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2008/06/28

 
とうとう式場選びに行くことになりました。

yokohama_01_chapel_01

 
これまでに2度、この場をお借りして書いてきた、
『春に、飲んだときのノリで「絶対いつか結婚しようね」「うん、そうだね」ということになった』某女子。

 
彼女と夫婦を偽装してマンション見学に行くこと2棟。
(1、都内4280万円 2、武蔵野市内デザイナーズ・マンション3998万円

 
「とか言って、なんか、もう、本当は付き合ってるんじゃないの? 微妙にいちゃいちゃしてるし」

 
みたいに、そろそろ思われる方のいらっしゃるかもしれません。思っていただければ光栄です。
そうやって、世界のすべての方が僕ら2人を誤解してくれるようになったとき、 偽装が偽装でなくなる日が来るのかもしれません。来たら来たで非常に困りますが。
今のところは、まだ「偽装」です。

 
ただ「偽装」と言えど、男女が熱の高い関係を維持していくためには、常に、より新しい、より強い刺激を求めていかざるを得ない、というのは通常のカップルと同じようです。 

 
上記「武蔵野デザイナーズ・マンション」からの帰り道、女子が言いました。

 
「ねー、嘘でいいから式あげる?」
「え?」
「もしくは、嘘で、婚姻届け出すとか」
「それ、嘘じゃなくない?」
「うわ、テンション上がってきた!来週は、式場探しか中野区役所ね☆」

 
さすがに、公的機関を欺く覚悟はまだありません。

 
そのようなわけで、その次の週は、某・式場の斡旋会社が主催する、ブライダルフェア(@横浜バスツアー)に出かけることになりました。

 
申し込みしたホームページの触れ込みによれば 
 

・創業40年、23,000組のカップルに式場をご紹介
・バスで回る無料見学会は、移動もスムース、ラックラク!
・式場でのランチ&ティータイムが付いてふたりで1000円ぽっきり
・見学会ならではの、模擬挙式・ドレス試着・料理試食会などがテンコ盛り!
・デート気分で見に来てネ!

 
各文言、文末に微妙なセンスを感じつつも、

 
「試食!?行く!」

 
という女子の高テンション。というか、1000円で女子と横浜デートなんてこの上なく安い。
勢いこんで、バスツアーを予約したわけですが。

 
 
当日、まさかの遅刻。

 
 
自分も女子も23区在住ですので、横浜に9:45集合はちょっと早いなー、思いつつもまあ大丈夫、タカをくくっていたらば、待ち合わせの新宿駅に女子が現われない。
電話してみると、「えへへ、ごめんね。さっき家出る寸前まで行ったんだけど、やり直しくらっちゃって」
なんぞそれ。なんぞ。可愛い女子には謎が多いぜ。つぶやいて、時間つぶしに駅構内の「東京ばな奈」や「黒ごまプリン」をじっくり見学。「今日は1000円以外使うものか」強い意志で銘菓をみつめながら女子を待つ30分。

 
結局予定より5本遅い東横線に乗り込んで、2人、一路横浜へ。
運良く特急に乗れたため、遅刻を謝るのも早々に始まった女子の「サボテンが生霊をはね返す」話に様々な意味で心奪われているうち横浜駅到着。
お、間に合うか、思ったのものの、サボテンの呪いで道に迷い15分遅れで現地着。

 
しかし、あたりを見回しても、その場にそれらしい人はいません。
「どうしよう、おいてかれちゃった?」いや大丈夫、右往左往、焦っていると 「あ、伊藤さん?」
声をかけてきたのはその辺のおばさんにしか見えない格好のその辺のおばさん?
「ちょっと待ってたのよー(語尾上がりめ)、さ、こっち、こっち」僕の腕を掴んで走り出します。
え、いきなりタメ口で何をなさる。「みなさんね、チャペル前で、待ってらっしゃるの」 もしや、斡旋会社の人ですか。てっきりマンション見学のように、スーツの社会人が出てくるものだと。

 
状況を把握しきれないまま、小走りに会場ホテルのロビーを突っ切り、「わたし、式場カウンセラーの丸林(仮名)です」おばさんが自己紹介。「どうも伊藤です。」腕、痛いです。「遅刻してマジサーセンした!!」なぜかバイト先みたいな女子の謝罪。「全然いいのよ、今始まるところだから」の割には、僕の腕をあり得ない力で引っ張っていく丸林女史。その早さにやや置いてかれる女子。最後は結局3人半ダッシュで、会場チャペル前の小部屋に駆け込みました。

 
駆け込んだ小部屋には、品の良い応接セットが数組あって、それに座るカップルずらり32組。壁際には、ケータリング・コーナーがあって、ジュースやコーヒーのポットにケーキ皿?
ソファに座り、女子がケータリングへ立とうとした瞬間、説明会がはじまりました。

 
「どうも、本日みなさんと一緒に式場をまわらせて頂く、丸林(仮名)でございます。まずは、みなさんに今日のツアースタッフ、カウンセラーをご紹介いたしますね」

 
で、出てきたのがまた、普通のおばちゃん追加で×5人
「なにあれー普通のおばちゃんじゃん!」
たしかに、なんだか親戚のおばちゃん心配で付いて来ちゃったわよ、的な風情の、親しみ?いや、もはやわざとそういう演出かもしれません。
「あたしさ、丸林さん?あんましょぼい格好だから、最初便所そうじかと思っちゃったぎゃはは」
遅れてきた上に私語を慎まない二人に対して、温かくも厳しい視線が注がれます。
ちょ、ちょっと空気やばそうだし空気読もう女子。
「ねえ、今ケータリング行って飲み物取ってきたら怒られるかなあ?」
怒られる。いや、たぶん怒られないけど、心の中ですごく怒ると思う。
「ぶ!ねえあの男の人、湘南乃風みたい」
そうだね。式場見学なのに、頭に手ぬぐい巻いて、おかしな人だね。あ、でも新婦の人は美人だよ。まあ×××(女子名)には負けるけどね☆ もう、シンタロウさ~ん。あはは。

 
気づいたら完全に、問題児カップルでした。
全12時間、3会場を見てまわる団体行動、スタート15分でこの目のつけられよう。
大丈夫かな、不安に思っていると、
「♪ ああー父さん、かあさ~ん ああ~ふふふふんふんふんふん~」
おそらく『ハッピーサマーウェディング』と思われる曲を口ずさみながら、女子がなにやら携帯メールにメモを取っています。何書いてるの?
「今日、あったこと、伊藤さんがJunkStageに書きやすいようにメモしてるの」
画面をのぞいてみれば「便所のおばさん、湘南乃風、たぶんヅラ」等の文字。

 
いい子だ。

 
ともあれ、女子の、メロディも歌詞もおぼろげなモー娘。をBGMに、式場見学ははじまりました。

  
当分続く

2008/06/18

 
先日の飲みで「絶対いつか結婚しよう」ということになり、なぜか一緒にマンション見学に行った女子から、夜中1時に電話が掛かってきまして、

 
もしもし、運命の人ですか~?
「あ、はい、イトウです」
「あ、電話代あれなんで、そっちからかけ直してください」
「……。」

 
で、掛け直したら、

 
「新居みつかったから、見てみて。メールでホームページのアドレス送るから。じゃ、一回切るね」
「……。」

 
で、PCメールを開いたら、
 

「ぜったいに、ココがいい。」という本文に、某デザイナーズマンションの販促サイトのアドレスが貼付されてました。見てみると武蔵野市の某巨大新築マンションの最終分譲で、週末に予約制の見学会を開催するとかしないとか。

 
「見たら、電話ください」のメールが来たので、電話したら、
 
 
「見に行こう、買いに行こう!」
でも、「マンション見学」は一回JunkStage書いてるし、電車でこの子と遠出するのはなんだか…。
「今、伊藤さんの名前で見学会の予約入れたよー」
そうですか。

 
で、オレンジ色の中央線に並んで座って出かけたのですが。
このマンション、どこが気に入ったの?

 
「そりゃ、もちろんデザイナーズでしょ!あと耐震性」
「ズ?耐震性?」
「耐震なんとかがレベル2だって。それってすごいの?」
「どうだろ」
「伊藤さんちのマンション(賃貸)、あれでしょ偽装でしょう。姉歯」
「となりがね」
「ほんっと許せないよねー。地震で家具とかに潰されて死ぬのは嫌だって!なんで分からないのかな!」
「そうだねー」

 
国分寺だか国立だかの駅に着きまして、そこからはタクシー。
なのですが、二人とも今から見学に行くマンションの名前が思い出せない。
「どちらまで?」運転手さんに聞かれて女子、

 
「あのー、なんだっけ。なんとかなんとかっていうマンションです」
「?」
「いや、だからマンションを見に…行きたいんです!見学!」
それじゃ通じるわけないよ女子。
「ああ、<ク×ウン×ー×ン武蔵野>のモデルルーム見学会ですか?」
通じた!
「あ、それ。それでいいですよ」

 
すごい。何事にも慎重さを旨として当たる自分としては、この強引さに学びたいところもあります。

 
「わたしねー、大抵の事ってなんとかなると思ってるから。」
「ああー」
「マンションだって買えるよ、たぶん」
「うーん」
「買うのは伊藤さんだけどね」
「ああー」
「がんばってね」
「うーん」
 

ent1[1]そうこうしているうちに、車は<ク×ウン×ー×ン武蔵野>の「エントランス玄関」前に。エントランスと玄関て同じ意味じゃん?思う間もなくいらっしゃいませ!!お待ちしておりました!!こちらへどうぞ!!明らかにマンションなど買えそうにない、学生テイストの女子&タクシーの領収書をもらうのに必死な無職テイストの男子(実は劇作家兼俳優)を迎えるため、寒空に立ち尽くすスーツ姿の社会人6名。
そびえ立つ「エントランス玄関」は、ただただ来客を迎えるために特化された建物のようで、そこを通りぬけると中庭があった後、さらにロビーとクローク(!)が付設された「ウェルカム・ホール」。
 
 
 
 
aqua[1]マンションなのに、クローク?ロビー?「さっきのエントランス玄関、伊藤さん家より広いでしょー」この子はどうしてひそひそ話の声が大きいのか。こちらでお待ちください、と勧められたソファ様が置かれていらっしゃる床が大理石。ガラス張りの壁の向こうにはさらに中庭、そこを流れ落ちる滝(アクアテラスと言うらしい)。
「伊藤さん、滝だよー」待っててって言われたでしょ、どうして勝手に中庭に出て、滝に触って、滝に入ろうとしてるところに、偉そうなスーツの人が戻ってくるの。

 
 
lounge[1]「はっはっはー、良いですよねー滝」
ぜんぜん「良いですよねー」ではない目で女子の方をみながら、ご案内の方が施設の説明を始めます。24時間常駐の警備員、子供用プレイルーム、トレイニングジムに無線LAN完備の図書室、ゲスト用宿泊ルームにマッサージチェアルームetc.etc.無料で使えて、すごいんです、安いんです、ところでご家族はお二人だけですか?

 
 
 
きたきた、この質問。前回はドキドキしながら答えたけど、今日は目を見て言ってやろう。
 
 

hir[1] 「はい。妻と二人です。…今のところは」

 
 
言ってやった。
女子の目を見る。
恥ずかしそうにうつむく女子。はにかむ僕。
つられてはにかむご案内の方。

 
 
やった、共有!
この偽装結婚に、また一人共感者が増えました。
こうして、僕らの偽装はより本物に近づいていくのでしょう。永遠に近づき続けるだけかもですが。

 
 
 
kids[1] 「なるほどーいいですねー」なにがいいのか、コメントに困ったのか満面に微笑むご案内さん。「当マンションはですね、セキュリティも万全、公園も学校も近くて、お子さんをお育てになるには最高の環境ですよ」「まあー左様ですかぁ」顔を赤らめる女子。「じゃあ、伊藤さん、ね…」ね…じゃない。こんな見ず知らずの社会人さまの前でソフト下ネタしてる場合じゃない。というか、夫を苗字で呼ばない!「はっはっはー良いですねー」良くない。
 
 
「ところで、本日は何が決めてとなって、当マンションを見学いらしたんですか?」
「あのぉ、やっぱりデザイナーズです」
「ああー、なるほど。ですよね、いいですよねーデザイナーズマンション(笑)」
「えへへ(笑) デザイナーズもやっぱりこのマンションに住んでるんですか?」
「はっはっはー、それでは、まず1階の付帯施設から順番にご案内しますね。こちらです」
 
 
女子の不思議な質問を華麗にスルーしてご案内さんがご案内してくれたのは、ひとつひとつが瀟洒なインテリアでコーディネートされた付帯施設の数々。なかでもゲスト用宿泊ルームは、専用のジャグジーまでついていて、ちょっとした高級ホテル並み。

 
guest[1] 「こちらは、一泊5000円でご利用できます。ご実家の親御さんや遠方からのお客様などがいらした時にご利用ください」
「うちらも泊まれるの?」
「もちろん、マンションの住人の方でしたら、いつでもご利用になれます」
「いいねー、むしろここに住みたいねー。今日とか空いてないんですかぁー?」
「次のお部屋はトレイニング・ルームです」

 
ルームランナーの上で走るマダムあり、バランスボールに座るマダムあり、ストレッチをするマダムあり。

 
fit[1] 「ここってぇ、たとえば大きな声とか出しても平気ですか?」
「大丈夫ですよ。周りの迷惑にならない程度でしたら、基本的に、自由になんでもしていただけます。」
「じゃあ、えーと。歌は?」
「周りの迷惑にならない程度でしたら大丈夫です」
「じゃあ、踊りとかは?」
「周りの迷惑にならない程度でしたら大丈夫です」
「えへへ!えへへ!(興奮気味)」
「…そろそろお部屋の方を観にいきましょうか」

 
こうして、立派な会社人であるご案内さん(名刺をいただきました。×久保さんありがとうございました)の脳溝に、無用な愛(偽装)の爪痕をいくつも残しながら、マンション見学は進んでいきます。

 
後半へ続く

2008/06/05

 
小2のとき、となりの席だった奥田加奈子ちゃん(仮名)に
「わたしたち、ぜったい将来結婚するよ。だって今、占いでそう出たもん!」と耳打ちされました。

 
当時の僕は、恋のABCさえ知らない半ズボン少年でしたが、「この子、ぼくに気がある!」即断するには十分な年齢です。どういう流れを踏んだか忘れましたが、その日の翌々日の放課後に、「デートをする」ということで決まりました。加奈子ちゃんは「今日」の放課後にしようと言ったのですが、僕が「いや、余裕をみて明後日にしよう」と言ったので、翌々日になりました。

 
nanohana その日(耳打ちの日)の放課後、僕は菜の花を摘みに旅立ちました。数週間前に山田雄太(仮名)と神山健二(仮名)と一緒にフリスビーをして遊んだ空き地の真ん中で、(何故か一本だけ)菜の花が咲いていたのを覚えていたのです。デートと言えば花束だろう。トレンディドラマの類は、両親に「これは大人が見るやつ!」一切の視聴を禁じられていましたが、それでも監視の網をかいくぐり盗み観た「金曜日には花を買って」等から、「待ち合わせ=花束不可欠」のルールを学習していました。

 
ですが、探せど探せど菜の花はみつかりません。今考えれば、数週前(数ヶ月かも…)に咲いていた菜の花がいまさら咲いているはずなどあるわけないのですが、「明後日花がないと困るんだよ!」その時の僕は執拗に空き地の草はらを探し続けました。 大人になった今でもそういうところがあるのですが、子ども時代の僕はあきらめるということを知りませんでした。背丈ほどもある初夏の草々を掻き分け「花が、花が…」つぶやきながら一時間も二時間も歩き回り、だけどそれでもどうしてもみつからない菜の花に業を煮やした小2のイトウは、やがて悲壮な決意をします。
「みつかるまでこの空き地の草を抜き続けてやる!」そうして、最後の一本まで抜き続ければ、絶対みつかるはず。花はこの草はらのどこかにはあるんだから、理論的には絶対それでいけるんだ。よし!

 
kusaharaいろんな意味で破綻した理論ですが、小2の男子は信じていました。デートには花が必要で、自分はこんなにも一生懸命あの子のために花を探している、だから絶対いい感じにすごい苦労したところで花はみつかって、あの子は涙等を流して喜んで僕を尊敬しまくる。恋愛ってそういうもんだろ。
すっかり日も暮れて門限も二時間を過ぎ、それでも僕はあきらめず、むしろわざと転んだりとかして「くそ、あきらめるもんか!」自分を鼓舞する言葉をつぶやきながら草を抜く自分に酔いました。

 
翌日の放課後も、僕は同じ草はらにいました。前日は、門限を大幅にやぶり、衣服を草の汁だらけにした件でひどく叱られましたが、その日は前日よりも揚々と門限を破り、草を抜いていました。「愛のためなら、親に叱られるくらい何だ!」むしろ障害が燃え上がらせるタイプでした。しかし、抜き続けても抜き続けても草はらの草は無限で、菜の花はいっこうに見つかりません。代わりに、わざと転んではつぶやく回数が増えていきました。「くそ、こんなところで終わってたまるか」「くそ、あの子が待っているんだ!」「くそ、俺はこの程度なのか…」転ぶ、つぶやく、草を抜く草を抜く。転ぶ、つぶやく、草を抜く草を抜く。転ぶ、つぶやく、つぶやく、草を抜く。通りすがりの大人が見たら、なんと奇特な遊びだったでしょう。結局、菜の花はみつかりませんでした。

 
KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA 次の日の放課後、僕はサルビアをサランラップで巻いたものを持って、待ち合わせのブランコ前にいました。サルビアは校庭脇の花壇で調達し、ラップは家から決死の覚悟で学校に持ってきました。サルビアは赤い花の先端を引き抜いて吸うと、甘い蜜の味がしたので皆に人気があり、それ故に花を摘むことは固く禁じられていました。ですが、むしろその戒めは僕にとって好都合で、もはや、何かの困難を乗り越えずには、花を調達することの出来なくなっていたのです。そうして、また門限を過ぎるまで僕はブランコの前にうっとり立ち続けていたのですが、とうとう加奈子ちゃんはやって来ませんでした。

 
その次の日の朝、席について加奈子ちゃんに聞きました。「きのう、学校終わったあと何してたの?」「佐野くん(仮名)とかとドッジボールしてた」 知っていました。校庭の隅のブランコから、逆サイドの隅でドッジをする一団がずっと見えていたのです。その中でボールを避ける加奈子ちゃんを、僕は片時も見逃さずにいました。やがて、日が暮れ、一団はランドセルを背負いなおしてめいめい帰っていきました。brankoもちろん加奈子ちゃんもいったんは視界から消えましたが、それは周囲の目を避けるため、一度帰るフリをしたのだと、僕は知っていました。
「そっか」僕は答えて、じゃあなんで昨日来なかったのだろう、その日の一限目から今日まで考え続けています。その後、結婚の話もデートについても加奈子ちゃんの口から出ることはなく、中1のときにも同じクラスになりましたが、2学期が始まる前に関西の方へ引っ越してしまいました。

 
 
で、一昨年に中学時代の同窓会が一学年合同であって、まあ、加奈子ちゃんは名古屋に住んでいるということで欠席していたのですが、加奈子ちゃんと仲のよかった鈴山信子さん(仮名)が、「なんか、この前加奈子ちゃんとメールしたとき、中1の時おもしろかったイトウくんと東山くん(仮名)の二人がその後どうしてるのかな~気になる~って話になったよ」という話題になり、「たぶん大丈夫だから」と頼んでもないのに加奈子ちゃんのメアドと携帯の番号を教えくれました。(ちなみに、その話を一緒に聞いていた東山氏は、中学時代鈴山さんのことが好きだったので、別な意味でうはうはしていました。)

izakaya  
で、その同窓会の二次会、たいして仲もよくなかった増山くん(仮名)の隣に座ってしまったため、何か話題はないものか、上記の思い出話をしてみました。
すると増山くん「え!伸ちゃんサルビア抜いたの!?すげえ!」予想外のポイントに大きな反応が。「だって、あの頃サルビア抜いたひとさ、全校の集会とかで前出されて、河野先生(仮名)とかにすごい怒られてたじゃん」「ああ、そういえば」「すげえなあ笑」
当時、休み時間のサッカーに加わらない変わった奴という印象だった僕が、影でそんな度胸を示していたなんて…なんか見直した!アルコールも手伝ってか相手も話題が無かったのか、ずいぶんとその話で盛り上がりました。

 
 
まったく。
愛のために摘んだ一株の花が、20数年の時を経て、思わぬ人から思わぬ評価を引き出すものです。人生っておもしろいですね、、、

 
…なんて、きれいな終わり方をする文章じゃあありません。
今回の「筆者の言いたいこと」は、ずばり下記です。

 
奥田加奈子さん(仮名)、菜の花同様、僕はまだあきらめていません。
あの日、どうして待ち合わせに来なかったのか、その理由を4000字以内で貼付して、ジャンクステージ編集部 info@junkstage.com までご連絡ください。理由如何によっては、まだ結婚もやぶさかではありません。それとも、もう結婚しちゃいましたか…(涙)
ちなみに、せっかく教えてもらったメアドとTEL番ですが、プライドと気後れが主な原因で、こちらからは連絡できそうにありません。悪しからず、とっととそっちから連絡をよこしてください。

 
…以上、長々と私信にこの場を使わせていただく結果となり、大変恐縮ではありますが、読者の皆様におかれましては、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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