レインボーサポートネットには、様々なマスコミからの取材依頼があります。
LGBTの事を記事にするにあたり、意見を求められたり、LGBTの当事者の紹介を求められたりします。
そうして記事にしてもらう事が、レインボーサポートネット(RSN)の知名度UPに大きく貢献するので、大変ありがたいことだと考えています。
最初は、記事が掲載された時点で満足していましたが、機会に恵まれるにつれ、実は、大切なのはその後の世間の反応だということがよくわかってきました。
新聞に掲載された記事は、インターネット上のニュース記事になったり、通信社の取材の場合は、様々なマスコミに記事自体が配信されて、私の知らないところで色々な媒体に掲載されて、受け手の目や耳に届きます。
次にその受け手の中には、その記事に良くも悪くも興味をそそられると、批評を発信する人達がいます。SNSや巨大掲示板などのインターネットツールを使って。
その批評は、様々な立場の人が、様々な気分で書いているので、これがまた非常に面白いのです。
中には、かなりキツイ内容の批判や揶揄、中傷や侮辱・差別表現などもありますが、インターネットだからこそ匿名で自分の深層心理や、実名を明かしては言えないような心の奥の感情を吐露しているものだと考えます。
RSNが当初マスコミに登場した頃の反応は、ほとんどが冷やかしや中傷でした。
しかし、年数が経つにつれ、ほんの5年足らずの事ですが、記事の内容を真剣に議論するような風潮がみられるようになってきました。
まだまだLGBTに対する風当たりは厳しいのが現実ですが、社会としてLGBTの皆さんの存在をどう受け止めていくのかという事について、存在自体の賛否両論を含めて本音で議論している様子は、私にとって貴重な意見の数々に思えます。
一般的に年齢が高い方ほど、LGBTに対する友好的な理解が得にくいという傾向がありますが、インターネットを多く活用する世代では、LGBTに対して一定の理解を示す方が増えてきているようです。
批判する人がいれば、それに反論する人がいて、さらに両方を客観的に見て批評する人がいるといった具合に、議論の過程がとても成熟しているように思えます。
字面だけを見ると、「便所の落書き」程度のものにしか見えないようなものもありますが、そこには何らかの意図があるわけで、その人物がなぜそのような書き方をしたのかと考えると、色々な見方ができます。
個人が情報発信を簡単にする事が出来る現在、見知らぬ誰かと意見を戦わせたり、多くの人の意見を知ることで、自分の意見をさらに完成したものにしていくことができ、それは理由なき偏見を是正してくれるきっかけにもなり得る重要なことだと思います。
全ての意見が、侮れぬ意見です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111116-00000842-yom-soci
今回はゲイカルチャーを追い続けて20年、元ゲイ雑誌編集部員でフリーライターのシャングリラさん(40歳男性・仮名)と中橋との対談です。
中「今回はディープな世界に迫る対談ということで期待しています(笑)」
シ「下品な方向には行かないように気をつけます(笑)」
中「昨今のゲイアダルトカルチャーの動向を教えて下さい」
シ「アダルトですか!?まぁ、私に期待される話題といったらそれしかないのかもしれませんが(焦)」
中「ゲイカルチャー=ゲイアダルトカルチャーと言っても過言ではない気がしますが?」
シ「それが全てではないでしょうけど、ニアイコール(≒)くらいかもですね」
中「そもそもゲイアダルトというのは、どういうものがあるのですか?固有のものはあるのですか?」
シ「ビデオとか雑誌や風俗店は一般のアダルトにもあるでしょうが、ゲイ固有のものとしては、ハッテン場というのがあります」
中「ハッテンというのは、行為が発展するという意味なんですよね?」
シ「諸説あるんですよ。行為が発展とか、出会いが恋愛に発展とか、発達した場所(都会的な出会い)とか、外国語説とか(笑)」
中「ハッテン場の話を聞いたことはありますが、一応法律家としては、違法性の強い場所だと思うのですが?」
シ「ハッテン場にも色々あります。確かに、全裸でウロウロしてて、あちらこちらで性交に及んでいるようなお店はヤバイかもしれませんね」
中「お店ということは、有料なんですね?」
シ「はい。基本的に有料です。入館料を払って入館します。でも、若い子だったり、ジムの会員だったりすると割引があるなど、料金体系はお店によって色々あったり、様々なイベントがあるなど、お店の特色がたくさんあって面白いですよ」
中「私のイメージでは、純粋な出会いの場というより、単にHするために行く場所の様な気がしますが?」
シ「そうですね。そのとおりだと思います。中には、ハッテン場で出会ってカップルになったような例もあります(笑)」
中「無料のハッテン場って、どういうシステムなんですか?」
シ「これは、公園とか浜辺とか、そういう特定の場所にゲイが集まっているんです。夜な夜な繰り広げられる秘密の集会みたいな(笑)」
中「かなり危険な感じがしますね」
シ「そうですね。ゲイ狩りの被害もありますし、そういう公共の場所で行為が発展すると捕まってしまいますね」
中「そのスリルが味わいたいのかもしれませんが、お勧めできませんね」
シ「ハッテン場と無縁なゲイもいるでしょうが、私の感覚だと、大多数のゲイはハッテン場通いの時期を経験していると思います」
中「シャングリラさんは卒業できたのですか?」
シ「はい。性欲の減退と共に… 歳のせいです(泣)」
中「そうですか(焦)でも、私としては、若いゲイの子たちのことを考えると、ハッテン場は根絶するべきだと思います」
シ「厳しいご意見ですね。不道徳だということですか?」
中「いえ、健康的な問題です。性病やHIVの温床になっているのではないですか? ハッテン場通いをして、後悔をしながら亡くなった若い方の死後事務をして、これは世の中から無くさなければならないと強く思いました」
シ「確かにそのリスクは多くあります。でも、本人の問題でしょう?自己責任ってやつ。危険性をわかって行くわけだから、そこはハッテン場の責任ではないでしょう」
中「基本的には自己責任です。でも、若い子の場合、若さゆえの欲望に負けて、つい通いつめてしまうケースもあると思います。年齢確認が不十分な場合には、未成年者でも行ってしまう可能性もあります。ゲイの仲間を守るためだという発想には至らないのでしょうか?」
シ「う~ん、でもハッテン場を無くしても、今は出会い系サイトなどで、簡単に相手を見つけることができます。そういうものも危険なものだと思いますよ。結局、未成年者の被害は止まらないのでは?」
中「少しでもリスクを少なくするという点では、ハッテン場を無くしていくことは重要です。それに、私としては、いつ摘発されてもおかしくない違法な場所だと思っています」
シ「違法っていうのは、風俗営業の許可を取っていないハッテン場が多いという意味ですか?」
中「そうではなくて、そもそも、お金を払えば誰でも入れるような場所で、周りに見えるように性行為を行うことは、お客さんは公然わいせつ罪に問われるでしょうし、お店はそれをわかって営業しているのですから、公然わいせつの幇助罪に該当する可能性があります。健康被害のリスクだけではなく、犯罪者になってしまう可能性すらあるのです」
シ「お金を払って、店の中で行為に及んでも違法なんですか!?」
中「そうですよ。当たり前のようにゲイアダルトカルチャーの中にはハッテン場が存在するかもしれませんが、これからは、排除していく動きをしないと、ゲイのLGBTの権利擁護運動にも悪影響を与えると思いますよ」
シ「厳しいですね。何だか差別されている気分になります」
中「差別ではないですよ。むしろ、ゲイの皆さんの健康を守り、最低限必要な道徳倫理を守るためじゃないですか。こういうハッテン場の存在が、ゲイが単なる変態扱いされる一因にもなっているのではないでしょうか?」
シ「なるほど。でも、なかなか難しいでしょうね。ハッテン場をこよなく愛するゲイが多いのは事実です。ビジネスとしても、全国各地に有料ハッテン場は多く存在しますし、ゲイメディアに広告を多く載せているお得意様である以上、ゲイの世論構成をリードするようなゲイメディアがハッテン場を否定するような記事を掲載することは考えられません」
中「ゲイメディアがアダルト系に偏っているのも残念ですね。いわゆる大人の事情で、ゲイにとって本当に有益な情報が発信されないとしたら、それは非常に罪深い事です」
シ「ビデオ会社やハッテン場が摘発されるたびに、どちらかというと不当な弾圧だというスタンスで捉えている人の方が多いと思います」
中「私としては、少なくとも法に反するようなゲイアダルトカルチャーは、どんどん摘発されてしかるべきだと思います」
シ「その結果、何も残らなかったら怖いですが(焦)」
中「そんな事はないでしょう。現に摘発は始っています」
シ「えっ!そうなんですか!?」
中「LGBTの権利擁護運動を推進していくためには、まずはそれに見合った義務を履行していく必要があります。ゲイ風俗業界と言えども、ヘテロセクシャル(両性愛者)風俗業界と同じレベルでの規制を受ける必要があります。LGBTの権利擁護運動を推進している人達は、ようやくそれに気付き始めたようです。これは、政治レベルでのステージに話が進展し始めた証拠でもあります」
シ「襟を正せってことなんですね」
中「そうですね。もうそろそろ、野放しとはいかなくなってくると思いますよ」
シ「ハッテン場を経営する夢は諦めます(焦)」
中「夢を潰してごめんなさい。でも、もっと大きな夢を持って下さいね。シャングリラさんの大切な仲間たちのために、正しいゲイカルチャーの発信をしていって下さい。期待しています」
シ「ありがとうございます。頑張ります!!」
LGBTについて正しい理解をするのは、なかなか難しいものです。しかし、明らかな誤解は避けたいものです。
以前、レインボーサポートネットの活動が新聞に載った際に『性的少数者の法的手続支援・よろず相談』と見出しが付けられていました。LGBTはセクシャルマイノリティ=性的少数者であるので、見出し自体は間違っていないのですが、それ以降レインボーサポートネットの寄せられる相談の中に、LGBTとは無関係な相談が時折寄せられるようになってしましました。
◎「小●生にしか性的興味が持てません。どうしたら良いでしょうか?」(30歳・男性)
◎「全裸で露出しても捕まらない公園とかありませんか?」(46歳・男性)
◎「動物と性交してみたいのですが、おすすめの動物と安全な方法を教えて下さい」(27歳・男性)
◎「実の兄と恋愛しています。妊娠したので、どうにか結婚する方法はありませんか?」(21歳・女性)
◎「性器を傷つけられると興奮します。かなり原形を留めていないので治療する病院を教えて下さい」(50歳・男性)
◎「男性を緊縛し猿轡をさせて罵倒しないと性的に興奮しません。私は精神の病気でしょうか?」(39歳・女性)
◎「女性の排泄行為に興奮します。でも最近、同性の排泄行為にも興奮するようになりましたが、私はゲイですか?」(40歳・男性)
◎「彼氏の足の指の間の匂いを嗅ぐと性的に興奮します。彼氏にバレそうで怖いのですがカミングアウトするべきでしょうか?」(20歳・女性)
◎「長靴が好きです。ツルっとした質感に興奮します。自慰行為に長靴が欠かせません。将来心配です」(18歳・男性)
◎「二次元の男子にしか興味持てません。このまま恋愛も結婚も無理でしょうか?」(22歳・女性)
◎「アニメ●●●●の主人公の妹のレイラちゃんと結婚したいです。真剣です。手続きお願いします!!」(26歳・男性)
◎「首を絞められながらの性行為が止められません。万が一死亡しても相手が罪に問われないような手続きはありませんか?」(42歳・女性)
◎「肛門性交に最も興奮します。男性ともしてみたいと思うようになったのですが、男性と経験したらゲイになるのですか?」(26歳・男性)
◎「夫との性交中に、元彼も含めて3人で性交をしていると想像すると凄く興奮します。不倫になりますか?」(24歳・女性)
◎「乱交したいです。どうしたらできますか?」(35歳・男性)
上記は、実際の相談メールの内容をオブラートに包んで抜粋したものです。
人間という生き物は、奥が深いですね。性衝動というのは、人間も含めて生物にとって本能として備わっている大変重要なものです。
我々の存在自体が、性衝動・性行動の結果を示す確たるものであるのであって、決して禁忌な事柄ではないはずです。
さて、上記の相談ですが、おそらく彼らは「性的少数者」としての自負があり、その相談にのるはずのレインボーサポートネットにメールを送信したのでしょう。
果たして彼らは、LGBTと同じような性的少数者なのでしょうか?
確かに、マイノリティであることは事実であり、それが性衝動や性行動に基づくものである以上、性的少数者と言えるでしょう。
だとするならば、彼らは、LGBTと同じ分類としても良いのでしょうか?
ここで、その区別のために使われているのが、「性的指向」と「性的趣向」です。
セクシャリティの分類には、性的指向という概念が使われ、性衝動や性行為の内容の区別には、性的趣向という概念が使われます。
例えば、ヘテロセクシャルにもゲイにもレズビアンにもSM好きな人はいるでしょうし、性的趣向の区別にはセクシャリティの概念は影響しません。
つまり、性別の区別に着目した性交対象や恋愛対象の選択、自己の性自認の選択の概念が「性的指向」=「セクシャリティ」であり、SMだとかスカトロだとかいったものは「性的趣向」と考えるのです。
ここまで考えると、「性的少数者の相談」という見出しであるならば、レインボーサポートネットは、性的趣向におけるマイノリティである性的少数者の相談にも応じているということになりますね。
上記のメールの相談者の方の多くには、丁重にお断りのメールをさせて頂きました。
性的指向の研究も難しいですが、性的趣向の研究となると、もっと難しいかもしれません。
反社会的な性的趣向は許されませんが、人に迷惑をかけない性的趣向であるなら、案外たいていの人はいわゆる「フェチ」としてもっているのかもしれませんね。
ゲイのAさん(35歳)は、Bさん(32歳)と付き合い始めて2ヵ月が過ぎました。
価値観や趣味が合い、お互いに長い付き合いができるパートナーなのではないかと思い始め、周囲の仲間たちも認めるベストカップルになっていました。
ある日、AさんとBさんは、お互いの過去について赤裸々に告白し合い、恋愛遍歴についての話になりました。
お互いにそれなりの年齢なので、たいていの過去は問わないという暗黙の了解のもと、過去の恋人の話に花を咲かせていました。
ところが、AさんがBさんに、ある男性(Cさん)の話をした瞬間、Bさんの表情が凍りつきました。
実はCさんは、過去にBさんが好意を寄せていた人で、肉体関係はあったけれども、妻子持ちということで恋愛関係は断られたというのです。
Aさんは、CさんとBさんが関係を持った同時期に恋人であったわけですが、妻子持ちとは知らなかったとのこと。
二人とも、「エ~!!」と顔を見合わせてしばしの沈黙の時が流れたそうです。
なんと、この件がきっかけでAさんとBさんは気まずくなってしまい、結局別れてしまいました。
AさんとBさんは、それぞれの過去の男であるCさんのために、現在のパートナーを失う憂き目に遭いました。
ゲイやレズビアンの方の中には、恋愛経験が尋常でないほど豊富な方が多くいらっしゃいます。
恋愛だけでなく、肉体関係の相手も数えると、もう数えきれないという人も多いでしょう。
過去を捨てて、今を生きているという心づもりでも、AさんやBさんのように自分の都合だけでは捨てられない過去もあるということを少しは意識して欲しいです。
そして、世間は狭いということ。。
ゲイやレズビアンの世界はまだまだ狭いです。
また、Cさんのような人が、実は多くいるのも事実で、「裏の顔」的にLGBTの世界に潜り込んでいる場合がよくあります。
カミングアウトすることが『善』とは限りませんが、同じセクシャルマイノリティを騙して、弄ぶことも少なくありません。
「既婚でゲイ」とか「既婚でビアン」ということも、理屈的には間違っているようですが、実在します。
こうした人をバイセクシャルと呼ぶべきなのかは、正直わかりません。
ただ、AさんやBさんの様に、既婚の相手に騙されるいうケースは多いです。
どうせなら既婚者は既婚者同士でくっついた方がマシだと思いますが、既婚者であることをオープンにしている人はほとんどいないようです。
真剣にパートナーを探しているゲイやレズビアンが、魅力的な既婚でゲイ(orレズビアン)の遊び人と出会ってしまう場合が一番危険なようです。
中には、そうした「日影の恋」を望んで、既婚者とお付き合いをする人もいるようですが、リスクは相当あるでしょう。
身も心もドップリとLGBTの世界にはまっている人と、遊びでしかない人とが混在しているという現実。
ある若いゲイの子が言っていた言葉を思い出しました。
「将来的には結婚して子供が欲しいので、ある程度の年齢になったらゲイを卒業します」
私は、LGBTの人と接するようになって、この分野の事を様々な本や情報で勉強してきました。
でも、そうした勉強の中では、前述のような若い子の感覚は理論的に説明できません。
だからころ、セクシャリティの区別がナンセンスに思えてくるのです。
恋愛としてのセクシャリティと、性的衝動としてのセクシャリティを分けて考えるような人もいます。
曖昧な中に、それぞれ個人個人のルールがあって、それを体系的に説明するのは難しいのです。
単に、バイセクシャルな人が増えているだけなのではないか?と思ったこともあります。
でも、それを結論にしてしまうには、少々違和感があります。
セクシャリティというのは、L・G・B・Tとヘテロセクシャル(異性愛者)を、それぞれ明確にぶった切って考えられるものではなく、境界が曖昧な部分を誰しもが先天的に持っているのではないかとも思うのです。
それが、後天的な環境や教育などで凝り固まってしまう人と、ある程度曖昧な要素を持ったまま育ち、行動に現わしてしまう人がいるのではないかと。
トランスジェンダーや性同一性障害については、遺伝子のレベルで何らかの変化がみられるようなレポートが発表されていますが、ゲイとレズビアンとバイセクシャルについては、私の曖昧理論がもしかしたら当てはまるのかもしれません。
久々に『困った相談』をご紹介したいと思います。記憶が確かなら、多分パート2です。
レインボーサポートネットには、LGBTの恋愛に関するご相談も時折寄せられます。過去のご相談の経験則などでお答えできるものについては、回答をしていますが、全く歯が立たないものもあります。
「好意を寄せている親しい友人がいるのですが、向こうも私に対して好意があるように思います。どうやったら恋人として付き合えるようになりますか?(大学生・レズビアン)」
だいたい、こんな感じです。さて、読者のあなたならどう回答されますか?
まず、前提として聞いておかなければならないことがいくつかありますね。
- レズビアンであることを相手に対してカミングアウトしているか?
- 相手はレズビアンなのか?ヘテロセクシャル(異性愛者)なのか?不明なのか?
- 相手から感じ取れる好意とは具体的にどういうものか?
こういう悩みというのは、セクシャリティを問わず存在するでしょう。但し、ゲイやレズビアンの場合、好意を寄せる相手がヘテロセクシャル(異性愛者)であれば、相手からするとそもそもの恋愛の対象ではない友人としての親密さが仇になってしまったような感があるわけで、告白されると一気に疎遠になってしまったりして、友情すら断ち切れてしまう場合が少なくありません。
LGBTの皆さんにとって、友人として親しい関係になっているヘテロセクシャルに愛の告白をするというのは、相当な覚悟が必要です。友人としてとてもいい人だし、趣味も合うし、きっと自分の事を受け入れてくれると思っていたら、逆に思いっきり反発をされて、大変辛い思いをしたという方が多くいらっしゃいます。
恋愛的な告白に限らず、ヘテロセクシャルの親友に、LGBTであることをカミングアウトしたら、相手から友人関係自体を断絶されたというケースもあります。
カミングアウトする側の立場のことはよく語られますが、カミングアウトされる側の立場の事を考えることも重要です。
それまで親友だと思って付き合っていた相手が、ある日突然、愛の告白をしてきたら…
その先にマンガやドラマのような展開になるケースは、滅多にない気がします。
大多数のヘテロセクシャル(異性愛者)の愛の告白は、「当たって砕けろ!!」精神で失敗してもある程度美化されますが、LGBTからヘテロセクシャルへの愛の告白は、当たって砕けろ!!とは簡単に言えないのです。
中村中の曲に「友達の詩」という曲がありますね。まさにこういう状態や心境を表した曲だと思います。
色々考えていると、LGBTはLGBT同士で恋愛すれば問題は解決するではないか!!ということを思いついた事があります。いや、よく考えると、例えば同性同士で恋愛するようになった段階で、それはもうヘテロセクシャルとは言えないわけで、という事は、そもそもヘテロセクシャルとの恋愛を想定すること自体がナンセンスなのか、LGBTからヘテロセクシャルへの愛の告白が成功するパターンというのは、ヘテロセクシャルだと思って日常生活をしている人に対して、LGBTであることを気付かせてあげたということなのか…
そもそも、LGBTとヘテロセクシャル(異性愛者)との恋愛は成立するのかという大命題に突き当たるのです。
性的指向が違う者同士が、果たして恋愛関係になれるのでしょうか?性的関係がなければ可能なのか?いやしかしそれは、親友とどこが違うのか?
LGBTとひと括りにしていますが、LG(同性愛者)の場合と、B(両性愛者)、T(トランスジェンダー)の場合では、それぞれ事情が異なってくるのも事実です。
結局、セクシャリティの分類というのは、そこを起点に考えてしまうと、理屈が合わない事態も生じるということです。ノンセクシャルと主張する人が増えてきているのも理解できます。
今回は、中橋とマスコミ関係者の瀬田さん(仮名・年齢性別秘密)の対談です。
中「今回の対談は、マスコミ関係者の方との対談をしたいという私の願望から実現したものですが、最初に何か注意点はありますか?(笑)」
瀬田「まず、氏名年齢性別やどういった種類のマスコミ関係者かは秘密にしてもらって、万が一、発言の中で実在の会社名や人名が出た場合には、ピーを入れてもらいたいです(苦笑)」
中「記事なので、ピーは入れらませんが、墨塗りみたいにしますね」
瀬田「あぁ、そうか。ピーは意味無いですね(笑)」
中「瀬田さんは、ピーを入れるのに慣れているかもしれませんが、私は慣れていませんよ」
瀬田「そういうツッコミは止めましょう(焦) あぁ、取材されるのに慣れてないなぁ私」
中「ちょっと意地悪でしたね。さて、話題を変えて、私がマスコミの方と対談をしたかったのは、取材をする側の人達が、LGBTについてどういう問題意識をもっているのかとか、マスコミの内部でのLGBTに対する認識を伺ってみたかったのです」
瀬田「それは、大半のマスコミの内部の人間は、一般の方と何ら認識は変わらないと思いますよ。もちろん、社会的な問題に対して意識を研ぎ澄ましているような記者は、LGBTが抱える問題に関してもよく勉強をして正しい認識を持っているかもしれませんが、それはやはり一部の人間であって、正直言って、ただ単にセンセーショナルな話題を作り易い分野のことであるとしか思っていない人が多いと思います」
中「センセーショナルな話題を作り易いとは?」
瀬田「マイノリティとして生きていくことは、多くの困難にぶつかるわけですよね。仕事や家庭で、そういった困難をどう乗り越えていくのかとか、乗り越えられずに挫折してしまうとか、そういう姿そのものがセンセーショナルに映ると思うんです」
中「それを報道することが、話題になると?」
瀬田「そうですね。一般人にとっては、非日常な話なわけですよ。確かに、一定の割合でLGBTの方々が存在するというのはわかります。しかし、仕事や家庭に身近にいるという人はまだまだ少ないでしょうし、自分の知らない世界の話として、ある意味、好奇心の刺激的な要素もあると思うんです。また、大変申し訳ないですけど、一種の不幸話に耳を傾けたいという人は多くいます」
中「確かに、身近にLGBTの人がいない方にとっては、全くの他人事に過ぎないでしょうね。でも、不幸話というのは、あんまりかと…」
瀬田「LGBTであるということ自体が不幸であるというのは偏見だと思いますから、それは倫理的にいけないのでしょうが、LGBTの方が困難に遭遇しているという状況自体を不幸話として興味をそそられるのかもしれません」
中「幸せなLGBTの話はウケが良くないわけですか!?」
瀬田「う~ん、現状ではそうでしょうね」
中「そもそもマスコミが、LGBTを取り上げる意味は何ですか?」
瀬田「結局のところ非日常だと思うんですね。その非日常さからくる独自の視点や所作そのもの等、時には滑稽に映るでしょうが、ある意味新鮮なんです。報道にせよ、バラエティーにせよ、そういうマイノリティの姿を映し出したり、記事にすることは、大衆の興味をひくのです。LGBTのことを、好きとか嫌いとか、そういう意識を持ってもらうこと自体、ある意味、マスコミの術中にハマってもらったということなのかもしれません」
中「報道にせよ、バラエティーにせよ、LGBTの人やその話題が登場することは日常的になってきました。そのことで、存在の認知度は上がっていますが、彼らの権利については何ら制度的な進展はありませんし、むしろ、誤解や偏見を助長しているような場面も見受けられます。私が危惧しているのは、結局、見世物にさせられて終わっているのではないかということです」
瀬田「そういう解釈も成り立つと思います。ただ、タレントは、見世物になることを自ら志願して出演しているわけですから、それを悪だとすると、彼らの仕事が無くなりますよ」
中「確かにそうですね。どうも彼らはあまり、LGBTの権利擁護云々については、きちんとした発言をしていないように感じます。そういう趣旨で出演しているわけではないからでしょうが…」
瀬田「LGBTと思わしきタレントさんが、必ずしもLGBTの権利擁護運動の旗を振っているわけではありません。そうした意識について、詳しく擦り合わせた上で、報道や出演しているわけではないでしょう」
中「LGBTに関する社会問題、例えば、同性婚やパートナーシップ制度について、大々的に報道するということはあまりないような気がしますが? というか、報道されても、一時的で長続きしませんよね?」
瀬田「そうですね。この問題は非常に微妙な問題なんです。私自身、こうした問題を取り上げるにあたって、上司から激しく反対されたり、同僚から好奇の目で見られたりしました。一人のマスコミ人として、確固たる信念が無いと取り組みにくい問題なんです」
中「同じようなお話しは、他のマスコミ関係者からも聞いたことがあります」
瀬田「マスコミも一般の会社と変わりません。LGBTを毛嫌いするような人が上の立場にいたら、真面目な報道として扱うことは難しいでしょう。バラエティーなら別でしょうけど」
中「なるほど。やはりそうでしたか」
瀬田「LGBTの権利擁護運動は、マスコミが主導することは、絶対にあり得ません。当事者の皆さんが団結して取り組むことが一番大切でしょう」
中「そうですね。日本でもいつかそういう動きが活発になる時が来ると思います。その時には、正しい報道をして下さいね」
瀬田「私ごときが全マスコミを代表するのもなんですけど、しっかり勉強して報道しようと思います」
中「今日はありがとうございました」
瀬田「こちらこそ」
就職活動のことを「就活(しゅうかつ)」、結婚に向けての活動を「婚活(こんかつ)」と言いますが、昨今、人生に終焉に向けて準備することを「終活(しゅうかつ)」と言っています。
少し前までは、「老いじたく」という言い方をしていましたが、今では「終活」という言い方が主流になっています。
終活は、誰しも訪れる人生の終焉の時にあらかじめ備えるものです。その「備え」とは、様々な手続や意思表明をすることにより、その時が訪れた際に、予め本人がしておいた準備や意思表示に沿って事をすすめるというものです。
具体的には、エンディングノートを書くことによって本人が誰かにメッセージを遺したり、葬儀の方法や供養の様式に関する希望の表明、遺言書を作成することによって自分の財産を誰にどのように遺すのかを決めたり、心身が不自由になった時に備えて自分の財産を管理してくれる人を予め指定する任意後見制度を利用するなどの方法があります。
終活の内容は、個人によって大きく異なります。自分にとって何が必要なのか、何から始めていいのか、それを明らかにしてくれるのがエンディングノートです。大きな書店に行けば、様々な種類のエンディングノートが売られています。自分に合ったものを選んでみて下さい。こちらの通販サイトも参考にしてみて下さい。
将来的に自分の子供を持たないであろうLGBTの皆さんにとっては終活は、昔から、一定の年齢になると、自発的に考える人が多いものでした。
しかし、東日本大震災で、いつ何時人の命は尽きるかわからないという現実を目にし、若いころから終活をする人が増えてきました。
レインボーサポートネットにも、遺言書に関する相談が東日本大震災以降増えています。
大切な人に何を遺してあげることができるのかを、真剣に考える人が増えているようです。
「今が良ければそれでいい」という考え方は、今の日本では少数派になりつつあるようです。
自分と自分を支えてくれている大切な人のために、終活は様々な個人的事柄に向き合わせてくれる人生の総括的な要素を持っているようです。
毎日暑いですね。猛暑を通り越して、まさに酷暑!!
お盆の時期を迎えたというのに、全く涼しくなる気配がありません。
お盆と言えば、故人を偲ぶ時でもあります。
LGBTの方と関わり始めて6年になりますが、病気などでお亡くなりになったLGBTのお客様が10数人いらっしゃいます。
その中には、ご家族が手厚く供養されておられる場合もあれば、亡くなった後も親族から疎外されている場合、生前の友人たちによって毎年故人を偲ぶイベントが開かれている場合など、さまざまなパターンがあります。
人は、生きている間に行った全ての事が、その人の死後にも影響します。
もちろん、本人は既に他界していますから、本人への影響というわけではなく、親族や友人に対しては、人間関係は死後もなお影響し続けるのです。
セクシャルマイノリティに限らず、万人に好かれようとする生き方は難しいものです。そこで、少なくとも自分のごく近しい人には、自分を好きになってもらいたいと考える人が大半でしょう。
しかし、そのごく近しい人々に、どんな努力をしても自分を受け入れてもらえなかったとしたら、それはどんなに悲しいことでしょうか。
しかも、受け入れてもらえない理由が、自分の努力では変えることのできない、生来の事象だとしたら、その絶望感は筆舌に尽くしがたいものがあるでしょう。
「セクシャルマイノリティ(LGBT)が、なぜ、セクシャルマイノリティであるのか?」つまり、なぜ、少数派である彼らは存在するのか?
その答えは、医学的な観点からの解明が少しずつ進んでいるように思えますが、少なくとも、自分で選択してLGBTになったわけではないし、少数派になりたくてなっているわけではないということを、多くの人が認識しなければなりません。
「僕はなぜ、FTMに生まれたのでしょうか? その答えを聞くために、神様のそばに行ってきます」
そう遺書を書き残して亡くなったFTM(身体的には女性だが、性自認は男性である人)のある方を、私はこの時期になると思い出します。
彼は、求めていた答えを見つけられたのでしょうか?
生きることの疑問は、生きながら考えて欲しいと思います。おそらくそれが、『生きる』ということだからです。
合掌
LGBTの皆様にご案内です。
LGBTの当事者の皆さんの有志が集まって、様々なテーマで勉強会をしている『LGBTライフ研究会』という団体があります。
一昨年の夏に、「LGBTのための老いじたく教室」というテーマで講演をさせて頂いたことがきっかけで、メンバーの皆さんとの交流が始まり、その後も勉強会に何度か顔を出させて頂きました。
LGBTが生きていく上でぶつかる様々な諸問題をどう解決して乗り越えていくのかということについて、真剣に議論と研究を重ね、このほど、『友情結婚』について、その方法に関するバイブル的なマニュアルが完成したのことで、それを世に出す方法についてご相談を受けておりました。
そこで、LGBTの権利擁護運動に協力的な企業の協力を得て、その企業が運営する動画配信サイトで、PDFダウンロード販売という形で、このマニュアルを販売する運びとなりました。
私としては、友情結婚はリスクが高いので基本的には反対の立場であります。しかし、それでも挑もうとする当事者の方々が多くいらっしゃるのも現実なわけで、このマニュアルがそうした皆さんの心構えと、間違った友情結婚防止のためのアイテムにもなり得るものではないかと考えます。
当事者でここまでの成果物を作り上げたという、LGBT研究会のメンバーと、リーダーの真山氏に敬意を表しながら、読者の皆様にご紹介申し上げます。
なお、下記のリンクにて、販売サイトを閲覧できますが、アダルト動画配信サイトであるため、18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。また、主にゲイ向けのアダルト動画配信サイトであるため、その点を十分にご留意の上、閲覧して下さい。
今回は、中橋とLGBT向けアダルトショップ経営者のKさんとの対談です。
中「ありきたりですが、景気はどうですか?」
K「ありきたりな返事ですが(笑)、厳しいですね~。雑誌もDVDも売れ行きが鈍いです」
中「やはり不景気のせいでしょうか?」
K「それもあるでしょうが、時代の流れといった要素も多いでしょうね」
中「時代の流れですか?」
K「昔…といっても、ほんの10年くらい前までは、特にゲイの人たちは、ゲイ雑誌で業界の情報をつかんでたんだけど、最近はインターネットが普及したおかげで、そういう媒体としての機能を雑誌に求めなくなったんだよね」
中「ゲイ雑誌で業界の情報って何ですか?」
K「まず、出会いね。文通欄みたいなのがあってね、そこで出会うわけ。そして、地域別のインデックスみたいな感じで、飲み屋とかゲイ向けの風俗店の情報なんかもあって、DVD…いや当時はビデオだね(苦笑)のグラビア広告があって、とにかく情報の宝庫で、毎月の新刊が待ち遠しかったものなんですよ」
中「今はもう、そういう役割を果たさないのですか?」
K「今でもそういう役割も担えるんだろうけど、インターネットに利用者が流れちゃって、売れないんだよね。昔みたいには。。」
中「電子書籍とかの時代ですしね。ゲイ向けの雑誌に限った事ではないと思いますが、出版業界は厳しいんですね」
K「電子化は、DVDにも影響してますよ。今や全盛は、インターネットからのダウンロードによる動画販売だからね」
中「なるほど。そうでしょうね。私の顧客の動画配信会社さんはここ数年でビックリするくらい成長しましたよ」
K「DVDが好きな購買層もいるので、完全にダメというわけではないけれど、将来的に良い展望はなかなか持てないね」
中「アダルトグッズはどうですか?」
K「アダルトグッズは昔より売れてますよ。最近は、そっちの方もハイテクでね(笑)昔に比べて質の良い商品がたくさんあって、バラエティーに富んでますよ」
中「そちらの方も進歩しているのですね」
K「時代の移り変わりと共に、売れる商品も変わるし、客層も幅広くなって、業界の間口自体は広がったように思いますよ。その分、競争も激しいですけどね。」
中「確かにアダルト商品を売るお店が増えているように思いますね。風俗街にある小さな商店というのは少なくなったのかもしれませんが、郊外に大型店が建ってたりしますね。でも、LGBT向けではないんでしょうね」
K「いやいや、それがそうではないんですよ。郊外の大型チェーン店なんかで、LGBT向けの商品も扱ってる所が増えてるんですよ。もちろん、専門店並みというわけではないけれど、主要ゲイビデオメーカーの作品は売っていたりするわけです」
中「へぇ~。競争相手が増えて困りますね?」
K「そうです。困ります(焦)でも、専門店としては、そういう大型店では手に入らないような、マニアックなものを取り揃えたり、グッズに関しては海外に仕入れに行ったりして、研究を重ねていますよ」
中「経営努力をされているのですね。アダルトグッズと言えども、商品開発から販売まで、様々な苦労があるわけですね」
K「商売ですからね。いたって真剣ですよ」
中「今後もLGBTの皆さんのリクエストに応えるお店として頑張って下さい」
K「ありがとうございます。がんばります」