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2009/04/06

四月ということで、「花」に関する言葉をいろいろ集めてみた。

 

■「願わくは、花の下にて、春死なん」西行法師
平安時代の歌人、西行(1118-1190)は、天才肌の詩人だったという。
若かりしころは武士だったが、その道を捨てて出家。
諸国を遍歴し、さまざまな歌を残した。
そして上の歌の通り、1190年の2月16日(旧暦)、桜の季節に逝去。
この桜の時期になると、いつもこの西行の歌を思い出す。

 

■「花酒」
与那国島で作られる泡盛。度数はなんと60度。
与那国の神事で古来より用いられてきた酒らしい。
沢木耕太郎は「これほど美しい名前の酒はない。だがその名前の割りに強すぎる」と、
名称とその度数のチグハグさを称えた。
先日、この花酒を飲む機会があった。
度数に比べ意外に飲みやすく、その透き通るような可憐さに驚いた。

 

■「春に花、夏に星、秋に月、冬に雪。それで充分酒は美味い」
昔読んだ少年漫画の中の一セリフ。
当時はまだ酒を飲めない年齢だったが、なぜか心に残った文句だった。
今酒をよく飲むようになってしみじみと実感する。
確かに、日本はすべての季節に、美しいものがある。
四季の変化は、やっぱりすばらしい。

 

■「花の色はうつりにけりないたづらに
 わが身世にふるながめせしまに」

長雨が降る間に花の色は移ろい衰えた。私もまた、物思いにふける間に、
美しかった姿も衰えてしまった----
平安時代美人の代表、小野小町の代表歌。
桜は散る。桜は美しさの代名詞であるとともに、散りゆく儚さの表現でもある。

 

■「勧酒」の歌
「この盃を受けてくれ
 どうぞなみなみつがしておくれ
 花に嵐のたとえもあるぞ
 さよならだけが人生だ」

晩唐の詩人于武陵の「勧酒」という漢詩を、井伏鱒二はこう訳した。
漢詩では最後は「人生別離足る」(人生は別れが多い)となっている。
それを「さよならだけが人生だ」と書いた井伏。
歓送迎会の多いこの時期、ふと口ずさみたくなるフレーズだ。

2009/04/06 02:39 | <エッセイ> | No Comments

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