は思います。

選択に「正しい」も「間違っている」も無いけれど

少なくとも 選んだ事実に肯定的でいられれば

それは救いになるし,その後の強さになるのではないかなと思います。

 

あの一言には, ずっと感謝しています。

 

 

さて 結局BAを卒業した後すぐに帰って来たかというと

そこでもまた選択があり 就職用の延長ビザを申請するに至ったのですが

またそれは別の機会に…

 

留学する予定の方,もしかしたら,おそらく,思っているより長くなる かもしれません…苦笑。