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2015/06/04

最近急に暑くなってきたこともあり、衣替えをされたかたも多いかと思います。
昨日銀行に行ったら行員さんの制服が夏仕様になっていたり、街にはクールビスが定着しているのか半袖ワイシャツの男性も増えてきました。

が、わたしは長らく夏が嫌いでした。
暑いし、薄着になってコンプレックスの一つである体型を隠す衣類が少なく、薄くなってくるからです。

スナックは比較的ドレスコードが緩く、女の子はスカートだったらいいとか、おおらかなところだとジーンズでもいい、というお店もありますが、いわゆる水商売は基本的に薄着が制服のようなものです。
ロングドレスでも胸元は程度の差こそあれ開いていますし、多くの場合袖はない。ということで布の面積自体が少ないので、隠したいところも隠しようがない。

わたしは背が低い・くびれのすくない幼児体型で、キャバ勤めでドレスを着ることが最初は本当に嫌で嫌で仕方ありませんでした。背が低いから高いヒールの靴を履かないとドレスのバランスが崩れてますます小さく見えるし、似合わない……本当に嫌でした。

でも、着ている間にお客様からいろいろアドバイスも受けまして、自分のコンプレックスである体型でも似合うドレスの形がだんだん分かるようになってきました。

たとえばわたしはバストが小さいので、胸元にボリュームのある飾りがあるほうがバランスよく見えるとか、逆に下半身はストンとしたカッコいい感じのデザインを選んで潔く脚を出すとか。
いまだに体型に関しては全身整形を受けたいと思うほど悩んでしまうときもあり、ダイエットなどもしなければならないという強迫観念に駆られたりもするのですが、痩せるにしても限度があります。あまりにガリガリだと女性らしさも消えますし。

というわけで、わたしは服装のほうをなんとかすることで自分の嫌いな自分の身体の部位をカモフラージュする方向に走りました。そしてお客様にも、それはフリーのお客様から指名を頂く回数が増えたことでちゃんと効果が出たんだなと思うようになりました。

でも、よく考えるとナンバーの先輩方もみんな凄くスタイルがいいわけじゃなかった。
だけど、自分のコンプレックス(だろう部分)をちゃんと魅力的に見せる能力にたけていた。

当時は自慢としか思えなかった「胸が大きくて服が似合わない」発言をしていた方がバストを強調する、でもシンプルな形のドレスを選んでいたり、「お尻が大きくて嫌」と言っていた方が丸みのあるやさしいラインのドレスだけどしっかりくびれを強調するドレスを選んだり。
そういう方々はコンプレックスだから隠す、の一歩先、つまりコンプレックスを魅力に変えるための服選びをしていました。
それは、嫌だってただ言っているわたしより数段かっこよく、センスのある行為に思えます。
実際、そういう考え方は自分に自信をくれるものですし、先輩方は凄く魅力的でした。
だからこそ僻みもあって、「先輩は胸も大きいし」「くびれてるし」とか思っていたわけですが、ひがんでいても自分の体型は一向に変わりません。
だったら、そんな意味のないことをしている間に努力したほうがよっぽど賢いとようやく分かってきたんです。

ひるがえって、今年の夏。
わたしもコンプレックスをまず知って、それを魅力に変える方法をなんとか探したいと思います。自信を持って水着を着られるように、まずはそこから(と言い聞かせてます)!

 

2015/03/19

わたしがキャバクラを経験して一番良かったと思っていること。
それは、「知らない人と最低15分話し続ける」テクニックを得られたことです。

よく、会話はキャッチボールだと言われます。

でも、キャッチボールをするためには最低限の情報が必要です。
たとえばどのくらいの速さなら受けられるのか、利き腕は右か左か、そういうことを通常わたしたちは意識的にしろ無意識にしろ観察や推察で情報を得てボールを投げたり受け取ったりしているのです。

が、会話になるとそれは急に難しくなる。
共通の知人でもいればまだいいけれど、全くの初対面やそれに近い状態だったり、相手が自分とあまりにかけ離れた経験を持っていたり、年齢、性別が違ったりすると「何を話したらいいんだろう」という不安を持つ方も多いと思います。
というかわたしはそうです。
今でも、飲み会の席で隣に座った方にどう話しかけたらいいのかとか、どういう風に会話を切り出せばいいのかと迷わないことはありません。

でも、キャバクラで学んだこと、それは「相手に自分を好きになってもらう」ことです。
恋愛感情でなくてもいい。そうなれれば(キャバクラ的には)ある意味理想ですが、まずは自分に対して関心を持ってもらうことがスタート地点。

そのためにわたしが編み出した秘策は「先に自分がうっすらと相手を好きになる」ことです。
好きな人のことならなんでも知りたい、その状態を思い込むこと。
それだけで相手に対する観察眼の精度がかなり上がります。

どんな服を着ているのか、何を食べ何を飲んでいるのか、なぜここに居るのか。黙っているだけで話しかけられる美人ではなかったからこそ、わたしはこのテクニックを駆使しまくりました。
相手の関心を引きそうなことを自分の手持ちの情報から提供したり(ここのパスタお好きならあのお店も美味しいですよ!)、あるいは相手そのものに興味を示して話してもらうようにしたり(そのスーツ凄く素敵ですけどどこで買ったんですか?)。

やりすぎればあざといですが、それでも無言よりはいい、とわたしは思います。
せっかくのご縁なら、仕事だろうと飲みの席だろうと出来るだけいいご縁に繋げたい。
キャバクラに勤めるまでは引っ込み思案だったわたしの編み出したこの方法、苦手な方は是非使っていただければと思います^^

2015/03/12

今週の土曜日、3月14日はホワイトデーですね。
バレンタインに比べるとどうも盛り上がりに欠けますが、たとえば今年は有名ショコラブランドのゴディバがプロモーションを掛けていることもあってデパートやスーパーでも小さいながら特設コーナーが設けられているのを見かけます。

この、やや盛り上がりに欠ける要因としてはお菓子の購買層が基本的には女性であること、バレンタインに対するお返しのイベントと認知されていること(積極的に買いに行くイベントではないこと)があるのかなと感じますが、男性だって甘いものが好きな方は多いでしょうし、お返しを奥様任せにしないで自分で選びたい…という男性もいらっしゃると思う。
女性としてはやはり義理であっても何を返すかは自分で選んでほしいと思いますが、知識がない方や恥かしくてなかなか買えない、という方もいるのかな?

わたしがキャバクラに勤めていたときの話ですが、お客様からホワイトデーにチョコレートをもらったことがあります。その頃はまだ珍しかったショコラティエの品で、寡聞にしてそのブランドを知らなかったわたしはさしたる感動もなく、ありがとうございますと受け取りました。

が、開けたらカードが入っていて、自分なりに調べて買ってきたことが控えめに書いてあったんですね。
告白とかではないのですが、それ以上に真剣に考えて選んでくれたことで思いが凄く伝わってきて…正直、チョコの価値を知って驚きもったいなくてしばらくの間冷蔵庫の中にそっと安置して、いつ食べようかとドキドキしながら楽しませていただきました。

この、自分で考えて選んだ、ということを嫌がる方はいないと思います。

確かに奥様や女友達のほうがベストな選択ができるかもしれない。流行りの、女性好みのメーカーやブランドを探すことも女性のほうが得意かもしれない。でも、それでも自分で選んでもらえるというのは嬉しいものです。
ホワイトデーはお返しの日ではありません。
男性からも、好きを届けることができる日なんじゃないかなとあのショコラを頂いた日に、わたしもようやく気付いたのでした。

ホワイトデーは俗に三倍返しなんて言いますが、それは価格ではなく、手間の三倍、ということなのかもしれません。せっかく根付いてきた文化なのですから、便乗すればいいんです。

男性も、ホワイトデーを機にぜひ大切な女性に想いを伝えてみてはいかがでしょうか。

2015/02/19

今日はわたしが風俗嬢をしてきて学んだこと、よかったことを話したいと思います。
いつも以上に個人的な話になりますが、よかったらお付き合いください。

学んだことの一つ目は、男性も寂しいんだということです。

よく、女性は寂しがりだと言われます。男性からはいつも誰かと一緒にいないとダメだみたいなことも揶揄で言われたりしますし、たとえばわたしは一人酒も平気なのですが、同性の友人にはびっくりされたり、時には呆れまじりに感嘆されたりする。

でも本当は、男性も寂しい方が多いのです。少なくとも風俗に遊びに来るお客様については。

プレイのあと、お客様と風俗嬢は少なからず話をします。裸というのと秘密が漏れないという安心感からか、お客様はいろんなことを話してくださいます。仕事の悩み、家庭のこと。奥様にも話せないような、些細だけど真剣な悩みを吐露しているとき、本当に安心したような顔をされます。二人きりだからこそ言える、行きずりの相手だからこそ言えることもあるのかもしれないけれど、話し相手に飢えているのはむしろ男性のほうなのかもしれません。

 

二つ目は、どんな仕事でも真面目に取り組めば小さくても成果は出るということ。

風俗というのは見た目が重視される仕事に違いありませんが、リピートを取るにはそれだけでは不十分です。たとえばお礼の日記の更新、マメな情報発信、写真の撮り方の練習。そして同僚であるスタッフに対しても丁寧な態度を貫くこと。

そういうことを積み重ねていけば、お店のほうでもある程度成果を認めてくれますし、その結果として露出を増やしてくれたりとか、フリーのお客様に推薦してくださったりとか、援護してくれたりするのです。もちろん、素材がいいに越したことはありませんが、コツコツ努力するのは絶対に無駄じゃない。

努力は必ず報われるわけではありません。可愛い子はそうでない子より圧倒的にアドバンテージがある。それは整形手術でもしない限り埋まらない差ではありますが、接客や態度など努力でカバーできる部分もある。

勉強以外でそういう経験ができたことは、わたしにとっては大きなプラスでした。

 

もちろん、風俗という仕事そのものに対してネガティヴなイメージがあることは承知していますが、それでもそこで働くことを選んだ以上、得るものは大きなものであってほしいとわたしは思います。
金銭的な面でもそうですが、あらゆる仕事の中でエンドユーザーと提供者がじかに向き合う、しかも1対1で、裸でという仕事はほかにありません。

だからこそ傷ついたりもするし、悩むこともあるけど、覚悟した仕事のなかから自分にとってプラスな出来事はあってほしいし、わたしにはありました。

風俗で働く女の子たちはみんな何らかの事情があります。
でも、そういう子たちだからこそ、気付けることもたくさんある。そう、わたしは信じています。

2015/01/08

新年あけましておめでとうございます。皆様、お正月休みは満喫されましたでしょうか?
わたしは自分にしては珍しくどこにも出かけず、のんびり休日を堪能しました^^
そのような感じで今年もあまり変わり映えしないコラムになりそうですが、どうぞよろしくお願いします。

ところで皆様は誰とどこでお酒を飲むのが好きですか?

お友達と居酒屋、同僚と小料理屋、あるいはお気に入りのスナック、バー、ご自宅など色々な場でお酒を頂く機会があると思いますが、この時期は特に新年会など外で飲む機会が増えることと思います。

人間関係を作る際、お酒の場というのは案外重要なものです。
かつて飲みニュケーションなんて言葉もありましたが、酔ったときの印象というのは結構人の記憶に残ったりする。
おとなしそうな女の子が日本酒を水のように飲んでいたり、逆に強面の男性がかわいいカクテルを飲んでいる、なんて姿を見ると普段とのギャップを感じて印象的ですよね。

これは同じくお酒の場であるキャバクラではなかなか見ることのできない光景です。

なぜならキャバクラでは基本的にお酒の種類が少ないのと、女性も男性と同じものを頂くケースが多いから。
割りもので濃さは違うとはいえ、女の子の前で醜態をさらすなんて!という男性は多いです。
たぶんちょっとは格好つけが入っていると思いますが、でもちゃんとしよう、恰好悪いと思われないようにしよう、という計算があるんじゃないかと思います。

でも、それってすごく素敵なことのように思えます。

女性だって同じです。女同士、気の置けない友人と飲んでいるときは日本酒焼酎ウイスキーがメインでも、ちょっと気になる男性と二人の時はワインまで、と決めている人もいる。
はっきりそう意識しなくても、どこかで女性らしい飲み物を選んだりする、そういう気の使い方をする女性は多いものです。(そういう点でビールは本当に万能だと思います。)

別にことさらに女性らしくとか男性らしくとか考える必要はないと思いますが、“外”で飲んでいるというのは否応なく他人の視線に晒されるもの。だったら、多少はお互いのことを尊重したり、いい印象を与えるようにしたいな…と考えるのはとってもいいなと思うんです。
一緒に飲みたい、って思わせられる飲み姿って美しいと思いませんか?

とはいえ、なかなかそれも難しい。わたしもよく失敗してます^^;
好きだからって飲みすぎたり、隣の視線を意識しすぎて強いお酒ばっかり頼んで潰れたり。思い起こせばいたるところで恥ばかり晒してきたように思いますが、それでもやっぱりお酒は好きだしお酒の場も好きなんですよね。

酒量が増えるこの時期だからこそ、スマートな作法でおいしく頂きたい。
お手本は銀座のお姉さま方ですが、千里の道も一歩から、と自分に言い聞かせている新春です。

2014/10/30

先日冬物の洋服を買いにいったのですが、もはや何を選んでいいのかすら分からなくなってきました。ショッピングモールでしたので品数は圧倒的にあり、ブランドもギャル向けから大人なハイブランドまでたくさんあるのですが、だからこそ選べない。

服を買う、という行為はわたしのように若さを商品化できるほど若くもなく、かといって主婦やキャリアOLとも違うしマダムでもない…という存在にとっては時々すごく難しいことなのでした。

理由は簡単で、かつて「イケていた時代」、あるいはそう自分が思えていた時代の服を選んでしまいがちだからです。

よく聞くことですが,“痛い”と称されがちな女性の特徴として古い化粧法、ファッションをしているというものがあります。たとえば異様に細い眉とか、歳を顧みないミニスカートとかがそれにあたるんじゃないかと思うんですが、わたしにとってその危険性が高いのは現役時代に服を選ぶ最大の基準だった同伴で使えるか否かというポイントでした。
具体的にいうならば、露出高めのお嬢ファッションとかOLファッション。スーツ姿のお客様と並んで歩いても違和感がなくて、寿司屋のカウンターでもうかなくて、でも明らかに「堅気」ではないミニスカやノースリーブの服は本当に同伴で重宝したものです。

でも今、その必要はなくなって、服選びは本当に自由になりました。
別にスタッズ付のレギンスを履こうが、サイケな柄のニットを着ようがOK。
もちろん、仕事先でひんしゅくを買うような服は結局買ったところで着ないのでしょうが、問題はわたしがそういう同伴服を嫌いではなかったということなのです。
自分の体の線を強調し、男性に見てもらうための服が、たぶん結局は好きだったのです。

20歳そこそこのころ、自分で言うのもなんですがそれらの服が似合っていた。
男性にも一番モテたし、お客様にも恵まれた。毎日が楽しくて必死で生きていることそれ自体の充実感がはんぱなかった。
その時代にずっといたくて、でも今はそうではなくなってきていることも知っているので、その種の服を試着しては「おまえどこへ行くんだ!」と自分で自分に問いかけなければならなくなるこの切なさよ…orz

ファッションも含め、装いとは自分の自己満足という喜びのほかに世間の皆様に対するマナーという面もあるような気がするわたしにとっては、今は着たい服を着ることによってそのマナーが破られる気がする反面、自由の侵害のようにも感じています。
選ばれるための服を、もう選ばれる必要のない自分が着る。
女を売る仕事を辞めたわたしが、女であることを誇示する服を着る。
それはもはやちょっとしたコスプレなんじゃないかなあ、なんて苦く思ったりする秋でした。

2014/06/19

この間、元キャバ嬢の友達と「どこからが浮気の範疇なのか?」というテーマで少々激論を交わす機会がございました。その時はお互い元嬢ということもあり、「素人に手を出したらアウト」という線で妥結を見たのですが、この考え方自体がどうも一般とずれているらしいということに別な友人と話していて気付きましたので、今回はこのお話を。

わたしはこの問題に対して一般論がよくわからないので、個人的な見解になりますが「浮気」は異性と仕事が絡まない状況で二人きりになっているような状態だと危ないかな?と感じます。双方が完全にプライベートのときに1対1で会っていたら、それは浮気なんじゃないかなと思うわけです。ですので、例えば彼が風俗に行ったとか、キャバクラに行っても浮気とは思わないのですが、堅気の友人には目を剥かれました。世間の女性は厳しいのですね…。びっくりです。

ですが、素人の女性と二人きり、というのはやはり浮気な気がしてしまう。そこから本気に発展しそうだな、というのが不安な訳です。どこかでキャバクラ嬢などプロの女性は本気で彼氏だの旦那を好きにはなるまい、お客としてうまくあしらってくれるだろうという期待があるのですが、その保証を素人さんには持てない。
(ま、だからといって通いつめられたらそれはそれで微妙なのですが…女心って難しい)

前述の激論を交わした元嬢の子もそうなのですが、元キャバ嬢たちは自分達の経験をベースに男性の行動を理解しようとします。お店に通ってくれる男性はみな「お客様」であり、「お客様」である以上こちらから恋愛感情を発生させることは努めて抑えるように嬢たちはするからです。あまりに通ってくださるお客様には懐具合を心配する顔をしつつ精神的に距離をとり、逆に全くいらしてくださらないお客様には営業などで甘い顔を見せるように調整を図る。
そのようにバランスをとることが習い症だった自分たちにとっては、プロの女性は競争相手になりません。

が、素人さんはどうだろう? と思うと、ちょっと考え込んでしまうのです。
好意を示されれば嬉しいだろうし、そのうちに本気で恋愛の対象として考えかねない。例え遊んでいるつもりでも、そのような機会が度重なればよろしくない状況になるのではないか? と考えると、例えばキスをしただの手を繋いだのといった物理的接触よりも、その精神的な距離が近づくことを恐れてしまう。

考え出せばきりのない問題ではありますが、是非一度堅気の女性と話しあって考え方を教えてほしい、このテーマ。
だれかわたしと一緒に熱く語り合ってくれないものか、と真剣に思う今日この頃です。

 

2014/02/06

こんばんは。タイトルでクリックしてくださった方にまずお詫びですが、「綺麗になるためのハウツー」的な内容は一切ございません! あくまでも「なりたい」という願望の話です。

キャバ嬢だったころ、わたしはものすごく綺麗になりたかったです。
きれい、という言葉の漠然としたイメージは銀座のお姉さま方でした。水商売だけどケバくなく、髪がつやつやさらさらで、背が高くて顔がちっちゃくて、卑しいところがひとつもない、そういうお姉さんになりたかった。
具体的にそういうイメージを持ったのは、同伴で連れて行ってもらった銀座のショットバーで、まさにそういう方を見かけたから。気品ある猫みたいな美しい座り姿の佇まい、隣にいるのはナイスミドル、でカウンターには(多分)マティーニ。
漏れ聞こえる会話からお水のお姉さまと判っても本当に美しい、むしろ納得感のあるカップルで、映画の中のワンシーンみたいな光景でした。

が、それを見ているわたしは自他共に認めるファニーフェイス、低身長、しかも小太り。指名はぼちぼち頂いているものの別に売れっ子でもない、ただの豚。……同じ女として生を受けながらこの激しすぎる差はなんなんだろう、飛べない豚はただの豚だ…などと自問自答しつつ、甘ったるいカルアミルクとかをちびちび飲んでいたのでした。

そのお姉さんに近づくためには整形しかない!と奮起し、とりあえずお金を貯めようと思いました。でも、全身作りかえるとなると100万、200万ではとても足りない。
ていうかどこをどう変えたらいいのかもよく分からず、カウンセリングに行っては踏み切れずに留まる日々が続き、同時進行でファッションも迷走。似合うと言われたのはロリ系の服だけどそれじゃますますあのお姉さんから遠ざかるわけで、しかも職業的に男受けしないといけないので露出はするわミニは履くわタイトな服を着てみるわ高いヒールで転ぶわ、我ながらあの頃本当に 体当たりでよくやっていたと思います(笑)

キャバ嬢に限らず、女の子はたぶん多かれ少なかれ「きれいになりたい」という欲望と戦った経験があるだろうし、もしくは現在戦闘中である人もいると思います。
メイクやネイルやファッションまで、そういう「なりたい」願望を助けてくれるアイテムはたくさんあるし、実際それらの力でわたしだって多少はマシになってきていると思います(というか思いたい)。
しかし、豚はやっぱり豚なのです。身長はヒールで誤魔化してもせいぜい10cm が限界、髪は癖っ毛だし痩せたら胸まで減ったという残念加減。醜いアヒルの子もそもそも最初から白鳥として生まれたわけで、アヒルではなかったわけですし。

水商売を経験して、男の人の視線をお金という目に見える形で頂く職業を経て、わたしはだいぶ自分の容姿を客観的にみられるようになりました。下の下ではなく、中の下。その程度の客観性とそれでももっと「きれいになりたい」欲との付き合いは、仕事をあがった今でも未だに継続しています。
どうしたらきれいになれるのか。あの人のように美しい女になれるのか。
鏡に向かう時、いつも思いだすあの綺麗な横顔を、今日も思い出しながら化粧していた朝でした。

2014/01/23

前回の続きです。今日はさほど長くならずに纏められる…ように頑張ります!

キャバクラである程度容姿コンプレックスも解消されたので、次は恐怖心克服を目標に風俗へ。とはいえ、もともと風俗のシステム自体に興味があったので、あまり「身を沈めた」感はありませんでした。お店も広告が可愛かったのと情報サイトで叩かれていないところという基準で選んだので、第一印象が良かったのも幸いしたんだと思います。

とはいえ、やっぱりいきなりソープというのはかなり抵抗があったので(^^;)、ソフトなところで……と選んだのがイメクラ。コスプレしたこともないくせになんとなくヘルスよりはハードルが低いような気がしたのも大きな理由。
(それぞれのお店が判らない方で20歳以上の方は調べてください。20歳未満は駄目ですよ!)
実際はどうなのか、五十歩百歩な気はしますけど、わたしの場合は自分に合ったよい選択だったように思います。

グループ店で講習やマニュアルも結構しっかりしているお店だったので、体験入店した翌日から本格的に勤めだし、多い日だと10人以上のお客様と仕事をしてきました。
思った以上に大変なお仕事でしたが(何しろ体力勝負でお昼とか食べる時間もあんまりなかったのできつかった)、でも、沢山のお客様とお話したりしているだけで、コンプレックスは確実に減ったんです。
容姿についてもそうだし、異性と話すということそれ自体に対する心理的抵抗も減ったし、もちろんそれ以外にも色々とあったけれども、お客様に「受け入れられている」という気が出勤するたびに増えていきました。

よく、「こんなおれが相手でごめんね」とお客様が仰ることもあったんですが、それはこちらの台詞だったんです。
こんなわたしでごめんなさい、よろしくお願いします。
お互いに恐縮し合いながらやることはやるというのも妙な話なんですが、でも、わたしにとっては本当にありがたい経験だったのでした。

よく、この仕事についていたことを話すと、「もっと自分を大切にしなさい」というような言葉を頂きます。
でも多分、大切にするには大切に扱われた経験がなければ出来ないんです。大切に扱われるというのがどういうことか、自分を大事にするのはどういうことか。その全部ではないにしろ、一部はお客様達が教えてくれたようにわたしは考えています。大事にしてくれるお客様がいたからこそ、マナー違反のお客様が判る。普通の男女のカップルだと、それこそ「二人の問題」と片付けられてしまいますが、仕事の場では男性スタッフも守ってくれる。
怖い怖いで怯えなくてもよくなったのは大きな進歩だったのでした。

そんなわけでわたしは風俗の仕事が好きです。
目標を持って働いている風俗嬢の子のことは心から応援したいと思うし、それは昼の仕事を頑張っているのと同じだと思う。

久しぶりに当時のことをきちんと思いだしましたが、あの頃の自分に、未来のわたしはきちんと自分を大事にできているよと教えてあげたい気がします。

 

2014/01/16

久しぶりに初心に帰って、今回はわたし自身の話です。
全員が全員そうだというわけではなくて、あくまでわたしがなんで風俗を選んだのか、という話をしたいと思っています。

――なぜ風俗嬢になったのか?

この質問は本当によく聞かれて、模範回答(=エッチが好きだからでーす❤)は繰り返してきたものの、勿論それが本当の理由ではありません。
一番の理由はお金ですが、キャバクラだってそれなりに稼げた(一番多い月で売上1000万、給料で200万を達成。我ながらなかなか凄い!)のにどうして?と考えていくと、わたしの場合は男性に対する苦手意識を克服したいというのも大きなモチベーションだったように思うんです。

こちらのコラムで一番のほうに書きましたが、わたしは全く自分に自信がない女の子でした。
モテないし、ださいし、暗いし。高校時代はものすごく容姿ヒエラルキーがある学校だったので、余計にそのコンプレックスがすくすくと育つことになりました。

だからこそ、かもしれませんが、わたしは男の人が怖かったんです。
はっきり言って何を考えているのか全く理解が出来ませんでしたし、言ってることも意味不明だし、意地悪もされたし。
小学校時代に育ってしまった苦手意識がそのまま大人になっても継続してしまっている状態で、今でも完全にその意識が修正されたとは思っていません。
(なので押しの強い男性とかは未だに苦手なのですけど。。。)

でも、キャバクラに勤めだしたことで劇的にその印象が変わったのでした。

お酒の場だということもあるでしょうが、基本的には時事ネタ+下ネタ、がキャバトークの基本です。だから、意外と何も考えてないじゃんとか、結構普通なんだとか、とにかく発見の連続で、それまでわたしが抱えていた“怖さ”というのは知らなかったからこその恐怖が一因だったのだろうと思いました。男性だから、という理由で必要以上に恐れることはないのだと。お店も良かったんでしょうが、客層がまあまあいいお店だったこともあって、お客様達はみんな友達や遠縁のおじさんのような優しい方ばかりだった。

そういう方々に囲まれて、先輩嬢にも揉まれて、当然ですが、男性だっていつまでも小学生のメンタルのままじゃなかったってことがやっと判って来たのでした。

そしてわたしは、本当のところは、その“怖い”人たちから選ばれたかったんです。
指名を貰う喜び、「君のために」という甘い言葉、そういうものが今まで全くと言っていいほどなかったから、最初は全くそれらの言葉を信じることが出来ませんでした。でも、繰り返してもらうと安心する。素直に受け取れるようになる。疑心暗鬼ながら、わたしはキャバクラでそこそこの成績をキープすることに苦心しつつ、根強かったコンプレックスを剥がしていった気がします。

そんなわけで20歳になって、わたしは風俗嬢になりました。

長くなったので、続きは次回に。
あと1回だけ、わたしの話にお付き合いいただけたら嬉しいです。

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