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2009/08/31

8月30日の総選挙の結果は、コミュニケーションの戦略論から見て興味深い。kaisan

なぜ勝った党はここまで大勝できたのか。いろんな分析はすでに存在しているが、明らかに「誘惑」のコミュニケーションが人々の新しい行動を生んだのだ。保守党支持者の3割以上が、政党として今回勝利した党を選択したそうだ。もともと支持している政党があるにもかかわらず、今回だけは「誘惑」されたのだ。

「政権交代」という誘惑のキーワード。

以前からここで解いているように、誘惑と説得は、まったくちがったコミュニケーション戦略だ。そのちがいを理解しないまま、選挙民を「説得」しようとする人が、政治家が、多すぎる。「誘惑」は、ここではない、別のところに、一緒に行ってみようよ、と提案することなのだ。決して、理屈や論理で相手の意見を変えることではないのだ。だから、選挙行動に、マニフェストの精緻さ、論理的正しさ、は本質的には無関係であるはずだ。マニフェストの細部にわたって検討し、その不足部分に関してコメントをする識者をたくさん見かけたが、それ自体は、選挙結果には影響は微細だったろうことは予想できる。

チェンジ。

アメリカが歴史上初めて黒人大統領を選択したのと同じコンセプトに、「誘惑されたい」人々がおおかったことが、こうした結果を招いたのだというのは、多くの人が実感として持っていることだろう。

決して、私たちの党を積極的に選択したのではない。それは理解している。
そう語る党の議員がいたことに、ほっとしている。

誘惑することに長けた人が中心にいて、誘惑すること、ここじゃないところへ行こうと呼びかけることだけに集中したコミュニケーションプランナーがいて、今回の結果がある。だからこそ、思うのは、誘惑した側の責任と、誘惑された側の覚悟。前者はいうまでもなく、これから幾度となく語られるだろうから他の人に任せるが、誘惑された側、つまり国民の側にも、覚悟が必要だ。合意の上であれば、強要罪は成立しない。どこにつれていかれようとも、自分の身は自己責任である。誘惑とは、誘惑する側もどうなるかわからない世界に飛び込んでいくということ。それをとやかく言うのは、誘惑された側がすることではない。

ともに、今ここではない、未知の楽園を目指して、手を取り合って、前に進むしかない。誘惑されて、それにのってしまったのだから、一度は行くところまで行ってしまわないとね。どこへ連れてってくれるのかな。新しい彼氏、彼女はどんな素敵なデートをしてくれるのかな。わくわくしながら、明日から過ごせるといいね。