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2010/01/23

知り合いに。
「専業主婦は税金払ってないんだから仕事じゃない。家でのんびりしてる人間に、控除とかあってムカツク」という趣旨のことを言われた。
世の中一般的によく言われることだし、必死で働いている人からすればそう見えるのだろう。

正直。
妊娠して、学校も辞め、バイトも辞め、ずっと家にいるときは、職業欄に「主婦」と書くのは抵抗があった。
「社会的地位のあるニート」と言ってた事もあるし、今でも冗談で言ったりもするし、職業欄に「主婦」と書くのは、なんだかしっくりこない。
職業、ではないんじゃないかな、と思うからでもある。

サラリーマンが主婦を養っていると税金も控除される。
年金も会社に払ってもらえる。
子育てを自分でしてれば、金銭を得ることもないから、消費への貢献度も低い。
自分自身の労働で金銭を得ていないから、その分の税金も払ってない。
子育ても自分でするから、保育士という雇用の創出にも貢献していない。
さらにうちは母乳で布おむつなので、オムツメーカーにもミルクメーカーにも貢献していない。
主婦はニートかもしれない。

でも、だからと言って、それを体験していない人に言われたくない、と思うのはなんでもそうではないだろうか。

まず、子どもが産まれない社会は縮小していくだけだ。
だから出生率の落ち込んだ先進国はこぞって少子化対策を行った。
ヨーロッパの必死さはすごいじゃないか。
国が成長していくには、子どもは絶対に必要な存在なのだ。
未来への投資なのだから、多少優遇されてもいいんじゃないかとも思う。
日本ほど、子育てに金のかかる先進国はないのだ。
本当に必要なのは、子どもがいるから経済的にプラスする政策、ではなく。
子どもがいてもマイナスにならない社会の仕組み、だと思うのだが。
日本ではまだそういう社会の仕組みにはなりそうにないのだから。

「家事って一日を費やすような仕事じゃない」とも言われたけれど。
毎日掃除機をかけ、クイックルをかけ、洗濯物を干し、たたみ、布団を干し、Yシャツにアイロンをかけ、お弁当を作り、買い物をし、ごはんを作る。
という家事の中に、子どもという存在が入ると結構大変だ。
正直、じゃぁ同じレベルで家事も育児もやってみてください、と思う。
そのうえで仕事をしているなら、何を言われても反論しない。

翻って。
保育園に子どもを入れて親が働き、母乳ではなくミルクで育て、紙オムツをばんばん使い、離乳食はレトルトを使い、子ども服も育児用品も買いまくれば、税金にも消費にも貢献できるし、社会の労働力ともなれるし、雇用の創出もできる。
世の中が資本主義である以上、その方が社会に貢献できるだろう。
が。
それは本当に親子にとって幸せなのだろうか、と思う。
親が離婚して、父親か母親か祖父母に育てられ、保育園で日々を過ごしている子が不幸だと言うわけではない。
両親がいて、母親が専業主婦でつきっきりで面倒見てもらっている子が幸せとは限らない。
でも。私は保育園でいつも母親の帰りを待つのは寂しかった。
帰ってきた母親が、ストレスでイライラしているのは悲しかった。
親が離婚している友達は「やっぱり、父親がいる家庭がうらやましかった」と言っている。
だからわたしは、子どもが小学校に上がるくらいまでの間、専業主婦でいたっていいじゃないか、と思うのだ。

でも、両親が働いているからこそ、私は金銭的には恵まれた生活を送ってこれたのも事実だ。
なんでもそうであるように、何事にもプラスとマイナスが必ずある。
だからこそ仕事をしているから偉いとか、していないから劣っているということはないと思うのだ。
子どもが自分のおかれた環境をどう思い、それが子どもにどんな影響を与えるかなんて、はかりしれないなのだから。

ちなみに。
私の住んでいる埼玉の田舎の市でも、待機児童が多すぎて、フルタイムでも公立の保育園に入れない。
専業主婦の友人は、「働きたいから保育園に入れたいけど、保育園に入れられないから仕事探しもできない。仕事が決まってないから、保育園に入れてもらえない」と。
これが、日本の現状だ。

結局。
仕事をしているから偉いとか、専業主婦だから劣っているとか、ないと思う。
正直、家事と子育てを金銭に換算したらいくら、とかそんなくだらない調査はもういい。
子育ても家事も社会的ないわゆる「仕事」も、みんな仕事で、素晴らしい労働だ、とみんながそういう認識を持てる社会が素晴らしいのだと思う。
そして。
シングルマザーでもシングルファザーでも、主婦でも主夫でも、誰でも。
妊娠や出産、子育てをすることになったときに。
子育てと社会的な仕事を両立するのも、社会的な仕事をしないで子育てをするのも、選べる世の中であってほしいと思う。

関係ないけど最後に。
JunkStageの代表と明け方にメールをしていた時に。
彼女は仕事で起きていて、私はおっぱいで起こされたついでに起きた午前3時半。
「主婦って、専門職だよね。わたしにはできない」と言われて。
死ぬほど働いている彼女の言葉だけに、すごく嬉しかった。

2010/01/23 12:05 | 母はまじめに考える | No Comments