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2008/11/17

お盆過ぎにハワイに来たので、ちょうど3ヶ月が過ぎた。その間、台湾とニューヨークをそれぞれ1往復したが、あっという間にハワイを去る日がやってきた感じである。前回は、今年の5月末から1ヶ月間、ハワイ大学の更に高台に位置するマノアに滞在した。今回は、憧れの地「ワイキキ」のビーチに近いホテル21階のコンドミニアムを借りて滞在。ハワイは世界で一番家賃が高いそうだが、特に半年以内の短期滞在者には、州税(4.712%)の他に7.25%の税金が課せられるので、合計12%の家賃に対する税金を支払う義務がある。ちなみに僕の場合、毎月$1800(約18万円)の家賃を3ヶ月間支払った。滞在費を浮かすため、ワイキキからハワイ大学天文研究所への往復12kmの道のりを、$100で購入した自転車で汗だくになって通い続けた(自転車は、ハワイを去る朝に$50で売却)。最初は30分近く掛かっていた標高差100mの往路も、18分にまで短縮。スコールに打たれることも時々あったが、マノアの山々を眺めながらオフィスへ向うのは気持ち良い。

とにかく、ワイキキやアラモアナ・ショッピング・センター界隈のマジョリティーは、日本人である。ショッピングや観光、シュノーケリングやダイビングなどのビーチ・アクティビティーやゴルフなどで存分に楽しめるハワイは、短期旅行者にとっては「常夏のパラダイス」というのも頷ける。僕も最初の2ヶ月くらいは、毎週末オアフ島の何処かしらのビーチへ繰り出していたが、そのうちに飽きてきてしまい、最後の1ヶ月の週末は「ウクレレ」に没頭していた。ハワイ産のコナの木で作られたセニーザ(Seniza)のスタンダード・ウクレレを購入し、10回ほど無料レッスンにも通い、毎日練習を重ねて、ウクレレ・ソロを人前で演奏できるまでに上達した。更に精進して、講演で弾ける「ウクレレ・天文学者」を目指してみたい。

毎日、常夏の青空が続いていたハワイだが、湿度が低く常に心地よい風があるので、一度も冷房は使わなかった。ところが、9月下旬ころから徐々に気温は下がり、湿度は上がり、天気も曇りがちになって、降雨の回数も増えた。ハワイ島のキラウエア火山からの火山灰で空が霞む、foggy(霧)ならぬvoggy(火山性霧; volcanic foggy)の日は、山々が青く霞んでた。紅葉のような劇的な季節変化こそないが、僅かな季節の移り変わりを肌で感じた。滞在中、本場のハロウィーン(Halloween)も初めて体験することができた。全く準備をしていなかったので、寝巻き代わりにしている龍の絵柄の作務衣を着て、ハワイで入手した日本刀(Made in China)を腰に据えた即席の侍となり、ワイキキのハロウィーン・パレードに参加した。小中高と剣道をやっていたのだが、剣を握ったのは実に久々である。侍仮装は、観光客らに何度も声を掛けられ写真を撮られたので、なかなか好評であったと思う。

さて、前回滞在の最後の週末に、オアフ島西部のナナクリ・ビーチで、ブギーボードごと大波に飲まれた。海底に叩き付けられて腹部を強打し、ほとんど気を失いそうになった。海底で波に揉まれている間、意識を失わないように、必死に心の中で数を数えた。カウント20くらいで、次の波に飲まれる前に幸運にも近くにいた地元の巨漢に救助された。肋骨2本にヒビ、更に膝も痛めた。耳の奥には、1ヶ月間も大量の砂粒が詰まっていた。肋骨が痛くて帰りの飛行機にも乗れずに、ハワイに1週間延長滞在してから台湾へ戻ったのだった。しかし、肋骨よりも重傷だったのは、膝の怪我だった。台湾の接骨院で、中国式吸玉治療法を10回以上も施された。そして、5ヶ月経って、ようやく走れるまでに膝が回復した。ナナクリ(Nanakuli)とは、ハワイ語で「膝を見ろ」という意味を後で知った。

そんな前回の大怪我もあり、トラウマになりかけていた「波」だが、職場の同僚サーファーらの助け(誘い)もあり、サーフィンに初挑戦した。サーフィンの神様、ワイキキのデューク・ハナモク像の前で彼らと待ち合わせ。サーフボードを片手に颯爽とワイキキの浜辺を歩いているだけで、既に一端のサーファー気分だった。常に理論から入る僕の場合、インターネットでのサーフィンに関する知識の事前学習に余念はない。「ネットサーフィン」の甲斐もあり、初サーフィンで見事に波乗りに成功したのである。

ところで、天文学者にとって月は色々な意味で重要だ。月があると、その周辺(拳骨4個分ほど)の夜空は明るくなり、他の天体の観測に適さないし、逆に僕などは月そのものを観測対象にすることもある。一方、サーファーにとっても月は大切。月や太陽による潮汐力によって地球が変形し、特に流体である海は甚だしくその潮位を変化させ、波のコンディションは、周期29.5日の月齢によって大きく変わるからである。潮汐力は、天体の質量に比例し、天体からの距離の3乗に反比例する。月の重さは太陽の約3千万分の一だが、地球からの距離は太陽の400分の一なので、[3千万÷(400x400x400)=0.5] 太陽の潮汐力(太陽潮)は、月の潮汐力(太陰潮)のおよそ半分である。月と地球と太陽が直線方向に並ぶ新月と満月の時に両天体の潮汐力が重なるため、干満が一番大きい大潮となるのである。

先週末は、ハワイを去る前の最後の満月。夜11時、僕はワイキキ・ビーチの沖合300メートルの海上を、サーフボードに乗って漂っていた。満月直前の月が頭上高くに煌煌と照り、水面はキラキラと月の雫を不規則に反射する。ダイアモンド・ヘッドのシルエットが影絵のように聳え立ち、海底の珊瑚礁はスポットライトを浴びたミュージカルの舞台のようにエメラルド色に浮かび上がる。白波が時折通過する神秘的なアクアリウムの中に自分の体がとけ込んでいた。そんな神秘を作り出す38万キロメートル彼方の月では、今まさに探査機による科学合戦が行われている。日本の『かぐや(http://www.kaguya.jaxa.jp/)』、中国の『嫦娥(http://moon.jaxa.jp/ja/history/Chang_e/index.html)』、そして先週月に到着したばかりのインドの『チャンドラヤーン(http://moon.jaxa.jp/ja/topics/chandrayaan/)』らが、月の上空100〜200kmを飛来中だ。45億年前に形成された月の謎が、ようやく今、解き明かされつつある。そんなことを考えながら波に乗り、ハワイの月光浴を楽しんだ。

さて、ハワイを発って7時間近く経ち、日本列島が近づいて来た。日本での束の間の急速の後、明後日には台湾へ戻る。次回のハワイ滞在は、3-4月の2ヶ月間の予定。僕の旅は、まだまだ続く。。

追伸、この記事を機内で執筆し、そのままパソコン(Mac Book Pro)を飛行機の中に置き忘れてきてしまった。幸い、JALの迅速かつ親切な対応により、パソコンが無傷で戻ってきたのでここに記事をアップする。

Yokohama beachYokohama Beach Kakaako parkKakaako Park

Hanauma bayHanauma Bay Chinamans hatChinamans’ Hat

Diamond HeadDiamond Headと4ヶ月間使ったチャリ。

surf-1 surf-2波を克服し、ワイキキで初乗り。

RainbowRainbow-2Rainbow

TurtleTurtle at Northsore DuskDusk

UkuleleUkulele演奏曲は「Over the Rainbow」

Haleakara-1Haleakara-2Haleakala Observatory in Maui