« | Home | »

2011/12/04

2011.11.29-12.1 震災後、初めて東北へ行ってきました。
岩手県陸前高田~大船渡地区の漁港の海中瓦礫撤去ボランティアです。 

神奈川県葉山のダイビングショップNANA のスタッフメンバーと一緒に、
三陸ボランティアダイバーズ にお世話になり、水中ボランティアに参加することができました。

 

今回瓦礫撤去作業を行ったのは、岩手県大船渡市甫嶺地区の鬼沢漁港。
ホタテ漁に使う網だけでも数十万個が流されており、何度も引き揚げ作業が行われているこの漁港にもまだまだ大量の網や瓦礫が残っていました。
 
これから水中ボランティアなどに参加したいと考えている人のためにも、
具体的な作業と、作業を通じて感じたことを記しておきたいと思います。
(私自身、実際に現地に赴くまで作業のイメージが出来なかったので)
 

私達は初めての水中ボランティア作業であったため、岸壁から近い浅い場所にて、ロープをかけて人の手で引き上げられるようなものを順次引き上げました。

海中の様子。
この場所は瓦礫引き上げ作業が既に数回行われ、大きなものはあまり残っていません。
透明度は想像以上に良く、気温は3℃でしたが、水温は12-13℃ありました。
 

漁港であるため、船が通る可能性があります。
浅い場所での潜水作業であるため、船のペラに轢かれたら命を落としかねません。
ダイバーの位置を示すブイ(浮き)を付け、陸上班もブイや泡でダイバーの位置を把握し、船が近くを通りそうな場合は全力で注意を促します。

海中の瓦礫にロープをかけます。

そしてロープを強く2回引き、陸上班に合図を送り、引き上げてもらいます。
その度に海底の泥が舞います。 浅い場所を引っ張るため、岩などに引っかかります。
(ロープを引く合図などを予め決めておきます。)

陸上からの引き上げには相当な力が要ります。
陸班は、全身泥だらけになってもいいよう長靴に防水カッパ、丈夫な手袋、
そして海から瓦礫を引き上げるため、ライフジャケットと
足元が苔で滑りやすくなっているため、ヘルメットを着用です。
(滑って頭蓋骨を割って救急車で運ばれたボランティアの人もいるそうです。)

安全第一。

 

水中班はドライスーツにフード、丈夫な手袋、ロープなどに絡まった時に備え、切れ味のいいナイフを必ず携帯します。

こちらは私ですが(photo by Teru Sato, NANA)、
漁具は重く、いくつも連なり、それがバラバラに広がり、効率よくロープで縛ることが難しいものでした。
ロープに慣れていないと、あたふたしているうちに自分の体や水中機材に絡まったりします。
そして、ロープは命に関わる水中拘束の原因になります。
どんなベテランでも、水中拘束で命を落とします。
 

水中ボランティアには、国家資格である潜水士の免許が必須です。
(潜水士とは、労働安全衛生法の規定に基づき、潜水作業に従事する労働者に必要とされる国家資格であり、労働災害の防止など労働者の保護を目的とする免許であり、事業者はこの免許を持たない者を潜水作業に従事させてはならない、と定められています)

 
また、潜水士の資格を有し、ダイビングインストラクターとして数年従事していたとしても、
潜水作業の業務体験が豊富な人でないと、安全に効率よく作業することはかなり難しいと感じました。
 
体力の他に様々な技能と現場対応能力が求められます。
例えば、引き上げる対象に合わせて、ロープの結び方を もやい結び巻き結びなど変え、
途中ではほどけないが陸上班が解きやすい結び方など、工夫しなければいけません。
 
 

ベテランチームは、漁師さんと組んで漁船からの引き上げ作業を行っていました。
冷たい雨でしたが、背景には真っ赤な紅葉と沸き立つ雲がとても綺麗でした。
(photo by Ayano Suzuki)

漁船の場合、真上に引き上げることが出来るため、多少重いものや大きいものも引き上げ可能になります。しかし、重さでロープが切れ、上から引き上げた瓦礫が降ってくる恐れもあります。
そのため、ロープを引いてもらったらすぐにその場から離れます。

安全第一。
 

重たいものは、ドライスーツやBCDに空気を入れて、浮力をつけ、持ち上げてロープを巻きます。浮力調節の難しい作業です。
重いものから誤って手を放してしまえば、自分が吹き上がり、減圧症や肺を損傷するリスクもあります。
  
 
 
このような作業を今回は2回行いました。
私は1回目は陸班、2回目は水中班でした。
1回タンク1本分、約1時間と少し、6人で2回でこれだけの瓦礫などを海中から引き上げました。


左からNANAスタッフのハルさん、マサさん、私、まころんさんです。(photo by Sumie, NANA)
 
ほんの一部です。
海中に沈んだ、途方も無い量の瓦礫や漁具、家具などの、ほんの一部。

 
様々な危険を伴う大変でかつ地道な作業。
これらの活動を日々続けられている水中ボランティアや潜水士、漁師の皆様には本当に頭が下がります。

 

今回のボランティアでは、水中写真家・越智隆治氏とも現地で合流しました。
越智さんのブログ→http://takaji-ochi.com/diary/2011/11/post-259.html

 
 

東日本大震災後、今まで幾度と無く東北へ行こうと考えつつ、タイミングや勇気だったり、現地に赴くよりも、自分のやるべきことをすべきだという思いから、なかなか行くことが出来ませんでした。
 

震災から8ヶ月以上が経ち、初めて訪れた陸前高田・大船渡の街は想像以上に復興していました。

地道な努力、積み重ね、人の力は本当に凄い!と感じました。
まだまだ長い時間がかかりますが、着実に進んでいます。
 
地道な作業、人の力、人の思い・・・
東北に行って良かった。
もっと早く行けば良かった。
また行きます。

 
  
そして、東北の海は生命に溢れていました。
アイナメが卵をたくさん産みつけ、守っていました。

photo by Teru Sato, NANA

 
 
水中潜水作業は危険が伴い、スキルを要するものですが、引き上げ作業や
自分の長所を生かしたボランティア、現地に赴かなくても様々な支援が出来ます。

 
これからも様々な形で、継続的な支援を続けていきたいと思います。
 
 

三陸ボランティアダイバーズのくまちゃん、浦嶋さん、さわちゃん、漁師の方々、ダイビングショップNANAの皆様、越智さん、まころんさん・・・
皆様ありがとうございました!!

 
 

■お問い合わせ
三陸ボランティアダイバーズ → http://sanrikuvd.org/

 

 

 
■■■ ドルフィンスイマー・水中モデル・イルカ写真家 鈴木あやのHP ■■■
http://ayanoo.com/

 
■ 最新お知らせ一覧はこちらへ! →  http://www.junkstage.com/ayano/?p=1161

 


Trackback URL
Comment & Trackback
Comments are closed.

[…]  ・以前、東北へ海中瓦礫撤去に行った時の話はこちら→ http://www.junkstage.com/ayano/?p=968  ・三陸ボランティアダイバーズ → http://sanrikuvd.org/ […]