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2009/04/01

わたしが病院ではなく、助産院で出産しようと決めたのは「分娩台よ、さようなら」という本を読んだからです。
「明日香医院」という産院を営んでいる産科医の著書です。
最初は、自分も産まれた地域周産期医療センターに指定さている、大きな総合病院での出産予定で、予約もしました。
元々、帝王切開も会陰切開も嫌でしたが、「赤子に何かあるよりマシ」という考えでした。
ですが、その本を読み、「絶対、自然出産したい」と思い、通院していた病院で助産院を紹介して。
そんな思いで足を踏み入れた助産院での出産・入院生活をご紹介します。

まず、助産院で扱えるのは「自然分娩」であること。昔は逆子も出産できましたが、現在はできなくなってしまいました。(そのため、逆子はほぼ帝王切開です)
そのため、助産院で扱えるお産は制限があるので、近隣の分娩を扱っている病院と提携し、万一の場合に備えています。
そして「安産のための努力」をしなければいけません。
病院では、太ろうが、体力がなかろうが、帝王切開を始めとしたいろんな医療技術で母体から赤子を取り出すことができます。
助産院ではできません。母親が自力で、赤子を産みだすしかないのです。30時間陣痛が続いて眠れない・食べられないという状況だったとしても。
だからこそ、産める体力・太り過ぎないなどのために、食生活や運動を病院より強く勧められます。
基本的には歩くことと和食。プラスαで、ヨガなどの体をリラックスさせ、柔軟性をアップさせる運動を取り入れているところが多いようです。
前述の本では「1日3時間のウォーキング」が推奨とされいました。わたしの出産した助産院でも、「1日1時間」と言われました。

なんでそんなに歩かせるかというと、昔と比べて格段に運動量が落ちているからです。お産は体力を使います。陣痛を逃し、いきんで赤子を産みだすのには、全身の力を振り絞ります(慣れればそうでもないのでしょうか)。
しかし、現代人は歩かないし、柔軟性も低く、お産には向かない体になっているのです。
さらに食事は高タンパク・高脂肪・高カロリー。妊娠したからと好き勝手食べて、ごろごろ寝てればあっという間に妊娠中毒症か、体重オーバーです。
(わたしは食っちゃ寝してましたが、出産当日のお風呂あがりに量った体重が妊娠時と同じという、非常にまれなケースでした)

そういうわけで、助産院で産むには「自然出産するぞ」という意気込みが必要です。多少なりとも食事に気をつけ、歩いたりストレッチしたりと、努力も必要です。
わたしも毎日歩いてはいませんでしたが、多少なりとも食事には気をつかいましたし、ストレッチは毎日してました。

さて。ここからはわたしの出産した助産院の話。
多くの助産院には、分娩台はないようです(わたしが調べた限りでは)。分娩台とは、テレビなので出産する時に妊婦が乗っている、あの恥ずかしい台です。
じゃぁどこで産むかというと、普通の部屋です(笑)
普段は6畳くらいの部屋にソファがあって、オーディオがあって、ラグのようなものが敷いてある、ごくごく普通の部屋です。
出産時はラグの上に、防水と保温効果のある銀色のシートを敷いて、その上で出産します。
ビーズクッションを抱え込んで陣痛を逃したり、ソファの上でいきんだり、途中でお風呂に入ったり、お風呂での出産(水中出産)も可能です(助産院によるに事前に問い合わせを)。
分娩室とそこは呼ばれてましたが、入院する部屋での出産も可能です。

産後は母子同室&添い寝。
ここが病院とは一番違うところかもしれません。
病院でも母子同室がどんどん増えているようですが、「体力のなくなった母親が、赤子を落としたりしないように」と、ベットは別々です。
(個人的には、どんなに疲れてても、赤子をベットから落としたりはしないと思いますが……)
また、入院1日目から、などと母子同室になるまで時間が空き、産まれて24時間~2日くらいは新生児室に入れられる場合も多いです。
でも助産院は、出産してから母子が離れる時間は1時間もありません。ずーっと一緒。
おくるみ(ガーゼやタオルケットみたいので、みの虫みたいにぐるぐるまきにされています)に包まれた不思議な生き物を、抱っこして一緒に寝ます。
寝っぱなし(赤子によっては泣いてばっかいるらしい)の赤子を、つっついたり、鼻をつまんだり、ほっぺたをひっぱったり、いろいろします。
このいろいろする期間を「受容期間」と言い、母親は、自分が赤子を産み育てていく、ということを認識する期間です(1週間程度)。
この時間を一緒に過ごせないなんて、かわいそうだなぁって思いました。
泣けばおしめを替え、おっぱいをあげ、抱っこして、寝る。これが本当に幸せに感じるのです。

母子同室でないとどうするかと、決まった時間に起こされ、ぞろぞろと新生児室に行き、決まった時間母乳を与え、また母親だけの部屋に戻り眠るのです(母親談)。
赤子はその決まった時間しかおっぱいをもらえず、それまではお腹が空いたら泣くだけで、泣きつかれたらひとりで寝るのです。
数時間前まで、お母さんのお腹の中で、お母さんの体温に包まれていたのに、産まれてきたらたったひとり。お母さんに抱っこされる時間も限られてる。
そんなの、さみしいと思いませんか。

そんなこともあって、わたしは助産院を選択しました。

次回は、入院生活をご紹介します。
※病院体験はしていないので、病院との比較は、わたしが一度予約した病院や、産んだ人から聞いた病院体験の抜粋です。すべての病院がそうとは限りません。
※助産院や分娩取扱病院は、受け入れ時期が決まっています(初診が30週前後まで、というところが多いし、人気の病院はもっと早く予約でいっぱいになってしまうので気をつけましょう)。分娩を取り扱っていない産科医で検診を受けている時は、早い時期に紹介状を持って出産する病院や助産院へ移ります(ぎりぎりまで検診を受けている病院で検診を続けることもできる場合もあります)。

※2010.11.07 一部、記事を修正いたしました。

2009/04/01 02:49 | 助産院てこんなとこ | No Comments