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2016/06/17

皆さん、おはようございます。

何のことかと思われるかもしれませんが、
最近、みんな使う略称や、
丁寧な言い方を少しまとめた言い方について、
そのメリット、デメリットを考察してみたいと思います。

実は私、今、デリバリーのアルバイトをしています。
あるとき、こう指示が来ました。
「ナンキューへ持って行ってください」

ナンキュー?どこのことじゃ、それ?と思い、
配達伝票を見てみると、
「南久宝寺町1丁目云々」とある。
そう、ナンキューとは、
「みなみきゅうほうじ」の略だったわけです。

このこと以来、
私は人と会話する際に、
地名を略して言うのは極力避けようと思いました。
もちろん、「あきば=秋葉原」とか、「うえろく=上本町6丁目」、
「ぶくろ=池袋」など、もう一般化しているところは良いでしょう。
でも、一般的でない地名はやめておくことにしました。

ご想像の通り、ナンキューが南久宝寺町の略とわかった時、
あまり良い気分ではなかった・・・
平たく言えば、少しムッとしたからです。
物心ついて以来、生まれ育った「みなみきゅうほうじ」。
それをナンキュー呼ばわりされた時、
何とも言えない気分の悪さを感じたわけです。

しかし、略することが気分を害しかねないからといって、
別のシチュエーションでは、逆のこともまた起こり得ます。
ある人物に、あることをした方がいいか、と尋ねたことがあります。
すると返ってきた答えがこれ。

「そう思うんだったら、○○に訊いてみて下さい。」

一瞬殺意がわきました。(笑)
何かと他人をむかつかせる言動が多い人のようでしたが、
私にもそのようなこと、数回目でした。
この御仁、私よりはそれなりに年下のようで、
初対面の時に、私のことを「目上の人」と言っていた人です。
その「目上の人」である私への、イエローカード言動数回目です。

皆さんご存知のように、私は上下関係の嫌いな人間です。
目上だの目下だの、糞食らえなのが私の生き方です。
ですから私はこの御仁の言動について、
「目上の私に向かって」という風には感じません。
つまり、私にとって上のような返答は、
たとえ後輩への言葉であっても無礼な応対なのです。

「もっと他の言い方ないのか?」と思いましたが、
一番簡単で適当なのは、
「じゃあ、○○に訊いてみて下さい。」でしょう。
この中で、「じゃあ」という言葉が今回の考察対象です。
「じゃあ」を少し丁寧に言い換えていきます。

じゃあ→それじゃあ→それでは→それなら=それだったら、というところでしょうか。
「それだったら」とまで来たら、「それ」には何が代入できるでしょうか?
まさに「そう思うんだったら」でしょう。

つまり、件の御仁の言い方を、機械的な国語としてとらえたら、
かなり省略のない、形式としては丁寧な表現をしたことになります。
しかし、ニュアンスとしては、それは喧嘩を売っているような表現なのです。
ビジネス現場でビジネス相手に言うこととして言い換えると、
「そうお考えでしたら」とか、「そう思われるのでしたら」になるでしょうし、
クレームっぽい相手であれば、「言いたいことがおありでしたら」
というバリエーションも考えられるでしょう。
喧嘩相手なら「文句あったら」になるでしょうか。

どれもこれも、「じゃあ」に省略できる表現ですし、
しかも、相手を突き放して、「自分は関わらないし、受け付けないけど」
という但し書きのニュアンスを含む言い回しになってしまいます。

ここで角の立たない緩和方法として存在するのが、
思い切って「じゃあ」に縮めてしまうことです。
言葉と言うものは至って恣意的なものです。
100年後の国語では、そんなニュアンスにはならないのかもしれない。
でも、今はそういうニュアンスを帯びてしまうのです。

そんな時、今なら「じゃあ」に縮めることで、
「そう思うなら○○しろよ、俺知らんけど。」
という乱暴なニュアンスを8割9割薄めることが出来るわけです。
もちろん、口調が乱暴ならそれでもダメですが、
やんわりした口調ならば効果が出ますし、
逆に、「そう思うんだったら」といえば、やんわり言っても喧嘩の種です。

言葉って難しいものです。
略したら相手の気分を害することがある一方で、
略すことで角が立たないようにすることもあるのですから。

2016/06/17 12:08 | 雑筆 | No Comments

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