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2016/08/03

皆さん、おはようございます。

突然の質問ですが、
「公演する」って、どういうことだと思われます?
オペラならオペラ、芝居なら芝居、
コンサートならコンサート、それぞれのジャンルにおいて、
共通のことなのですが。

大まかに言えば、
「ちゃんと来てもらう、ちゃんと見てもらう、ちゃんと帰ってもらう」
この3つに集約されると思いますし、
中でも、「ちゃんと帰ってもらう」ことに集約されるでしょう。
これらが揃って初めて「素晴らしい公演」ということになるし、
「ちゃんと」の前に「一応」というのをつければ、
「普通の公演」になるだろうと思います。
それだけ「ちゃんとする」ことは難しいことだし、
すべてにおいて「ちゃんとしている」のは至難の業です。

まず、「ちゃんと来てもらう」がなければ話になりません。
ともかくも会場にたどり着いていただくことが肝心です。
・・・お客様についてはもちろんのことですが、
これは、演者、スタッフ、主催者に至るまで、全員についてです。
この3者については、稽古も同じことなのです。
そのための周知はチラシ、内部文書などにより、
事故のないよう、徹底せねばなりません。
そして、会場についたところで、まだ「ちゃんと来てもらう」ことは
終わっているわけではありません。
お客様には「着席してもらう」ところまでが
その内容ということになります。
そのために、ホールには受付があり、
案内係がいるわけです。

「ちゃんと見てもらうこと」についても、
キャスト、裏方、総動員での頑張りどころです。
それだけの内容を組み立てねばならず、
その内容を確実でハイクオリティに再現せねばならず、
そこには、様々な技術を投入せねばなりません。

裏方さんには、この技術的なことの中に、
舞台で事故が起こらないように、
照明機材が落ちてきたりしないように、
セリから人が落ちたりしないように、
細心の注意を払うことも含まれます。
演者も事故に注意しなければなりません。

何か明らかな事故が起これば、
お客様に「ちゃんと見てもらう」ことは達成できません。
ちゃんと見てもらえなければ、
必然的に「ちゃんと帰ってもらうこと」も怪しくなります。

内容に著しい不満があったり、
舞台上で起こった事故に意識が向いてしまったり、
最悪、途中で上演中止になったり、
そんなことがあれば「ちゃんと帰る」なんて無理な話です。
また、仮に客席にまで影響する天災や火災があった場合、
「来てもらうこと」の仕上げで登場した案内係が、
重要な役割を担うことになります。

劇場などというものは、
人数に対して出入り口の数は少ないものです。
人が殺到したら、それだけで殺人的な要素を兼ね備えます。
案内とは、来る人の案内だけではなく、
帰る人の案内だって必要なのです。
また、有事に備えて、
それだけの人が集まることを、
消防署などの各所に届けておくことも必要です。

おそらく私でさえ気づいていない、
「ちゃんと帰ってもらう」ための必要事項が色々あるはずです。
大きな老舗のプロダクションでは、
特に気にしなくても出来ていることかもしれません。
それは、働いている人間が多数存在するために、
責任が分散されているから、
例えば歌手ならば歌手業界に伝えられている常識だけで、
歌手の責任が達成されているからに過ぎません。

プロダクションが小さくなればなるほど、
責任は一人一人の肩に重くのしかかり、
イヤでも自覚しなければ公演は成立しないのです。
だから小さなプロダクションに出演したくない、
なんて思わないで下さいね。
大きなプロダクションで何かがあった時、
もしかすると、小さなプロダクションでの責任経験が、
役に立つこともあるかもしれないんですから。

ちゃんと来てもらう
ちゃんと見てもらう
ちゃんと帰ってもらう

言葉にすると簡単な言葉で、
響きも簡単そうな響き
あまりにも当たり前な響きですが、
実はかなりシビアな問題なのです。
是非、考えていただきたいことです。
普通のお店にも共通することなのですから。

2016/08/03 11:57 | 雑筆 | No Comments

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