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2012/03/29

皆さんこんにちは!

 

すっかりご無沙汰してしまい,申し訳ありません。

実は先月から大きな締め切りを一つ抱えていまして,

それが先日やっと落ち着いたところなのです…

締め切りが無いのは悲しいですが,明けるのはやっぱりうれしいものです。

こちらのお仕事については後日書きたいと思います。

 

さて今日は 久しぶりにカラーインクのお話です。

(よろしければ 以前のカラーインクのコラム その1その2もどうぞ!)

 

カラーインクの使い方あれこれ

「強烈な発色をどうコントロールする?」 

 

といっても, 筆の話,と言った方がいいかもしれません…

 

イラストを描く皆さん,どんなサイズの絵を,どんなサイズの筆で描いていますか?

描かない皆さんは,絵のサイズと筆のサイズについて,気にしてみた事ありますか?

 

これは,完全に個人的な好みの話だと思いますし,むしろこれらの癖なり選択なりが,「画風」の一要素となっているのかもしれません。

 

わたしのカラーインクの原画は,他の方と比べると小ぶりなようです。

つまり,印刷サイズにかなり近いサイズ。

これの原画は横3cmくらい。

 

1.2倍くらいから,1.5倍くらいで描いています。

例えば5cm四方の印刷サイズで,原画が7-8cm四方くらい。

自分では気づかなかったのですが,大分細かい描き方のようで,

原画を見て「どんな大きさの筆で描くの!」と 聞かれる事がよくあります。

 

ネタバレをすると, 愛用の筆は3/0 というサイズ。

愛用,と言うより,実はこのサイズ一本でほぼ全ての絵を描いています。

ちなみに こんな筆です。

 

A4サイズくらいの作品までは,これ1本で大体間に合います。

画面を濡らすためや,背景で大きな面積を塗るときに大筆を使う事はありますが,キャラクターやオブジェクトは小さい筆で。

むしろ わたしの場合,小さい筆でないと描けないのです。

 

カラーインクは,以前も触れた通り,とても発色のいい画材です。

もちろんこれがインクのいいところなのですが,

アクリルと違って後戻りが出来ないのが難しいところ。

大きな面積に,いきなり濃度の高いインクを置くのは わたしにとって恐怖です。

(この臆病さから,コピックはあまり性に合いません。

色決めのスケッチには使いますが,完成作品にはほとんど使いません。。)

 

とくにワイルドローズ(ドクターマーチン)などの強いピンクは,

原液を紙に置いたら最後,どんなに水でのばそうとしても,くっきりインクの跡が残ってしまいます。

こうなってしまうと,他の色でカバーする事も出来ません。

(強行手段で,アクリルでカバーする事もありますが…)

また,あまり発色のいい色でべた塗りすると,どうも安っぽい仕上がりになってしまう。

この鮮やかな発色をいかにコントロールするか…

カラーインクを使う際の,大事なポイントではないでしょうか。

 

これに対するわたしなりの対策が,

「うす塗りから,少しずつ,部分的に濃くしていく」こと。

この「少しずつ」「部分的に濃くしていく」作業で,どうしても小さい筆でないと具合が悪いのです。

 

小さい筆だと,どうしても大きな面積を均等に塗る事が出来ません。

そのため 強制的に分割して色を塗っていく事になりますが,それでも塗りムラができます。

このムラを活かして,濃い色をのせていってしまうのです。

文章にすると分かりづらいですが

先に載せた風船の絵で,ちょっと雰囲気が伝わりますでしょうか…

 

つまり 全部濃く塗らなくても,部分的に濃くすると全体の印象で濃く鮮やかに見える!

ということ!

絵の中に微妙なグラデーションが出るので,全体にほんわかした印象になります。

 

ただ,大きい絵を描くには,あまり向かない描き方です。

それから,筆はすぐだめになります。

(いつもまとめ買いしている)

 

画材を変えたり 色を変えたり 主線の種類を替えたり

いろいろと画風を作り上げる方法はありますが,

筆の大きさを変えてみる!というのも,面白いかもしれません!

ぜひ いろいろ試してみてください。

 

2011/10/01

みなさんこんにちは。

 

今日, 新宿の世界堂へ買い物に行きました。

小学校の頃からお世話になっている 画材屋チェーンの大きな店舗。

つい 上から下まで全部回りたくなってしまう危険な場所です…

先月帰国後初めて訪れたとき びっくりしたのがST(世界堂チケット)の配布サービス。

(…浦島太郎です。。いつ始まったのかしら)

世界堂カードを会計時に使うと 合計金額の7%分の買い物チケットをバックしてくれる…

ただでさえカード会員は20%も割引になるのに

こんなサービスして大丈夫なのかしらと思ってしまうほどの 気前の良さ。

何にしても 消耗品を買い続ける側としてはありがたい限りなのですが。

 

さて その世界堂でレジに並んでいる時, 懐かしい物を目にしました。

それは“CASS ART”(カスアート)というお店の手提げ袋。

後ろに並んでいる方が, サブバックとして持ってらっしゃいました。

これは, ロンドンの画材屋さんの手提げなのです…。

懐かしくなって 思わず声をかけてしまいそうになりました(笑)

 

世界堂の規模には遠く及ばないのですが CASSはロンドンでは大きなチェーン店。

赤い看板に黒と白で書かれたロゴがトレードマーク。

LET’S FILL THIS TOWN WITH ARTISTS(この街をアーティストでいっぱいにしよう!)が店の標語になっています。

なかなか素敵です。

この支店はPiccadilly Circus の近く,Berwick Streetにあるお店。

Sohoという繁華街にあって, わたしの大学からも徒歩圏だったのでずいぶんお世話になりました。

右下に張ってあるのは割引のおしらせシール。

このシールが貼られると 水彩画用の画用紙をまとめ買い…。

 

ちなみにこのBerwick Streetは, 中古のCDやレコードのお店, それに手芸用品やアクセサリー用品を扱ったお店がたくさんある通りです。

OASISのセカンドアルバム(What’s the Story)Morning Glory?のジャケット写真は, この通りとNoel Streetという通りの交わるあたりで撮影されています。

真似して写真撮ってる方を 何回か見ました(わたしも… 笑)

Cass Art からもっとピカデリー寄りには, 平日毎日やっているマーケットも。

また, 日系の食品店やレストランの多いエリアでもあります。

 

右のビニールバッグがスタンダード。

左は30ポンド以上買うともらえるショルダーバッグ。

毎年いろいろなカラーバリエーションがでます。

今日見かけた方は灰色だった。

 

他に大きな画材屋では,London Graphic Centre,  Cowling&Wilcox Ltd.,  Atlantisなどがあります。どのお店も学割があって,美大生は常にお世話になる場所です。

ただ 他の店に違わず閉店が早いので(5時半時〜6時くらい)放課後に死にもの狂いで駆け込む事も…苦笑

 

Graphic Centre の学割カード。ここは学生限定ゲリラセールもたまに。

 

もちろん小さい画材屋さんもあります。

British Museumの近くにある,L.Cornelissen&Sonは, ギシギシなりそうな板張りの床の,古いお店。

ちょっと暗めの店内に 所狭しと並べられた絵筆や絵具…

歴史ある店内にいるだけで 幸せな気分になります。

 

わたしの通っていたCSMの近く,Southampton Row にあるShepherds Book Binders Ltd. は紙と製本用品の専門店。

ポートフォリオ用のボックス作りのため,また卒論の製本のためなど,お世話になりました。

のり付けのためのブラシや, ヘラ, 色とりどりの布など

専門用具って 見ているだけでわくわくします。

 

ロンドンは, 世界堂や東急ハンズのような大きなお店は少ないけれど

専門分野に強いお店が多いです。

ローカルな感じが漂って 非常にすてきな事。

ただしその一方で, 不慣れな新しい街で特殊な用具を買うのは一苦労。

 

留学して, まず困った事の一つのが 画材/材料店を探す事でした。

美術を志す者なら, 基本中の基本のはずなのですが

これが 新しい街となるとなかなか難しい。

なにしろ 観光用の地図にはまず載っていない。

店の名前が分かれば ネットで検索もできるけれど

もちろんどんなお店があるのかすら 始めは分からないもの…。

わたしは幸運な事に 日本人の先輩からセンター(ロンドン中心部の事)にある画材屋さんをまとめて教えて頂ける機会があって助かったのですが

一方で 1年以上ロンドンにいても知らないままの方も…。

専門用具の店は特に 常に情報交換が欠かせません。

 

ここに載せたお店はリンクを張っています。

少しでもお役に立ちますように…

 

ただ, 美大の中にあるアートショップも(校舎によりますが)品揃えは悪くないです。

 

余談…ですが

これからロンドンに留学する方がいたら,基本的な文房具 特にシャーペンや鉛筆などの必需品は

日本で購入していく事をお勧めします。

なぜなら ロンドンの画材屋でも ぺんてるやパイロットの物を買う事になるから。

値段が倍くらいして, 悔しい思いをします。(しました)

鉛筆はステッドラーやファーバーカステルが主流なので, ユニ派の方は買っていってください…。

紙類は品揃えも豊富で便利です。

日本ではとっても高いThe Langtonの水彩紙も, ご当地なので半額くらいです。

コピックも売っていますよ〜!

 

2011/06/11

こんにちは!

日本は本格的な夏を迎えている頃でしょうか。

 

ロンドンは ここ数日,肌寒い日が続いています。

今日はヒーターもはいっています。

コートもウールも出しっぱなしで,

季節感が全く無いクローゼットに 溜め息。

衣替え,という観念を この国の方々に説明するのは…

ちょっと大変かも。

イギリスと日本では 時間の流れが違うなと思う事があるのですが

季節の変化の違いも 関係しての事なのかしら。

 

 

さて 今日は,久しぶりの画材のお話を。

前回のカラーインクに続いて,

今回は アクリル絵具について お話ししたいと思います。

 

耐水性で重ねぬリができるので,いろいろな画材と併用もしやすい。

地に布をはったり 色鉛筆やクレヨンを上から重ねたり…

 

アクリル絵具は,カラーインクに比べて馴染みのある画材ですね。

チューブのものがほとんどですが,

内容量の大きなものはプラスチックのボトルに入っています。

英語だとAcrylic paint とつづります。

アクリリック というように発音するのですが,

これがなかなかうまく言えずに 渡英当初 だいぶん苦労しました…。

 

水性アクリル絵具は水で溶いて使い,乾くと耐水性になるので重ね塗りができます。

水の量や重ねかたによって,水彩画のようなタッチから油絵的な表現まで

幅広く使える画材です。

吸着力が強く,厚手の紙,カンバス,木,布など,

いろいろな表面に着色できるのも魅力です。

 

イギリスでメジャーなブランドは

Winsor & Newton,Liquitex,Daler – Rowneyあたりでしょうか。

日本のものでは ターナーアクリルガッシュをよく使います。

(ガッシュは水性アクリル絵具の一種で,マットな感じに仕上がります)

 

重ね塗りによっていろいろな表現ができるので,

完成度の高い作品が作れるアクリル絵具。

ただ スピードが重要な雑誌の挿絵となると,ちょっと不便なところがあります。

水彩やカラーインクに比べて乾くのに時間がかかり,

本格的に重ね塗りをすると,二倍くらい時間がかかります。

(わたしだけかもしれませんが…)

かといって 一度塗りしただけだと安っぽい印象になりがち。

あえてアクリル絵具を使うからには,しっかり描き込まなければなりません。

そのため,雑誌向けのイラストレーションでアクリルを使うものは比較的少なめです。

仕事を始めたばかりの頃は,よく使っていましたが…。

 

思い出深い一冊目のカバー。

A3くらいのカンバスにアクリルで描きました。

 

初期の挿絵。

アクリルで描いた風景に,フォトショップで窓の画像を合成しています。

地に使っているざらざらしたテクスチャは 実は塩です。

 

最近はあまり使っていない方法ですが,

厚手の紙に,下地として塩とジェッソ(下地材),白いアクリルを混ぜたものを塗ってから描くと なかなかおもしろい効果が出ます。

まるで砂のような雰囲気。

光の当て方で表情が変わります。

 

アクリル絵具用の下地材はいろいろなものが市販されていて,

砂目や岩肌,さらにプラスチックのようなテクスチャをつくるもの,

乾燥を遅らせる薬,などなど さまざま。

画材屋さんの中でも,こういったアクリル画用のメディウムは

見るのが特に楽しい棚です。

いろいろな表現を混ぜて

コラージュのように描いてみたもの。

 

ただ この手法で描いた作品は,挿絵にはあまり向かないようです。

というのは スキャンするとなかなかいい結果が出ない…

(ざらざらしているので,ピントが合いにくく 一部がぼける)

さらに 下地が乾くまでに時間がかかりすぎるのも問題。

仕事として描く場合,いつも時間の制限があるので

水彩やカラーインク,コンピュータでの着色が多くなってしまうのが現実です。

 

それでも,重ね塗りや混色によって 思った通りの色が出しやすく

実験的なイメージづくりもしやすいので

離れられない画材なのです。

また時間をみて 大きな絵が描きたいです。

 

 


 

 

 

 

 

2011/01/31

みなさんこんにちは!

日本は冬本番ですね。体調を崩している方も多いのでは。。

当地も しばらく暖かかったものの,ここ数日真冬日が戻ってきて

またマイナスの世界に逆戻り。

春が来るのは まだまだ先のようです。

 

そんな中 最近ちょっと健康管理に隙が出てきている自分。

イラストレーターという仕事の性格上,家にタスクを持って帰る事も多いのですが,夜中まで描いていると いざ寝ようと思ったときに頭が回転しすぎて眠れなくなってしまうんです。

目を閉じても アイデアやら画像やらの断片がグルグルとまわって眠りにつく事ができず,中途半端な眠りを経て,朝は非常に早く起きてしまう

というような あまりよろしくないサイクル。

なんとかこの状況を脱しなければ,と いろいろ対策を考えているところです。

 

以前小説を書いている友人も,寝る前に日記をつける事を断念せざるをえなくなった という話をしていました。

日記を書きはじめると 小説と同じように,ついつい熱が入って,結果 頭が覚醒しすぎて眠れなくなってしまうのだそうです。

物づくりをする仕事に共通の悩みなのでしょうかみなさんはいかがですか?

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「画材のこと② カラーインクの使い方あれこれ」

さて,いつも前置きが長くなってしまいますが,

今日のメインは『画材のこと』の第2回です!

 前回 ドクターマーチンカラーインクの紹介を(軽く,ではありますが)しましたが, 今回は わたしが愛用している使い方をいくつかご紹介したいと思います。 

 

魅力は鮮やかな発色だけじゃない?! ベースを変えてちょっと落ち着いた雰囲気に

 coach_topimage_final.jpg brandpromises02.jpg

目が覚めるような発色がよく強調される,ドクターマーチンシリーズ。

でもその透明度を活かしつつ,アンティークで落ち着いた感じも表現できます。

秘密は ベースに使う紅茶。

まず強めに出した紅茶を大きな筆で画面全体に塗り,乾かして,影の強さに応じて部分ごとに塗り重ねます。

完全に乾かしてから,いつもと同じようにインクで着色していきます。

この紅茶液を残しておいて,水の代わりに使っても,自然な陰影が出ておもしろい効果が出ます。(紅茶でインクを溶いて使う,ということ)

 

注意するべき事は,水張りした紙か厚手の水彩紙をつかうこと。紅茶液を全体に塗ってから着色するので,どうしても紙が弱まります。 

そして 当たり前ではありますが筆のお手入れをしっかりすること。

紅茶を使った後は傷みやすいようです。古い筆を使うのが安全。

紅茶の代わりに違う液体を使ってもおもしろいですね。

 

アクリル絵の具と一緒に。透明度の差がおもしろい。

castle2.jpg

drawer.jpg 

油絵,水彩画,ペン画 など,技法や画材で作品を分類する事があります。

アカデミックな分け方ではありますが,必ずしもこれに倣う必要はありません。

むしろ

2011/01/08

こんにちは。

お正月気分は過ぎて,2011年も通常稼働になっております。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

ロンドンのお正月は 本当に一日だけで

「三が日」という感覚は全く感じられません。

特に「おせち」的なものもなく

新年のありがたみも 日本と比べると ううん,いまいち

単にクリスマスの延長と言ったところ。

 

そんな中でも一応努力をして,それなりにお正月気分を味わうべく

豆を煮たり(大豆 干し椎茸 昆布 にんじん)

筑前煮的なものを煮たり(鶏肉 干し椎茸 にんじん こんにゃく  のみ)

出し巻き卵をつくったり

チャイナタウンで買ってきた餅粉でお団子を作り お雑煮にしたり

と いろいろ あがいてはみました。

 

鏡餅もかまぼこも初詣も無いけれど

そんな有り合わせで 友人と過ごすお正月も けっこう楽しいものだったりします。

  

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜***〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『画材のこと その1−カラーインク』

今週は 少し(熱く)画材のお話をしてみようと思います。

この「画材のこと」は,よく使っているインクや紙の種類,ロンドンの画材屋さんの紹介など,テーマを変えながら不定期シリーズとして書いていく予定です!

 

さて,第1回目は わたしが最も愛用しているカラーインク。

いろいろな種類のもの(水彩や油彩,アクリルと比べると狭いマーケットですが)が出ていますが,わたしは主に「ドクターマーチン」シリーズを使っています。

‘Dr.Ph.Martin’s Concentrated Water Color’ というのが正式名称。

ドクターマーチンのカラーインクは主に三種類のシリーズがあって,わたしのよく使う「ラディアント(Radiant)」,フィルムや写真の着色に適した「シンクロマチックトランスパレント(Synchromatic Transparent)」,耐水性の「ピグメント(Pigment)」がでています。

チューブになっている絵の具をよく見かけますが,カラーインクは液体です。

蓋がスポイトのようになっていて,一滴ずつ出して使います。

筆や付けペン,カートリッジ式のペンなどの他,粒子が細かいので(色によって違いますが),エアブラシとしても使うことができます。

紙に向いているのはラディアントとピグメントですが,わたしは殆どラディアント。乾くと耐水性になるので,たまにピグメントのブラウンなどをカラー作品の主線に使うこともあります。

 

ラディアントは染料インクで,その名の通り鮮やかな発色が最大の特徴。

特にイエロー系やピンク系は,他の画材ではありえないような 弾けんばかりの鮮やかさが出ます。

初めて使った時は 思わず おおっ!! と言ってしまったのを覚えている。。

 

colourink_sample00.jpg

お気に入りの6色です。実は これだけでも十分描けたりします。

それくらい,混色と濃度差でバリエーションがきいてしまうエライ画材。

colourink_sample001.jpg

ドクターマーチン以外では,ウィンザー&ニュートンのインク(手前)も使います。

箱とラベルのデザインがかわいくて,つい集めたくなる危険なシリーズです。

ゴールドやブロンドなどのメタリックな色がきれいに出て,たまに使っています。

 

いくつか色を混ぜてもそれなりに鮮やかさをキープするので,混色にも耐えます。むしろ 普通に原色を使うと鮮やかすぎてしまうほど

非常に濃度が高いので,ほんの少しでも広範囲を塗ることができます。

また,加える水の量によって同じインクでも全く違う色が表現できるのも奥深いところ。特にブラウン系のゴールデンブラウンなどは,原液だと黒に近く,薄めるとイエローやゴールドのようになり,とてもおもしろい。

 

girl_bird_small.jpg

たくさん水で薄めて,軽い着色だとこんな淡い感じにも。

 

 

こんな魅力的なカラーインクですが,欠点もあります。

それは非常に光に弱いこと。

作品の長期保存はできません。ブルーやイエローが飛んで行ってしまいます

そしてビンのままでも,油断していると変色します。これは,起こってしまうと泣きたくなる大事件です。

そんなわけで,完成後すぐにスキャンして使う出版物のイラストレーションなどに主に使われている画材,ということになります。

 

カラー系の他で使っているのは,有名なのかわかりませんが,ドクターマーチンシリーズの「ペンホワイト(Pen White)」。カバー力が強くて愛用しています。

 

colourink_sample_white.jpg

Pen White

写真はこちらからお借りしました→http://www.docmartins.com/index2.asp

 

作品の最終修正やハイライトのために白いインクを使うのですが,これがなかなか厄介で,ものによっては下の色がにじんでしまったり透けたりして,きれいに塗ることができません。いろいろ試してみるしかない。

わたしが自分で試した中では,このペンホワイトと,ウィンザー&ニュートン(Winsor&Newton)のデザイナーズガッシュ(Designer’s Gouache)シリーズのパーマネントホワイト(Permanent white) が優等生でした。メインで使う画材によって使い分けています。

 

 

今回はカラーインクについてのベーシックなお話だったのですが,気がついたらずいぶん熱くなってしまっていたようです

次回の「画材のこと」では,カラーインクを使った着色についてもっと掘り下げてみようかなと思っています。

 

それでは,また来週お会いしましょう!