Home > 助産院てこんなとこ

2009/04/14

①出産 はこちら。

わたしの産んだ助産院の食事の基本「おっぱいに良い食事」。
マクロビオティックの考え方を取り入れている(厳密なマクロビオティックではない)、と言われていました。
マクロビオティックは地産地消と玄米菜食が基本。精製された砂糖・動物性食品は排除したベジタリアン的な食事というのがイメージしやすいでしょうか。
というわけで、産後の体力を消耗したわたしに(普通に元気でした(笑)どんな低カロリーなヘルシーご飯を食べさせるんだ、と思っておりました。
が、マクロビオティックとか精進料理のレシピを見たことがある人はご存じと思いますが、揚げ物があったり、肉の代わりに大豆製品や豆類、穀物、芋類がふんだんに使われて結構ボリューミー。
最初の2日間は魚も出たし(厳密なマクロビオティックは動物性タンパク質はとりませんが、前述の通りマクロビオティックの考え方を取り入れた”おっぱい(母乳)に良い食事なので、お魚もでていました)、夕飯は手作りデザートが出る。
大まかに、朝はお味噌汁とご飯とお漬物と魚(朝ごはんの写真を撮るのを忘れてました……)
昼は麺類。(写真のメニューはペンネ・アラビアータとグレープフルーツゼリー)
p1010173.JPG
夜はご飯、汁物、主菜、副菜2品、デザート。
yuuhan.jpgdesert.jpg

部屋はこんな、普通のお家とかわりません。
p1010172.JPG
埼玉県の田舎にあるので、窓からの景色はこんな感じ。
p1010171.JPG

面会時間は13時~20時と長く、しかも身内だったら20時すぎても大丈夫という感じ。非常にゆるーい。

入院生活は、赤子が泣いたらおむつを替え(布おむつで、やり方を教えてくれる)、おっぱいをあげ、あやし、赤子をつっついたり鼻をつまんだりして遊ぶ(これはわたしだけかも)。
その間に、午前中にシャワー。(水中出産用にお風呂場は広く、湯船はその真ん中に添えつけられている。湯船の大きさは普通)お昼過ぎに赤子の沐浴(お風呂)。
それがあるだけで、いたって暇。
赤子と共に昼寝をしたり、本を読んだり、テレビを見たりと、まさに食っちゃ寝生活(しかもごはんがおいしい)。
掃除も洗濯もないし(あ、家でも旦那様がやってくれてるわ(笑)、ご飯を作る必要もない。
相手をしなきゃいけないのは赤子のみ。
来てくれた友達としゃべったり、差し入れのお菓子をいただいたり。楽しかった。また入院したい(笑)

でもさすがに、母乳で血液をとられ(母乳も牛乳も原料は血液です)、悪露で出血しているので、頭が回転しない。
本も持って行ってのだけど、いかんせん北方謙三の「三国志」だったもんで、当然ながら名前も漢字、地名も漢字。しかも中国だから日本では見かけない組み合わせや、日本にはない漢字のオンパレード。結局読む気にはなれず、天然生活を眺めてました。

わたしの入院期間は3泊4日。日曜日に出産し、木曜日には退院。
初産だと(産んだ日から)4泊5日がその助産院ではスタンダードなのだけど、母乳も売るほど出てたし元気いっぱいだったので、早めの退院となりました。
(実際は、金曜日の夜に一度入院して土曜日の昼に中抜けし、再び土曜の夜から入院しているので6泊になるのですが)

そして嬉しかったのは、入院中に毎日助産師さんが脚のマッサージをしてくれるのです。
食後、赤子が沐浴が終わり、おっぱいを済ませ寝た後、マッサージタイム。
15分~20分、ゆっくりといろんな話をしながらマッサージ。
そのあとそのままお昼寝。至福でした。

夜は助産師さんが泊まり込んでいるのでいろんな話をしたり。
わたしの時はひとりでしたが、他に入院してる人がいる時は一緒にご飯を食べたりおしゃべりしたりと親交を深め、末長い友達になることも多いそう。

さらにラッキーなのが最終日に、「おむつなし育児」「EC」「トイレット・コミュニケーション」「0歳児トイレ」とかいろいろな呼び方をされている「0歳からトイレでうんちとおしっこをしてもらおう」という教室(?)みたいのに参加できたこと。
この助産院で出産し、実際に6ヶ月の息子さんをトイレでうんちをおしっこをさせているお母さんのお話をきけたのです。
毎月第2木曜日にはじめることになったその集まりの一番最初に、たまたま参加できたのです。
そこで思ったのが…赤子、でかい(笑)
みなさん6ヵ月~1歳くらいと、先輩ばかり。当然、はいずり回るし、首もすわってるし、ひとりですわることもできる。
産まれたてで、地球にいきなりおっこってきてしまった宇宙人みたいに不安げな我が子と比べると、もう立派な人間。
6ヵ月で体重が3倍増するので当然ですが。

※2010.11.07 一部、記事を修正しました。

05:11 | 助産院てこんなとこ | ■助産院てこんなとこ② 入院生活編 はコメントを受け付けていません
2009/04/01

わたしが病院ではなく、助産院で出産しようと決めたのは「分娩台よ、さようなら」という本を読んだからです。
「明日香医院」という産院を営んでいる産科医の著書です。
最初は、自分も産まれた地域周産期医療センターに指定さている、大きな総合病院での出産予定で、予約もしました。
元々、帝王切開も会陰切開も嫌でしたが、「赤子に何かあるよりマシ」という考えでした。
ですが、その本を読み、「絶対、自然出産したい」と思い、通院していた病院で助産院を紹介して。
そんな思いで足を踏み入れた助産院での出産・入院生活をご紹介します。

まず、助産院で扱えるのは「自然分娩」であること。昔は逆子も出産できましたが、現在はできなくなってしまいました。(そのため、逆子はほぼ帝王切開です)
そのため、助産院で扱えるお産は制限があるので、近隣の分娩を扱っている病院と提携し、万一の場合に備えています。
そして「安産のための努力」をしなければいけません。
病院では、太ろうが、体力がなかろうが、帝王切開を始めとしたいろんな医療技術で母体から赤子を取り出すことができます。
助産院ではできません。母親が自力で、赤子を産みだすしかないのです。30時間陣痛が続いて眠れない・食べられないという状況だったとしても。
だからこそ、産める体力・太り過ぎないなどのために、食生活や運動を病院より強く勧められます。
基本的には歩くことと和食。プラスαで、ヨガなどの体をリラックスさせ、柔軟性をアップさせる運動を取り入れているところが多いようです。
前述の本では「1日3時間のウォーキング」が推奨とされいました。わたしの出産した助産院でも、「1日1時間」と言われました。

なんでそんなに歩かせるかというと、昔と比べて格段に運動量が落ちているからです。お産は体力を使います。陣痛を逃し、いきんで赤子を産みだすのには、全身の力を振り絞ります(慣れればそうでもないのでしょうか)。
しかし、現代人は歩かないし、柔軟性も低く、お産には向かない体になっているのです。
さらに食事は高タンパク・高脂肪・高カロリー。妊娠したからと好き勝手食べて、ごろごろ寝てればあっという間に妊娠中毒症か、体重オーバーです。
(わたしは食っちゃ寝してましたが、出産当日のお風呂あがりに量った体重が妊娠時と同じという、非常にまれなケースでした)

そういうわけで、助産院で産むには「自然出産するぞ」という意気込みが必要です。多少なりとも食事に気をつけ、歩いたりストレッチしたりと、努力も必要です。
わたしも毎日歩いてはいませんでしたが、多少なりとも食事には気をつかいましたし、ストレッチは毎日してました。

さて。ここからはわたしの出産した助産院の話。
多くの助産院には、分娩台はないようです(わたしが調べた限りでは)。分娩台とは、テレビなので出産する時に妊婦が乗っている、あの恥ずかしい台です。
じゃぁどこで産むかというと、普通の部屋です(笑)
普段は6畳くらいの部屋にソファがあって、オーディオがあって、ラグのようなものが敷いてある、ごくごく普通の部屋です。
出産時はラグの上に、防水と保温効果のある銀色のシートを敷いて、その上で出産します。
ビーズクッションを抱え込んで陣痛を逃したり、ソファの上でいきんだり、途中でお風呂に入ったり、お風呂での出産(水中出産)も可能です(助産院によるに事前に問い合わせを)。
分娩室とそこは呼ばれてましたが、入院する部屋での出産も可能です。

産後は母子同室&添い寝。
ここが病院とは一番違うところかもしれません。
病院でも母子同室がどんどん増えているようですが、「体力のなくなった母親が、赤子を落としたりしないように」と、ベットは別々です。
(個人的には、どんなに疲れてても、赤子をベットから落としたりはしないと思いますが……)
また、入院1日目から、などと母子同室になるまで時間が空き、産まれて24時間~2日くらいは新生児室に入れられる場合も多いです。
でも助産院は、出産してから母子が離れる時間は1時間もありません。ずーっと一緒。
おくるみ(ガーゼやタオルケットみたいので、みの虫みたいにぐるぐるまきにされています)に包まれた不思議な生き物を、抱っこして一緒に寝ます。
寝っぱなし(赤子によっては泣いてばっかいるらしい)の赤子を、つっついたり、鼻をつまんだり、ほっぺたをひっぱったり、いろいろします。
このいろいろする期間を「受容期間」と言い、母親は、自分が赤子を産み育てていく、ということを認識する期間です(1週間程度)。
この時間を一緒に過ごせないなんて、かわいそうだなぁって思いました。
泣けばおしめを替え、おっぱいをあげ、抱っこして、寝る。これが本当に幸せに感じるのです。

母子同室でないとどうするかと、決まった時間に起こされ、ぞろぞろと新生児室に行き、決まった時間母乳を与え、また母親だけの部屋に戻り眠るのです(母親談)。
赤子はその決まった時間しかおっぱいをもらえず、それまではお腹が空いたら泣くだけで、泣きつかれたらひとりで寝るのです。
数時間前まで、お母さんのお腹の中で、お母さんの体温に包まれていたのに、産まれてきたらたったひとり。お母さんに抱っこされる時間も限られてる。
そんなの、さみしいと思いませんか。

そんなこともあって、わたしは助産院を選択しました。

次回は、入院生活をご紹介します。
※病院体験はしていないので、病院との比較は、わたしが一度予約した病院や、産んだ人から聞いた病院体験の抜粋です。すべての病院がそうとは限りません。
※助産院や分娩取扱病院は、受け入れ時期が決まっています(初診が30週前後まで、というところが多いし、人気の病院はもっと早く予約でいっぱいになってしまうので気をつけましょう)。分娩を取り扱っていない産科医で検診を受けている時は、早い時期に紹介状を持って出産する病院や助産院へ移ります(ぎりぎりまで検診を受けている病院で検診を続けることもできる場合もあります)。

※2010.11.07 一部、記事を修正いたしました。

02:49 | 助産院てこんなとこ | ■助産院て、こんなとこ① 出産編 はコメントを受け付けていません