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2008/09/26

こんにちは! Dobry den! 你好! Aloha!

このたび「Junk Stage」須藤優代表のお目に留り綴らせて頂くことになりました、宇宙人・Earthkindの阿部新助(あべ しんすけ)と申します。

さて、いま僕は、直径が1万2千800km、円周約4万kmの地球(テラ)という惑星にいる。この地球は、直径140万kmの太陽という恒星から1億5千万km離れたところを、時速10万kmで回っていて、1年(365.25日)で太陽の回りを一周している。同じように太陽を回る8つの惑星(水金地火木土天海)で構成される太陽系は、直径が10万光年(光の速さで10万年)の銀河系の中心から約3万光年のところを、時速80万kmで回っていて、約2億年で一周している。宇宙は137億歳、銀河系は136億歳、そして太陽や地球は46億年前に誕生した。およそ400万年の歴史しか持たないホモサピエンスは、時間的にも空間的にも、宇宙には全くかなわない、本当にちっぽけな存在である。宇宙の誕生から今日までを1年間のカレンダーにすると、ホモサピエンスが誕生したのは、ちょうど紅白歌合戦が始まった、大晦日も終盤の頃なのである。

そんなちっぽけな宇宙の赤子であるホモサピエンスの中に、自分たちを遥かに超越した宇宙の生い立ちを探ろうとする人種がいる。そんな探求の世界で職を得て暮らしている人種を「天文学者(astronomer)」と呼ぶ。昔は、人々の生活を支える暦を作ることや、星占いも天文学者の仕事だったが、暦を作る公の機関はもはや存在しないし(日本の国立天文台は、サービスで暦を提供している)、そもそも星占いは疑似科学であって、現代の天文学とは切り離されている(個人的には、ネットや雑誌で見かける星占いがついつい気になって、一喜一憂しているけれど)。

さて、僕は天文学者(astronomer)である。どうして、どうやって天文学者になったのかという話は、またの機会に紹介するとして、僕はどうにか天文学で博士号(Doctor)を取り、宇宙を舞台にした仕事で飯を食っている。日本の宇宙機関(ISAS/JAXA)、チェコの天文台、神戸大学・地球惑星科学専攻などで期限付きの常勤・非常勤職を2年毎に転々とし(その間、NASA/SETIのミッションなどにも参加しながら)、2008年春に台湾・國立中央大學・天文学研究所の教員として赴任した。教員といっても、現地語(台湾は繁体中国語と台湾語が共通語)はまだ話せないので、大学院生に英語での指導は行うが、当分は授業を持たない研究・教授職(Assistant Research Professor)である。

NASA/USAF at Edwards Air Force Base

[1999-2002 NASA国際航空機しし座流星群観測ミッション発射@エドワーズ空軍基地にて]

人口1000人のチェコ・プラハ郊外で過ごした2年間の後(この村ではチェコ語しか通じなかった)、150万都市の神戸・六甲山麓で2年間暮らした。余りにも便利でモノに溢れる日本。日々の生活に溢れる無駄を痛切に感じた。日本帰国中は、JAXA宇宙科学研究本部(ISAS)主導の小惑星探査機「はやぶさ」の臨場感溢れる特等席に座る幸運に恵まれ、地球から3億km彼方に浮かぶ「小惑星イトカワ」を通じて、数々の貴重な成果と経験を得る事ができた。

Hayabusa mission

 [世界初の小惑星サンプルリターンミッション・HAYABUSA, ISAS/JAXA]

「二番煎じではなく、いつも最前線でパイオニアとして宇宙と向き合いたい」という思念と共に、2008年春、僕は再び日本を飛び出していた。台北から40km、鉄道とバスで1時間余りの桃園縣中歴市に國立中央大學はある。中国語はまだ少ししか分からないが、親日台湾の田舎町で、日々激安で美味い飯を食って元気に頑張(戦)っている。スノッブな神戸も良かったが、整然とした都会より、生活感溢れる田舎町の方が生きている感じがして楽しい。生活の刺激以上に、ここはサイエンスの刺激にも溢れている。5年500億元(1700億円)プログラムに採択されている國立中央大學で、天文・物理分野は中核を担っており、海外からの研究者も頻繁に訪れる。

Lulin observatory, NCU, Taiwan

[台湾・鹿林天文台で観た天ノ川(ミルキーウェイー)]

こんにちは! Dobry den! 你好! Aloha!」、これらは、僕がこれまで住んできた(住んでいる)場所での一般的な挨拶である。日本語、チェコ語、中国語、ハワイ語。Aloha!?、そう僕は今、ハワイ・ワイキキの常夏の青空の下でこの文章をしたためている。ハワイ大学・天文研究所(IfA; Institute for Astronomy, University of Hawaii)は、ハワイ島マウナケア山頂(標高4200m)やマウイ島ハレアカラ山頂(標高3300m)に世界最大の望遠鏡群を有し、様々な宇宙プロジェクトが進行し、世界の頭脳が集う天文学のメッカとして知られる。そして今、世界中の天文学者が注目しているのが、「Pan-STARRS(パンスターズ)」という全宇宙サーベイ・プロジェクトである。このプロジェクトは、国際共同プロジェクトであり、台湾・國立中央大學は、米・英・独・台の4ヶ国からなるコンソーシア(consortium)メンバーに参画している。残念ながら日本はこのプロジェクトに参加していない。僕が台湾を選んだ大きな理由の一つでもある。台湾へ来てまだ半年だが、既にその1/3をハワイで過ごしている。そして、時々古巣のチェコ&欧州を訪れて、天文学と音楽や芸術を楽しんだりしている。

さて、改まって簡単に自己紹介をしましたが、今後は、世界の空を追い続け旅する天文学者の、宇宙と地球を行き来する日常(読者にとっては非日常?)を紹介する予定です。宇宙の話やマニアな話も出てきますが、回顧録を含め、多方面の四方山話が飛び出すと思います。

ほな、よろしく!  Mahalo!

Pan-STARRS
[来春始動の全天高速サーベイ・ミッション「Pan-STARRS(PS1) パンスターズ」]

2008/09/26 12:36 | チェコ, ハワイ, 台湾, 天文・宇宙, | No Comments

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