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2010/12/05

小惑星に由来する物質を地球に持ち帰った世界初の快挙を称えて、 2010年12月2日、内閣府にて、はやぶさプロジェクト(宇宙航空研究開発機構、JAXA)及び約120の企業・大学等から構成された支援チームに、宇宙開発担当相、文部科学相からそれぞれ感謝状が贈呈されました。神戸大学の中村昭子准教授が、(我々)支援チーム代表として賞を頂いたそうです。

私は2001年よりJAXA/ISASにて、はやぶさ搭載機器の開発より携わってきましたが、実際に小惑星に到着した2005年当時は、神戸大学大学院自然科学研究科にポスドクとして所属していましたので、神戸大学チームとして受賞しました。神戸大学は、はやぶさ搭載のLIDAR(レーザ高度計; 小惑星までの距離を測り探査機の位置を計測したり,小惑星表面の粗さ凸凹を調べる装置)のサイエンス代表を向井正教授(現名誉教授)が担当しており(LIDARの開発・工学代表はJAXA/ISAS 水野貴秀教授)、私もLIDARおよび開発より携わってきたNIRS(赤外線分光器; 小惑星表面の鉱物組成を調べる装置; 代表JAXA/ISAS 安部正真准教授)を担当しました。神戸大学が筆頭著者になったLIDAR論文も HAYABUSA SCIENCE特集号(2006年)に出版されています。

Science_Kobe

神戸大学&会津大学&JAXA/ISAS&NECメンバーで構成されたLIDARチーム。下線は神戸大学関係者。

また、LIDARデータを、NASA惑星科学データシステム PDS(Planetary Data System)準拠に対応させる作業も我々のチームで行い、NASAに無事に受理されて2008年より公開されています。

賞状1 賞状2

感謝状。宇宙担当開発相(左)、文部科学省(右)

このような賞を頂けることになったのは、最後まで諦めずに探査機を地球帰還へ導いた「はやぶさチーム」の粘り強い努力と、取得された極微量の塵が小惑星イトカワ由来だと特定したサンプル分析チームの成果によるものだと思います。大変ありがたい賞を頂き、本プロジェクトに携われたことを誇りに思います。この経験が、今後の太陽系小天体探査プロジェクト(ポストはやぶさミッション)へ速やかに繋がり世界をリードし続けると共に、我々が得たモノを次の世代に引き継いで行ける機会が得られることを心より願います。

20年前、小惑星は惑星に成れなかったただの路傍の石ころだと思われていましたが(少なくとも自分はそう思っていた)、最近の研究からは力学的にも物質的にも波乱に満ちた変化を現在も受け続けている、太陽系の太古の記憶を秘めた宝石(ロゼッタ・ストーン)であることが分かってきました。宇宙船での往復技術を手にした我々日本人は、いままさに黄金期を迎えようとしている太陽系大航海時代の先駆者になろうとしているのです。益々の応援をよろしくお願いいたします。

2010/12/05 01:07 | 天文・宇宙 | No Comments

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