« | Home | »

2009/03/03

さて、前回は、世界天文年や太陽系惑星定義(冥王星事件)について触れましたが、皆さんが住むこの太陽系も新たな局面を迎えようとしています。そんな記事を特集した「ニュートン(Newton) 4月号」”新太陽系” が全国書店で発売中です。ニュートン4月号の中では、現在我々が取り組んでいるプロジェクト「パンスターズ(Pan-STARRS)」についての記事が掲載されています。世界中の天文学者が注目する画期的な巨大プロジェクトなのですが、こんな面白いプロジェクトに参加していない日本ではあまり知られていないので、今回ニュートン編集部が取り上げてくれたことで、国内でも認知度が上がると期待しています。

Newton April, 2009

小生は、同インタヴュー記事に登場する、ロバート・ジェディキ教授(ハワイ大学天文研究所)らといっしょに、太陽系移動天体処理ソフトウェアー「MOPS」に関する仕事を行っており、記事中には小生(阿部新助)の名も何度か登場しています。カナダ人の彼は、元アメフト・プロ選手、元ソフトウェアーエンジニアという異色の経歴の持ち主で、強靭な肉体とリーダーシップでチームをまとめています。つい先週は、彼を含む外国人研究者6名を台湾・國立中央大學に招待して「パンスターズ・太陽系国際ワークショップ」を開催し、成功裏に終えました。

PS1 SS Workshop in Taiwan太陽系を塗り替える面々。(中央奥が筆者)

台湾は、国際協力のやり方がうまくて、世界中の巨大プロジェクトに投資をしながら、参画しています。これは、相手方ブランド(OEM)のパーツとしてシェアを広げてきたパソコン市場への台湾の参入方法に似ていると感じます。例えば、同ニュートン誌に掲載されている「すばる望遠鏡次世代主焦点カメラ HSC(協力; 宮崎聡准教授(国立天文台))」についても、昨秋に台湾・中央研究院天文及天文物理研究所(ASIAA)が巨額を負担し、国立天文台-台湾(ASIAA)-プリンストン大学の共同プロジェクトに進展しました。お陰で我々も台湾側の太陽系メンバーとして(日本側の太陽系代表; 吉田二美博士(国立天文台))参加できることになりました。口径8.2メートルのすばる望遠鏡と、世界最大となるCCDの組み合わせにより、広範囲を26〜28等級の暗さまで観測を行います。いよいよ本当の太陽系の果てであるオールト雲天体も検出できるのではと考えています。先行するパンスターズでの経験を生かして貢献したいと考えています。

さて、ニュートンの同記事の協力者に名を連ねる木下大輔さんは、大学院時代(総合研究大学院大学/国立天文台)の同じ研究室の後輩であり、5年前に台湾に渡り既に流暢な中国語(國語)を話す彼と共に、台湾の太陽系をリードしていっしょに仕事をしています。我々の先頭に立つ國立中央大學・天文研究所のイプ教授(前副学長)は、米国、ドイツにおいて、宇宙プラズマ、天体力学に関する太陽系科学の第一線で活躍してきた研究者で、アジアで最も有名な(Nature,Science論文数が最も多いアジア人)太陽系・天文学者です。今回のニュートン「新太陽系」を監修している渡部潤一准教授(国立天文台)は、阿部&木下の大学院時代の共通のボス(生活指導までして頂いたので、我々は「親方」と呼んでいる)であり、「新太陽系」特集記事・協力の向井正教授(神戸大学大学院理学研究科)は、昨年まで在籍していた神戸大学でのボス、そしてハワイでのボスがロバート・ジェディキ教授です。更に、ニュートン編集長の水谷仁さん(元ISAS教授)とは、宇宙研時代に同じ固体惑星グループにて懇意にさせて頂いていました。

研究の内容も然ることながら、こんな素晴らしい人々との繫がりの輪に加わり、最もエキサイティングな太陽系の知の最前線で仕事ができることに感謝しつつ、パイオニア的な成果を出せるように邁進したい!

追伸、

12月中旬から毎朝8時から大學の中国語の授業を受けている。毎日2時間の受講で2ヶ月が経過したが、なかなか話すレベルには到達しない。以前、チェコに住んでいた時は、プラハにあるチェコ語の夜間学校に3ヶ月ほど通った経験があり、言語を学ぶコツは知っているのだが、なかなかそれに割く時間がないのが悩ましい。当初6名いた外国人受講生は、小生を含め2名にまで減ってしまった。まあ、地道に頑張っていこうと思う。

言葉もままならない状態ではあるものの、台湾で車を購入した。鈴木SWIFT(1500cc, 2006年式)。鈴木は、生産を台湾国内で行っているので、サポートなども充実している。スクーターの嵐に囲まれ、日本では考えられないような(危険で暗黙の)交通ルールに従いながら、果敢に運転している。人生4台目の愛車(全て中古車、SWIFTは初のオートマ車)で、台湾生活をますます楽しめそう。。

Suzuki SWIFT

Peugeot 206 S16Skoda FeliciaCallora FX-GT

2009/03/03 05:33 | 台湾, 天文・宇宙 | 2 Comments

Trackback URL
Comment & Trackback

太陽系を塗り替える人々…

JunkStage記事へ (more…)

[Misc]愛読書のNewtonを読んでいたら…

Newtonとの出会い どうでもいいけど、中学校からNewtonという科学雑誌を愛読してたんですよ。 Newton (ニュートン) 2009年 04月号 [雑誌] 出 (more…)

Comment




XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">