Home > イラストレーション/パーソナルワーク

2011/09/13

こんにちは!

昨日 9月11日,Junk stage第三回公演に行って参りました!

ジャンクステージに参加し始めた時はロンドンにいたので,

メンバーのお二人以外

どなたにもお会いしたことが無かったのですが(汗)

今回いろいろな方に 生でお会いすることができて

とっても嬉しかったです…

 

ご来場いただいた方にお配りしていた、うちわ/プログラム。

描かせて頂いたジャン子が!!!

これを皆さんが持っていらっしゃるのを見て

何だか嬉しくなってしまいました 笑

 

公演 とても楽しかったです…

歌あり踊りありジャグリングありジャズ演奏あり

こんなたくさんのパフォーマンスが一度に見れてしまう場なんて

ほんとうに なかなか無いだろうなあと思いました。

皆さんの『これが好き!』が集まった場でした。

 

うちわのジャン子と,小道具の絵…

参加させて頂くことができて 嬉しかったです!!

 

*********

 

さて,今回のコラムは ロンドンと東京の街の色くらべ第二回。

第1回目では,タクシーやバス,ゴミ箱など

公共の物体で色比べをしました。

第二回目は,その公共物がどんな風に

「街の色彩」 という全体に働いているのかを

建物の色などにも注目しながら見てみようと思います。

 

「街の色彩」という全体

と言っても わかりにくいですね…

まず イメージで見比べてみましょう。

壁の色,建物の高さ,看板の色,看板の位置などに注目してみてください。

写真①

上がロンドン キルバーンの住宅エリア、下が東京 御徒町の住宅エリア

 

写真②

上がロンドン キルバーンのハイストリート(ショッピングエリア)、下が東京 上野の町中

建物の構造,高さ,看板の付き方など

色合いだけの違い以上の もっと根本的な,街の構造の違いがあることに気づきます。

 

ロンドンは建物,また看板の設置の高さや,外壁の色が濃い色でそろっていて

全体的に 濃く強い色の横ストライプのような色の配置になっています。

 

反対に東京の町並みでは,建物の高さがそれぞれ、おだやかなトーンですが外壁の色もバラバラです。

また,建物の構造上 立て看板がたくさんあり,派手な色が街並の上の方にも見られます。

いわば 下部から最上部まで色の飛び散った,淡く明るい色のモザイクのような色の配置です。

 

この場では 長くなってしまうのであまり触れませんが,

ロンドンでは行政区ごとに

建物の高さ,外装のリフォーム可能範囲,商店の看板の大きさ,設置場所などが

こと細かく規制されていて,

街並みを統一,保存する意識がとても強いのです。

 

色に注目して街を見よう,という試み。

でも実際には, 配色だけが全てではありません。

どんな色が,どういった配置で使われているのか

それは建物の高さ形や,看板の色 その大きさと配置など

全体の構図を大きく捉えて 考える必要もあるようです。

 

最後におまけで,東京都ロンドンの地下鉄の色比べをしてみましょう!

 

①ロンドンの地下鉄 全9線のインテリアの配色

※データは2009年のもの,調査にはパントンカラーチャートを使用

②東京の地下鉄 12路線分のインテリアの配色

③ 左/ロンドン 右/東京

地下鉄インテリアの配色をまとめ,モザイク上に配置したもの

 

大分 雰囲気の違う色を使っていることがわかります。

ここでも,暗い,深い色合いのロンドンと,

明るい 軽い色合いの東京 という特徴が見えてきます。

 

ロンドンの地下鉄は,ポールの色など,日本ではステンレスの銀色のところに

黄色や赤の原色が塗ってあったりするので それだけで大分印象が違います。

床も 黒に近い濃い色が多いです。

 

こういった,公共の場で使われる色彩の違い。

これは,そこに住む人々の「色彩嗜好」つまり 色の好みが

地理,文化,などの諸条件によって変わるのだということを示唆しています。

それに街の構造の違いが合わさって,

「街の色風景」が変わってくるんですね。

 

「色彩嗜好」、色の好みの違いに関しては いろいろな論文や研究がでていますので

それらを読んでみるとおもしろいと思います。

個人的には 佐藤邦夫さんの’風土色と嗜好色―色彩計画の条件と方法’(1986)で論じられている

’色のバイアス’についての考え方が 一番納得がいき,

自分の論文でもそれをベースに考察をしました。

 

それから 街の色彩については,ジャン−フィリップ ランクロというフランスのカラリストの方の本が

どれも写真付きでとても詳しく考察されています。

彼はご夫人といろいろな国,地域の色彩を比較していて,とてもおもしろい研究をしています。

 

他にもアジア内での色彩嗜好の違いの研究など,興味深いものがたくさんありましたが

また 次の機会にいろいろ書いていきたいと思います。

 

また長くなってしまいました ごめんなさい!

それでは,また来週。

(今回の街の色彩についてのコラムは,わたしの卒業論文からの抜粋です。

かなり無理をして二回にした関係で 大分説明の足りないところがあり,恐縮です…

ご意見 ご質問などありましたら ご連絡ください!

chihiro.s@hb.tp1.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2011/07/05




(ゴミ箱…左上/ロンドン 右下/東京)

見慣れた物も 色彩も

比べてみると おもしろい。



みなさんこんにちは!

しばらくぶりの更新になってしまいました..お変わりありませんか?

 

突然ですが ひとつおしらせがあります。

じつはこの夏 日本に帰国する事になりました。

(ロンドンだよりという名前も あとすこし!

でも現地のお仕事は続けられそうなので

ロンドン情報は引き続き発信したいと思っています。)

 

それに伴い仕事のことや家のことなど 整える事が重なり…悩ましいです

詰めて送るだけなのですが どうも不得意なわたし。

思い出の品を捨てられない質で

全部もって帰れるはずが無いのに

なかなか 物が減りません。

今まで描きためたスケッチや

集めたチラシやらスクラップやら

こうした記録や素材は もちろん手放せません。

紙類 かさ張るし重いのです。

仕事柄 ついて回る悩みです。

 

ちなみに ロンドンからの帰国の際は

ほとんどの方がクロネコヤマトを使って発送するようです。

そう ロンドンにはクロネコのオフィスがあります。

ピカデリーサーカスの三越デパートの一階、レジの左奥。

航空便と 船便のオプションが選べますが

航空便は一週間くらいで届くのに対し 船便は約3ヶ月。

どこでそんなにかかるのかしらと ちょっと不思議になる数字ですね…

数十ポンドの違いなので よほど箱数が多くならない限りは

航空便を選ぶ方が多いようですが

どうなることか まだ未知です。

 

***********

 

さて 私事の話題から始まってしまいましたが

今日は ロンドンと東京の‘色彩風景’についてお話ししたいと思います。

 

じつはイラストレーターといいながら色彩学が大好きで

個人的にまとめた資料がありまして…

これも「視覚伝達としてのイラストレーション」の一部という事で

ジャンクに載せる事にしました。

発想の転換に…楽しんでいただければ幸いです。

 

英語で 町並みのことは‘Cityscape’。

これをもじって 町並みの色彩風景を ’Colourscape’ といいます。

 

街の色彩 というと 皆さん何を思い浮かべますか。

 

たとえば海外旅行に行って,

「あれ、何だか街が明るい!」

「何だか雰囲気が違う!」

「なぜだかは わからないけれど」

そんな風に思った経験はありませんか。

 

もちろんいろいろな理由が考えられますが

街の中で使われている色や 配色の種類が

その場所の印象を左右している ということが

かなりあるのです。

 

 

毎日生活している場所で,毎日目にする物だから

普段 あまり気づく事の無い その街独特の配色。

そして その配色が好まれる

文化的,地理的背景とは…?

色彩。

気をつけて見始めると

なかなかおもしろい発見があります。

 

ロンドンに5年住む中 発見したこの街の色

今回は東京の色彩と比較して

2回に分けて すこしご紹介します。

 

1回目の今日は,

町の公共物に注目してみたいと思います。

 

 

街の色を考えるにあたって

色比べをする対象を決定する必要があります。

(なにしろ 街は物で溢れています!)

二つの都市に共通して存在するもの ということで

いくつか選んでいきましょう。

(今回は,建造物以外の物体についてみていくことにします。)

まずは個別の色を比較して

全体像を眺めてみる事にします。

※比べた地域は,東京台東区とロンドン北部キルバーン。

データは2009年のもの,色の調査にはPantonカラーチャートを使っています。

 

比べたもの…

 

バス

タクシー

公共電話

看板

郵便ポスト

道路フェンス

信号機

工事現場(ポール、看板、囲い板など)

ゴミ箱

 

さあ 東京にお住まいの皆さんは

それぞれの物の色,思い出せますか?

なかなか 難しいのでは…ないでしょうか。

順番に見比べてみましょう。

 

(左/ロンドン 右/東京)

おなじみの色ですが 改めて見るとこんなに違う。

 

(上/ロンドン 下/東京)

タクシーはどこも鮮やかですね。

東京の方がポップな感じがします。

左上/ロンドン 右下/東京)

緑の電話はかなり独特です。

ロンドンは赤と青が多い。

(左/ロンドン 右/東京)

通りの看板や住所表示。

東京は区によってプレートの色が違います。

ロンドンはとにかく 白黒+赤が多い。


(左/ロンドン 右/東京)

ポストの色は共通。

日本の物は 心なしか黄色っぽい赤。

(左/ロンドン 右/東京)
信号機もフェンスも真っ黒なロンドン。
町中にいくつあるかを考えると 街の印象の違いが見えてきます。
(左/ロンドン 右/東京)
都会はいつも工事中。
目立たせたいロンドンと おとなしい東京…

みなさん どんな印象を持ちましたか?

全体として

 

ステンレス/白+やわらかい色彩(黄緑,水色,オレンジなど)の多い東京

という印象があります。

こんな感じになります。

 

ロンドン=高彩度,低明度,コントラストが強い配色(ex.黒/赤)

東京=中—低彩度,高明度,なじみの配色(ex. 灰色/水色)

ざっくりまとめてみると このように見られるのではないでしょうか。

 

普段見慣れている物も,他の文化圏と比べてみれば地域性が見えてきます。

次回は 建造物の色彩も見ながら

街全体の色合いと,その違いの背景についても

少し考えてみようと思います。

 

長くなってしまいました!

最後までお読みいただきありがとうございます。

それでは,また来週。