一昨日、同じJUNKSTAGEのライターでもある女優帯金ゆかり嬢等が出演している、椿組の「天保十二年のシェイクスピア」を観に行ったのですが、
終演後、近くで見ていた知人の女優(25)が「なんて腹が立つ芝居だ!面白すぎて悔しい。」という旨のことを言っていて、自分も同感だったので、出演者に挨拶する時もその後の打ち上げに参加する時も、ムッとした顔か卑屈な笑顔しか浮かべられず、「もしかして面白くなかった?」と間逆の心配までされ、
そもそも原作を書いた故・井上ひさし(大先生)恐るべしということで、翌日、原作を読みたさにたまらず愛しの書店池袋ジュンク堂へ駆け込んだのですが、全文掲載されているという硬派な演劇雑誌「悲劇喜劇」は既に売り切れており、欲求不満なまま、
いつぶりに演劇のことをJUNKに書くんだろう等いまさらなことを思いながら、書いているのですが、
上京してから何百本と舞台を観て来たイトウですが、「これは面白いから絶対観た方がいいよ!」と公私問わずに大声で言えるようなお芝居は5指に足りないのですが、これはその1本に入れられます。
前述の帯金嬢は初出演の若手扱いながら、大抜擢でロミオとジュリエットのまさかのジュリエット役をやってます。普段色気と胸囲の不足に悩んだり悩まなかったりしている彼女ですが、あまり知られていない「ジュリエットが実は13歳で浅黒い肌」で「思い込みが激しいあまり頭の良くない少女」であるという設定を鑑みると、意外と当たり役なのかもしれません。
普段は自分の気に入っている女子が他の芝居に出てるのは愉快なことではないどころかそこの演出家の○○を蹴りつぶしてやりたい衝動にすら駆られるイトウですが、というのは嘘ですが、今回はそのあたりにも目をつぶって、○○を握りつぶして、異例の宣伝のお手伝いをさせてもらいます。だって、すごい面白かったですから。
お時間ある方は観に行ってあげてください。
今日と明日の2回でもう終わりですが、万障繰り合わせて行ってあげてください。
前売り券はほぼ完売、当日券も若干枚とのことですので、クソ暑い中クソ長い列にならんで、奇跡的に席が空いて観れることを祈りながら、わざわざ新宿花園神社の境内に向かわなければならないかもしれませんが、何かの苦行だと思ってどうぞ足を運んであげてください。
その手間を惜しんだことを後悔するよりましだと思います。
(と、自分の公演のときに、このくらい熱心に宣伝できるといいんですが…。)
★★★★★
椿組2010年夏・花園神社野外劇
椿版 『天保十ニ年のシェイクスピア』
作 井上ひさし
構成・演出 西沢栄治(JAM SEESSION)
プロデューサー 外波山文明
■公演日時 2010年7月16日(金)~25日(日)夜7時開演
■公演場所 新宿花園神社境内特設ステージ 受付電話:080-5464-1350
■木戸銭
●指定席:4.500円(前売り限定60席・椿組のみ取扱い)
●前売自由席:4.000円 当日:4.300円(日時指定・整理番号付き)
■椿組 HP
URL:http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/oudeson.html
■ご予約
1)ぴあ=0570-02-9999[Pコード:403-325]
2)椿組:080-5464-1350
Eメール:tubakigumi.1350@ezweb.ne.jp
PCメール:tubakigumi@nifty.com
3)椿組ホームページ予約:http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/index.htm
椿組専用パソコン予約ページ=https://ticket.corich.jp/apply/18103/
椿組携帯専用予約ページ=http://ticket.corich.jp/apply/18103/
こんにちわ、あなたのパワースポット、イトウです。
先日、一人で温泉に行きました。一人で?疑問に思う方もいらっしゃるでしょうが、温泉というとすぐに女子としっぽり、的ないやらしいコンテクストで語りはじめるこんな世の中じゃいかんぜよ。
いつになく文脈に脈絡や行間のありませんが、ハイボールを飲みながら書いているせいではありません。もちろん、一昨日、お祭りデートを元カノにすっぽかされたからふてくされてるわけでもなく、それに合わせてわざわざ買ってきたデジカメ用のmicroSDHDだってそのうち使えばいいんです。でも、お祭りってさ「じゃあ、また今度!」行けるものじゃなくないですか?? I do…
そういうわけで、最近、自分の企画に参加してくれている女子やそうでない女子をモチーフにしたデザインのオリジナルグッズを販売するネットショップを作りました。

これまで、芸術表現を大義名分に女子たちとのコラボ演劇をマニファクチュア的に生産してきたイトウですが、脚本を執筆し、会場をしつらえ、稽古を重ねて公演を発表するのは、とてもたいへんです。
加えて、どんなに長くても120分以上の上演時間はお客さまのお尻が限界という制約もあります。限られた2時間弱をどんなに細かく刻んでも10人を超える数の女子を十分にフィーチャーしていくことはきわめて難しいという、物理世界の限界にも向き合わざるを得なくなってきました。
そんな難題に果敢にも挑んだ昨年の公演は、1公演で3本の上演を行い、女子たちをフィーチャーする上演時間を十二分に確保する!という目論見でした。
しかし、蓋を開けて気付いたのは、1公演で3本の作品を上演するということは、普段の3分の1の時間で台本を仕上げ稽古をし作品を作らなければならないという、図らずもさらに高い物理世界の壁の存在でした。
当然ながら、ただでさえ遅筆のイトウにその壁を打ち砕くのは容易なことではなく、十二分な上演時間を確保するも、充分な稽古時間を用意できず…参加の女子たちにはたいへんな迷惑をかけてしまいました。
この時計は、その公演の打ち上げで女子たちから贈られた品です。
一見、微笑ましい寄せ書きのように見えますが、よくよく読むと、台本が遅れ稽古時間と睡眠時間を削られ、ギリギリの心境で舞台に立ってくれた女子たちのリアルな恨みつらみがオブラートゼロで刻み込まれています。
中央には漢文調に「光陰矢の如し」の文字。
これからは、この時計を見ながら執筆をしてください、と言った女子たちの目はまったく笑ってなかったです。本当に申し訳がどこを探しても見当たりませんでした。
そんな経験を経て、どうにか舞台を作る以外の方法で、日々指数的に増えていくイトウのお気に入りの女子たちを、つなぎとめ凝結しエクスプロードさせるコペルニクス的転回はないものか。思考を重ねたどり着いたのが、上記のオリジナル・グッズ販売のネットショップでした。

こういうのを作ってグッズにして売るお店です。
小劇場界の女優が中心ですが、他の分野も含め、「必ずしも商業的な容姿である必要は無く、エッジがあり、一定数の熱狂的な固定ファンが付いている(またはその余地がある)」女子を探して、お願いして写真をいただいて製作しています。
ちなみに↑の女子は、自分が所属の劇団チャリT企画の後輩の長岡初奈です。
グッズ作るから写真ちょうだいと言ったら、ちょっと後輩をなんだと思ってんすか!いい加減にしてください、はい、どうぞ!と快く写真を預けてくれました。はじめツンツンすぐ素直、可愛い後輩です。以後ひいきにしてあげてください。
ショップでは、新たにモチーフとなってくれる女子を常時募集しています。既に、オープンから数日で何人かから問い合わせがありました。
われながら、巧い仕組みです。黙っていても、イトウにシンパシーを感じてくれる女子が向こうから集まってきて、写りの良い写真を選んで僕のPCへ送ってくれる。それを一晩中好きなだけクリックして加工する権利がイトウにはあり、されにそれが売れれば女子もイトウも嬉しい。
アイデアとは1案で全てを解決するツールでなくてはならない by エジソンとか
そんな紆余曲折を経て、月に4人ペースで女子の数を増やし、1年後には48人を超えるのが目標です。48という数字に、特別な意味はありませんが、秋元康さんの本は何冊か一生懸命読みました。内容は忘れましたが。
もちろん、舞台で動作している生の女子を目の当たりにしていただくのが一番なのですが、物理の壁に阻まれるイトウの溜飲を少しでも下げるために、ショップの方も可愛がっていただけたら幸いです。
※末筆ですが、モチーフとなる女子の他に、女子をデザイン化してグッズに昇華させてくれるデザイナーの方も募集しています。48人もの女子をイトウ一人でデザイン化していくのは、至難の業、というかほとんど不可能ですので、女子への愛情とPhotoshopのスキルに溢れた、素人に毛が生えた程度からフサフサな手練の方まで、1点からの参加で構わないので、気軽な応募をお待ちしております。
(先日、突発的なできごとによって中断してしまった記事ですが再度書かせていただきます。)
– –
昨年末、これまでに何度かこの場をお借りして書いてきた『飲んだときのノリで「絶対いつか結婚しようね」「うん、そうだね」ということになった』某女子と銀座チャンスセンターに1時間以上並んで購入した、年末ジャンボ計20枚。
![]()
元旦に当選番号が発表されたものの、特に番号を気にすることもなく、そもそも買ったくじの封も切らずぼやぼや餅など食べていたら女子から電話がかかってきました。
「イトウさん、3億取りに行きますよ」
「え、年末ジャンボのこと?」
「はい。カバン用意しといてください、余裕があれば竹やぶと白バイも」
「100万とか高額な当たりは振り込みだよ」
「じゃあゆうちょでお願いします」
「ゆうちょ1000万までだから」
「言っとくけど、どっちのくじが当たっても山分けですよ」
「いいけど、その前にくじ買ったった日に貸した3000円返してね」
「返します、当たったら」
「いや、絶対返してもらうから」
「がんばりましょう」
翌日、高田馬場駅前の宝くじ売り場に集合した女子とイトウの年末ジャンボ計20枚を、無表情な売り子のおばさんがチェック用の機械に流し込んでいきました。
「がんばれ!」といういまいちベクトルの向きが曖昧な女子の応援に後押しされ、やがて当選金額が赤いLEDのディスプレイに映し出されます。
「600円」
「600円だね」
「からのー、」
「ないから」
![]()
年末ジャンボ宝くじは、10枚を連番で買えば下1桁でどれか1つは300円が当たるようになっているので、20枚の連番で600円というのは、事実上当たりゼロのはずれです。苦労して寒空に1時間並んだ年末を思うと砂を噛む思いです。
「イトウさん、わたし当たらないと困ります」
「うーん」
「今月の家賃まだで」
「ああー」
「先月は親に連絡行ってお母さん払って」
「らしいね」
「今月はわたしぜんぜん働く気しないから、たぶん払えないし」
「そうなんだ」
「おばちゃん、お年玉スクラッチ3枚」
「はーい3枚で600円ね」
「?」
![]()
お年玉スクラッチは、硬貨などでスクラッチを削り、出てくる模様で当選が決まります。
当たると最高100万なのですが、はずれるとジャンボと違って1円ももらえません。
女子の買った3枚のスクラッチは買って20秒でただの資源ゴミと化しました。
「お金なくなっちゃいましたね」
「うん。ところで、今の600円半分はイトウのお金だと思う」
「だから削らせてあげたじゃないですか」
「そっか」
「そうですよ、人聞きの悪い」
「ごめん」
「いいですけど」
それから、女子の最近家賃を半分払ってくれると言う奇特な男が現れたらしい彼女の部屋の壁にホームセンターで板を買って本を置くようの棚を吊る作業をしに来たくありませんかという誘いを断り、本屋で株の本を買って家に帰りました。
昨年末、これまでに何度かこの場をお借りして書いてきた『飲んだときのノリで「絶対いつか結婚しようね」「うん、そうだね」ということになった』某女子と銀座チャンスセンターに1時間以上並んで購入した、年末ジャンボ計20枚。
元旦に当選番号が発表されたものの、特に番号を気にすることもなく、そもそも買ったくじの封も切らずぼやぼや餅など食べていたら女子から電話がかかってきました。
「イトウさん、3億取りに行きますよ」
「え、年末ジャンボのこと?」
「はい。カバン用意しといてください、余裕があれば竹やぶと白バイも」
「100万とか高額な当たりは振り込みだよ」
「じゃあゆうちょでお願いします」
「ゆうちょ1000万までだから」
「言っとくけど、どっちのくじが当たっても山分けですよ」
「いいけど、その前にくじ買ったった日に貸した3000円返してね」
「返します、当たったら」
「いや、絶対返してもらうから」
「がんばりましょう」
翌日、高田馬場駅前の宝くじ売り場に集合した女子とイトウの年末ジャンボ計20枚を、無表情な売り子のおばさんがチェック用の機械に流し込んでいきました。
「がんばれ!」といういまいちベクトルの向きが曖昧な女子の応援に後押しされ、やがて当選金額が赤いLEDのディスプレイに映し出されます。
その数字は、
(記事の途中ですが、今これを書いているイトウ宅に別の某女子の来客があったため、しばらく書くのを中断させていただきます。やむをえません、ご了承ください。近々に続きを。)
新年度あけましておめでとうございます。
年初からツイッターをはじめたのですが、女子からのフォロー数伸び悩みに悩むなう今日このごろです。
新年度を迎えるにあたり、机や本棚の資料、PC内の文書を整理していたら、過去の日記や手紙等がたくさん出てきました。読み返していたら甘酸っぱくて仕事にならなくなってきたので、ここに1つ転載させていただきます。数年前にWEB上に書いた日記です。
バス・ストップの美少女と弟
オリエンタルラジオの武勇伝ネタで「1日3ミリバス停ずらす、2年を費やし自宅の前に」というのがありましたが、引き篭りをちょいと明けて近所を歩いてみたら、いつもあったはずのバス停がなくなっていました。誰かが自宅前まで持ってったのでしょうか。
何年か前の話ですが、このバス停で一組の姉弟がバスを待っていて、姉の方がガムを噛んでいました。弟は小2相当、姉は小6相当です。二人とも明らかにハーフという整った顔立ちで、特に姉はシャルロット・ゲンズブール似の美少女だったので、ついつい目が行ってしまいました。
それで、姉はずっとガムを噛んでいるのですが、それをもの欲しそうに、いたいけな弟が見上げているわけです。しばらくして、それに気付いたお姉ちゃんが一言、「ガムいる?」と聞きます。「うん」とうなずく弟。お姉ちゃんがポケットから新しいガムを取り出し、それを弟にあげるんだなと思って見ていたら、おもむろにお姉ちゃん、ヒョイとしゃがんで弟に顔を近付け、今まで食べていたガムを口移しに弟へねじ込んだじゃありませんか。
それを見た時のイトウの心の叫び、
「僕もガムいる!」
それはともかく、その後、何食わぬ顔で新しいガムを口に入れるお姉ちゃん。
なんだかうれしそうにもらったガムを噛む弟。
なんだかうれしそうにそれをみつめるイトウ。
男と女のなにかの縮図を見た思いでした。
そんなグッドルッキングな姉弟を乗せてバスは走り去り、数年の後バス停も走り去ったわけですが、今でもあの二人は、ガムを分け合っているのでしょうか。。。
オリラジのネタに時代を感じますが、この姉弟を目撃したのもたしか桜の頃でした。いまとなっては甘酸っぱい思い出のひとつです。生まれ変わったらこんな姉弟になりたいものです。
散らかった部屋とデスクトップが大変なことになっているので、そろそろ作業に戻ります。
今年度も何卒よろしくお願いいたします。
先日、10年以上前に告白してフラれた女子から「一昨年結婚しました、どんなタイミングの報告だよって感じですが、イトウくん知りたいだろうと思って」という旨の連絡を受けました。
知りたかったのでよかったのですが、できれば花嫁姿を生で見たり写真を撮ったりしたかったので、今度結婚するときは早めに教えてくださいということを、この場をお借りしてお伝えさせていただき、祝辞の代わりとさせていただきます。
ご結婚おめでとうございました。
先日、まだ師走の頃でしたが、これまでに何度かこの場をお借りして書いてきた『飲んだときのノリで「絶対いつか結婚しようね」「うん、そうだね」ということになった』某女子から久々に電話がかかってきました。
「もしもし、イトウさんいますか?」
「いや、携帯だから」
「イトウさんはチャンスセンターに行きますか?」
「チャンスセンター?」
「今、バイト中で16時に終わるんで、17時にチャンスセンターに集合してください」
「え、それどこ?」
「わかりません、調べといてください」
「は?」
「今バイト中なんです、もう切っていいですか!」
「バイト中に電話して大丈夫なの?」
「ダメに決まってるでしょ!もう切りますよ!」
何故キレ気味なのかわからないまま切られた携帯をそのままに、検索窓を開いて入力&Enter、”チャンスセンター”に関するページがずらずら並びます。彼女との出会いがIT革命後で本当によかったです。
インターネットによると、一般に東京で”チャンスセンター”と言えば、「西銀座チャンスセンター」のことを指し、「日本で最も多くの年末ジャンボ1等を出すことから、全国から宝くじを求めてやって来る、宝くじファンなら誰でも知っている宝くじ売り場」なのだそうです。なるほど。
イトウは、宝くじなんか今まで買ったこともありません。宝くじで1等が出るのは「乗ってる飛行機が墜ちる確立より低い」みたいなことを言って、かたくなに購入を控えてきたのです。
ですが、ひとたび買うとなれば「絶対に当たらなきゃ嫌だ」という素直な気持ちも湧いてくるのが、イトウの臨機の応変さです。どうしたら「絶対に当たる」のか。グーグルさまに訊いてみました。
●自室の西側に黄色いものを置く
●トイレの便器をピカピカに磨き上げる
●トイレの蓋を絶対に開け放しにしない(ウン(運)が逃げるそうです)
●赤いものを着て売り場に行く
●一度に100枚以上買う
等が”鉄板”らしいです。なるほど。
どれもいろいろな理由でハードルの高い条件ですが、3億当たるというのだから仕方ありません。とりあえずユニットバスをピカピカにして、西側の窓にピカチュウの写真をプリントアウトしたものを貼りました。一度に100枚以上…はさすがに無理ですが、とにもかくにも赤いシャツを羽織り、銀座へと出かけます。
日比谷線を降りて地上に上がると、すぐ目の前にのぼりと人々の群れがありました。

今年のジャンボが発売してからだいぶ経つというのに、欲の皮の突っ張った善良な人々が角を曲がって100m近い列をなしていたのです。「夢を買う」なんていうと聞こえは良いですが、この場に並ぶ全員が心中に「3億3億」念じているかと思うとぞっとしません。皆、そこまでして当たりくじが欲しいのでしょうか。庶民たちのあさましさになかばあきれつつも、先に当たりくじを買われてはひとたまりもありません、イトウも慌てて列の後ろにならびます。
長い列の最後尾に着くと、ちょうど先の電話の女子も着いたところでした。
「おまたせ」
「ちょっと、超人々がならんでるんですけど!」
「まあねー、日本一らしいからね」
「聞いてないです」
「誰に?」
「誰にも!」
「うーん」
「クソさみい!」
会った瞬間に急角度で傾きはじめた女子の機嫌をどうしようと、オロオロあたりを見回していたら、”Docomo”のロゴが入ったジャンパーを着たお姉さんがやってきて「カイロでーす」ホッカイロ的なものと新製品のパンフ的なものが入った手提げ袋をくれました。
「なにこれ、ホッカイロじゃん!」
「ほんとだ、すごいね」
「ドコモやるな」
「やるねー」
「こんなん、3億当たったら絶対ドコモ買うじゃないですか」
「買うねー」
「イトウさんのホッカイロもください」
「うーん」
ひとまず持ち直した女子の機嫌に安堵しながら、列の前方を眺めると、警備のおじさん的な方が「ここから1時間待ちでーす」表情のない声で呼びかけていました。ディズニーランド並です。どちらにも夢がありますが、この列に並ぶ人の目はどこか曇りがちです。
「そういえば、結構久しぶりだよねー」
「あ、そうですか」
「最近は何してるの?」
「男遊び」
「へー、なんかすごいね」
「みんなおごってくれるんですよ」
「へえー」
「でもなんか、最後みんな怒るんです」
「そうなの?」
「おごってくれるって言うから、なんて良い人なんだろうって思ってついてくと、なんかみんな最後怒るんです」
「ああー」
「ひどくないですか?」
「ひどいねー(たぶん君が)」
そうこうしているうちに、警備のおじさん的な方がやってきて、最整列を促しながらこんなカードを手渡してきました。

妙にリアルな札束の画像が入った裏面に、否が応でも期待が膨らみます。
「今日わたし全財産はたいて買いますから」
「え、マジで?」
「今、財布に3000円と小銭しかないです」
「いや、ヤバくない?」
「ヤバいです。今月も家賃が払えなくて、」
「えー」
「大家から親に連絡行っちゃって、」
「うわー」
「だから、これ以上迷惑かけられないと思って。チャンスセンターに」
「うーん」
「がんばりましょう!」
「よしっ!」とすっかり腰を据えてならぶ覚悟ができたらしく、女子は背負っているリュックから、今月は板尾創路が表紙の文芸誌「本人」を取り出して読み始めました。「これ全巻持ってるんですよ。一冊だけ買い逃したんですけど」へえー、それは全巻じゃないねー。
女子が読んでいる「本人」を斜めから覗き読んだところ、それは某芸人の奥さんのエッセイで、一度はブレイクしたものの、すぐに下火になって家でゴロ寝している夫のせいで家計は火の車、結局刃物まで出てくるケンカになって二人は離婚…といった内容で、なかなかに面白い文章でした。
「結局この人たち、お金がないから別れたんですよね」
「まあ、ざっくり言うとねー」
「なんか悲しいですね」
「そうだねー」
「お金じゃないですよね、やっぱ」
「そうだねー」
そうこうしているうちに、だいぶ売り場が近づいてきました。

「どうしよう、近づいてきたよ?」
「3億当たったらどうする?」
「えー、わたしもう3億とか贅沢言わない、1億でいい」
「じゃあ1億当たったら?」
「え、うーんと、まず先月の家賃を払って、」
「ぜひ払って」
「で、これから先暮らすのに一生困らないだけのお金だけ別にわけて、」
「それって、いくら?」
「え、うーん6000万とか?」
「じゃあ、ОО (女子の名前)はさ、月にいくら使えたらだいたいいいの?」
「うーんと30万くらい?」
「じゃあ、それ1年で360万だよね」
「うん」
「ってことは、10年で3600万円でしょ、」
「え、10年でそんな!」
「30年で1億800万」
「どうしよう!わたし1億じゃ足りなかった!」

とうとう、自分たちが買う番がやってきました。西銀座チャンスセンター、1番窓口。
列の最後尾からここまで、きっちり1時間というところでしょうか。まずは、女子が全財産を握りしめ窓口へ。
「いらっしゃいませ」
「3億円あたるくじをください」
「はいー、連番ですか?バラですか?」
「へ?」
「連番ですか、バラですか?」
「どうしようイトウさん、どっち買えばいい?」
「3億は前後賞あわせてだから、連番じゃないと当たらないよ」
「え、じゃあ連番じゃなきゃだめじゃん、3億円当たる連番!」
「はいありがとうございます、3000円です」
「くぅー!3000円!」
その後、イトウも連番できっちり10枚を買い、

ようやく金欲にまみれた善良な人混みから脱出することができました。あたりはすっかり暗くなって、寒さが身に沁みます。冬の寒空に1時間強の野ざらし、これだけの労力を強いられて当たらなかったら、いくら温厚なイトウでも怒りださずにいられません。ごちゃごちゃ言わずに黙って当たって欲しいです。
「買えたね」
「買えたねー」
「わたし、今年最後になって、やっと人生にとって何か意味のあることができた気がします」
「そっかー」
「えへへ」
「うんうん」
「イトウさんおなかすかない?」
「すいたねー」
「わたし、ハンバーグが食べたいです。牛肉の」
「そっかー」
「いきますか?」
「うーん、でもきみたしか全財産、」
「イトウさん、わたしハンバーグが食べたいです、とても。牛肉の」
「うーん」
「せっかくの銀座ですよ?」
「あ、でもごめん、イトウもお金おろし忘れてて今いくらも無いから、ほら」
「じゃあ銀行いきましょう、りそなでしたっけ?」
「え、うん。」
そして、銀座松坂屋横のりそな銀行で無事お金をおろした後、「ここでもいいですよー」と女子が言う三崎港直産(?)のお寿司屋で夕食をとり、明日バイトに行く交通費がないという彼女に3000円を貸し与え、家路につきました。
一日の収支に疑問を感じずにはいられないイトウでしたが、2010年こそは人生の黒字化転換を目指し、JALに負けじとがんばっていきたい所存です。今年も、何卒よろしくお願いいたします。
一昨日、電車に乗ったら女子小学生がずらりと座っていました。下校時間と重なったようです。最近の女子小生は服装も垢抜けていて足が長く、髪は月に一度以上切ってるんでしょう、手入れが行き届いていて、全体的に女子大生をそのまま小さくした印象です。小学生をそのまま大きくしたような風体の自分は肩身が狭い思いです。
「別れるのは絶対決めてるんだけど」
すぐとなりに座っていた小4~5くらいの子がとなりの子と話していました。なにやら恋バナ風です。イトウの子供時分は電車に1人で乗るのも恐ろしかったのに、今時のJSはあたりまえにPasmoを提げて恋バナ、たいしたものです。
「クリスマスあげるんでしょ」
「うん、でも、お正月なったらお年玉あるから、それで買うからあとであげるねって言う予定にして」
「えー、それクリスマスにならないよー」
「だから、クリスマスもらって」
「あげないとひどいって思われるよ」
「別れなかったらわたしもあげるよって」
「あげない気だこの人」
「お年玉あんまりなかったからあげないって言う」
「頭いいねー」
それは取込詐欺だよ、女子小学生。お兄さんも1回だけ同じ目にあったことがあるけど、一生しつこく恨まれるからやめた方がいいよ。レシートずっと取って置かれるよ。と、思いました。
女子小生に彼氏がいるのも珍しくはないという昨今、「こんな大人になって欲しくない」というのはよくありますが、「こんな子に大人になって欲しくない」と思う、師走のイトウです。イトウへのクリスマスプレゼントの送付方法は、ジャンクステージ編集部までお問い合わせください。贅沢は言えませんが、薄型テレビが好きです。来年もよろしくお願いいたします。
先日、10年連れ添った可愛いやつとお別れしました。

時代遅れのスケルトンボディにはしゃぎ過ぎなピンク色を纏って、機嫌を損ねると爆弾を投げつけてくるエキセントリックな彼女=iMac DV (ストロベリー)。メインPCとしての役割はもう5年以上前に終わっていたのですが、情が移って別れられずにいたのです。
思えば、メールもネットもブラインドタッチもみんな彼女で覚えました。
元旦なにげなく起動したら、「あけましておめでとうございます」改まった挨拶をされてびっくりしたのも良い思い出です。
下取りに出すため、中のデータを削除をしたり、移管し忘れていたデータをコピーしたりの作業中、ふと某女子の名前が記されたローマ字が目にとまりました。このiMacを購入した当時、自分が好意を寄せていた女子の名前でした。彼女の名前が「このコンピュータの名前」として、システムプロフィールに登録されていたのです。
意外と忘れてる人も多いみたいですが、パソコン本体にはそれぞれ名前が付けられます。
WindowsでもMacでも、買って最初に起動したとき諸々のセットアップをする画面で「このパソコンの名前」を決めるのコーナーがあります。
たいてい「my PC」とか「”持ち主のフルネーム”のコンピュータ」なんていう味気ない名前が初期設定で付いていて、そのまま変更しない人も多いみたいですが、自分はつい、そのときどきに好きな女子の名前を付けてしまいます。
なので、万一システムプロフィールを覗かれでもしたら、購入当時にイトウが好意を寄せていた女子の名前がまるっと分かってしまいます。大変危険です。
似たようなことで、中1のときひどい目にあいました。
当時僕が心血を注いでやっていたファミコンソフトで「サンサーラ・ナーガ」と「虹のシルクロード」という2つのRPGがあったのですが、このRPGというジャンルのゲームは、だいたい主人公とその仲間たちの名前を自由に設定できます。当然、中学生イトウは、その当時好意を寄せていた女子の名前をそこに付けていました。
ただ一つ問題があり、2つのゲームで付けていた女子の名前が違ったのです。
そこには自分でも大いに自己矛盾を感じながらゲームをプレイしていましたが、どっちが好きで誰が恋人なのか、そんなの簡単に割り切れるもんじゃありません、その先の人生に綿々と続くであろう深いテーマに取り組み始めた、イトウ弱冠12歳でした。
ですが、ある日この秘密が親友N谷くんの口からクラスメイトにばらされます。
「イトウ君、**さんとOOさんが好きらしいよ」
「ゲームに勝手に名前入れたんだって」
この手の話は中学生の大好物です、1日で学年中に広まりました。
名前が2人分あったのは、非常によくなかったようです。
**さんもOOさんも、以後、僕に対して非常に微妙な反応でした。
ただ好きな女子の名前をゲームに入れただけなのに、フタマタとネクラという二つの称号を背負って送らねばならなかったその後の学校生活…情報漏洩の恐ろしさたるや、現在の社会に通じるものがあります。
(ちなみに、上記2つのファミコンソフト「サンサーラ・ナーガ」と「虹のシルクロード」は、マニアックですが非常に良くできたゲームでした。普通RPGというと、「ドラゴンクエスト」とか「ファイナルファンタジー」等のように「複数の仲間たち」との「冒険活劇」が主流ですが、上記2つのタイトルは、「主人公とパートナー女子の2人きり」で「比較的しっぽり旅」をするという、好きな女子の名前を付けるにはうってつけの内容だったのです。「サンサーラ…」の方は、かの押井守氏が脚本・監修をやっていたりして、「人間はそんなに急速に強くなれない」という考えの元、主人公が一切レベルアップ等の成長をしなかったり、町の人間も全員殺すことが出来たり…、アナーキーな作りが非常に好きでした。)
そんな目にあいながらも、懲りずにめげず、いまだ好意を寄せる女子の名前を様々なシチュエーションで入力し続けているイトウです。
中には漏洩したら本当に危険だろうなというものもあります。
WEBメールやネット銀行のパスワード、クレジットカードのセキュリティキー、様々なサイトのログインIDなどです。
さすがに、女子のフルネームや生年月日ををそのまま使うのは危険なので、下記のようにしています。
パスワード=X(任意の女子の名前と生年月日)×a(鍵となる女子の名前)
たとえば、
とある「好意を寄せている女子の名前」をパスワード等に使いたいと思ったら、
それとは別の「”鍵”役になる(多くの場合、特に好意は寄せていない)女子の名前と生年月日」をそこに持って来て、
とある法則に従って二つをミックスした文字列をパスワード等として使う
といった感じです。
これなら、仮に誰かが「イトウが好意を寄せている女子が誰か」=Xをなんらかの方法で知ってしまったとしても、それをパスワードに復号するための「鍵となる女子は誰なのか」=aはイトウの心の中にしか存在しないため、なおかつ2つをミックスしてパスワードに変換する「とある法則」もイトウの頭の中にしかないので…まあまず安全です。
これは「公開鍵と秘密の鍵」という暗号方式で、ITの世界でも応用されている暗号化の技術だそうです。ちなんで名付けるなら、上記は「女子たちと秘密の鍵」暗号でしょうか。そんなに難しくありません。要は、パスワード一つにつき女子2人の名前を覚えていればいいのです。
日々、新しいIDやパスワードが増えていって覚えるのが大変、なんていう話をよく聞きますが、この方式ならパスワードを忘れる心配はありません。
男子は、一度好意を寄せた女子の名前や生年月日を簡単に忘れたりしないものです。
「好意をよせた女子の名前と生年月日」が、文字通り「財産」となって後の人生にちりばめられる「女子たちと秘密の鍵」暗号。真面目に実用的だと思うのですが、いかがでしょう。
亡くなった人のお骨から人造ダイヤを作って形見の指輪にしたりする葬儀ビジネスがありますが、まあそういう感覚です。











