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2010/07/31

我々研究者の日常は、研究にだけ没頭している訳ではなく、学生の面倒(授業も含めて)、ビジターの面倒、様々な書類執筆(外部資金調達、観測時間獲得など)、会議・会議・会議、合間にメール処理と、なかなか集中して研究する時間がないものである。かつて文豪は、温泉宿などに籠り集中して筆を走らせた。温泉街は、温泉以外にも食や自然の楽しみもあり、気分転換にもなっただろう。実は、我々もこれを真似て「論文執筆合宿」なるものを時々開催する。昨秋は、台湾の清泉温泉という温泉街のユースホステルを貸し切って論文合宿を開催した。ここは、新竹市から(直線距離では)さほど遠くないので、小生が選んだのだが、実際にはかなりの山奥であった。それもそのはず、到着して知ったのだが、なんと「張學良」が幽閉されていた温泉だったのである。現代においてもそこは隔絶された世界であった。インターネットの無い3泊4日の滞在中は、自炊しながら、温泉と自然の景観を楽しみながら論文執筆に没頭できた。原住民の住む村であったため、我々の滞在が珍しかったのだろう、地元の子供達が集ったので、彼らを招き入れて持参したPCプロジェクターを使って「ロケットの打ち上げ(MV-5号機)」映像を見せてやった。子供達の驚きようは、今でもよく覚えている。

論文合宿

さて、5年に一度の自動車免許更新のため、8月9日の誕生日前後1ヶ月の間に手続きをする必要があり、日本へ一時帰国する計画を練っていたところ、国立天文台の渡部潤一さん(博士課程の時の親方=指導教官)から、論文執筆合宿の案内が届いた。開催場所が「会津大学」ということで、すぐに参加することを決めた。理由 (1) 会津にはまだ行った事がない、(2) 宇宙研や「はやぶさ」でいっしょだった共同研究者が沢山いる、(3) 温泉がある。ところが年度末(台湾では、7月は年度末)だっため、研究費がないので自費で行く事にしたのだが、渡部さんのご好意で、会津のご実家に宿泊することができ、大変助かった。7月25日、東京駅初の高速バス「白虎」に乗車。会津まで2500円ポッキリである。
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会津到着は、土用の丑の日の前日ということで、神戸大の時の同僚の平田成さんの案内で、鰻の老舗「えびや」で久々に蒲焼きを楽しんだ。ちなみに土用の丑の日は、鰻供養のため営業していないので絶好のタイミングであった。スタミナをつけ、いよいよ論文合宿開始である。ホストになってくださったのは、会津大学の浅田智朗先生・出村裕英先生率いる惑星科学の面々である。ネットワーク(寺薗淳也先生担当)、珈琲などが用意された教室を貸し切り、各々の宿題/論文執筆が開始された。開始に先立ち、各自の目標が掲げられた。この目標に日々の達成度を記していくのである。窓の外は、会津磐梯山の頂きが浮かんでいる。

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執筆、執筆、執筆、ひたすら執筆。。。のはずであったが、会津の先生方を交えてのミーティング、国立天文台-神戸大-台湾を繋いだビデオ会議、米国と繋いだSKYPE会議と幾つかの有意義なミーティングもこなした。インターネットは無いと不便だが、あるとやはり執筆効率は落ちる。特に最近は、ツイッターやmixi、Facebookなどなど、全くもってネット無しの生活は考えられない。さらに毎晩、会津の美味と美酒を楽しみ、東山温泉でまったりするなど、すっかり満喫してしまった5日間となった。それにしても、毎晩よく飲んだなぁ。。さて肝心の執筆の方は、(1)「地球の果てでハヤブサを迎える」を惑星地質ニュース巻頭記事として投稿、(2)「潮汐分裂小惑星の発見」をネイチャーに投稿した。記事と筆頭論文を仕上げる事ができたので、一応の目標は達成。特にNature論文は、春先から取り組んでいた国際協力の紆余曲折あった論文なので、ようやく肩の荷がおりた(あとは朗報を待つのみ)。

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最終日は別の〆切の文章作成が終わらず、結局、会津観光をせずに後ろ髪を引かれる思いで帰路に付いた。「集中講義」を頼まれているので、また近々会津を訪れる日があることを期待したい。

さて、今日(7月31日)は、宇宙科学研究所の一般公開に足を運ぶ。Junk Stageの皆さん方を案内する予定である。一般公開初日の昨日は、はやぶさカプセルに2時間待ちの長蛇の列ができたそうで混雑は必至。一日がかりの見学会になるだろう。

2010/07/31 06:43 | , 美酒・美食 | No Comments

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